SaaSとはなにか?特徴と業務に活かすポイントを解説
本記事では注目されているSaaSの特徴と、業務に活かすポイントを解説します。
本記事では注目されているSaaSの特徴と、業務に活かすポイントを解説します。
知識・情報
2022/01/24 UP
- 技術
- クラウド
SaaSは企業でも、よく使われるサービスとなりました。業務の課題を解決する目的で、活用を検討している企業も多いのではないでしょうか。
貴社でSaaSを活かすためには、ぜひ知っておきたいポイントがいくつかあります。本記事では注目されているSaaSの特徴と、業務に活かすポイントを解説します。
SaaSとはなにか?特徴を正しく把握しよう
SaaSを適切に使うためには、まず特徴の正確な把握が重要です。3つのポイントに分けて、SaaSの特徴を確認していきましょう。
ソフトウェアをインストールせずサービスとして利用する
ひと昔前まで、ソフトウェアを使う場合はインストール作業が当たり前でした。SaaSはユーザー登録を要する代わりに、インストールの作業が不要。無料で使えるサービスならば、登録完了後ただちに利用を始められる簡便さが魅力です。
SaaSには、以下の特徴もあります。
・有料サービスの場合は必要な期間だけ契約し、コストを抑えられる
・ストレージの容量など、契約変更も柔軟に行なえる
このようにSaaSはソフトウェアをインストールせず、サービスとして利用することが特徴です。
PaaSやIaaSとの相違点
クラウドサービスにはSaaSのほかに、PaaSやIaaSといった形態があります。それぞれ、以下に挙げる重要な違いがあることに留意してください。
・SaaS:インフラやミドルウェア、ソフトウェアまでセットで提供するサービス
・PaaS:インフラとミドルウェア、開発環境をセットで提供。ソフトウェアは選べる
・IaaS:インフラのみ提供。ミドルウェアや開発環境、ソフトウェアは選べる
このように、SaaSはサービスごとに、あらかじめ決められたソフトウェアが提供される形態になります。
SaaSを活用する4つのメリット
SaaSを事業運営に活用することで、多くのメリットを得られるようになりました。ここからは代表的な4つのメリットを確認していきましょう。
どこからでもサービスを使える
SaaSが持つ代表的な魅力の一つに、どこからでもサービスを使える点が挙げられます。インターネット環境さえ用意できれば、社内・社外を問わず同じように使える点は魅力です。
自社でサーバーを用意する「オンプレミス」では、「社外からの接続許可をどう設定するか」という点に悩みが生じがち。SaaSならこの心配が不要な点は、メリットの一つといえるでしょう。
常に最新のサービスを活用できる
SaaSはパッケージソフトと異なり、常に最新のサービスを活用できる点も魅力です。その理由は、ソフトウェアが運営会社の管理下にあるサーバーで動作するため。ソフトウェアの更新は運営会社の役割であり、定期的に実施されます。利用者はアップデート作業をする手間から解放される点はメリット。いつでも最新のサービスを利用できます。
初期コストを抑えられる
SaaSは月払いや年払いといった、比較的少額の負担で使い始めることが可能。下記に挙げる初期コストが不要なことは、SaaSの魅力です。
・サーバーなどのハードウェア
・OSやミドルウェア
・業務用ソフトウェア
オンプレミスでは小規模なシステムでも、総額が数百万円以上となる可能性が十分にあります。一方でSaaSでは、1ヵ月あたり数千円の負担で始められるケースも少なくありません。
ただしSaaSの利用期間中は、継続して一定額のコストがかかります。長期間サービスを使った場合はオンプレミスよりもコスト高となる可能性があるため、よく比較することがおすすめです。
保守・運用の手間がかからない
システムの保守や運用の手間から解放されることも、おもな魅力の一つです。SaaSはハードウェア・ソフトウェアとも、運営会社が管理します。サービスを利用する企業はメンテナンスの手間をかけることなく、便利な機能を使うことが可能です。運営会社に対して保守や運用の丸投げが可能となる点も、大きなメリットといえるでしょう。
SaaSにはデメリットもあることに注意
SaaSは低コストで速やかに豊富な機能を活用できる、便利なサービス。一方でどの企業にも向く、万能のサービスではありません。以下のデメリットがあることに注意しましょう。
・インターネット環境がない場所では使えない場合が多い
