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自社開発エンジニアとは?メリット・デメリット、目指すために必要になることをまとめて解説

この記事では、自社開発エンジニアの概要から前述の3つの違いと併せて、自社開発エンジニアのメリット・デメリット、なるための方法などを解説します。

自社開発エンジニアとは?メリット・デメリット、目指すために必要になることをまとめて解説

この記事では、自社開発エンジニアの概要から前述の3つの違いと併せて、自社開発エンジニアのメリット・デメリット、なるための方法などを解説します。

キャリア

2023/07/19 UP

エンジニアは顧客やサービスの提供方法などから大まかに「自社開発」「SIer」「SES」に分けることができます。そのなかからさらに細かくエンジニアの種別が分かれていますが、そもそもこれら3つの違いは何でしょうか。「自社開発エンジニアが何なのか」「これから目指したい」と考えている方は、特にこれらの違いについて理解しておく必要があります。

この記事では、自社開発エンジニアの概要から前述の3つの違いと併せて、自社開発エンジニアのメリット・デメリット、なるための方法などを解説します。

自社開発エンジニアとは-自社サービスを企画、開発、運営までを行なうエンジニア

自社開発エンジニアとは、自社でサービスの企画・開発・運営までを行なう「自社開発」を行なうエンジニアです。例えば、TwitterやFacebookのようなWebサービスを自社で開発して運営するエンジニアを指します。

自社開発エンジニアと混同されやすいエンジニアの種別に「社内SE」が挙げられます。社内SEは社内システムの運用や保守をメインとし、開発には携わらないことが多いエンジニアです。社外に公開するようなシステム・サービスを開発することはせず、社内の業務が滞りなく実施できるように支える「縁の下の力持ち」のようなポジションといえるでしょう。

自社開発エンジニアと社内SEは、業務のほとんどが自社内で完結する、という点では同じです。そのため混同されやすいといえますが、明確に異なるものであることを覚えておきましょう。

なお、社内SEについては、こちらの記事も合わせてご確認ください。
社内システム企画(社内SE)の仕事内容とは?必要なスキル・資格について解説

自社開発・SIer・SESの違い

自社開発・SIer・SESの違い

冒頭でお話ししたとおり、エンジニアは大きく「自社開発」「SIer」「SES」の3つに分けられます。それぞれの違いは「誰を顧客としているのか」「どのようにサービスを提供するのか」という2点です。

自社開発

自社開発は自社でサービスを開発して提供するものであり、顧客は開発したサービスを利用する利用者そのものです。個人向けのサービスを開発することもあれば、企業向け(BtoB)の場合もあります。開発する際に明確な顧客が存在しているわけではないため、開発の自由度が高い点が特徴です。後ほどメリット・デメリットを解説しますので、そちらをご覧ください。

SIer

次に、SIerは受託開発を請け負う企業を指し、顧客はシステムが欲しい・改善したいと考える企業です。顧客の悩みや課題を解決するためのソリューションとして、新規にシステムを開発することもあれば、すでに存在しているサービスやシステムを組み合わせて提供することもあります。システムやサービスの要件は最終的に顧客が決定するものであり、予算やスケジュールなども自社開発に比べると大きく制限される点が特徴です。

SES

最後に、SESはSystem Engineering Serviceの略称であり、エンジニアを派遣する企業・契約方法を指します。自社開発・SIerは顧客に対してサービスやシステムを提供しますが、SESはエンジニア(労働力)を提供する点が大きな違いです。エンジニアを必要とする企業へ派遣するため、自社開発やSIerの企業がおもな顧客といえるでしょう。契約という点では「派遣契約」と似ていますが、この場合は派遣先企業との間に直接の雇用関係はありません。対して、SESの場合は「準委任契約」となり、派遣されたエンジニアに対する指揮命令は派遣先企業が行ないます。

自社開発エンジニアの4つのメリット

自社開発エンジニアの4つのメリット

ここからは、自社開発エンジニアについてもう少し掘り下げていきましょう。自社開発や自社開発エンジニアのメリットから解説していきます。

企画段階から携われる

自社開発エンジニアは企画段階から携われるため、自らアイデアを出して自由度の高いサービスの開発が行なえます。企画から運営までをおもに自社で行なうため、モノづくりの楽しさを感じられるでしょう。

