エンジニア組織に心理的安全性をつくるには？｜TECH塾ワークショップ開催レポート

TECH塾とは？

「TECH塾」は、パソナX-TECHが主催する“現場発”の社内外のエンジニア向け勉強会シリーズ。2013年に福岡で「ちょっと寄って行かんね？」という気軽な声かけから始まり、今では全国の拠点で定期開催されるまでに拡大しました。現場のエンジニアがメインとなって講師を務め、実践的なノウハウや気づきをシェアすることで、組織を越えた技術者同士のつながりを育んでいます。

TECH塾は、単なるスキルアップの場ではありません。仕事の現場で感じた課題やヒントを持ち寄り、対話と学びを通じて「自分のキャリアや働き方をどう進化させていくか」を考える、そんな“気づきの場”として多くのエンジニアから支持を集めています。

今回のテーマ：「心理的安全性」

2025年10月、TECH塾では「エンジニアのための心理的安全性ワークショップ」を開催しました。今回はエンジニアではなく、現在エンジニアマネジメント室で人事戦略・組織開発を担当する私が講師を担当させていただきました。人事と現場の両方を知る立場から、「チームの成果の土台には“安心して発言・挑戦できる空気”がある」ことを体験的に学ぶ場として、本ワークショップを設計しました。

ワークショップ構成と当日の様子

ワークショップでは、心理的安全性を「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」の4因子で捉え、それぞれに関する体験型ワークを実施しました。

・YES/NOアイスブレイク：「会議で笑いが起きたら安心できる？」「Slackで“今無理”と言ったら気まずくなった？」など、自分の実体験を思い出すクイックジャッジでウォームアップ。

・心理的安全性あるある診断：10の職場シーンから“あるある”を選び、どの因子に影響するかをグループで話し合い。

・無意識クラッシャーチェック：自分の言動が空気を壊していないかをセルフチェック。

・リバーシワーク：同じ言葉でも伝わり方は人それぞれ。受け手の視点を想像し、「どんな言い方なら伝わるか」を考える対話ワーク。

・お悩みカード：エンジニア職場でありがちなモヤモヤ事例をテーマに、「話す・助ける・挑戦・新奇歓迎」の4因子に基づく“Safety Hack”を考える。

・My Safety Hack宣言：最後に、明日から自分ができる“小さな行動”を一人ひとりが言語化し、終了。

今回のワークショップでお伝えしたかったのは、「心理的安全性は自然に生まれるものではなく、日々のリアクションや声かけ、受け止め方の積み重ねで“育てる”もの」というメッセージです。チームや組織が変わるのを待つのではなく、自分自身が空気をつくる一員であるという意識を持つこと。その一歩を踏み出す場として、参加者同士の対話が非常に活発に行われていました。

参加者の声（一部抜粋）

「空気を壊す言葉に“意図”より“影響”を重視する、という視点が新しかった」

「“誰が悪いか”じゃなく、“チームでどう変えるか”を考えるワークが良かった」

「リバーシワークで、同じ言葉でも受け取り方が全然違うと実感した」

「明日から“いいね”を最初に言うようにします」

「自分の口ぐせが無意識クラッシャーかもしれないと気づいた」

「心理的安全性を“優しさ”だと勘違いしていた。言うべきことは言うことも大切だと学んだ」

参加者アンケートでは、ワークの具体性やテーマの身近さに対する評価が特に高く、「実務の中で意識しやすい内容だった」「エンジニア視点で設計されたのが良かった」といったコメントが目立ちました。多くの参加者が「自分ごと」として心理的安全性をとらえ、行動変容の一歩を持ち帰った回となりました。

TECH塾のこれから

TECH塾では、今後も技術を中心としながらも、「エンジニアの働き方」「チーム文化」「心理的安全性」「キャリアデザイン」など、“現場で今、必要とされているテーマ”を取り上げていきたいと思います。現場の課題から学び合い、誰かの気づきが他の誰かの一歩につながる。そんな循環を生み出す場所として、TECH塾はこれからも進化していきます。

TECH塾は毎回テーマも雰囲気も少しずつ違う“現場発の学び場”です。
気になった方は、ぜひconnpassから次回の開催をチェックしてみてください！
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