ITエンジニアの平均年収は?高年収エンジニアの特徴・年収アップの方法について
この記事では、ITエンジニアの平均年収やについて解説します。
この記事では、ITエンジニアの平均年収やについて解説します。
キャリア
2023/07/04 UP
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IT業界の市場は拡大し続けており、ITエンジニアの需要も年々高まっています。
ITエンジニアは高収入のイメージが強く、実際にどの程度の収入があるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ITエンジニアの平均年収やについて解説します。年収が高いエンジニアの特徴や、ITエンジニアが年収をアップするための方法についても触れるので「ITエンジニアへの転職を目指している」「エンジニアとして収入アップしたい」という方はぜひ最後までお読みください。
エンジニアの平均年収
ITエンジニアの年収について、日本国内の平均年収と、日米における平均年収の差について解説します。
日本のエンジニアの平均年収
経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果(平成29年)」によると、エンジニアは職種ごとに平均年収が大きく異なることが指摘されています。
同調査では、高度SEやIT技術スペシャリストよりも、プロジェクトマネージャーやプロデューサーなどの管理系職種のほうが、平均年収は高いという結果が出ています。
【ITエンジニアの平均年収】
・コンサルタント:928.5万円
・プロジェクトマネージャー:891.5万円
・高度SE・ITエンジニア:778.2万円
・IT技術スペシャリスト:758.2万円
・SE・プログラマー(組込みソフトウェアの開発・実装):603.9万円
・SE・プログラマー(顧客向けシステムの開発・実装):593.7万円
・SE・プログラマー(ソフトウェア製品の開発・実装):568.5万円
参考:経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果(平成29年)」
また、国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、日本における給与所得者の平均年収は443万円です。このことから、ITエンジニアの平均年収は日本の給与所得者の平均を上回っており、高い水準にあることがわかります。
ITエンジニアの平均年収は高い水準にありますが、個人によって給与に幅があります。業務能力や成果が給与に大きく反映される企業の場合は、若手のうちから高年収を得られる可能性があるという点も、ITエンジニア職種の特徴の一つといえるでしょう。
日本とアメリカのエンジニアの平均年収比較
アメリカやインドなどの「IT先進国」の平均年収は、日本を大きく上回っています。
経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果(平成29年)」によると、日本とアメリカのIT人材の年代別の年収では、以下のように大きく差があります。
【日本のIT人材の年代別の年収分布】
年代 | 平均年収 | 年収の最小値 | 年収の最大値 |
---|---|---|---|
20代 | 413万円 | 150万円 | 1,250万円 |
30代 | 526万円 | 100万円 | 1,250万円 |
40代 | 646万円 | 150万円 | 1,750万円 |
50代 | 754万円 | 100万円 | 2,250万円 |
【アメリカのIT人材の年代別の年収分布】
年代 | 平均年収 | 年収の最小値 | 年収の最大値 |
---|---|---|---|
20代 | 1,023万円 | 114万円 | 4,578万円 |
30代 | 1,238万円 | 172万円 | 4,578万円 |
40代 | 1,159万円 | 172万円 | 4,578万円 |
50代 | 1,041万円 | 286万円 | 3,720万円 |
参考:経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果(平成29年)」
より高年収を目指している方は、海外で働く可能性にも目を向けてみるとよいでしょう。
高年収のエンジニアの特徴
ITエンジニアの年収は個人によって大きく差があります。ここでは、高年収のITエンジニアに多く見られる特徴について解説します。
ITスキルのレベルが高い
高いITスキル・専門性を有しているエンジニアほど、年収が高い傾向にあります。
経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果(平成29年)」では、ITスキルレベルが4以上になると、給与水準が大きく上昇する傾向にあるという結果が出ています。
【ITスキルレベル別の平均年収】
スキルレベル | 平均年収 | スキルレベルの基準 |
---|---|---|
レベル1 | 437.8万円 | 新人・初級者レベル、仕事に慣れ始めたレベル |
レベル2 | 499.2万円 | 上位者の指導のもとに仕事ができる若手人材レベル |
レベル3 | 576.0万円 | 独立して仕事ができる中堅人材レベル |
レベル4 | 726.1万円 | 部下を指導できるチームリーダーレベル |
レベル5 | 937.8万円 | 社内での指導者・幹部レベル |
レベル6 | 1129.9万円 ※レベル6/7の平均年収 |
国内で著名なレベル |
レベル7 | 1129.9万円 ※レベル6/7の平均年収 |
国際的に著名なレベル |
参考:経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果(平成29年)」
ITスキルレベル1~3の給与水準はゆるやかに上昇し、スキルレベル4以降になるとレベルが上がるごとに年収が大きくアップしていることがわかります。
スキルレベル4のエンジニアは、開発チームのリーダーを務められる人材です。仕事に対する責任も重くなり、それに比例して年収も高くなっています。
上流工程を担当している
開発の基盤となる要件定義・基本設計・詳細設計・レビューなどの工程は、「上流工程」と呼ばれます。
上流工程には、IT技術に関する高度な専門知識が求められます。また、担当する業務の幅が広く、マネジメント力、交渉力、コミュニケーション力など、IT技術以外にもさまざまなスキルが要求されます。
上流工程を担当できるエンジニアは、経験豊富で高度なスキルを有していることから、市場価値が高い存在です。企業は優秀なエンジニアを獲得するために好条件を提示するので、年収が高くなりやすいのです。
上流工程のなかでも、より重要度の高い業務を担当する職種ほど高年収の傾向にあります。
勤続年数・経験年数が長い
年功序列型の給与制度を採用している企業では、年齢に応じて給与水準が高くなる傾向にあり、勤続年数や経験年数によって平均年収が高くなります。
経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果(平成29年)」によると、給与水準を決める際に年功が重要と認識する企業は3割未満で、年功の影響を「小さい」と回答した企業は約6割という結果でした。
同調査では、ITエンジニアの給与決定の際に、9割の企業がITスキルレベル、コミュニケーション・マネジメント能力、成果を重視すると回答しています。
ITエンジニアは能力重視の傾向が強いですが、経験年数や勤続年数が給与に影響する企業もまだまだ存在します。また、エンジニアとしての経験を積むことで、個人のITスキルや事業貢献度が高くなることも影響していると考えられます。
エンジニアは年収1,000万円を目指せる仕事なのか?
