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データガバナンスとは?メリットや実施手順・成功のポイントについて

この記事では、データガバナンスの概要や、データガバナンスのメリットについて解説します。データガバナンスの実践方法についても触れていくので、ぜひ最後までご覧ください。

データガバナンスとは?メリットや実施手順・成功のポイントについて

この記事では、データガバナンスの概要や、データガバナンスのメリットについて解説します。データガバナンスの実践方法についても触れていくので、ぜひ最後までご覧ください。

知識・情報

2022/07/08 UP

ビジネスを成長させるために、ビッグデータを活用する取り組みが進んでいます。変化の激しい市場のニーズの把握や、自社の課題を発見するには、日々蓄積されていくデータを分析して戦略を立てることが求められます。

データマネジメントの必要性が広く認知されると同時に、データの安全かつ効率的な運用を管理監督する「データガバナンス」にも注目が集まっています。

この記事では、データガバナンスの概要や、データガバナンスのメリットについて解説します。データガバナンスの実践方法についても触れていくので、ぜひ最後までご覧ください。

データガバナンスとは

データガバナンス(Data governance)とは、データを適切に活用できるようコントロールする役割のことを指します。

データガバナンスは、企業でのデータの取り扱いに関する方針やルール・体制を定めることで、組織全体での統制を図ります。また、データの活用を指揮し、データの取り扱いについて監視・評価することで、適切なデータ運用ができるようサポートする役割もあります。

近年、ビジネスでのデータ活用が一般的なものとなりました。情報漏洩などの重大なリスクを防止するためにも、データの取り扱いの方針策定は必須となっているのです。

データガバナンスが必要とされる背景

データガバナンスが必要とされる背景

企業のDXが進んだことにより、業務のあらゆるシーンでデータを収集することができるようになりました。

データを活用することで、より効果の高いビジネス戦略を立案することも可能です。その反面、データを扱う人材が増えることで、セキュリティやプライバシーの問題が生じやすくなっています。

データガバナンスには、データを効果的に活用することにくわえ、データの運用を監視・評価することでリスクが生じた場合の影響を最小限にとどめる役割もあります。

万が一、情報漏洩などの重大なトラブルが発生すれば、企業は深刻なダメージを受けてしまいます。そうしたリスクを回避するためにも、データガバナンスは重要なのです。

データガバナンスのメリット

データガバナンスはデータを安全に運用するうえで重要な役割を果たします。データガバナンスを実施するメリットについて、具体的にみていきましょう。

コンプライアンス違反を防ぐ

データガバナンスを実施することで、セキュリティポリシーに沿ったデータ利用の監視が可能となります。

データガバナンスでは、データマネジメントの方針を決め、セキュリティポリシーを作成します。データの取り扱いに関する統一ルールを定めることで、組織全体のセキュリティレベルの水準を高められるというメリットがあります。

データの扱いについてのルールを明示しておくことで、情報漏洩やプライバシー侵害といったコンプライアンス違反を防止することにつながります。また、どのような場合がコンプライアンス違反となるかが判断しやすくなり、その対応にも備えておくことができるので、トラブルが発生した際は迅速な対応が可能となるのです。

正確性のあるデータを収集できる

効果的なデータマネジメントには、信頼できるデータを収集することが重要です。

データの質が低ければ、分析結果にもその影響がおよんでしまいます。そのためデータマネジメントでは、信頼できる質の良いデータを蓄積することが求められます。

データガバナンスでは、データの取り扱いに関するルールが定められています。そのルールを順守してデータを運用することで、信頼性の高い、一貫性のあるデータを収集することができるのです。

データガバナンスの実施手順

データガバナンスの実施手順

データガバナンスを実施する際の、基本となる手順について解説します。

データマネジメントの目的を明確にする

データガバナンスは、組織のデータマネジメントをスムーズに行なうために実施するものです。そのため、まずは「データマネジメントでどのような成果を得たいのか」という目的を明確にする必要があります。

データガバナンスに必要な規約の作成

データマネジメントの目的が明確になったら、次はその目的を達成するためにどのようなルールが必要かを検討していきます。

データガバナンスが担当する管理監督の範囲で、データマネジメントに関するルールや役割、チェック体制についての規約を作成します。

データガバナンスを担う人員の配置

データマネジメントが適切に行なわれているかを監視する人員を配置します。

データガバナンスを担う人材は、データガバナンスの規約をもとに、「データの安全な運用」「コンプライアンス遵守」「アクセス権限」などの監視を行ないます。

データガバナンスの実践・運用

データマネジメントを、データガバナンスの規約に則って運用していきます。

データガバナンスは、データの収集・分析や運用など、データマネジメントのあらゆる工程に適用されます。もしデータガバナンスの運用後にルールの改善が必要な場合があれば、その都度内容を検討していきます。

データガバナンスを成功させるポイント

データガバナンスは、データマネジメントを安全かつ円滑に行なうために欠かすことのできない重要な役割です。しかし、データガバナンスをいきなり組織全体に導入しても、うまく機能しない可能性があります。

データガバナンスを実施する際は、以下の点を押さえておくことが大切です。データガバナンスを成功させるポイントについて、具体的にみていきましょう。

スモールスタート

データガバナンスを成功させるためには、組織全体にルールや体制を浸透させてから、データガバナンスを運用することが重要です。

いきなり組織全体に規約を適用させると、現場が混乱する可能性があります。そのため、最初は特定の部署やチームなどの小規模で、試験的に導入するとよいでしょう。

データガバナンスの運用では、現場の業務に負荷がかかるケースが少なくありません。そのため、現場の理解を得られないままデータガバナンスに取り組んだ場合は反発などが生じることも考えられます。

データガバナンスを実施する際は、社員全員への説明と、データガバナンスへの理解を求めることが重要となります。

目的を明確にする

データガバナンスは、あくまでデータマネジメントを適切に行なうための手段の一つです。データガバナンスの重要性ばかりに目が向き、データガバナンスを導入することが目的となってしまわないよう注意が必要です。

データガバナンスを導入する際は、「データを収集・活用し、どのような成果を得たいのか」という、データマネジメントの目的・目標をしっかり意識しておくことが大切です。

データガバナンスは安全なデータ運用に欠かせない仕組み

近年、ビッグデータの活用はビジネスの成長に欠かすことのできないものとなりました。多くの企業がデータマネジメントを実施するようになり、情報セキュリティへの意識が社会全体で高まっています。

データガバナンスは、データの利用に関する規約を定め、データの利用を監視・監督する役割を担います。万が一コンプライアンス違反が起きた場合も迅速に対応することができ、被害を最小限にとどめることが可能となります。

データガバナンスを導入する際は、データガバナンスそのものが目的となってしまわないよう注意しなければなりません。なぜデータマネジメントが必要なのか、データマネジメントによって達成したい目標とは何なのかを明確にしたうえで、データガバナンスを運用するとよいでしょう。

また、セキュリティポリシーの内容は組織全体に浸透させる必要があります。データガバナンスの導入にともなって、業務の進め方が変更となるケースも少なくありません。事前に現場の理解を得て、組織全体でデータガバナンスに取り組んでいくことが大切なのです。