ペーパーレス化の方法は多種多様。10種類の方法を紹介します
ペーパーレス化にはさまざまな方法があるため、貴社に合った方法の選択が重要です。本記事ではペーパーレス化を推進する10の方法を取り上げ、解説します。
ペーパーレス化にはさまざまな方法があるため、貴社に合った方法の選択が重要です。本記事ではペーパーレス化を推進する10の方法を取り上げ、解説します。
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2021/12/21 UP
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- 業務効率化
近年、ペーパーレス化の取り組みが広く行なわれています。ペーパーレス化は、単に紙をなくすことにとどまりません。成功のためには、紙を使わずに業務を進める取り組みも必要です。
ペーパーレス化にはさまざまな方法があるため、貴社に合った方法の選択が重要です。本記事ではペーパーレス化を推進する10の方法を取り上げ、解説します。
ペーパーレス化はさまざまな方法で実現できる
ペーパーレス化を実現する方法は、以下のとおり多種多様です。
・スキャナーを使った読み取り
・OCRを活用し、手書きの数字や文字を電子化
・FAXの送受信内容をデータとして保管するサービスの活用
・PDFによる文書化
・クラウドストレージを活用し、紙のファイルを削減
ペーパーレス化の推進には単に紙を電子ファイルに置き換えるだけでなく、業務における対応も必須です。ペーパーレス化を進める2つのポイントについて、確認していきましょう。
電子ファイルでの保存はペーパーレス化の第一歩
ペーパーレス化には以下のとおり、さまざまなメリットがあります。
・検索がしやすくなり、目的の情報を得やすくなる
・書類の保管スペースを削減でき、オフィスを有効活用できる
・机の上に書類の山ができにくくなり、オフィスの美化に役立つ
・書類を紛失しにくくなる
・テレワークにも対応しやすい
これらのメリットは、書類を電子ファイルで保存してはじめて受けられるものです。紙の原本を保存する・しないに関わらず、電子ファイルでの保存はペーパーレス化の第一歩となります。
紙を使わずに業務を進める方法の導入も重要
ペーパーレス化には、紙を使わずに業務を進める方法の導入も必須です。いくら電子ファイルの活用が進んでも、印刷しないと業務が進まないのでは紙の消費量が減らず、業務効率化も果たせません。
紙を使わないことを前提とした業務プロセスの導入を行なうことで、本格的なペーパーレス化を実現できます。まずは社内で完結する業務から、ペーパーレス化に対応していきましょう。
電子ファイルで記録する4つの方法
電子ファイルに記録する方法は、数多くあります。ここでは4つの方法を取り上げ、それぞれの特徴を解説します。
PDFなど電子文書で保存する
PDFは印刷したときと同じイメージで、手軽に書類を電子化できるサービスです。紙ベースで必要になった場合はPDFを印刷することで、イメージどおりの書類を手にできます。すべての書類を紙に印刷しファイリングする必要がなくなるため、ペーパーレス化に貢献します。
PDFは以下のとおり、さまざまな方法で作成できます。
・Wordに搭載されている「エクスポート」機能
・PDF化するソフトウェア
・オフィスの複合機
・スキャナー
またセミナーの資料として配布する場合など、PowerPointを使う場合もあります。これも電子化の一つです。
OCR
OCRは、手書きの文字や活字を認識しデータ化する方法です。紙に記された情報を人間が目で見て入力することなく、データとして活用できる点はメリットといえるでしょう。
OCRは1980年代から広く普及しているデータ化の技術であり、古くから使われていました。近年ではスキャナーとソフトウェアでOCRを実現する「ソフトOCR」や、スマートフォン向けのOCRアプリも提供されています。また文字認識率が大きく向上した「AI OCR」も、今後に期待される製品です。
ペーパーレスFAX
ペーパーレスFAXは受信したFAXを紙に印刷する代わりに、データとして保存するサービスです。またパソコンから直接FAXを送信することも可能。紙を使わずにFAXをやり取りできるため、以下に挙げるメリットが得られます。
・専用の用紙やトナーを準備する必要がない
・FAXが紙であふれかえる心配をしなくて良い
・受信したFAXの内容をデータとして活用できる
・外出先からFAXの受信状況をチェックできる
特にFAXの記載内容を手で打ち込み直す必要がないことは、大きなメリットといえるでしょう。
スキャニングサービス
ペーパーレス化には、専門業者が提供する「スキャニングサービス」を活用する方法もあります。
電子化すべき書類の数が少ない場合は、複合機やスキャナーを使ってもそれほど時間はかかりません。しかし大量の文書を電子化する場合は、どうしても時間がかかってしまうもの。このため、通常業務に支障をきたしかねません。
スキャニングサービスの利用には費用がかかりますが、本業を圧迫せずに済むメリットがあります。電子化すべき文書が多数ある場合は、選択肢となる方法です。
