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各種エンジニアのスキルマップを解説!拡大するための具体的な方法とは

この記事では、スキルマップの概要から各種エンジニアのスキルマップについて解説します。

各種エンジニアのスキルマップを解説!拡大するための具体的な方法とは

この記事では、スキルマップの概要から各種エンジニアのスキルマップについて解説します。

スキルアップ

2023/07/19 UP

エンジニアは技術者を表す言葉であり、昨今では「ITエンジニア」を指すことが多くなっています。そんなITエンジニアにはさまざまな種類があり、各種エンジニアに求められるスキルも異なります。そのため、目指したいエンジニアにはどのようなスキルが必要なのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。そんなときに役立つものが「スキルマップ」です。

この記事では、スキルマップの概要から各種エンジニアのスキルマップについて解説します。

スキルマップとは必要な能力を可視化するためのツール

はじめに、スキルマップとは必要な能力(スキル)を可視化し、個々人の状態を見える化するためのツールです。エンジニアのスキルは目に見えるものではないため把握しづらく、スキルマップを使って可視化することが有効です。

スキルマップは管理用と個人用の2種類あります。縦軸をスキルとしたときに、横軸が名前になっているものが管理用で、チームメンバーのスキルバランスなどを俯瞰してみるために使えます。

スキルマップ1 クリックして拡大

※管理用スキルマップの例

対して、個人用は、シンプルに必要なスキルが列挙されたものから、成長を横軸にとったものなどもあります。

スキルマップ2 クリックして拡大

スキルマップ3 クリックして拡大

※個人用のスキルマップの例

ここでは、管理用スキルマップの作成のフォーカスを当てて、どのようなスキルを縦軸に取るべきかについて解説していきます。

なお、このスキルマップは、各個人のスキルの棚卸しも実現でき、将来像と照らし合わせて不足しているスキルを確認するために使えます。エンジニアのスキルマップに関しては、情報処理推進機構(IPA)が「ITスキル標準(ITSS)」としても公開しています。エンジニアのスキルマップを作成する際には参考になるため、こちらも併せて確認するとよいでしょう。

エンジニアのスキルマップを作る上で最初に考えること

エンジニアのスキルマップを作る上で最初に考えること

エンジニアのスキルマップを作成する際には、はじめに検討しておくべき項目があります。ここでは、「エンジニアとしての方向性の把握」「現状の把握」の2つの項目について、一つずつ見ていきましょう。

エンジニアとしての方向性の把握

エンジニアは多数の種類が存在し、エンジニアごとに求められるスキルは大きく異なります。そのため、自身がどのエンジニアなのか、将来的にどのようなエンジニアになりたいのかを把握することが重要です。

例えば、システムエンジニアであれば上流工程に関する知識が必要であり、WebエンジニアであればWebサービスの開発に必要なプログラミング言語などの知識・スキルが必要です。エンジニアごとに求められるスキルなどについては、後ほど詳しく解説するためそちらをご覧ください。

現状の把握

自身のスキルの棚卸しとして、現在の業務内容や自身の立ち位置、将来像などから求められている知識やスキルを持ち合わせているかどうかを確認します。スキルマップは自身の知識やスキルを可視化するためのツールであるため、現状を把握することで自身に足りないスキルも確認できます。

現状をしっかりと把握することで、目指すべきエンジニア像に必要となるスキル習得の道筋を明らかにできます。また、自身の強みや弱みも明らかになり、将来像が不明瞭な場合でも明確にするためのヒントになります。

各種エンジニアのスキルマップ6例

各種エンジニアのスキルマップ6例

ここからは、代表的な6種類のエンジニアについて解説します。それぞれの特徴と併せて、各エンジニアに必要とされるスキル(スキルセット)も解説するため、スキルマップ作成の参考としてください。

システムエンジニア

システムエンジニア(SE)は、システム開発をするエンジニアの総称です。アプリやサービス開発だけでなくインフラの開発に携わるエンジニアもシステムエンジニアに該当する場合があります。

システムエンジニアはおもに上流工程に携わる機会が多く、顧客と直接やり取りを行なって要件を定めたり、プロジェクトの舵取りをしたりする役割を担う場合が多いエンジニアです。そのため、システムエンジニアに求められる知識やスキルとしては、次のようなものが挙げられます。

・ヒアリング

・要件定義

・設計

・論理的思考

・プロジェクトマネジメント

・チームマネジメント

・プログラミング

など

アプリやサービス開発では、プログラミングが必須であり実際の開発工程は下流工程に位置します。その場合、要件定義から設計、スケジューリングなどを行なうにあたり、プログラミングスキルがないと対応することは難しいでしょう。一方で、インフラの開発の場合にはプログラミングスキルはほとんど必要ないかと思いますので、チームの状況に合わせてスキルを選定してください。

