Power Platform × 生成AI × Microsoft AI Lab ──神戸から発信する、パソナ淡路HUBの「現場主導DX」最前線
パソナの開発拠点のひとつ、淡路HUB。 そこに、Power Platformと生成AIを武器に、顧客の業務変革を支えるエンジニアたちがいる。 チルマレ オムカルさん(淡路PPFユニット リーダー)と池田さん(淡路カスタマーユニット リーダー)。 同じ淡路ユニットで、それぞれ異なる専門性を持つ二人のリーダーが、 2026年5月、Microsoft AI Co-Innovation Lab KOBEのイベント「ノーコード/ローコード開発最前線」に参画。チルマレさんが登壇者として、Power Platform × 生成AIの最前線を発信した。 なぜ、淡路のエンジニアが神戸のMicrosoftラボで発信するのか。 そして、Power Platform × 生成AIが現場をどう変えるのか。 二人に話を聞いた。
パソナの開発拠点のひとつ、淡路HUB。 そこに、Power Platformと生成AIを武器に、顧客の業務変革を支えるエンジニアたちがいる。 チルマレ オムカルさん(淡路PPFユニット リーダー)と池田さん(淡路カスタマーユニット リーダー)。 同じ淡路ユニットで、それぞれ異なる専門性を持つ二人のリーダーが、 2026年5月、Microsoft AI Co-Innovation Lab KOBEのイベント「ノーコード/ローコード開発最前線」に参画。チルマレさんが登壇者として、Power Platform × 生成AIの最前線を発信した。 なぜ、淡路のエンジニアが神戸のMicrosoftラボで発信するのか。 そして、Power Platform × 生成AIが現場をどう変えるのか。 二人に話を聞いた。
DX
2026/07/24 UP
- Power Platform
- 生成AI
- 地方創生
異なる専門性を持つ、二人のリーダー

チルマレさんが率いる淡路PPFユニットは、Power Platformを主軸に、社内外の案件を幅広く担当している。製造業や建設業など複数のクライアント企業に対し、Power AppsやCopilot Studioを使った業務支援を提供している。
「最近は特に、Copilot Studioや生成AI関連の問い合わせが増えています。お客様の課題もどんどん高度化しているので、私たちも常に最前線を走り続けないといけない」(チルマレさん)
一方の池田さんが率いる淡路カスタマーユニットは、他ユニットが構築したシステムの運用・保守を担い、ユーザー満足度の向上を使命とする。
「チルマレさんたちが作ったシステムを現場に定着させ、使い続けてもらえるようにすること。それが自分たちのミッションです」(池田さん)
作る側と使われ続けるよう支える側。異なる役割を持つ二人が連携しながら、淡路HUBとしての価値を高めてきた。
登壇のきっかけは、シアトルと神戸の「姉妹都市」だった
今回の登壇は、ある意外なつながりから生まれた。
「もともと、パソナNA(North America)の方とのお付き合いがきっかけでした。シアトルと神戸が姉妹都市であることから、神戸市がMicrosoft AI Co-Innovation Lab KOBEに関わっていて、
その縁で私たちもラボの利用を始めることになりました」(池田さん)

2026年2月頃からラボの利用を開始。4月にフィジカルAIのセミナーを見学に訪れた際、Microsoftの担当者と雑談でPower Platform関連の話になり、登壇依頼を受けたという。
「最初は見学のつもりで行ったんですが、話が盛り上がって(笑)。せっかくなら、私たちが実際に現場でやっていることを発信しようということになりました」(チルマレさん)
役割分担もシンプルだった。冒頭の淡路HUB紹介パートを池田さんが担当し、メインの技術セッションをチルマレさんが担当する形にとなった。

「市民開発者にはない強み」を、実際に動くデモで届けた

チルマレさんの登壇テーマは、「Power Platform × 生成AIのベストプラクティス・事例」。
その背景にあったのは、現場で感じているある課題意識だった。
「お客様の中で、内製化志向がどんどん強まっています。Power Platformを使えば自分たちで作れる、というイメージが広がっている。
それ自体は良いことなのですが、市民開発者だけでは難しい、より付加価値の高い領域があります。そこを私たちが担えることを知ってほしかった」
セッションで紹介したのは、実際に開発・運用している3つの事例。
ひとつ目は、パソナNA向けに開発したMicrosoft Foundryを使ったAIエージェント。市民開発者がなかなか触れない技術領域であり、会場でも大きな反響があったという。
ふたつ目は、画像認識で名刺情報を読み取りデータベースに格納する名刺管理アプリ。Azure OpenAIと連携し、入力の手間をゼロに近づけた実用的なツールだ。
そして三つ目は、チルマレさんが個人開発として作ったPower Appsのデザイン効率化ツール。「実は趣味で作ったものなんですが、セミナーで紹介したら『欲しい』という声が会場中から上がって(笑)」
言葉だけで説明するのではなく、実際に動くデモを見せることを大切にした。
「単調に見えがちなPower Appsのオープニングアニメーション画面を紹介したとき、会場から笑いが起きたんです。動くものに対して、人は反応が違う。最後まで集中して見てもらえた手応えがありました」
メモを取る人、スマートフォンで写真を撮る人。真剣に聞き入る聴衆の姿が、現場目線の内容が届いた証だった。

