PROJECT STORY
プロジェクトストーリー
SAP S/4HANA Cloud移行プロジェクト
グローバルなチームを武器に
2027年問題のクリアへ
世界最大級のERPパッケージであり、日本国内でも約4,000社が導入しているといわれるSAP ERP。しかし、2027年にサポートが終了することが発表され、導入企業は新たなシステムへの移行を迫られている。いわゆる“2027年問題”だ。
そうしたなか、パソナでは「SAP S/4HANA Cloud移行プロジェクト」がスタート。2027年問題を解決するべく、SAP ERPから新システムへの移行支援を行なっている。
パソナは前例のないSAP ERP自動テストサービスを開発するなど、市場のなかでも一歩先をいく存在だ。しかし、プロジェクトチーム発足当時はノウハウもスキルもゼロの状態だったという。
今回はスキルゼロからスタートし、市場を牽引する存在までチームを引き上げた石積氏、王氏にそれぞれ話を伺った。
INTERVIEW MEMBERS
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石積 直也 ISHIZUMI NAOYA
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2016年新卒入社。
システム開発を経験後、ベトナムにて
オフショア
開発に携わり、ブリッジ
SEとして経験を積む。
本プロジェクト
では立ち上げメンバーとして参加。
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2016年新卒入社。
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王 華 WANG HUA
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2019年入社。
倉庫管理システムや人材派遣会社の
システム開発などに携わり、2020年
から石積氏と
ともにプロジェクト
チームの立ち上げに参画。
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2019年入社。
SAP ERP自動テストサービスを武器に
2027年問題を抱える企業の課題解決を目指して
前述したように、SAP ERPのサポートが2027年に終了することを受け、同システムの導入企業は現在対応が迫られている。
この2027年問題は、多くの企業にとって重要な課題となっているが、自社で対応できるノウハウを持つ企業は少ない。また、SAPは専門性の高いシステムであり、問題に対応するには会計、販売、物流、在庫管理などさまざまな分野を扱えるコンサルタントが必要だ。
そのような背景を鑑み、パソナは2020年、次世代ERP「SAP S/4HANA Cloud」への移行支援を行なうプロジェクトチームを立ち上げた。SAP ERP事業を軸に、付加価値の高いサービスを展開していくことで2027年問題という社会的課題の解決を目指すものだ。なかでもパソナが武器としているのが、「SAP ERPテスト自動化サービス」だ。
- 石積氏
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SAP ERPからSAP S/4HANA Cloudに移行する際は、既存の業務システムが無事に移行できるかテストを行なう必要があります。ただし、データベースの構成が一新されるため、専門的な知識と慎重なスキームが求められます。さらに移行後も定期的にテストが必要です。テスト工数は増大しがちで、移行した後もコストが大きくかかります。
そこで我々が目をつけたのが、業界でもこれまで前例がなかったSAP ERPに特化した「テスト自動化サービス」の開発でした。この自動化サービスによって、テスト工数の80%削減を実現、ヒューマンエラーの発生率も抑えることが可能です
そんな画期的なサービスを開発したパソナではあるが、SAP ERPの知識やノウハウがほとんどない状況だったという。発足メンバーの一人である王氏も、元々SAP ERPの知識やスキルはなかったと話す。
- 王氏
- 最初はSAPの知識がないメンバーばかりでした。ただ、パソナ社内ではSAP認定資格の取得支援制度が整っていたため、会社のサポートもあって数ヵ月でメンバーが次々と資格を取得しました。また、SAPコンサル歴の長いパートナー企業のお力も借りて、スムーズに学習を進められました。その結果、短期間でチーム力をどんどん高めることができたんです
グローバルなチーム編成で、
SAP市場におけるパソナの価値を高める
本プロジェクトでは、日本以外に約半数は外国籍の方々が活躍中。王氏を筆頭に、中国、韓国、ドイツ等々国際色豊かだ。
移行プロジェクトの具体的な進め方については、基本的にはパートナー企業と連携しながら行なっている。プロジェクトを進めるなかでも、グローバルな編成がチーム力の強化につながっているという。
- 王氏
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メンバーは全員日本語を話せるため、メンバー間のコミュニケーションはスムーズです。また、開発環境自体も日本語に対応しています。
ただ、資料やクライアントとの打合せは英語です。そのため、専門的な話になってくると英語に不安があることもありますが、英語が堪能なメンバーに協力してもらい解決しています。国際色が豊かなチームなので、お互いの得意分野を活かすことでチーム力が強固になっていると感じます
また、石積氏も過去にブリッジSEとしてベトナムで活躍していた経験があり、グローバルな視点を持つメンバーの一人だ。今回のプロジェクトは前述したパートナー企業だけではなく、さまざまな企業とも連携しながら進めることが多い。石積氏は、ベトナムでの経験を現在も随所で活かせていると話す。
- 石積氏
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ベトナム駐在時は、お客様とパソナのベトナム開発メンバーの間に立ち、進捗管理などを行なっていました。その際、特に意識したのは、外国の方であっても理解しやすい指示書を作ることでした。
今回のプロジェクトでも、一つひとつのプロセスに対してゴールを明確にし、母国語に関係なく視覚的に作業工程がわかるようにしました。例えば、スクリーンショットを多めに取り入れて、『このボタンを押してください』といったレベルの部分から説明するなど、わかりやすく、具体的な指示書を作りました。このノウハウがあったことで、外国人メンバーが理解する速度も向上し、認識の齟齬による巻戻りなども軽減できたと思います
外国人メンバーや海外駐在経験を持つメンバーなど、SAPの専門知識に加えグローバルな視点を持つ編成だったことが、本プロジェクトチームの強みだったと言えそうだ。
未経験から希少性の高いSAPコンサルタントとして
キャリアを築けるのが魅力の職場
石積氏と王氏は、SAP未経験から「SAP S/4HANA Cloud移行プロジェクト」に参加となったが、本プロジェクトを通じて大きく成長を実感できているという。
最後に両氏は、今回のプロジェクトで得られたことについて、以下のように語ってくれた。
- 石積氏
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さまざまな企業のSAP移行にかかわることで、実際の業務でのSAPの活用場面や、発生しうる問題などを把握できたことは、非常に良い経験になりました。販売管理、購買管理、財務管理、人事管理など、企業がSAPで日常的に行なっている広範な業務にも携わることができ、スキルアップできました。
また、英語ベースで業務を進めていくことで英語力の向上につながりましたね。SAPのスキル・知識がゼロだった私を、先進的なプロジェクトにチャレンジさせてくれたパソナには感謝しています。SAPの専門家としてはもちろん、1人のビジネスマンとしてパソナで総合的に成長できている実感があります
- 王氏
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私もSAPに関してほとんど知識がなかったのですが、勉強会やパソナの資格取得支援制度なども活用することで、大きく成長できました。実際プロジェクトチームのメンバーは、全員3つ以上のSAP関連の資格は持っています。
チームに入ったばかりでも多くの人が資格を取得できているのは、支援制度やキャリアを築ける体制が整っているのが大きいでしょうね。今はSAP未経験という方も、パソナでは十分に成長できるチャンスがあります。将来的にも需要が見込めるかなり専門的な分野なので、チャレンジする価値はあると思います
SAPコンサルタントは世界的に不足している。パソナなら希少性の高いSAPのスペシャリストを目指すことも十分可能だ。未経験からでもチャレンジできる環境のため、ぜひ飛び込んでみてほしい。