XRの意味とは?VR・AR・MR・SRとの関係や活用事例を解説
この記事では、今後成長が見込まれるXR技術についての概要や、VR・AR・MR・SRとの関係性について解説します。実際にXRが活用されている事例も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事では、今後成長が見込まれるXR技術についての概要や、VR・AR・MR・SRとの関係性について解説します。実際にXRが活用されている事例も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
知識・情報
2022/06/13 UP
- 技術
近年、さまざまなビジネス分野で「XR(クロスリアリティ)」という技術が注目を集めています。特にエンターテインメント分野では、家庭用ゲーム機と連携したサービスも提供されており、XR技術は徐々に生活のなかに浸透してきています。
XRとはVRやARなどの技術を包括した表現ですが、XRという呼び名がなぜ誕生したのかを知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、今後成長が見込まれるXR技術についての概要や、VR・AR・MR・SRとの関係性について解説します。実際にXRが活用されている事例も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
なお、ARやVRについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせてご確認ください。
AR(拡張現実)とは?ARの種類やVR・MRとの違いを解説
VRで(仮想現実)とは?VRの仕組み・ARとの違いについて解説
XRとは?
XR(X Reality/Extended Reality)とは、現実世界と仮想世界を融合することで、新たな体験を生み出す技術の総称です。
現実と仮想の融合による新たな体験を創造する技術とは、具体的にはVR・AR・MR・SRなどの技術のことを指します。
近年、画像処理技術が発展し、VRやARなどそれぞれの技術の境界があいまいになってきています。そうした背景から、XRという包括的な表現が誕生しました。
XRに含まれる技術
XRに含まれる代表的な技術であるVR・AR・MR・SRについて、それぞれの違いを見ていきましょう。
VR(Virtual Reality/仮想現実)
VRとは、仮想世界をあたかもその場に存在するかのようにみせる映像技術のことです。
VRの専用デバイス(ヘッドマウントディスプレイ)で視界を覆い、ディスプレイに映像を映すことで、仮想世界への深い没入感を得ることができます。
VRは、ゲームやエンターテインメント分野で一般家庭にも普及が進んでいます。
AR(Augmented Reality/拡張現実)
ARは、現実の空間にデジタルコンテンツを重ねて映し出すことのできる技術です。
現実世界にデジタルコンテンツを付加させることで、現実世界の情報をより拡張することが可能です。
ARの活用事例には、スマートフォンのカメラで特定の場所を映すことで、現実の空間にキャラクターが重なって表示されるというものがあります。また、地図アプリのナビゲーションシステムにもARが活用されています。
近年では、家具を購入する際に部屋への配置シミュレーションを行なうサービスなども存在し、AR技術は私たちの生活に深く浸透してきています。
MR(Mixed Reality/複合現実)
MRは、VRとARを組み合わせた技術といえます。VRとARそれぞれの特徴を活かし、現実世界と仮想世界を同時に体験することができるのです。
ユーザーは専用デバイスを装着することで、デジタル情報に触れたり、さまざまな角度から眺めたりすることが可能です。
現実世界が主体のARと異なり、MRは現実世界と仮想世界を融合したものです。そのため、ARとMRでは、実際に利用した際の体感は大きく異なっています。
SR(Substitutional Reality/代替現実)
SRは、現実世界と仮想世界の境界をあいまいにすることを目指した技術です。
SRでは、過去の出来事についての映像や、あらかじめ用意された映像を映し出し、それらが実際に目の前で起きているように感じさせることが可能です。
視覚だけでなく、聴覚や触覚などにも働きかけるため、仮想世界の出来事を現実世界で起きているかのように体感することができます。
XRが普及した背景
XR市場が急成長した理由の一つには、新しい通信手段である「5G」サービスの普及が進んだことが挙げられます。
2020年以降に、5Gのサービスが本格的にスタートしました。5Gの普及によって、データの転送量や通信速度が大幅に向上し、VRやARなどの大容量のデータの通信が可能となったのです。
また、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、遠隔コミュニケーションの手段が求められるようになりました。この課題に対する解決策として、XR技術の活用が注目されたのです。
XRは、特にエンターテインメント分野での活用が進んでいます。今後は医療や教育、ビジネスなど、さまざまな分野でXR技術が活用されることが期待されているのです。
XRの活用事例
XRは仮想と現実を融合させる新しい技術ですが、すでにさまざまな分野で活用が進んでいます。XRはどのように利用されているのでしょうか。
この章では、エンターテインメント業界、医療業界、製造業界でのXR活用事例を紹介します。
エンターテインメント
ゲームなどのエンターテインメント業界では、特にXR技術の活用・普及が進んでいます。
なかでもVRは専用デバイスを手に入れやすく、一般家庭でもVR体験をすることが可能です。デバイスは高価なものから、段ボール製の安価なものまで多種多様であり、「一度VRを試してみたい」という方も気軽にVRを試すことができます。
ARもスマートフォンのアプリゲームなどで活用が進みました。街角でスマートフォンを構えるゲームユーザーの姿を目にしたことがある方や、実際にゲームを遊んだことがある方も多いのではないでしょうか。
また、ゲームだけでなく、地図アプリのナビゲーションシステムにもAR技術は使われています。ARは私たちの生活にとって、身近なXR技術の一つといえるでしょう。
医療分野
医療分野でもXRの活用が進んでいます。
VRやMRを用いることで、実際の手術の様子を医師間でシェアすることができます。高い技術を要する手術も目で見て学ぶことができるため、医師のスキル向上につながります。
また、手術のシミュレーションをすることも可能です。難しい手術でも事前にシミュレーションができ、実際に行なう手術の成功率向上に役立ちます。
製造業
MRには、複数人が同時に仮想体験できるという特徴があります。その特徴を活かし、現場スタッフと管理者の同時チェック体制を構築することができます。
例えば、点検や保守の際に、点検者が見ている映像を遠隔地の管理者も同時に確認するといった活用方法があります。管理者とのダブルチェックを行なうことで、チェック体制を強化することができるのです。
また技術の継承・教育についてもXRの活用が期待されています。XRで作業工程などをサポートするツールの開発も進められており、製造業におけるXR技術の普及は今後ますます進んでいくことでしょう。
XRは仮想世界と現実世界を融合するさまざまな映像技術の総称
XRは特定の技術を指すのではなく、現実世界と仮想世界を融合して生み出されるさまざまな技術を包括するために生まれた言葉です。
XRに含まれる技術のなかでは、特にVRやARの普及が進んでいます。有名ゲームアプリや、地図アプリのナビゲーション機能など、知らないうちにVRやARを利用している方も多いのではないでしょうか。
XRが急成長した理由には、通信技術の進歩と、XR自体の技術の進歩があります。また、世界中で感染症対策が求められたことで「現実では非対面でも、仮想世界では顔を合わせたリアルなコミュニケーションができる」というXRの特徴が注目されたことも、普及を後押しした理由の一つでしょう。
XRはエンターテインメント業界に加え、今後は教育やビジネスなど、多くの分野での活用が期待されています。