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顧客と共に走る「共創型チーム」へ─RYODENと築いた、スクラム導入プロジェクトの舞台裏

パソナ エンジニアマネジメント室 萩原です。 今回は株式会社RYODENとパソナのエンジニアが共に歩んだスクラム開発導入の取り組みについてプロジェクトの舞台裏のお話を伺いました。
今回の取り組みは、ただの技術支援にとどまらず、営業とエンジニアが連携しながら、お客様のチームの一員として伴走し、開発手法の導入やチーム文化の醸成までを含めた“共創”を実現。
本記事では、プロジェクトの中心メンバーであるスクラムマスターの大杉さん(Web/AIチーム)と営業担当の建部さん(DX支援チーム)に、立ち上げから現在に至るまでのプロジェクトの裏側を語ってもらいました。

顧客と共に走る「共創型チーム」へ─RYODENと築いた、スクラム導入プロジェクトの舞台裏

パソナ エンジニアマネジメント室 萩原です。 今回は株式会社RYODENとパソナのエンジニアが共に歩んだスクラム開発導入の取り組みについてプロジェクトの舞台裏のお話を伺いました。
今回の取り組みは、ただの技術支援にとどまらず、営業とエンジニアが連携しながら、お客様のチームの一員として伴走し、開発手法の導入やチーム文化の醸成までを含めた“共創”を実現。
本記事では、プロジェクトの中心メンバーであるスクラムマスターの大杉さん(Web/AIチーム)と営業担当の建部さん(DX支援チーム)に、立ち上げから現在に至るまでのプロジェクトの裏側を語ってもらいました。

キャリア

2025/06/06 UP

顧客の中に入り込む覚悟

2024年、パソナのエンジニアチームに新たな挑戦が舞い込んだ。相手は老舗商社であり、近年は自社プロダクト開発にも力を入れる株式会社RYODEN。同社では新たなプロダクト開発部門(戦略技術センター)の立ち上げが構想されていたが、その実現にはパートナーの力が不可欠だった。最初の接点は、長年RYODENと関係性を築いてきた営業建部による提案だった。「社内のエンジニアとともに新しいサービスづくりに、うちも手を貸させてほしい」と熱を込めてアプローチ。

「パソナさん、どんな技術ができるの?」

この一言が、すべての始まりだった。

過去の実績を丁寧に伝えることで信頼を得ることができ、エンジニアチームの参画が決定。プロジェクトにアサインされたスクラムマスター・大杉を中心に、エンジニアたちが新たな挑戦に踏み出すことになる。

スクラム開発という選択肢

RYODENのチームは、もともとチケット駆動の開発手法に親しんでいた。しかし、大杉たちが提案したのは、よりリズム感を持って進められるスクラム開発だった。ちょうどRYODEN社内でも「アジャイル」という言葉に興味を持ち始めていたタイミングだった。

「これは、今しかない」

大杉は、スクラム開発の基本的な概念とその導入方法について、RYODENメンバー向けに勉強会を実施した。戦略技術センターの中でも、開発グループの12人がこのプロジェクトの中核となった。

「最初は戸惑いもありました。特にスクラム開発の役割、プロダクトオーナーの役割の理解を得るのが課題でした。でも、時間をかけて一緒にプロダクトバックログを作りながら、だんだんチームの皆さんが主体的にスクラム開発を進められるようになっていったんです」(大杉)

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フラットな現場で生まれた「共創」

スクラム開発の特徴の一つは「フラットなコミュニケーション」。RYODENの開発チームは、技術的バックグラウンドが多様で、エンジニア出身でないメンバーもいたが、それがむしろ強みになった。

バックログリファインメントの場では、慣れている人と慣れていない人が自由に意見を交わす。「見積もりって、こんなに面白いんですね」と言われた時、大杉は手応えを感じた。

スクラム開発のMTGが日常の中に自然と溶け込み、チーム内の距離感がどんどん縮まっていく。毎日のデイリースクラムでは、進捗だけでなく悩みやアイディアを共有する場として活用され、スプリントレトロスペクティブでは問題の本質に踏み込むことができた。

大杉自身もスクラム開発の経験はありながらも、顧客のチームの中に入り込んでのスクラム開発は初めての経験だった。しかし、スクラム開発のひとつひとつのイベントがうまく機能し始め「大杉さんに回されていますね!」とRYODENメンバーから評価されるほどに、チームの中に溶け込んでいた。

営業とエンジニアの「共創」

このプロジェクトが特別だった理由の一つが、「営業と技術の共創体制」だった。建部は、RYODENと長年信頼を築いてきた立場から、常に現場の声を社内エンジニアに届け、開発側の感情にも寄り添った。

「営業として、最初から『できません』とは言わない。どうやったら実現できるか、一緒に考えることを大事にしています」

RYODENの中で、パソナは「一つのチーム」として受け入れられていた。それは建部が、開発に直接関わらずとも、プロジェクトの温度感やお客様の気持ちを絶やさずエンジニアに伝え続けたからだ。

「開発現場では些細なことでも、営業が感情を汲んで技術チームに伝えることで、チームの空気がまったく違ってくるんです」

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変化の兆し、そして確信へ

スクラム開発導入から数ヶ月。RYODENの中で確かな変化が起きていた。

もともとは「スクラム開発ってなんとなく聞いたことある」というレベルだったメンバーが、いまや主体的にイベントを運営し、プロダクトバックログを自ら管理している。
プロジェクトを共にした大杉は、こう語る。

「最初はチームの中に入り込みながらも距離感はありましたね。ですがスクラム開発のイベントを通し、乗り越えていく中でRYODENチームのみなさんも活発に発言してくださるようになり、『問題を解決したい』という共通の認識の中で意見を交換できるようになりました。」

現在は、プロジェクトを通じて育ったRYODENのメンバーが、今ではスクラムマスターの役割を担う、新たなプロジェクトもスタートしており、思考錯誤しながらもうまく回っているとのこと。RYODEN開発チームの中でスクラム開発が根付き、広がり続けている。

共につくる「チーム」そのものが成果

このプロジェクトの最大の成果は、「製品」ではなく「チーム」だった。

営業、技術、お客様。それぞれが自分の立場からできることを考え、フィードバックを交わし、ひとつの目標に向かって走り続けた。

建部は最後にこう語る。

「パソナをチームの一員だと思ってます、って言ってもらえたとき、心の底からうれしかったです。こういう関係性を、もっと増やしていきたいですね。」

大杉もまた、次のプロジェクトに思いを馳せる。

「スクラムは理念なんです。方法論だけじゃなくて、どうやって信頼関係を築いて、チームを育てていくか。今回の経験は、きっと次にも活きると思います。」

共に悩み、共に喜び、共に成長する。

単なる技術提供ではなく、チームの在り方そのものに関わる支援。今回のプロジェクトは、パソナにとっても貴重なモデルケースとなった。

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今回のプロジェクトのお話を伺い、スクラムのチームを創り出そうとするパソナメンバーの想いだけではなく、そこに共感していただき、共に前進していただいたRYODEN様の開発チームがあってこその成果であったと感じます。

創るのは、ただのシステムではく
ともに悩み、走り、育つ「チーム」そのもの。

今回のインタビューを通しそれがパソナの、共創型プロジェクトのかたちであることを実感することができました。

今後も顧客と共創し、新たな価値が生み出されるプロジェクトに期待です!