SIerやSESのエンジニアの場合、基本的に依頼されて要望に答える形でシステム・サービスを設計して開発を進めます。そのため、失敗すると直接顧客に損害を与えることになりかねず、安定性が高く堅実な方法を取ることがほとんどです。

対して、自社開発では新しい技術などを取り入れて試しながら開発する、ということも実施しやすく、SIerやSESに比べて自由度が高いという点は大きなメリットの一つといえます。

スケジュールの調整がしやすい

SIerなどの場合、顧客から開発を依頼されて取り組むため納期が存在します。場合によっては厳しいスケジュールにならざるを得ないこともあるでしょう。対して、自社開発の場合は自社でスケジュールを調整でき、無理なスケジュールで苦しむことはほとんどありません。

もちろん、開発の目標期間などを定めることはありますが、絶対的な納期は存在しないためスケジュールを調整しやすいという点が大きなメリットとなっています。受託開発の場合は納期に間に合わせることが最も重要ですが、自社開発では期日よりも「より良いサービスを作る」ということが重要視されることが多いといえるでしょう。

コミュニケーションが取りやすい

自社開発エンジニアは、基本的にほとんどのやり取りが自社内で完結します。もちろん、社外のエンジニアやベンダーなどとやり取りする必要性もありますが、SIerなどの受託開発の場合と比べて少ないといえます。

受託開発では顧客をはじめ、多くの社外の人たちとコミュニケーションを取る必要があり、相手からの返答待ちで開発が遅れることも考えられるでしょう。例えば、仕様変更などの確認メールを送っても数日返答が返ってこない、というようなことが考えられます。

自社開発の場合は開発に携わる人たちがほとんど社内の人たちであるため、前述のようなことも起こりづらくなっています。綿密なコミュニケーションを取りながら進めることが可能であり、コミュニケーションが取りやすい点もメリットです。

ユーザーの意見を即座に取り入れやすい

自社開発は運営まで行なうため、ユーザーの声が届きやすく意見を取り入れて即座にアップデートすることも可能です。受託開発の場合は、実際のユーザーの声を直接聞く機会はそう多くないでしょう。仮に直接確認でできたとしても、最終的にアップデートを実施するかどうかは顧客が決めることであり、費用の問題なども出てくるため即座に対応することは難しいといえます。

また、受託開発で顧客の要望として意見が挙げられた際には取捨選択の余地がほとんどありませんが、自社開発では必要に応じてアップデートに反映することができます。

自社開発エンジニアの3つのデメリット

自社開発エンジニアの3つのデメリット

自社開発には多くのメリットが存在しますが、自社開発エンジニアとして働きたいと考えている場合には、次に紹介する3つのデメリットについてもしっかりと理解しておくことが重要です。

人脈を広げにくい

自社開発は自社内で完結することが多く、業務で関わる人たちはほとんどが自社の人間です。他の種類のエンジニアは顧客をはじめ、多くの人たちと関わる機会が多いことから、比較すると人脈を広げにくいというデメリットが挙げられます。

ずっと同じ企業で働き続ける場合には特に問題はありませんが、将来的にフリーランスとして活躍したい、などと考えている場合には注意する必要があります。将来の自身のエンジニア像を明確にし、人脈を広げる必要がある場合には積極的にその方法を模索することが重要です。

知識・スキルが偏りやすい

自社開発エンジニアと一言でいっても、その役割はさまざまです。自社開発企業によって大きく異なりますが、開発の役割分担が細かく定められている場合などは特定の分野の知識・スキルしか習得できない可能性があるため注意しましょう。

受託開発の場合は顧客の要望に合わせて、必要な知識やスキルを習得するためのきっかけが多く存在しますが、自社開発の場合は外的なきっかけがあまり多くありません。自身で新しい技術を取り入れるなどを積極的に行なわなければ、知識やスキルが偏りやすい点はデメリットとして挙げられます。

開発したものが必ずしも使われるとは限らない

受託開発では依頼されたものを開発するため、開発して納品すれば利益を得られます。対して、自社開発ではユーザーニーズに沿っていなければ使ってもらえず、利益が得られない可能性が考えられます。

