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全員が発言できるようにチームふりかえりを改善した話

チームふりかえりっていいですよね。
みんなで定期的に集まって、チーム運営に関する課題を話し合って、やった!今月もカイゼンにつながった!
...でも、このままでいいのでしょうか。ふりかえりをふりかえってみる機会も大事です。

全員が発言できるようにチームふりかえりを改善した話

チームふりかえりっていいですよね。
みんなで定期的に集まって、チーム運営に関する課題を話し合って、やった!今月もカイゼンにつながった!
...でも、このままでいいのでしょうか。ふりかえりをふりかえってみる機会も大事です。

知識・情報

2026/01/30 UP

※こちらの記事はパソナX-TECH Advent Calendar 2025から引用しています。

ふりかえりの基本

私たちのチームのふりかえりは、下記の文献を参考にしています。

ふりかえりの基本の構成は

  1. 場をつくるアクティビティ
  2. 出来事を思い出すアクティビティ
  3. アイデアを出し合うアクティビティ
  4. アクションを決めるアクティビティ
  5. ふりかえりをカイゼンするアクティビティ

の5ステップです。
それぞれのステップごとに手法を選んで、ふりかえりを計画していきます。

ちなみに私たちのチームでは、上述の文献に登場する手法を ふりかえり手法一覧表 としてスプレッドシートにまとめています!

image

今までのふりかえりの課題

私たちのチームは、2023年に新設された比較的若いチームです。
2025年に入ってからメンバーが増え、チーム運営がようやく軌道に乗ってきました。
そこで、ふりかえりも取り入れることになり、とりあえず前の所属チームでよく使っていた構成をそのまま実践してみることにしました。

  1. 場をつくるアクティビティ → チェックイン(5分)
  2. 出来事を思い出すアクティビティ → 学習マトリクス(事前準備)
  3. アイデアを出し合うアクティビティ → 学習マトリクス(事前準備)
  4. アクションを決めるアクティビティ → ドット投票 + SMARTな目標(40分)
  5. ふりかえりをカイゼンするアクティビティ → プラス/デルタ(15分)

チェックインとは
  • 参加者を歓迎し、目標とアジェンダのレビューを行ったあとで、レトロスペクティブのリーダーが簡単な質問を1つするアクティビティ

学習マトリクスとは
  • 4つの観点からデータを見て、課題を素早く洗い出すアクティビティ
  • 4つの観点とは、
    • 「笑顔」:良かったこと・続けたいこと
    • 「しかめ面」:変えたいこと
    • 「電球」:新しいアイデア
    • 「ブーケ」:感謝したい人

ドット投票とは
  • 課題、アイデア、提案を優先づけるためにドットで投票を行うアクティビティ

SMARTな目標とは
  • Specific(明確な)、Measurable(計測可能な)、Attainable(達成可能な)、Relevant(適切な)、Timely(タイムリーな)目標を作るアクティビティ
  • こうした性質を持った目標であれば達成できる可能性が高い

プラス/デルタとは
  • ふりかえり自体のふりかえりを行ったり、強みや改善点を見つけたりするアクティビティ

image

(↑のようにFigJamボードで実施しています)

学習マトリクス をメインに置いて進めると、さまざまな観点の意見が集まってくるのが魅力です。
ただし、1ヶ月に1回のふりかえりを4ヶ月続けてみた結果、下記のような課題も見えてきました。

  • 学習マトリクスの部分は事前記入してもらう方針としたが、入力が間に合わない場合もあり、一部の人の意見だけで進んでしまう
  • ドット投票で票が集まった話題しか取り上げられない
  • 時間が足りず、良かったことや感謝したいことを書いても触れられない
  • SMARTな目標を話し合うときに一部の人が中心となって話が進み、全員が平等に発言できない

ふりかえりアクティビティの入れ替え

中でも一番課題に感じたのは、一部の人しか発言できていない状況です。
大前提として、私たちのチームは13人で構成されているため、なんらかの工夫をしないと全員が発言するのは無理がある状態でした。
そこで、候補に上がってきたのが 555(Triple Nickels) というアクティビティです。
ふりかえりのメインコンテンツを555(Triple Nickels)に置き換えてこのように構成してみました。