Webエンジニア

WebエンジニアはWebサービスの開発に携わるエンジニアです。Webエンジニアのなかでも、大きく「フロントエンドエンジニア」と「バックエンドエンジニア」に分けられます。

フロントエンドエンジニアは、ユーザーが実際に目にするWebページのデザインやレイアウトを担当します。対して、バックエンドエンジニアはユーザーによって入力されたデータなどをサーバー側で処理する仕組みの実装などを担当する、といったように役割が分けられていることが一般的です。そのため、それぞれのエンジニアによって求められる知識やスキルも異なります。

フロントエンドエンジニア

・HTML/CSS

JavaScript

jQuery

・Reactなど各種フレームワーク

・デザイン

・プロジェクトマネジメント

・チームマネジメント

など

バックエンドエンジニア

PHP

Python

Ruby

・データベース

・サーバー

・プロジェクトマネジメント

・チームマネジメント

など

基本的にはプログラミング言語やフレームワークは、現在のプロジェクトに合わせて選定します。一方で、現在のプロジェクトでは使っていないが次のプロジェクトでは使いそう、といった言語やフレームワークは入れておいてもよいでしょう。

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、サービスやアプリが稼働する基盤を開発するエンジニアの総称です。インフラと名がつくとおり、電気・ガス・水道のような生活の基盤のように、論理的な基盤を整えてサービスを提供するための土台を作り上げることが仕事です。

インフラエンジニアのなかでも、専門や担当する領域によってサーバーエンジニアやネットワークエンジニア、データベースエンジニアなどのように細かく分けられる場合もあります。それらをまとめ、インフラエンジニアとして求められるスキルとしては次のようなものが挙げられます。

・Linux/Unix/Windows Serverなどのサーバー知識

・ネットワークの知識

・データベースの知識

・仮想化の知識

・クラウドの知識

・セキュリティの知識

など

なかでもサーバー・ネットワークに関する知識は、インフラエンジニアとして欠かせないスキルです。近年では、クラウドサービス上にインフラ環境を構築したり、仮想化技術を使って基盤の効率化や安定化を実現したりする機会が増えているため、これらの知識も欠かせません。加えて、各領域でセキュリティ対策を実施する必要があり、幅広いスキルが求められます。

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアは、インフラエンジニアのなかでもクラウドに特化したエンジニアです。インフラエンジニアとしてのスキルに加えて、クラウドサービスに関するスキルが求められます。

前述のとおり、近年ではクラウドサービス上にインフラ環境を構築する機会が増えているため、クラウドエンジニアの重要性が増しています。クラウドエンジニアに求められるスキルとしては次のようなものが挙げられるでしょう。

・サーバーの知識

・ネットワークの知識

AWSAzureGCPの知識

・オンプレミスの知識

・自動化の知識(プログラミングスキル)

Docker/Kubernetesの知識

・シェルスクリプト

など

AWS/Azure/GCPは代表的なXaaSであり、クラウド上のインフラ環境はほとんどがいずれかのサービス単体、もしくは組み合わせて構築されます。それぞれ特徴が異なり、制限にも違いがあるためクラウドエンジニアとしてこれらの知識は欠かせません。

また、自社内でサーバーなどを管理・運用するオンプレミスから、クラウドへ乗り換えるケースも多いためオンプレミスの知識も必要です。加えて、インフラ設定をコード化して管理・運用を自動化するための知識・スキルや、コンテナと呼ばれる仮想化に似た技術を利用するDockerの活用も積極的に進められているため、これらの知識も求められます。

AIエンジニア

AIエンジニアはAI(人工知能)の開発・運用を行なうエンジニアです。AIエンジニアの分野は大きく「開発系」と「分析系」に分けられます。開発系はAIの開発・実装を担当し、分析系はAIを活用して新たなビジネスの創出や業務改善などに役立てる分析(アナリティクス)を担当します。それぞれの専門分野は大きく異なりますが、AIエンジニアとして必要とされるスキルとしては次のようなものが挙げられるでしょう。

・Python、R言語などのプログラミングスキル

・機械学習、ディープラーニング(深層学習)の知識

・数学や統計学の知識

・データベースの知識

など

AIの開発ではライブラリが豊富なPythonがよく利用されます。また、分析の際にも統計データの解析に特化したR言語がよく用いられるため、開発系・分析系によって利用する言語は異なりますが、プログラミングスキルが必要です。

昨今のAIブームは機械学習やディープラーニングの発達によって発生したものであるため、これらの知識は欠かせません。そのほか、データの解析や分析で数学・統計学の知識が求められ、AIが学習するデータを保管するためのデータベースの知識も必要です。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃をはじめとするセキュリティ脅威の対策からインシデントが発生した際の調査・分析を専門とするエンジニアです。システム的な取り組みだけでなく、セキュリティに関する規定の立案や法令への対応なども行ないます。求められるスキルは非常に幅広く、ここまでに紹介したスキルの多くを持ち合わせている必要があるといっても過言ではありません。