そもそも、自社開発では「どこで利益を生み出すのか」といった点から考慮しなければなりません。そのうえで、多くのユーザーが欲しいと感じるサービス・システムを開発する必要があります。

多大な時間をかけて開発したとしても、必ずしも使ってもらえるとは限らない点は、自社開発エンジニアのデメリットの一つといえるでしょう。

自社開発エンジニアになるためには

自社開発エンジニアになるためには

これから「自社開発エンジニアを目指したい」という方に向けて、自社開発エンジニアに求められるスキルや就職・転職方法を解説します。

求められるスキル

自社開発エンジニアに求められるスキルとしては、おもに次のようなものが挙げられます。

・高いIT技術

・スピード感を持った対応

・ユーザーニーズを把握する分析力

・コミュニケーション能力

自社開発エンジニアは、企画から設計・開発・運営・保守と幅広く対応する必要があります。設計スキルや開発スキルだけでなく、安全性を高めるためのセキュリティ知識・スキルも必要です。「一つのアイデアを形にして運営する」ための総合的なITスキルが求められます。

また、絶対的な納期が存在しないとはいえ、利益はリリースしたあとに発生するものであり、他社との競争もあるためスピード感を持って対応しなければなりません。特に技術の移り変わりや流行り廃りが激しいWebサービスでは、スピード感を持った対応は非常に重要視されます。併せて、ユーザーの意見を取り入れてサービスをより良くするために、柔軟性も求められます。

その他にも、ユーザーニーズをしっかりととらえるための分析力やコミュニケーション能力も必要です。デメリットで解説したとおり、開発したものは必ずしも使われるとは限りません。基本的に利益を出すためには多くのユーザーに利用してもらう必要があるため、ニーズをとらえるための調査や分析の能力が求められます。

コミュニケーション能力は黙々と作業を行なうエンジニアはあまり必要ない、と考える方も多いかもしれません。しかし、実際にはチームとしてより良いサービスを作り上げる必要があるため、綿密なコミュニケーションは重要です。

就職・転職方法

求められるスキルからも分かるとおり、自社開発エンジニアは自ら考えて動ける人材が必要とされます。そのため、自身でサービスを開発したり、SNSで技術情報を発信したりすることも重要です。

自身で情報を発信していれば、SNSを通じて就職・転職活動をすることも可能です。また、より確実に就職・転職活動を進めたい場合にはITに強い転職エージェントを活用することもおすすめします。

自社開発の企業は、企業ごとに待遇などが大きく異なるため、プロのエージェントの意見を聞いて判断材料とすることも重要です。

「自社開発エンジニアはやめとけ」と言われる理由

インターネットで自社開発エンジニアについて調べていると「自社開発エンジニアはやめとけ」などと言われている記事を見たことがある方も多いのではないでしょうか。最後に、このように言われる理由について見ていきましょう。

「自社開発エンジニアはやめとけ」と言われる理由は、デメリットで解説した「人脈を広げにくい」「スキルが偏りやすい」などの存在が大きいためです。加えて、人気となるサービスやシステムを開発できなければ企業としての安定性が欠け、エンジニアの給料などにも大きく影響すると考えられます。

それでも、自社開発エンジニアはモノづくりの楽しさを感じられ、やりがいも大きな仕事ができるエンジニアです。これらのデメリットを理解した上で、自身の将来像と照らし合わせながらデメリットを解消できるように努力する覚悟があれば、自社開発エンジニアはあなたにとって最高の仕事になるでしょう。

自社開発エンジニアにチャレンジしてみよう!

自社開発エンジニアは、自社でサービスを企画・開発・運営する「自社開発」のエンジニアです。自社開発はSIerやSESと違い、顧客はサービスを利用する利用者(ユーザー)そのものであり、個人向けから企業向けまでさまざまです。

これから自社開発エンジニアを目指したいという方は、この記事で解説した4つのメリットと併せて3つのデメリットについてもしっかりと理解しておく必要があります。自社開発企業は企業ごとに待遇などが大きく異なるため、まずはさまざまな求人を確認することからはじめてみてはいかがでしょうか。