PROJECT STORY
プロジェクトストーリー

Femtechアプリ開発プロジェクト

女性の日々の悩みをテクノロジーで解決。
妥協のない開発姿勢で想いを具現化

ライオン株式会社とともに、女性向けヘルスケアアプリを開発した「Femtechアプリ開発プロジェクト」。“考え方のくせ”を変えるための心理療法「ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)」の考え方を取り入れたコンテンツを配信し、不安定になりがちな女性の心をサポートするアプリだ。
今回は、アプリの開発プロジェクトを率いた香川祐太氏と、今回が初プロジェクトとなるシム・ユジン氏に、本アプリが開発された背景やアプリに託された想い、開発時に特に重視したポイントなどを語ってもらった。

INTERVIEW MEMBERS

  • 香川 祐太 KAGAWA YUTA

    • 2019年入社。
      ITとは無縁のキャリアからIT業界へ
      転身し、
      現在はアプリ開発の
      プロジェクトリーダーを務める。
  • シム・ユジン shimu yujin

    • 2022年新卒入社。
      今回のプロジェクトが自身初の案件と
      なる。
      おもにフロントエンドを担当。

女性特有の悩みに寄り添い“ココロの習慣”を変えていく。
思想の共感から始まったアプリ開発プロジェクト

ライオン株式会社とパソナが共同開発した女性向けのヘルスケアアプリがある。このアプリは女性特有の悩みである月経に特にフォーカスし、不安定な時期のイライラや落ち込みを軽減させることで “ココロの習慣”を変えていくことをおもな目的としている。

パソナは本プロジェクトにおいてアプリ開発を担当しているが、ライオン株式会社とは以前から取り引きのあった日々のやり取りのなかでアプリ開発の相談があったという。

香川氏
アプリの共同開発者であるライオン様とパソナとは、“よろず相談”と呼ぶ、毎月定例の会議を設定していて、次に開発するアプリのアイデアを共有いただいたり、技術的なアドバイスなどを行なったりしているのです。そうしたなかで、様々な悩みを日々抱える女性の方に寄り添うアプリを作れないか?とご相談をいただきました

女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決する、いわゆる“Femtech(フェムテック)領域”は、近い将来、世界で5兆円規模の市場になると言われている。つまり現代ではそれだけ悩みを抱えている女性がおり、需要があることを意味する。

「社会の問題点を解決する」を企業理念として掲げるパソナにとって、うってつけのプロジェクトだったと言えるだろう。

香川氏
相談はパソナだけではなく複数の会社にしていたそうですが、結果的に私たちにプロジェクトを任せていただきました。お客様はこのサービス開発への想いが強く、私たちもアプリの思想に非常に共感していました。お客様と同じ想いの強さで、前のめりでご提案をしたことがお任せいただけた要因かもしれません

アプリには多数のコンテンツが用意されており、その日の目標や心の状態、月経周期など女性一人ひとりの状態に合わせて適したコンテンツをおすすめしてくれる。専門家による心の動きに関する解説動画やヨガ動画、読み物などの配信がメインコンテンツで、月経中に気持ちを前向きに過ごせるようなヒントが多数ちりばめられているのが特徴だ。

香川氏
例えば、月経を登録しておくと次の月はこの辺りが予定日、そうすると◯日から心が少し不安定でモヤモヤするはず、ということをカレンダーで見ることができます。そのうえで、このモヤモヤを和らげるためのコンテンツを提案します。例えば、適したヨガ動画をおすすめして、心を整えるきっかけを与えるなどですね。実際に気持ちが軽くなったり、気持ちを受け入れる習慣がついたりした方も多く、おかげさまでユーザーさんの反応も上々です

