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プロジェクトマネージャー(PM)とプロダクトマネージャー(PdM)の違いとは?

本記事では、プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの仕事内容がどのように違うのかについて説明します。

プロジェクトマネージャー(PM)とプロダクトマネージャー(PdM)の違いとは?

本記事では、プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの仕事内容がどのように違うのかについて説明します。

キャリア

2023/06/22 UP

プロジェクトマネージャー(PM)とプロダクトマネージャー(PdM)は、一見すると似ているようですが、それぞれ異なる役割を担う仕事です。しかし、1つのソフトウェア製品を世に送り出すのに、なぜ2種類のマネージャーが必要になるのでしょうか。

そこで本記事では、プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの仕事内容がどのように違うのかについて説明します。それぞれの違いを理解すれば、どちらも製品開発に欠かせないうえ、エンジニアがキャリアプランに取り入れる際にもふさわしい職種だということが見えてくるでしょう。

プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの3つの違い

プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーにどのような違いと共通点があるのか、本記事では以下の3つの観点から説明します。

・役割:何に責任を持つ仕事なのか

・視点:仕事を進める際、何に注力するのか

・資質:どのようなスキルが必要なのか、あると良いのか

それぞれの呼称が示すとおり、プロジェクトマネージャーは「プロジェクト」を、プロダクトマネージャーは「プロダクト」をターゲットとした仕事です。ターゲットの違いをふまえながら、それぞれの仕事内容がどのように異なるのかを明らかにしていきましょう。

第1の違い:プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの役割

第1の違い:プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの役割

プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーは、どちらも製品開発にかかわる仕事です。しかし、何に責任を持つのかという観点から考えれば、両者の役割には違いがあることがわかるでしょう。まず、それぞれが請け負う仕事について説明します。

プロジェクトマネージャーは成果の実現を請け負う

プロジェクトマネージャーがターゲットとする「プロジェクト」とは、一般的にいえば何か独自性のある成果を、目標とする期日までに現実のものにする活動のことです。ソフトウェア開発においては、特定のソフトウェア製品(=プロダクト)を生み出すための一連の業務だといえます。

ソフトウェア開発のプロジェクトは多数のタスクから成り、通常はスケジュールに沿って進行します。無事に目標を達成するには、プロジェクトの計画や進行を担う管理者が欠かせません。そのような管理について責任を持つのが、プロジェクトマネージャーです。

プロジェクトマネージャーが果たす役割は、プロジェクトにおける目標を達成するためのマネジメントだといえます。

プロダクトマネージャーは価値の創造を請け負う

プロダクトマネージャーがターゲットとする「プロダクト」とは、顧客のことを考えて計画されるものです。ソフトウェア開発においては、ある層の顧客が求める機能を備えたソフトウェアや、それを搭載したハードウェアなどがプロダクトにあたると考えればよいでしょう。

顧客に満足してもらえるような価値のあるプロダクトとするには、ニーズに合ったアイデアを実際のプロダクトに付加したうえで、最適なタイミングで市場に送り出さなければなりません。これを実現するには、一連のプロセスを担う管理者の存在が不可欠であり、そうした管理について責任を持つのがプロダクトマネージャーです。

プロダクトマネージャーが果たす役割は、プロダクトの価値を最大化させるためのマネジメントだといえます。

第2の違い:プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの視点

第2の違い:プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの視点

プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの仕事内容は、さまざまなマネジメントを行なうという点では似たようなものに見えるかもしれません。しかし、両者には明確に異なる役割があるため、力を注ぐべき部分にも違いがあります。

ここでは、それぞれがどのような視点で仕事にあたるのかについて解説します。

プロジェクトマネージャーは「いつ」「どのように」を考える

プロジェクトマネージャーが「責任を果たした」といえるのは、プロジェクトの成果を実現できたときです。そのためには、特に「いつ(When)」と「どのように(How)」の2つの視点を意識したマネジメントが求められます。

「いつ」の視点は、目標とする期日までにプロジェクトを完了させるために重要です。例えば、最終的な成果を実現するまでのステップとして、中間目標の達成時期を計画するケースが考えられるでしょう。また、詳細なタスクを洗い出してスケジュールと分担を決めたり、その進行状況を把握したりといった場面でも、同様の視点が必要になります。

「どのように」の視点は、予算の制約や技術的な制限といった、プロジェクトとしてクリアすべき課題を乗り越えるために不可欠なものです。チームの作業効率を高める工夫をしたり、あらかじめリスクを想定して対策について検討したりする際にも、この視点が大切になってくるでしょう。

プロダクトマネージャーは「なぜ」「何を」を考える

プロダクトマネージャーは、プロダクトの価値を最大化できたときに「責任を果たした」といえます。そのために重視されるのが、「なぜ(Why)」と「何を(What)」の2つの視点を意識したマネジメントです。

