スマートIoTとは?言葉の意味や導入方法
この記事では、スマートIoTの概要やメリット・デメリット、導入事例を解説していきます。スマートIoTを使ってデータの可視化をおこなったり、生産効率性を上昇させたいと考えている方は、ぜひご覧ください。
この記事では、スマートIoTの概要やメリット・デメリット、導入事例を解説していきます。スマートIoTを使ってデータの可視化をおこなったり、生産効率性を上昇させたいと考えている方は、ぜひご覧ください。
知識・情報
2020/03/10 UP
- IoT
この記事では、スマートIoTの概要やメリット・デメリット、導入事例を解説していきます。
「スマートIoTを使うと何ができるのか?」
「そもそも、スマートIoTとはどういうものなのか?」
読んでいただければ、上記のような疑問が解消するはずです。スマートIoTを使ってデータの可視化をおこなったり、生産効率性を上昇させたいと考えている方は、ぜひご覧ください。
スマートIoTとは
はじめに、スマートIoTの概要を簡単にご紹介します。スマートIoTは、「スマート」と「IoT」を組み合わせた用語であるため、一つずつ用語の意味を見ていきましょう。
「スマート」とは
スマート(Smart)には、「高性能」「多機能」「賢い」という意味があります。イメージしやすいものだと、賢い・多機能な電話という意味の「スマートフォン」が代表的な例です。スマートフォンは通話だけでなく写真を撮ったりインターネットに接続してさまざまなサービスを利用できたりと、非常に多機能で高性能です。
ほかにも、声だけでさまざまな操作をおこなったり、AI(人工知能)によって自動的に温度調節ができる「スマート家電」などがあります。
「IoT」とは
IoTは、Internet of Thingsの略称で「モノのインターネット」とも呼ばれるものです。情報通信技術の概念を指す言葉であり、さまざまな「モノ」をインターネットに接続します。
例えば、街中の監視カメラや温湿度を計測するセンサーなど、あらゆるモノをインターネットに接続することで、さまざまなデータを組み合わせて活用することが可能となります。このような概念や仕組みを表す言葉が「IoT」なのです。
スマートIoTとは
「スマート」と「IoT」を組み合わせた「スマートIoT」は、「賢い・高機能なモノのインターネット」と捉えることができるでしょう。もう少し詳しく解説すると、さまざまなモノがインターネットに接続するだけでなく、相互に情報を交換して制御・自動化することがスマートIoTといえます。
IoTでは、さまざまなモノが情報を送信するだけであり、人間の手によってデータを活用しなければなりません。しかし、スマートIoTであれば、モノ同士が相互に情報交換をおこなうため、人間の手を介さずに自動化することが可能なのです。
スマートIoTの導入メリット
ここでは、スマートIoTを導入するメリットをご紹介します。大きく分けて4つのメリットが挙げられますので、一つずつ解説していきましょう。
1.新しいビジネス創出のチャンス
IoTによって膨大なデータを得られ、そのデータを活用することで新たなビジネスを創出するチャンスが生まれます。得られるデータのなかには顧客の動向や需要を把握できるデータも含まれていますので、データを組み合わせることでいままでにない新たなサービスを開発することもできるでしょう。
データの活用方法は、無限大の可能性を秘めています。
2.現状の見える化
さまざまな情報をデータ化することで、情報の収集・管理を自動的におこなえます。そのため、客観的に現状を「見える化」することが可能です。例えば工場の生産効率上昇のため改善をするには現状の見える化が重要ですが、工場で動作するロボットの稼働状況をデータ化することで、メンテナンスのタイミングなどを明確に導き出せます。
3.生産効率の上昇
現状の見える化ができれば、より効率的に業務をおこなうための改善点が見えてきます。先ほどの例と同じく、工場で動作するロボットの能力を最大限に活かすための効率的なエネルギーの分配や空調システムの調整など、生産効率を上昇させるための改善がおこなえます。生産効率を上昇させることができれば、不要なエネルギーの削減もできるため、コスト削減にもつながるのです。
4.高い利便性