  1. 場をつくるアクティビティ → チェックイン(15分)
  2. 出来事を思い出すアクティビティ → 555(Triple Nickels)(2-4で合計60分)
  3. アイデアを出し合うアクティビティ → 555(Triple Nickels)(2-4で合計60分)
  4. アクションを決めるアクティビティ → 555(Triple Nickels) + SMARTな目標(2-4で合計60分)
  5. ふりかえりをカイゼンするアクティビティ → プラス/デルタ(15分)

555(Triple Nickels)とは
  • 5人程度の小さなグループを作る
  • 各人が5分間ブレインストーミングをしてアイデアを書き出す
  • 各人のアイデアに対して、さらにアイデアを書き足していく
    • グループ内で隣の人に紙を回して書き足していくという方法もあるようです
  • グループを入れ替えて、さらにアイデアを書き足していく

具体的には、下記の手順をチームに説明して実施しました。

  1. 3グループに分かれます。今日のふりかえりではこのグループは固定です。
Metalife(*)のそれぞれのテーブルに着席してください。
  2. この場で話したいことを各自1つ付箋に書き出し、それぞれのグループのボードに貼ります。(5分)
  3. それぞれの付箋を見ながらグループごとに話を膨らませ、自由に付箋を追加します。
関連する事象・疑問・アイデアなど、何でも追加してOKです。
ここで何か結論を出す必要はありません。(10分)
  4. 時間が来たら、話した内容はそのままその場に残し、時計回りに次のグループのボードへ移ります。
MetalifeのテーブルはそのままでOK。AグループはBのボード、B→C、C→Aのように、見るボードだけ変えてください。別グループのボードを見て、手順3と同様に話を深めます(付箋も貼ってOK)。(10分)
  5. 時間が来たら、さらに次のグループのボードへ移ります。
手順4と同様に、さらに話を深めます(付箋も貼ってOK)。(10分)
  6. 時間が来たら、最初のボードに戻ります。
追加された付箋も参考にしつつ、やること・アクションを決めます。(10分)
  7. 全員で集まり、やること・アクションの共有を行います。
Metalifeの**スペースに集合してください。(10分)

(*)Metalife: 私たちの組織で導入しているバーチャルオフィスを実現するツールです

image

ふりかえりの構成を見直した結果、課題は以下のように改善することができました。

before after
学習マトリクスの部分は事前記入してもらう方針としたが、入力が間に合わない場合もあり、一部の人の意見だけで進んでしまう ふりかえりの時間内でブレインストーミングしてもらう方針にしたため、全員が何らかの意見を出すことができる
ドット投票で票が集まった話題しか取り上げられない 投票はせず、自由にアイデアを出してもらう方式にしたため、どの話題にも満遍なく意見が集まる
時間が足りず、良かったことや感謝したいことを書いても触れられない アイデアがカテゴライズされていないため、満遍なく意見が集まる
SMARTな目標を話し合うときに一部の人が中心となって話が進み、全員が平等に発言できない 少人数のグループ単位で話すため、発言の機会が増える

チームメンバーからも、「盛り上がってよかった」「全員が発言できるのが良かった」「人数が少ないので発言しやすかった」といった意見をもらうことができ、狙いどおりのふりかえりを実施できたかなと思います。

ただ、注意していただきたいのは、「学習マトリクス はダメだ!」「 555(Triple Nickels) は素晴らしいアクティビティだ!」と言いたいわけではないということです。
実際、今回のふりかえりでも時間が足りず、すべてのアイデアについて具体的なアクションに起こせているわけではありません。今後に向けてふりかえり運営の課題は残っています。

今チームが抱えている一番の問題が何なのか、どのようなふりかえりにしたいのかをきちんと考え、その都度ふりかえりを組み立てていくことが重要なのではないでしょうか。

最後に

私たちのチームの経験が、ふりかえりをやってみようとしているチーム・すでにふりかえりを実践しているチームの参考になれば幸いです!
もしあなたがふりかえりにマンネリを感じてしまっているのなら、思い切って新しいアクティビティに挑戦してみてはいかがでしょうか?

この記事を書いたメンバー

11489_writer

プロダクト開発チーム
萬宮 はるか