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必見!ビッグデータ活用のポイントや注意点、事例を紹介

ビッグデータの活用方法や注意点、事例、活用できる業務について解説します。

必見!ビッグデータ活用のポイントや注意点、事例を紹介

ビッグデータの活用方法や注意点、事例、活用できる業務について解説します。

知識・情報

2020/06/26 UP

今ではビッグデータという言葉は馴染みの言葉になり、普段の生活でもよく聞かれるようになりました。

SNSの普及、クラウド・コンピューティングの広がり、センサーネットワーク、モバイル機器の普及などによって爆発的に増加しているビッグデータは、私たちの身近なところで沢山活用されています。

こうしたビッグデータは、正しく分析することで、マーケティングにも大きな効果をもたらしますが、効率的、効果的に活用するには、どうすればいいのでしょうか。

ここでは、ビッグデータの活用方法や注意点、事例、活用できる業務について解説します。

そもそもビッグデータとは?

ビッグデータは訳すと「大きなデータ」なので、単に大量のデータのことだと思っている人もいるかもしれませんが、それはビッグデータの一面にすぎません。

ビッグデータは、様々な形式や種類があり、これまでのデータベース管理システムでは保管、記録、解析が困難な膨大なデータ群です。

近年では、コンピュータの処理速度の向上、インターネットやモバイル機器の普及、クラウド・コンピューティングの広がり、SNS利用者増加などを背景に、多様で大量のデータが生成されるようになりました。文字、写真、音声、動画、通信記録、利用状況などのログデータは加速度的に増加し、今や情報爆発ともいえる状態になってきています。

米国のIT専門調査会社IDCの調査によると、2012年に2.8ゼタ(1ゼタは1兆の10億倍)バイトだったビッグデータは、2020年までには全世界で40ゼタバイトに拡大し、しかも、その8割以上が非定型データを占めると予測されています。

このような、非定型でリアルタイム性が高いビッグデータは、定型データを扱う従来のデータベースシステムで処理することが難しかったのですが、技術の進歩によって高速処理・分析ができるようになってきました。

そして、これまでは管理できなかったビッグデータを利用できるようになったことで、社会問題の解決や新たな仕組みを生み出すことも可能になりました。

ビッグデータをビジネスで活用すれば、新製品開発やリリース計画、コスト削減も達成しやすくなります。また位置情報、健康情報、気象情報などのビッグデータを新たな市場に活用することも期待されています。

ビッグデータの活用ポイント

多様なサービスや数多くの商品があふれる現代では、従来のような経験や勘に頼ったマーケティングでは結果を出すことが難しくなっています。

そのため、持続的な成長実現に向け、より精度の高い判断材料が得られるビッグデータ活用を進める企業が増えてきています。

ビッグデータを効率的に活用し、成果を出すためのポイントはいくつかありますが、ここでは重要なポイントを4つご紹介します。

目的を明確にする

「ビッグデータを収集、分析して売上を向上させる」というような曖昧な目的を決めるだけでは、どのようなデータが必要で、どのように分析すれば良いのかわからなくなってしまいます。

現在抱えている課題は何か、その課題にビッグデータを活用できるかなど掘り下げていき、目的を明確にすることが大切です。収集された膨大なデータを分析している間に目的がぼやけてしまった、という例もよくあります。

ビッグデータの分析結果から何を得たいのか明確にしておくためにも、ゴールとなる目的を決めておきましょう。

4Vに基づいてデータを収集する

ビッグデータを活用するためには、データを収集しなければなりません。しかし、データを収集する前に、社内に散在しているデータの選定、形式の統一、統合、分析・解析、視覚化といった前準備も必要となります。

注意すべきなのは、多くのデータを集めることが目的ではないということです。どのカテゴリーのデータが必要なのか見極めた上で、「データ量(Volume)」「発生頻度(Velocity)」「多様性(Variety)」「正確さ (Veracity)」の4Vに基づいて収集していきます。

継続してデータ収集・活用していく

一度分析して活用したビッグデータは、それで終わりというわけではありません。データを収集・分析し、継続的に活用して知見を増やすことで、ビッグデータを活用する成果があらわれてくるからです。

思うような効果が一度で得られなくても、改善を繰り返すことで、具体的な経営戦略の策定に役立つ分析結果が得られるようになっていきます。

ビッグデータの整備や保管方法も工夫する

ビッグデータを活用するためには、事業部門、営業部門、IT部門など社内に散在するデータを個別に整備するのではなく、会社全体で共有できるようなシステムが必要となります。

部門ごとに管理してしまうと情報の相互共有に手間や時間がかかり、効率的に運用することが難しくなるからです。

また、ビッグデータには顧客の個人情報も多く含まれるため、セキュリティ対策を万全にするなど、保管方法も工夫する必要があります。

ビッグデータを活用する際の注意点

世の中にあふれる膨大なデータを収集、分析することが可能になり、国・自治体や様々な業種でビッグデータの活用が進んでいます。しかし、データの扱いには十分に注意しなければなりません。

ここでは、ビッグデータを有益に活用するための3つの注意点について解説します。

厳重なセキュリティ対策が必要

活用ポイントでも触れたとおり、ビッグデータは顧客情報を扱うことが多いです。もし情報が漏えいした場合、顧客に迷惑をかけ、信頼を失ってしまうリスクがあり、最悪の場合には事業の継続が困難になることもあり得ます。