ITエンジニアのなかには、年収1,000万円を稼いでいる方もいます。そのような方の多くは、AIやIoT、データサイエンス、ブロックチェーン、自動運転などの最先端技術にかかわる仕事を担当しています。
最先端技術に対応できるエンジニアは市場価値が高く、企業は優秀なエンジニアを獲得するために高い報酬を提示する傾向にあります。そのため、最先端技術に精通し、開発プロジェクトを主導できるようなエンジニアは、年収1,000万円などの高収入を実現しているのです。
また、大規模な開発プロジェクトを行なう大手企業は、給与水準が高い傾向にあります。年収アップを目指して転職する場合は、就職先の企業がどのようなプロジェクトを行なっているのか、どのような分野に注力しているのかなども調べておくとよいでしょう。
その他、高度IT資格を取得するのもおすすめです。資格があることで自分のスキルを客観的に証明でき、給与交渉がしやすくなります。また、資格手当制度を採用している企業の場合は、資格を取得することで年収アップにもつながるでしょう。
エンジニアが年収アップを目指す方法
ITエンジニアとして働いている方が、年収アップを目指すには、以下の3つの方法があります。
・需要の高いスキルを身につける
・実績を積む
・給与水準が高い会社に転職する
需要の高いスキルを身につける
市場価値の高いエンジニアは、好条件を提示されやすく、年収が高い傾向にあります。
年収アップを目指す場合は、まず市場ニーズの高いスキルを調査し、そのスキルを習得するのがおすすめです。需要の高いエンジニアになれば、給与交渉もしやすくなります。
時代とともに求められるスキルは変化するため、需要を見極め、先を見越してスキル取得に動くことが大切です。AIやIoT、データベースなど、最先端技術に精通しているエンジニアは非常に需要が高く、高年収を目指しやすいでしょう。
実績を積む
ITエンジニアはスキルだけではなく、実績も重視されます。そのため、プロジェクトの推進経験や開発実績を積むことで、経験が評価されて年収アップにつながる可能性があります。
事業への貢献度を高めるには、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルに優れていることも重要です。プロジェクトの経験を積み、協調性・交渉力・提案力・説明力・論理的思考力などのスキルを磨いていきましょう。
上流工程を担当した経験があれば、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなどにキャリアアップする際の武器にもなります。
給与水準が高い会社に転職する
給与水準は企業によって大きな差があるため、現在の会社で給与アップが見込めない場合は転職を視野に入れるのもよいでしょう。
転職先を探す際は、単に給与が高いだけでなく、評価基準が明確かどうかもポイントです。評価基準が明確であれば、給与アップを目指しやすく、モチベーションの維持もしやすくなります。
エンジニアは高年収を目指せる需要の高い仕事
IT業界では慢性的な人材不足が続いており、ITエンジニアは需要が高い職種です。
ITエンジニアの平均年収は高い水準で推移していて、ITエンジニアとして高年収を実現している方も少なくありません。しかし、収入には個人のスキルや経験が大きく影響するため、ITエンジニアになったからといって、全員が高年収を実現しているわけではない点に注意が必要です。
ITエンジニアとして年収アップを目指す場合は、最先端技術を習得したり、開発プロジェクトの実績を積んだりして、自身の市場価値を高める努力が求められます。優秀なエンジニアの獲得は多くの企業の課題となっており、市場価値の高い人材になることが収入アップにつながるのです。
未経験から高年収のエンジニアを目指している方は、キャリアパスを作成し、理想のキャリアを実現するのに必要なスキルや経験を、明確にすることからスタートするとよいでしょう。
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