Rubyでできることは?初心者におすすめの理由も解説
Rubyのプログラミング言語としての概要から、実際にRubyを使用して開発できる具体的な内容まで解説していきます。
Rubyのプログラミング言語としての概要から、実際にRubyを使用して開発できる具体的な内容まで解説していきます。
スキルアップ
2020/10/23 UP
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純国産のプログラミング言語Rubyは、数多くあるプログラミング言語の中でも近年注目度が高まっている言語です。
SNSやコミュニティサイトなどのWEBアプリケーション開発からスマホアプリ開発、機械学習まで幅広い分野で活用されているRubyですが、存在を知っている人は多くても、実際にどのような分野で採用され、なにができるのかを把握していないことも少なくありません。
そこでこの記事では、Rubyのプログラミング言語としての概要から、実際にRubyを使用して開発できる具体的な内容まで解説していきます。
そもそもRubyとは
Rubyは、プログラミング言語としてはオブジェクト指向のスクリプト言語に分類され、実行前にコンパイルを必要としないインタプリタ型言語です。
可読性を重視した構文構造を持ち、整数や文字列を含め、全てのデータ型がオブジェクトとして扱われるため、純粋なオブジェクト指向言語であり、継承によってコードの記述量を圧縮できます。
Rubyの概要
Rubyは日本人のまつもとひろゆき氏によって開発された純国産プログラミング言語であり、日本で開発されたプログラミング言語としては、初めて国際電気標準会議(IEC)で国際規格に認証されました。
設計思想として「ストレスなくプログラミングを楽しむ」ことをもっとも重要視しており、可読性の高い構文構造と併せて習得しやすい言語として人気があります。
Rubyの大きな特徴の一つとして、パッケージの豊富さによる「汎用性の高さ」や、英語圏がコミュニティのメインとなる他の言語と異なり、日本人にとっては「日本語での情報取集がしやすい」点が挙げられます。
Ruby on Railsがある
Rubyには、WEBフレームワークの中でも特に有名なRuby on Railsがあります。Ruby on RailsはWEBアプリケーションフレームワークとして多くの開発現場で採用されており、RubyといえばまずはRuby on Railsでの開発があります。
Rubyを勉強する際に同時にRuby on Railsの学習をすすめることで、わかりやすいだけでなく実務にも役立ちます。
Rubyでできること
RubyはWEBアプリケーションを中心に、さまざまなサービス・アプリケーションの開発で採用されています。
ライブラリも豊富で、汎用性の高さが魅力のRubyを習得することで、スマホアプリからWEBサービス、SNSなど幅広い分野での開発が行えるようになります。
ここでは、代表的なRubyの用途と開発の実例について紹介していきます。
SNSが作れる
RubyはSNSなどのサーバサイドプログラムを得意としています。SNSにはRubyが多く採用されており、マイクロブログサービスや、民泊サイト、ビジネスSNSなど国内でも有名な大手WebサービスはRubyで開発されています。
Ruby on Railsを使うことで、ユーザー登録やログイン、投稿データの管理などに使うデータベースを比較的簡単に作成でき、他のSNSのログイン認証を利用したログイン機能などもすぐに実装できます。
そのため、開発経験が浅い学習初心者でも、高機能なSNSを開発することが可能です。
WebAPIが作れる
サーバサイドで処理するプログラムといえばAPI(Application Programming Interface)があります。
APIはHTTPプロトコルを使用してネットワーク越しに呼び出すことができる、アプリケーション間、システム間のインターフェースのことを指します。APIを提供することで、WEBアプリケーションを異なるプログラムから操作できるようになります。
現在はAPIを通じたデータ連携によって、多くのシステムが接続し、運用されています。たとえば大手ECサイトの最安値情報や、テレビの番組表なども、提供されているAPIをプログラムから呼び出すことで情報を取得、表示できます。
このAPIも、Rubyで開発できます。
スクレイピングができる
サーバサイドプログラムとしてもう一つ、代表的なものがスクレイピングです。スクレイピングとはWEBサイトから取得した情報を、指定した形に加工、整理して新しい情報として生成することを指します。
フルスクラッチからの構築は手間がかかりますが、Rubyの場合は「Nokogiri」という有名なパッケージを使用することで、簡単なスクレイピングであれば1時間程度で作成できます。
スマホアプリも作れる
RubyMotionを利用することでiOS、Android、OSXの3種に対応するマルチプラットフォームのアプリケーションを作成できます。
通常、スマホアプリはiOSであればObjective-CやSwift、AndroidであればJavaやKotlinを使用しますが、RubyMotionは一つの言語でスマホの2大OSのどちらもカバーできるのが特徴です。
機械学習もできる
RubyとPythonをブリッジするPyCallを利用することで、RubyでPythonのライブラリを使用し、機械学習の開発ができます。現在、Rubyには機械学習や統計分析に使用できる実用的なライブラリや機能が存在しません。そこでPythonのライブラリを、PyCallを通じて使用して不足している機能を補います。
Rubyでできないことはある?
できることで紹介はしましたが、Rubyは本来、機械学習やスマホアプリの開発には向いていません。
機械学習はPythonやR言語の方が機能的にもライブラリも充実しているため、特別な理由がない限り、機械学習を行う場合は最初からPythonやR言語が選択されることが多いでしょう。
また、スマホアプリの開発は本来、Java、KotlinやSwiftが適しており、クロスプラットフォームとしてはUnityなどの別サービスもあるため、機械学習と同様にRubyを使うことはあまり多くありません。
あえてRubyで開発する必要がある、またはどうしてもRubyを使用して開発したいという事情がある場合を除いて、開発に適した言語を使用したほうが良いでしょう。
Rubyの勉強方法
Rubyを勉強するときは、以下の流れで学習をすすめると効率的です。
? Rubyの構文を覚えた後、Ruby on Railsのサンプルコードなどを写し、アプリを動かす
? ある程度処理について理解したら、サンプルコードを使用して作成したアプリに、オリジナル要素を追加する
?の段階ではまずサンプルコードをそのまま使用し、実際に動作させて、どのような処理が行われているのかを学びます。その後、処理について理解が進んだところで、簡単な機能を自分で追加してみましょう。
この繰り返しによって、次第に複雑な処理を行う規模の大きなアプリケーションの開発へと理解が進みます。
なお、これは独学での勉強方法です。RubyはWEB上に日本語の情報多いため、独学でもある程度習得可能ですが、もし独学では疑問点の解消や習得が難しいと感じたり、短時間で集中して実務レベルまで技術力を挙げたい場合、プログラミングスクールを利用するとよいでしょう。Rubyはメジャーな言語の一つであることから、大手のプログラミングスクールのほとんどでRubyを取り扱っています。
Rubyはプログラミング初心者におすすめ!
Rubyは開発者の理念から「書いて楽しい」ことをもっとも大切な要素としている、初心者に優しいプログラミング言語でありながら、さまざまな豊富なライブラリを持つことで高い汎用性があり、幅広い分野で活用されています。
特にRuby on RailsはWEBアプリケーション開発には欠かせない存在として多くの開発現場で採用されており、今後もRubyを扱えるエンジニアに対する需要の高さが期待できる言語でもあるため、Rubyが扱えることで求人の選択肢の幅は大きく広がります。
どの言語を選ぼうか迷っているプログラミング初心者の方は、是非、Rubyの学習から始めてみてはいかがでしょうか。