・カスタマイズしにくい場合が多いため、業務をシステムに合わせる必要がある
・運営会社の管理がずさんな場合は、不正アクセスのリスクが高まる
・トラブルが発生した場合、運営会社の対処を待つ場合が多い
・他のサービスへ移行しにくい
契約する前には上記に挙げるデメリットが許容できるかどうか、よく検討することが重要です。
SaaSが向く2つのケース
SaaSはどの業務にも有効ですが、効果を発揮しやすいケースはあります。ここからは代表的な2つのケースを取り上げ、有効性を確認していきましょう。
外回りや在宅勤務の方が多い部署
社外で働く方が多い部署や企業は、SaaSのメリットを得やすいことが特徴。以下の職種や就業形態は、代表的な例に挙げられます。
・外回りの営業担当者やSE
・故障・修理の技術者
・在宅勤務
上記に挙げる方は、社外でも自由にアクセスできると生産性の向上が図れます。外回りの担当者は帰社する手間が省けるぶん、より多くの顧客を訪問することも可能です。
SaaSならば、社外からのアクセスも簡単に実現可能。外部からのアクセス設定をどうするかという悩みから解放されることは、大きなメリットです。
スタートアップ企業
スタートアップ企業の場合、事業の立ち上げ期は資金の少なさが悩みの一つ。「オンプレミスのソフトウェアを活用し、数百万円単位のシステム投資などとうていできない」このような企業も、多いのではないでしょうか。
SaaSならば少額で、多種多様なサービスを使えることが強み。加えて導入当初は少人数で契約し、従業員が増えたらより上位のプランを契約することも可能。このためオンプレミスの場合と比べて、はるかに安価なコストで事業に必要なサービスを活用できます。
SaaSの導入を成功させる4つのポイント
SaaSを社内で定着させ業務改善と収益向上に結びつけるためには、重要な4つのポイントがあります。それぞれについて、順に確認していきましょう。
導入の目的や目標を明確にする
SaaSは導入に先立ち、目的や目標を明確にしておく必要があります。なぜなら貴社の目的や目標によって、適するサービスは変わるため。以下の項目を明らかにしたうえでサービスを選ぶことが、成功の秘訣です。
1.自社が抱える課題を確認する
2.原因を分析する
3.あるべき業務の進め方を設定し、解決策を考える
上記のステップで進めれば、貴社の業務に適したSaaSを選びやすくなるでしょう。
稼働率など、サービスの品質は要チェック
SaaSのサービスレベルは、運営会社がサービスごとに設定します。またオンプレミスの場合と異なり、トラブルが起きても自社でできることは限られます。
このため稼働率など、サービスの品質を十二分にチェックすることが重要です。導入前にはSLA(サービス品質保証)をチェックし、提供条件やサービスレベルをよく確認しておきましょう。
加えて有料サービスの場合はもちろん、無料サービスの場合でもできるだけサポートが充実したサービスを選ぶとより安心です。
運営会社のセキュリティレベルも事前に確認を
SaaSを安心して活用するためには、運営会社のセキュリティレベルも確認することが重要です。なぜならSaaSを選んだ時点で、貴社のデータは社外にあるSaaS運営会社のサーバーに預けるため。SaaSを利用した結果、以下の事態を引き起こすことは防がなければなりません。
・機密性の高い情報が流出する
・重要度の高い情報が失われる
SaaSは価格に注目しがちですが、安心して使うためにはセキュリティの確保が前提です。この点でも、SLAの確認は欠かせません。
使いやすさも重視すべきポイント
SaaSは、職場に定着して初めて効果を発揮します。そのためには、UIや使い勝手も重視すべきポイント。選定の際には現場の従業員に試用させ、使いやすいサービスを選ぶことが重要です。
SaaSはカスタマイズが難しいため、多少の使い勝手の悪さは妥協しなければならないでしょう。しかし業務に支障が生じるレベルになると、現場で使われず定着しません。この場合は無理に導入しても効果を上げないため、他のサービスを選ぶことが賢明です。
貴社にフィットするSaaSの選定が成功の秘訣
SaaSは貴社にフィットするサービスを選ぶことで、効果を最大化できます。「有名だから」「安いから」という理由で安易に選ぶことは、良い結果を招きません。
まずは課題をしっかり分析し、目標を定めましょう。そのうえで複数のサービスを比較検討し、業務にフィットし期待する効果が得られるSaaSを選ぶことが成功の秘訣です。