収集したデータが漏えいしないよう、セキュリティ対策は厳重に行う必要があります。また、利用者への適切なプライバシーポリシー提示、顧客側での情報コントロール設定などの情報管理を行うことも重要です。

データの抽出箇所によって分析結果が変化する

多種多様なデータ群であるビッグデータの中には、分析目的に合致しないデータ、部分欠如したデータ、表記ゆれや重複のあるデータも存在しています。

データの抽出箇所を間違えると、全く違った分析結果になってしまうこともあります。

ビッグデータを分析する前には、表記統一や重複の削除など、データの標準化(クレンジング)をする必要があります。

客観的に分析結果と向き合う

ビッグデータの分析がうまくいかないと、つい自分の経験と勘に頼ってしまうこともあります。しかし、誤った判断を防ぐためにも、分析結果には主観的な解釈をせず、客観的に向き合うことが大切です。

また、せっかく分析がうまくいっても、その結果を他社の事例に当てはめてしまい、自社のパターンや方向性にズレが起きてしまうことがあります。このようなズレを防ぐためには、分析目的を明確にして分析結果を客観的に見ることが重要になります。

ビックデータの活用事例

最近は、様々な分野でのビッグデータ活用が進んでいます。ここからは、業種別にビッグデータ活用例をご紹介します。

金融業

金融業の中で、特に銀行は顧客も多く、実店舗以外にインターネットバンキングなどにも顧客との接点があるため、様々な顧客データを取得することができます。

銀行で取得して統合された膨大な顧客データは、分析してマーケティングに活用されます。法規制へのコンプライアンスを維持しつつ、不正行為とリスクを最小限に抑えることも重要であるため、高度なアナリティクスを活用する必要があります。

小売業

小売業において重要なことは、顧客との緊密な関係を築くことです。小売業では顧客に対して最良のマーケティングを行うために、ビッグデータが利用されています。

店舗や地域ごとの売上データ、商品出荷データ、防犯カメラのデータなどを収集したビッグデータを分析し、マーケティング戦略を立てるために活用しています。

製造業

製造業では、ビッグデータを活用することにより、品質を高め、無駄を減らして生産量を上げることが可能になります。

たとえば、パソコン部品などの製造業では、膨大な種類のテストを効率化するためにビッグデータを活用しています。ビッグデータによって必要なテストだけに絞れるというだけでなく、品質も改善することができます。

また、製造業ではデータアナリティクスを重視する企業が増えているので、ビッグデータを活用することで意思決定の俊敏化や課題解決の迅速化も進んでいます。

鉄道業

駅の改札を出入りするときに使われているICチップ付きの交通カードは、運賃支払いに使われているだけではありません。

利用時の情報は改札機を介して鉄道会社に転送され、ビッグデータとして蓄積され、自社の旅行会社のマーケティングなどに活用されています。

また、鉄道会社のカードを利用して買物をした場合、購入者、購入商品、購入回数などもビッグデータとして蓄積されていきます。こうしたデータは、電車の本数や駅の人員配置などにも役立つと考えられます。

エンジニアがビッグデータを活用した業務に携わるには

ビッグデータの価値が急速な高まりを見せ、各企業の間でデータを分析・活用する動きが活発になっています。

これに伴い、ビッグデータ関連業務を希望するエンジニアも増えています。ビッグデータを活用している企業は大きく2種類あり、仕事に就きたい場合は、以下のどちらかを選ぶことになります。

すでにビッグデータを活用したビジネスをしている企業

活用事例で紹介した金融業、小売業、製造業、鉄道業といった企業に加え、建設業、教育、医療、官公庁などはビッグデータをすでに活用しています。

エンジニアとしてビッグデータを活用した業務に携わりたいのであれば、こういった業種から活用している企業を調べるのが早いでしょう。

なお、企業や組織で触れることのできるビッグデータは、自社で展開しているサービスのデータに限られます。

ビッグデータの収集や解析そのものが専門の企業

ビッグデータを活用している企業には、より専門的にデータ解析だけを行う会社や、データ収集のセンサーだけ開発する会社もあります。ここで紹介した事例のような企業をサポートする形で入る企業になります。

また、大手企業では、今まで蓄積したデータを業務に活用できるように、ビッグデータを扱えるエンジニアを積極的に育成し、採用しています。

しかし自社でビッグデータを活用することができないという企業もあります。そのため、データ解析を行ったり、ビッグデータを活用したコンサルティングサービスを提供したり、実際に分析作業を代行する企業も増えています。

こうした企業では、様々な業種のビッグデータを扱うことができます。幅広くビッグデータを触ってみたいという場合は、こちらを目指すとよいでしょう。

ビッグデータの活用には様々な可能性がある

ビッグデータの活用には様々な可能性がある

多くの商品やサービス、データがあふれる現代社会では、従来のマーケティング手法では見いだせなかった可能性を感じて、ビッグデータを活用する企業が増えています。

また、世の中のビッグデータ活用が増えている中、ビッグデータ関連業種で働きたいというエンジニアも増えています。

ビッグデータを活用している企業には金融業、小売業、鉄道など独自データを活用する企業と、データ解析や分析だけを行うような専門的企業があります。

特定のビッグデータを狭く深く扱いたい場合は独自データを活用する企業に、様々な業種のビッグデータを幅広く扱いたい場合はビッグデータ解析の専門企業で働くとよいでしょう。