PROJECT STORY
プロジェクトストーリー
DX化推進プロジェクト
行政機関のアナログ業務をデジタルへ。
Power Platformを活用したDX化で業務効率と利便性の向上を実現
今回紹介するのは、行政機関のDX化を推進したプロジェクトだ。MicrosoftのPower Platformを活用してオンライン申請システムを開発し、従来紙で行っていたやり取りをデジタル上で行なえるようにする。行政機関のデジタルへの移行を支援し、業務効率化だけでなく、申請者の利便性を大きく向上させる意義のあるプロジェクトだ。
本プロジェクトに携わったのは、パソナのPower Platformチーム。ユニットは2つに分かれており、難波氏・中島氏がユニットリーダー、菅家氏が両ユニットを束ねる統括リーダーを務めた。
今回は本プロジェクトの中心に立ち、指揮をとった3名を迎え、本プロジェクトの背景やパソナが任されるに至った経緯、開発中のエピソードなどを語ってもらった。
INTERVIEW MEMBERS
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菅家 英人 KANKE HIDETO
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2014年入社。
2020年にPower Platformチームに
ジョインし、2ユニットを統括する
サブリーダーを務める。
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2014年入社。
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難波 次利 NANBA TSUGUTOSHI
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2021年入社。
入社当初から
Power Platformチームに
所属し、
今回の行政機関プロジェクトに
おいて
ユニットリーダーを務める。
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2021年入社。
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中島 祐也 NAKAJIMA YUYA
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2018年新卒入社。
入社後はパソナの
基幹システムの運用に
従事し、その後
Power Platform チームの
ユニットリーダーとして活躍。
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2018年新卒入社。
月数千件の紙のやり取りを不要に。
オンライン申請システムをPower Platformで開発
日本国内で建築物を建てる際は、法に則り審査・確認・稟議を行なう必要があるが、その申請数は月数千件にものぼる。従来、これらはすべて紙で行なわれており、処理に多くの時間と手間がかかっていた。また申請する側にとっても、申請に不備があった際に郵送での再提出が必要になるなど、利便性が高いとはとてもいい難かった。
こうした課題を打破するため、一連の業務をDX化、デジタル化し業務改善と利便性向上を目指したのが本プロジェクトとなる。
- 菅家氏
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例えば家を建てる際は、法の基準を満たしていることなどをまとめた書類を提出する必要があります。今まではすべて紙で行なっていたため、申請された書類で段ボールがいっぱいになることもあったようです。この書類の申請や承認の作業をデジタル化する、というのが本プロジェクトの概要です。
電子化することで、書類を処理する側の業務効率を上げるだけでなく、申請側も書類の不備があってもすぐに再提出できるため大きなメリットがあります。もちろん紙を使わなくなるためSDGsの観点からも意義があるプロジェクトです
受注の決め手は “柔軟性”。
豊富な開発実績や経験に裏付けされた提案内容も強み
本プロジェクトは、開発ツールとしてMicrosoftのPower Platformを採用することが初めから決まっており、そのなかで公募が行なわれた。複数社の入札があったが、そのなかで選ばれたのがパソナだ。
パソナが選ばれた理由はどこにあったのだろうか。その理由を菅家氏はこう分析する。
- 菅家氏
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選ばれた理由は3つあると考えています。一つは、Power Platformの開発実績。パソナでは Power Platformの事業部が2019年から発足しており、これまでに多くの実績を積み上げてきました。そうした経験を買っていただけたのだと思います。