「使われ続ける仕組み」をつくるために、エンジニアが問うべきこと
Power Platformを活用した開発で、チルマレさんが最も重視しているのが「現場に定着するかどうか」だ。
「エンジニアって、ユーザーのITリテラシーを過大評価しがちなんです。複雑な操作は極力排除して、シンプルで使いやすい見た目を意識する。運用面も簡素にしながら、要件はちゃんと満たす。そのバランスが大事です」
さらに重要なのが、そもそもアプリ化すべき業務かどうかを見極めることだという。
「月に20〜30分しか発生しない業務をアプリ化しても、誰も使いません。毎日使う業務こそ、アプリ化の効果を実感してもらいやすい。まずそこから入るべきだと思っています」
この視点は、池田さんが担う運用・保守の現場にも直結する。作る段階で定着を見据えた設計ができているかどうかが、その後の現場での使われ方を大きく左右するからだ。
Microsoft AI Labで広がった、産官学のネットワーク
ラボでの活動は、イベント登壇だけにとどまらない。
パソナNAのシステム検証プロジェクトでは、チルマレさんが約1週間ラボに通い、PoCの実装とテストデータによる動作確認まで完了させた。MCPサーバーの構築なども含め、実務に直結した形で活動を進めてきた。
「産官学が集まる場所というのは、普段の仕事では出会えない視点や人とつながれる。学生向けのAIワークショップ開発にも協力していますが、学生たちのアイデアや熱量からこちらが刺激をもらうことも多いです」(チルマレさん)
池田さんにとって、このラボとの連携はより大きな文脈で意味を持っている。
「ラボへの参画や登壇を通じて、社内外に『淡路にエンジニアがいる』『AIに強いチームがいる』ということを知ってもらう。それが淡路HUBのブランディングにつながると思っています」
神戸と淡路という地理的な近さも、ここでは武器になる。
「淡路と大阪のちょうど中間に神戸がある。移動しやすく、地域の産業や自治体とも接点を持ちやすい。この立地のメリットを、もっと活かしていきたいと思っています」(池田さん)
「作れるだけではダメ」──AI時代に必要な危機感と好奇心
最後に、これからスキルを伸ばしたいエンジニアへのメッセージを聞いた。
「まず好奇心を持つこと。実際に自分で作ってみて、動く楽しさを体感してほしい。今のスキルだけでやっていけると思わず、常に引き出しを増やしていく意識が大事です」(チルマレさん)
そして、こんな危機感も添えた。
「AIがアプリを作る時代になっています。作れるだけではもう差別化にならない。何を作るか、なぜ作るかを考える力こそが、これからのエンジニアに求められると思います」
池田さんも同じ思いを持ちながら、一歩踏み込んだことを語る。
「登壇することで、お客様や周りからの信頼が変わります。実際に、イベントに来てくれたお客様との案件が広がったケースもありました。技術力を磨くだけでなく、自分の知識を外に発信していく行動力も、エンジニアのキャリアには大切です」
指示を待つのではなく、「これがやりたい」と自ら動ける人。そんなエンジニアと一緒に、淡路HUBをさらに育てていきたいと、二人は口を揃える。
チルマレ オムカル

第1エンジニア室 クラウドソリューション第2チーム 淡路PPFユニット リーダー。インド出身・日本在住10年以上。
Power Platform Solution Architect Expert・Azure Agentic AI ProfessionalなどMicrosoft認定資格を複数保有。Power Apps・Power Automate・Copilot Studioを活用した業務自動化・AIエージェント導入支援に従事。
池田 慧

第1エンジニア室 クラウドソリューション第2チーム 淡路カスタマーユニット リーダー。社内向けアプリの運用・保守を担いながら、淡路HUBのブランディング推進にも注力。
MS AI Lab KOBEとの連携を通じ、産官学エコシステムの中でパソナのエンジニア発信を牽引する。







