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ベトナムに移住してみて

この記事はQiita パソナX-TECH Advent Calendar 2024に記載されている内容と同様の内容です。

ベトナムに移住してみて

この記事はQiita パソナX-TECH Advent Calendar 2024に記載されている内容と同様の内容です。

キャリア

2025/03/14 UP

筆者について

ベトナムの中部にあるダナンという都市に住んで半年です。

筆者画像

半年前:Webアプリケーションのフルスクラッチエンジニア。
現在:ベトナムに居住。ブリッジSEとしてオフショア開発と拠点立ち上げ活動中。

ベトナムの紹介

ベトナムの街並み

まずは、ベトナムについて簡単に説明します。あくまで参考程度です。
実際はいろんな側面があります。

魅力

1.若さ
2.労働人口の多さ
3.賃金の安さ

日本との比較表(平均年齢、人口は2023年厚生労働省データ、初任給は筆者の周辺情報)

  日本 ベトナム
平均年齢 48.4歳 33.3歳
人口 12,450万人 10,310万人
労働人口 6,925万人 5,548万人
大卒初任給(IT業界) 20~25万円 4~8万円

ベトナムの強みは、若い労働人口があること。そして、日本よりコストを抑えて活用できること。

ベトナムの夜景

オフショア開発について

オフショア開発の現状を、筆者が感じたことベースで書いていきます。

なぜオフショア

社内でプロジェクトの検討をする際に、必ず聞かれるこの質問。

「なぜオフショアなんですか。何がメリットですか。」

個人的な感覚では、特に営業サイドから言われることが多いですが、

コスト面ではない。(と私は思います。)

オフショア関連の本を読んでみると、コストが安い、開発費用が抑えられると書いてありますが、これは妄想ですね。円安の昨今、コストメリットは以前よりも小さくなっています。

リソース量

1番のメリットは、「日本に足りないリソースが確保できること」だと思います。
厳密に言えば、"今後足りなくなるであろう日本のリソース"を充填できること、これに尽きると考えています。

日本では労働力不足、エンジニア不足と嘆かれていますが、今のところベトナムには若い労働力がたくさんあります。そして日本と変わらず優秀な人材も多くいます。住んでみて実感しました。

日本だけでプロジェクトを回せなくなる状況になる前から、ベトナムの優秀な人材を早くから確保しておく。そのリスクヘッジをどれだけできるかが、今後の企業活動に大きく影響すると感じています。
(実際には、「コストが安くなる」などクライアントに説明できるメリットなどがなければ、案件創出自体が難しいのですが、、、、)

オフショアの追い風

ベトナム国の成長率、コストメリットに加えて、チャイナリスクの観点で2010年代以降に、急速にベトナムでのオフショア開発が伸びていました。

オフショアの向かい風

コロナ禍以降、急速に進んでいたオフショア開発の傾向が急激に鈍くなっており、コロナ禍が明けた現在でも以前のようなスピードはなく、IT業界全体で足踏み状態となっています。

背景には、高すぎる賃金上昇率(年5~7%)や安定しないインフラ、若すぎる労働力ゆえにオフショア元が求めるレベルに達していない現状があります。

パソナのオフショア開発

弊社は2004年からホーチミンでのオフショア開発を始めました。現在では、ホーチミン、ハノイ、ダナンに拠点を構えています。20周年となる昨年は、社員全員で20周年記念旅行に行きました。

技術領域は、Webアプリ開発やWebサイト制作、ローコード開発、CADの製図などです。

Pasona DX Hub Da Nang

新拠点『Pasona DX Hub Da Nang(パソナDXハブダナン)』(ベトナム・ダナン市)

ベトナムで苦労したこと

仕事のことの前に生活で困ったこと

・アパート契約後、入居までに5ヶ月かかった
・水道水が飲めない
・野良犬が多い
・湿気
 
初めはいろんなことに戸惑いましたが、半年も経てば慣れてくるもんですね。
「住めば都」とまではいかないですが、ぼちぼち落ち着いた生活になってきました。

仕事で困ったこと

・基本連絡は来ないから、進捗は尋ねる必要がある。
・通訳しやすい日本語としにくい日本語がある。
・文化や考え方の違い。

コミュニケーション

やはりコミュニケーション面で苦労することが多く、今でも最適なコミュニケーション方法を探っています。異言語同士の場合、受け取り手に伝わらない=コミュニケーションが破綻した状態に陥りがちです。

プロジェクトの中でも、こちらが伝えたと思っていても伝わっていないことが何度かあり、その度にコミュニケーションの難しさを痛感します。

上記のような経験を踏まえて、現地のメンバーだけでなく、日本人とのコミュニケーションでも仕事の進め方でも、より一層注意して慎重に進めるようになりました。

特に、この半年で1番苦労したのが「単一責任の原則」を説明するときでした。

オフショア開発の中でフロントエンドの開発に携わることが多いです。その中で「単一責任の原則」を利用したプロジェクトで、1人の開発者が「そこまで大きいプロジェクトではないので、責任ごとに分けた開発ではなく、複数機能を1つにまとめた設計の方が効率が良いです。」と伝えてくれました。

はじめにクライアントの要求、プロジェクトの特性など様々な観点で説明しましたが、なかなか納得してくれず、あくまで効率が良い開発をしたい。という一点張りでなかなか意見が合いませんでした。

しかし、何度も何度も説明する中で、自分のためだけの開発ではなく、組織としてのプロジェクトであり、開発したものは会社全員で共有するものである。
だから、みんなにわかりやすい開発をする。そのために「単一責任の原則」を利用する。

というところで、納得をしてくれました。

今でもたまに思い返してどのように会話をしていたら、もっとスムーズな会話になっただろうかと反省することがあります。良い経験になったと感じています。

未来に向けて

オフショア開発とは別に、今ベトナムで取り組んでいる内容をまとめて終わりにします。

人材の採用

大学生や若年層をメインに開発者の採用を行なっています。実際に面接をしてみると、日本の学生と同じようなレベルにある学生も多くいます。

ただ、ベトナムの地域によっては、地元に仕事がないため優秀な学生が地元で働くことができず、ホーチミン、ハノイという都市部に流れていってしまう現象があります。日本の東京と同じような現象です。

そのような学生に働く場を提供できるように、パソナグループはダナンに拠点を置き、日本からのオフショアプロジェクトをベトナムにて実施しています。

開発基盤の整備

私が個人的に取り組んでいる内容ですが、ダナン拠点での開発基盤を作ろうと思っています。理由は2つあり、「開発の効率化」と「強みを創出する」ためです。

・効率化
開発基盤を様々な案件に利用できれば、効率化できます。

・強みの創出
冒頭述べたように、オフショアの話をすると大抵の場合「何ができますか」「何が強みですか」という質問をいただきます。そういった質問に対して、開発基盤を見せて、イメージを持ってもらい、アピールしたいと思います。

以上が、ベトナムに住んで半年で感じたオフショア開発に関しての内容でした。

最後に、私が住んでいるダナンという都市は非常に魅力に溢れています。

・海が綺麗
・空気が綺麗
・ご飯が美味しい
・道路が混雑していない

ベトナムのビーチ画像

海外に住んで、ダナンの海や空、そして街並みをいろんな人に紹介したいと思いました。

東南アジアに旅行をされる際には、ぜひダナンを候補に入れていただけたらと思います。ぜひ旅行に来てください。おすすめは、3~9月です。