もう一つは、提案内容。これはノウハウがあったからこそですが、Power Platform開発における人員配置や開発体制において、経験に裏付けされた適切な内容でのご提案ができました。
そして最後に「柔軟性」です。受注前から非常に細かいところまで仕様を固めて進めるやり方もありますが、我々はお客様に寄り添っていけるよう柔軟性を重視しました。お客様とコミュニケーションをとりながら仕様を決めていき、ご要望に対してフレキシブルに対応する姿勢でのぞみます。この柔軟性は開発中もお客様から一定の評価をいただけていて、私達の強みだと考えています
民間企業とは異なる難しさ。チームの連携力でプロジェクトを完遂
本プロジェクトでは、申請書類の開封システムと、承認システムの2つをパソナが開発。それぞれのシステム開発ユニットのリーダーを担う難波氏と中島氏がおり、全体を菅家がまとめている。
携わったコアメンバーは10人。全体としては15名ほどの構成となり、若手とベテランの混合チームだ。メンバーは福岡や大阪、東京など全国各地からリモートで開発に参加。ベトナムからもメンバーが参戦している。
- 中島氏
- 対面でお会いしたことのないメンバーもいますが、やりにくさは感じませんでしたね。パソナはリモートでの業務を早い段階から採り入れていたのでリモートに慣れていました。Web会議ツールやチャットを使いながら基本的にはリモートを中心として開発を進めていきました
ただ、Power Platformだからこその難しい点もあったと言う。例えばクラウドサービスであるため、アップデートが自動的に行なわれてしまう点だ。
- 難波氏
- 自動でアップデートされてしまうため、開発中のUIや仕様が変わってしまうことがありました。やろうとしていた画面設計や機能に影響することもあり、そのたびに最新情報をMicrosoftに問い合わせをして検証します。場合によっては軌道修正を行なう必要にも迫られました
さらに、開発中にPower Platformだけでは解決できない課題が生じた際は、他のMicrosoft製品を使用したり、他のチームと連携したりしながら解決していったとプロジェクトメンバーは振り返る。
また、行政機関によるプロジェクト特有の難しさもあったと管家氏は話す。
- 管家氏
- 多くのドキュメントの提出が必要となる点も大変でした。これは行政機関ならではですね。また、より良いものにするために、開発中に新たな要件も多数追加していきました。スケジュールのない中で突き詰めて実装したので大変でした。ただ、柔軟性は私たちの強みの一つですから、チームワークを発揮して乗り越えました
大変なプロジェクトではあったものの、最終的にクライアントからも非常に喜ばれたという。
Power Platformの開発を中心にさまざまな横展開も。幅広い開発に携われる点が大きな魅力
システムはすでに稼働しており、今は追加改修やシステムの運用保守がメイン業務となっている。また、他の自治体などからの問い合わせも増えてきているという。
- 管家氏
- 行政のデジタル化は推進されて久しいですが、多くの自治体がいまだアナログで行なっているのが実状です。ただ、今回のプロジェクトも追加開発などをいただいていますし、他の自治体からの問い合わせも増えています。我々は実績やノウハウが豊富にありますから、デジタル化・DX化については今後もお手伝いしていきたいですね
最後に、パソナへの入社を検討している方に対してそれぞれにコメントをしてもらった。
- 中島氏
- 私は今回ユニットリーダーを任せて頂き、責任を持つことのプレッシャーを感じることも多くありましたが、ミスや不安な部分は早めにチームに共有することでプロジェクトとして成功しましたし、自信にもつながりました。チームで一体感を持って大きなプロジェクトを動かす楽しさがあるので、興味がある方はぜひ飛び込んでほしいと思います
- 難波氏
- Power Platformはプラットフォームという名前のとおり、さまざまな開発ツールを備えています。Power Pages、Power Automate、Power Virtual Agentsと多くのツールを使うことができるので、奥が深いです。Microsoftの他のサービスとの親和性も高く、連携して開発すれば大規模なものも作れます。Power Platformに少しでも興味があれば、やりがいのある開発環境だと思います
- 管家氏
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チームには幅広い年齢層やスキルを持ったメンバーがいて、わからないところも相談し合いながらみんなで解決しています。チーム一丸となって大きな、社会的にも意義があるプロジェクトに携われるのは他にはない魅力ではないでしょうか。
チームとしてはPower Platformの案件が大きい割合を占めますが、他にも民間向けのDX人材育成(ハンズオン研修)や内製化支援サポートなども行なっています。さまざまな業務やプロジェクトを経験しながら一緒に成長していけたらと思います。門戸は広く開いていますので、興味を持った方はぜひ飛び込んできてください。