例えば、インフラに対するセキュリティ対策を実施する場合、サーバーとネットワークで対策方法は異なります。加えて、アプリやサービスのセキュリティ対策となれば、プログラミングの知識も必要です。それらを踏まえ、セキュリティエンジニアに求められるスキルとしては次のようなものが挙げられます。

・暗号/認証技術の知識

情報セキュリティマネジメント

・サーバー、ネットワークセキュリティの知識

・セキュアプログラミングの知識

・セキュリティに関する法令、規格の知識

・最新技術のキャッチアップ

など

各種エンジニアの必要共通スキル

各種エンジニアの必要共通スキル

エンジニアごとに求められるスキルは異なりますが、共通して必要とされるスキルも存在します。

コミュニケーション能力

どのエンジニアであっても、一人で業務を遂行することは非常に稀です。多くの場合チームとして業務に取り組むことになり、ほうぼうでコミュニケーションを取りながら進めていきます。チーム内におけるコミュニケーションだけでなく、顧客にわかりやすくサービスを説明したり、システムの問題点や課題点・解決策などを説明したりする機会も多いでしょう。

エンジニアというと、一人で黙々と作業をしているイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、実際には目的を達成するために、さまざまな場面でコミュニケーションを取りながら進めていく必要があるため、どのようなエンジニアであってもコミュニケーション能力は必須です。

新しい技術を学び続ける姿勢

ITの世界は日進月歩であり、日々新しい技術が登場し続けています。技術の流行り廃りも激しいため、数年経てば「レガシー」と言われることも珍しくありません。そのような世界であるため、エンジニアは常に新しい技術を学び続け、自身の知識やスキルを磨くことが求められます。

エンジニアとして10年・20年と活躍し続けたいのであれば、新しい技術を学び続ける姿勢を持つことは非常に重要であり、どのエンジニアにとっても必要なスキルといえるでしょう。

エンジニアのスキルマップを拡大する方法

エンジニアのスキルマップを拡大する方法

エンジニアとして新しい技術を学び続けることは、自身のスキルアップやスキルマップの拡大につながります。そのための具体的な方法としては、おもに次の3点が挙げられます。

書籍を使って学ぶ

将来像と照らし合わせて自身に足りないスキルを把握し、そのスキルを習得するための書籍が販売されているのであれば活用しましょう。ITに関する書籍は非常に多く、足りないスキルのレベルに合わせて最適なものを選択できます。

また、よりスキルを可視化する方法として、資格の取得もおすすめです。資格取得のための書籍も多く販売されているため、学習を通して新たな知識・スキルを得る方法も考えられます。

コミュニティ・勉強会に参加する

書籍を使って学ぶ場合は独学となりますが、人によっては続けることが難しい場合もあるでしょう。独学ではモチベーションの維持が難しく、新しい技術について理解できない内容が出てきた場合に、自分一人では解決できないことも考えられます。

そのため、コミュニティや勉強会に参加することも検討してみましょう。IT業界では業界内で行なわれるサークル活動や、ベンダーが開催する勉強会などが頻繁に実施・開催されています。コミュニティ・勉強会に参加することでモチベーションを維持して新しい知識を得られるだけでなく、他のエンジニアとも交流を図れるため、人脈を拡大することも期待できます。

転職する

目指すべき将来像・エンジニア像が明確になっている場合は、スキルを磨きながら転職することも考慮するとよいでしょう。同じエンジニアの種別であっても、企業ごと・環境(現場)ごとに習得できるスキルは異なります。

現在の環境で十分に成長できる場合は問題ありませんが、そうでない場合には転職することで新たな知識やスキルを習得する機会が生まれます。

エンジニアの方向性を定めてスキルマップを作成しよう

スキルマップは必要なスキルを可視化し、個々人の状態を見える化するためのツールです。エンジニアのスキルは特に目に見えないものであるため、スキルマップを作成することをおすすめします。ただし、エンジニアと一言でいっても、その種別はさまざまで求められるスキルも大きく異なります。

エンジニアとしての方向性の把握・現状の把握をした上で、この記事で紹介したエンジニアごとに求められるスキルを確認し、自身に足りないスキルを確認してみてはいかがでしょうか。エンジニアとして活躍し続けるためには、スキルマップを拡大することが重要です。

スキルマップの拡大方法はいくつか考えられますが、新しい環境に身を置いて新たな知識やスキルを習得する方法もあります。パソナでは多種多様なエンジニアの中途採用を行なっていますので、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。