アプリの思想に反する妥協はしない。
ストレスのない操作性を大切に

アプリは、スマートフォンから利用できるWebアプリとなっており、大手生活用品メーカーが企画を立案、それに沿ってパソナが開発全般を担当した。

開発チームは、プロジェクトリーダーを務める香川氏とシム氏を含むフロントエンド、バックエンドという構成だ。

香川氏
企画とアプリの全体設計をお客様からいただき、それを1つのアプリに仕上げていくのが私たちの仕事です。インフラの構築から始まり、各機能や画面の詳細設計、開発のほか、運営保守からコンテンツ制作まで担当は広範囲です。私はプロジェクトリーダーとして顧客折衝・社内の進行管理を担当しました
シム氏
私はフロントエンドとして開発に携わっています。パソナに入って初めてのプロジェクトだったので、最初は会議に参加しても何をどうすればいいのか分からない、といった状態でしたね。専門的な知識も十分ではなく苦労しました。ただ、先輩社員に分からないところはサポートしていただきながら業務に当たれたので安心感はありました

アプリを開発するうえでは、ユーザーにストレスを与えない設計を特に意識したという。

香川氏
このアプリは女性の不安定な部分に寄り添い、サポートするために開発されました。“心のヘルスケアアプリ”と銘打っていることもあり、操作にストレスが溜まることだけは絶対に避けたいと考えました
シム氏
アプリの導線やUIのご提案はライオン様から頂き、一緒に議論しながら分かりやすい利用体験を形にできるよう心掛けて作りました。ストレスを緩和するためのアプリでイライラさせてしまっては本末転倒ですから、動画の読み込み速度にも気を遣っています。全ての作業で色々なことを試して作りこみ、一つ完成するたびに先輩社員に共有してフィードバックをもらってさらに改善させています。チームメンバーからさまざまなレビューをもらうことで、自身の成長にもつながりました

さまざまなプロジェクトに携わるなかで「やりたいこと」も見えてくる。
チャレンジできる環境がやる気と成長を促進

今回のFemtechアプリ開発プロジェクトに携わっているメンバーは主にWeb開発を行うチームに所属し、基本的に受託開発がおもな業務だ。受託開発と聞くとあまりいいイメージを持っていない方もいるかもしれないが、香川氏は受託開発ならではの魅力を次のように語る。

香川氏
あまり気づいていない方もいますが、受託開発は開発に携わりながら、「やりたいこと」を見つけられる点が大きな魅力だと思っています。特に新人のエンジニアの方は、これからエンジニアとして活躍したいと思っていても、「具体的に何をしたいのか?」までは見えていないものです。受託開発であれば大元となる「達成したいこと」がお客様の中にまずあります。私たちはそこに伴走させていただき、アプリの思想やユーザーの声に触れながら、自分が今やっていることの意味に気づいていく。そうして段々とそのアプリが好きになり、ユーザーのために何ができるのか?を考えるようになっていきます。このように色々な開発現場を経験していくなかで、自分が本当にやりたいことが見えてきますし、人生の幅が広がる人も多くいます

そしてパソナへの入社を検討している方に向けて、香川氏は以下のようにつなげた。

香川氏
メンバーをどのプロジェクトにアサインするかは、本人とも話し合いながら、希望を可能な限り反映して決めています。また、経験が浅い方であれば、必ずベテランエンジニアの先輩がサポートするので、自分のアイデアや作業についていくらでも相談できます。主体的に動きたい人にとっては、非常にやりがいがあるし、挑戦しやすい職場だと思います

香川氏の言葉を裏付けるようにシム氏が続く。

シム氏
私は次のプロジェクトでは、バックエンドの開発に関わりたいと考えています。フロントエンドとバックエンドの両方を経験しておけば、お互いの事情をより理解できるようになり、依頼の仕方や開発の仕方も変わってくると思うからです。バックエンドは未経験ですが、自身のスキルの幅を広げるためにチャレンジができるのはとてもありがたいですね

さまざまな経験を得る機会があり、本人の希望にも柔軟に対応してくれるチーム体制。そして社会的意義のあるプロジェクトにも携われるということ。パソナは、やりがいや成長を求めるエンジニアにとって素晴らしい開発環境が整っていると言えそうだ。

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