さまざまなデータを収集することはIoTでおこなえますが、スマートIoTとなることで人の手を介さずに動作することが可能になります。そのため、非常に高い利便性を実現できるのです。家庭用のエアコンであれば、外気温や季節の変化に合わせて過ごしやすい室温を自動的に維持することができ、リアルタイムでレスポンスが返ってくるため、ユーザーにとって利便性が高くなるでしょう。
スマートIoTの導入デメリット
スマートIoTを導入する場合、メリットとあわせてデメリットについても知っておかなければなりません。ここでは、デメリット部分について解説します。
IoTに知見のある人材不足
スマートIoTを導入することには多くのメリットがありますが、正しくIoTを扱う人材が確保できなければ、後ほどご紹介する「セキュリティ」などの問題に対応できないかもしれません。
IoTは先進技術であり、それを扱える先端IT人材は常に不足しています。IoTを含む先端IT人材の確保・教育が課題となるでしょう。
参考:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果(経済産業省)
セキュリティ問題
スマートIoTでは、ネットワークやクラウドサービスを利用してデータを蓄積します。そのため、ネットワークやクラウドに関するセキュリティ知識がなければ、情報漏洩などの問題が発生する可能性があります。実際、IoT機器を狙ったマルウェアもあり、セキュリティ攻撃を受けるリスクも考慮しなければなりません。
経済産業省および総務省が策定した「IoTセキュリティガイドライン」がWebで公開されているため、参考にしてセキュリティ対策を施しましょう。
投資効果が算定しにくい
スマートIoT導入による「投資対効果(ROI)」を算定することは難しく、デメリットの一つとして挙げられます。実際に導入してみないことには、効果は把握できません。
また、スマートIoTで自動化ができるといっても、いまの技術では完全な自動化は不可能なので、スマートIoTの担当者や現場の人間が自動化された部分の恩恵を十分に活かせない可能性も考えられます。そのことも効果を算定しづらい要因の一つになっています。
スマートIoTの導入方法・事例
実際にスマートIoTがどのように活用されているのか、知りたい方も多いと思います。ここでは、スマートIoTの導入事例を「工場」「ショッピング施設」「農業」の分野で紹介します。
スマートIoTを工場に導入する場合
スマートIoTを導入した工場は、「スマートファクトリー」「スマート工場」などと呼ばれます。工場内の生産設備をネットワークに接続することで、稼働状況が可視化できるようになるのです。ロボット操作などの全プロセスを数値化することで、作業の最適化がおこなえるでしょう。
すべてのプロセスを数値化・データ化することでAIを導入することも可能になり、AIに作業を任せれば作業員の経験値に関係なく高精度の作業が可能となるのです。
スマートIoTをショッピング施設に導入する場合
ショッピング施設では人の動きを検知して、顧客の動線や属性を組み合わせた来店状況をデータ化することができるため、細かい顧客分析がおこなえるようになります。
例えば、ショッピング施設に得意客や見込み客が来店することで、クーポンやセール情報を顧客のスマートフォンに通知するといったことが可能です。それによって属性に合わせたサービスを提供できるようになります。
・スマートIoTを農業に導入する場合
農業にスマートIoTを導入する「スマート農業」もすでに始まっています。スマート農業では、ハウス内の環境をIoTで監視することで、遠隔地から水やりや温度調節などが可能です。
ほかにも、空調の調節や収穫時期の見極めなども自動的におこなえるため、従来よりも効率的に作業ができるようになっています。
まとめ
生産効率性を高めることができるスマートIoTは、これからの時代のビジネスに重要な「情報」を活用したビジネスモデルです。スマートIoTを活用することで自動化も望めますが、まずは現状を「見える化」することからはじめましょう。
スマートIoTを導入するためには、先端IT人材の存在が欠かせません。メリットだけでなく、デメリット部分もしっかりと把握し、対応することがスマートIoT導入の成功につながります。
スマートIoTを導入する際は、得られた情報を適切に活用することが大切です。あなたのビジネスに合わせて、スマートIoTの導入を考えてみてはいかがでしょうか。