紙を使わずに業務を進める6つの方法
紙を使わずに業務を進めることも、ペーパーレス化の重要なポイントです。ここからは6つの方法を取り上げ、特徴とメリットを確認していきます。
請求書の電子化
請求書の電子化は、ペーパーレス化の恩恵を実感しやすい業務といえるでしょう。請求書をPDF形式で保存し、作成したファイルを電子メールなどで先方に送付することは、ペーパーレス化の実現にほかなりません。現在の請求書はパソコンでの作成が主流であるため、電子化により印刷・封入・発送する手間や紙を節約可能。簡単な操作で、大きなメリットが得られる手法です。
また電子帳簿保存法に則ってデータを保管する場合は、請求書をデータのまま保管できます。保管場所に悩まされずに済む点はメリットといえるでしょう。
電子契約への対応
契約書は請求書のように、手軽な方法で電子化するわけにはいきません。しかし電子契約に対応した専用のシステムを導入することで、契約書もペーパーレス化を実現できます。
電子契約ならば印鑑は不要です。このため、テレワーク中に出社する手間はいりません。印紙代も節約でき、書類をやり取りする時間や手間がかからない点は大きなメリット。書類の保管に頭を悩ませる必要もありません。
また契約書の取り交わしを迅速に行なえること、改ざんがされにくいことも特徴に挙げられます。
バックオフィス業務のシステム化
経理などのバックオフィス業務にも、ペーパーレス化が可能な業務は多数あります。ここでは3つの業務について解説します。
経理業務
伝票入力などの経理業務や従業員の経費・交通費精算などの経費精算業務は、システムの活用によりペーパーレス化できます。最近では証憑をスキャンして電子化するサービスも多いため、「精算伝票は画面入力できたが、領収書は別途送らなければならない」といった手間もいりません。
証憑も電子化できる会計システムを活用することで、拠点の多い部署や外出する従業員が多い企業でもスムーズに処理できます。テレワークがしやすくなることもメリットといえるでしょう。
給与計算業務
給与明細は、紙で配らなければならない書類ではありません。電子メールや専用のシステムを使って提供することも可能です。これにより、以下のメリットが得られます。
・専用の用紙を使って印刷・封入する手間がかからない
・送付する手間も不要。郵送費を節約できる
・従業員は給与・賞与明細書を、いつでもスムーズに確認できる
ペーパーレス化は、給与計算業務にもメリットのある方法です。
備品管理業務
備品管理業務においても、備品管理システムを導入することでペーパーレス化を実現できます。他のシステムと異なり、備品それぞれにバーコードやQRコード、ICタグといった、個々の備品を識別するものを貼付する手間はかかります。しかしシステムの導入により、以下のメリットが得られることは見逃せません。
・備品の状況を、いつでも正確に把握できる
・備品が多くても、所在地を瞬時に把握できる
・棚卸しの手間や時間を減らせる
ワークフローによる申請・承認
申請書や稟議書など上司の承認を要する書類は、ワークフローを活用することでペーパーレス化を実現できます。申請者が画面上で申請すると、上司の画面に承認依頼が届きます。書類の内容を確認のうえ承認手続きを行なうと、自動的に次の承認者に書類が回るという仕組みです。
ワークフローの活用により、以下のメリットが得られます。
・書類を次の承認者まで渡しに行く手間が不要
・誤記を減らせる
・書類の紛失を防げる
・外出先でもテレワーク中でも承認手続きが可能
いずれも、ペーパーレス化の実現で得られるメリットといえるでしょう。
タブレット端末の活用
業務によっては、以下のようにパソコンの活用がしにくい場合もあります。
・工場などの製造現場において、機器のそばで図面や資料を確認したい
・営業活動において、訪問先で自社の資料を顧客に見せながら説明したい
上記の場合はタブレット端末を活用することで、ペーパーレス化を実現できます。紙を印刷して現場に持ち込む代わりに、必要な情報にアクセスできる端末を用意すれば良いわけです。重い資料を持ち運ばずに済むこと、紛失のリスクを下げられるメリットは見逃せません。
Web会議システムの活用
Web会議システムは、ペーパーレス化のメリットを多く受けられる手法です。事前に資料やテキストをPDFなどで共有することにより、印刷の手間を省けます。加えてMicrosoft Teamsなど、参加者に対してリアルタイムで共有できるサービスもあります。会議の直前まで資料をブラッシュアップできるため、最新の情報を提供できるでしょう。
またWeb会議システムには会場を用意しなくて済む、交通費がかからないなどのメリットもあります。
職場に合った手法を活用し、ペーパーレス化を実現しよう
ペーパーレス化に効果的な手法は、貴社の事業内容や状況により異なります。このため、特定のツールにこだわることはおすすめできません。職場のニーズや要望を正確に把握したうえで、適切な手法を選ぶことが重要です。
業務改善のソリューションとして考えることが、ペーパーレス化を成功させる近道です。職場に合った手法を活用し、ペーパーレス化を実現させましょう。