「なぜ」の視点は、プロダクトに取り入れるべき顧客のニーズを理解するために欠かせません。例えば、製品レビューやアンケートなどを通して得られた顧客フィードバックからニーズを抽出したり、市場のトレンドなど顧客の心理や行動にも影響する要素について把握したりといった場面で、この視点が必要になるでしょう。

「何を」の視点は、プロダクトを顧客にとって価値のあるものにするために重要です。ニーズを満たしながら収益につながるプロダクトを考案したり、それを市場に投入するロードマップを策定したりする際に、この視点が求められます。

第3の違い:プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの資質

第3の違い:プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの資質

プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーには、それぞれに果たすべき役割と異なる視点があることを説明しました。求められる資質や能力の面でも両者には違いが 見られますが、これについては共通する部分も少なくありません。

ここでは、どのようなスキルがあると何に役立つのかについて紹介します。

顧客を理解するスキル

自社の顧客と、そのニーズについて理解するためのスキルは、プロダクトマネージャーにとって特に欠かせないものです。顧客がどういった背景により、どのような課題を抱えているのかを正しく把握することが、価値あるユーザー体験(UX)をもたらすプロダクトの企画につながります。

より具体的に顧客のニーズをとらえるには、試作品が必要なケースもあるでしょう。そのためには、プロトタイピングツールを扱うスキルが役立ちます。おおまかな機能やデザインのみを素早く用意することで、実際のユーザー体験を早い段階から検証できるようになるでしょう。

マーケティングスキル

価値あるプロダクトを生み出すには、まず市場データを収集・分析することが肝心です。そのうえで、顧客からのフィードバックなどもふまえてニーズに合う企画を考えます。これらのスキルも、プロダクトマネージャーには欠かせないものです。

また、プロダクトを市場に送り出す際には、広告などを含めたプロモーションの戦略も必要になります。これまでの実績データを活用するとともに、次期プロダクトに向けてプロモーションの効果測定を実施するスキルも求められるでしょう。

このようなマーケティングには、中長期的な視点が必要です。データを蓄積しておきナレッジとして活用するためのツールも扱えるようにしておくと、市場データや顧客ニーズ、効果測定の結果などをプロダクトに反映させる際に役立ちます。

ビジネススキル

ビジネススキルはプロダクトマネージャーに欠かせない、もう一つのスキルだといえるでしょう。プロダクトには、顧客ニーズに応えるほかに、収益をあげるという目的もあります。プロダクトマネージャーは、これらを両立できるビジネスモデルを構築しなければなりません。

まずは、自らのビジネスについての正しい理解が必要です。自社にはどのような「強み」があるのかを把握したうえで、市場や競合のデータと突き合わせて実現性のある戦略を策定します。そのためには、SWOTなどの分析手法や、ビジネスモデルキャンバスのようなフレームワークを活用する知識・能力があると役に立つでしょう。

マネジメントスキル

マネジメントスキルは、簡潔にいうならば計画を立てて実行する能力です。これは、プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの、どちらにも求められるスキルでしょう。

具体的には、次のようなことを行なうために必要です。

・価値あるプロダクトを企画したり、その実現のために解決すべき課題を把握したりする

・ロードマップやスケジュールを策定して、その達成状況を追跡する

・プロジェクトの遂行に必要な情報を入手したり、機材を調達したりする

・内外の関係各所(ステークホルダー)とのコミュニケーションをとるほか、必要に応じて交渉なども行なう

エンジニアリングスキル

目指すべきプロダクトがあったとしても、それが技術的に実現できないものでは意味がありません。本当に実現可能なのかどうかを、事前に見極めておくことが肝心です。こうした実現可能性の判断は、プロジェクトマネージャーはもちろんプロダクトマネージャーにもあると良いスキルでしょう。

ソフトウェア開発においては、エンジニアリングの知識がベースになります。もちろん開発期間や投入可能なリソースなどの制約から実現可能性について検討することも大切ですが、それは技術的に可能であるとわかって初めて意味があるのです。

ヒューマンスキル

プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーは、どちらも人と接する機会が多い仕事です。そのため、対人スキルの高さが役立つ場面も多々あるでしょう。

具体的には、客先でのプレゼンテーションや関係者とのコミュニケーション、チームビルディングなどを行なう際に求められるスキルです。

プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーは製品開発に欠かせない役割

プロジェクトマネージャーは「プロジェクト」を、プロダクトマネージャーは「プロダクト」をターゲットとしてマネジメントを行なう職種です。どちらのポジションにも価値ある製品を実現するための重要な役割があり、それぞれに仕事をするうえで重視すべき視点や、求められる資質があります。

製品開発の現場で活躍するエンジニアにとっては、いずれも今後のキャリアに取り入れられる職種だといえるでしょう。当社では、プロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャーを含むハイクラス向けの求人情報も多数紹介しているので、キャリアプランの実現にご活用ください。