プロジェクトマネージャーの平均年収は?高年収の人材の特徴について
この記事では、プロジェクトマネージャーの平均年収や、他業界に比べて年収が高い傾向にある理由、高年収の人材に共通する特徴について解説します。
この記事では、プロジェクトマネージャーの平均年収や、他業界に比べて年収が高い傾向にある理由、高年収の人材に共通する特徴について解説します。
スキルアップ
2023/06/21 UP
- キャリアパス
IT業界は慢性的な人材不足の状態にあり、高度な知識を有する人材は年収も高い傾向にあります。しかし、職種や担当業務によって収入には大きな差があるため、IT系の職種に就いたからといって、必ずしも高収入になれるというわけではありません。
プログラマーやシステムエンジニアなどのIT職種から、プロジェクトマネージャーへのキャリアアップを目指している方も多いのではないでしょうか。キャリアパスを考える際は、その職業の仕事内容だけでなく、平均年収について知ることも重要です。
この記事では、プロジェクトマネージャーの平均年収や、他業界に比べて年収が高い傾向にある理由、高年収の人材に共通する特徴について解説します。プロジェクトマネージャーとして年収アップを目指す方法についても触れていくので、現在プロジェクトマネージャーとして活躍している方もぜひ参考にしてください。
プロジェクトマネージャーの仕事内容と役割
プロジェクトマネージャーは開発プロジェクトの責任者として、プロジェクトの企画、進捗管理、品質管理など、非常に幅広い業務を担当します。
<具体的な仕事内容>
・要件定義書の作成
・システムの基本設計、詳細設計
・プロジェクトメンバーの選定・確保
・プロジェクトの進捗管理
・成果物の品質評価
マネジメント業務も多種多様で、コストやスケジュールの管理、円滑にプロジェクトを推進するためのメンバーマネジメントも行ないます。
また、経営層やクライアント、プロジェクトメンバー、他部署との連携など、多くの人と接する機会が多いためコミュニケーション能力に長けていることも重要視されます。
プロジェクトマネジメント業務は、特定の人物が一手に引き受けるケースと、メンバーで業務を分担するケースがあります。いずれの場合も、柔軟かつ迅速な対応ができる判断力と、状況を俯瞰してとらえる能力が求められます。
なお、プロジェクトマネージャーの業務内容についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。合わせてご確認ください。
【PM向き】プロジェクトマネジメントに必要なスキル・資質
プロジェクトマネージャーの年収はいくら?
経済産業省の『IT関連産業の給与等に関する実態調査結果(平成29年)』によると、プロジェクトマネージャーの平均年収は「891.5万円」という結果が出ています。
以下は、同調査における「IT関連産業における給与水準の実態」の結果の一部を抜粋したものです。
<職種と年収額>
・コンサルタント: 928.5万円
・プロジェクトマネージャー:891.5万円
・高度SE・ITエンジニア:平均年収778.2万円
・IT技術スペシャリスト:758.2万円
・SE・プログラマー(組込みソフトウェアの開発・実装):603.9万円
・SE・プログラマー(顧客向けシステムの開発・実装):593.7万円
・SE・プログラマー(ソフトウェア製品の開発・実装):568.5万円
その他のIT職種と比較すると、ITアーキテクトなどのスペシャリスト職よりも、プロジェクトマネージャーの方が平均給与は高い傾向にあります。
また、国税庁の『民間給与実態統計調査(令和3年分)』では、日本の給与所得者の平均年収は443万円という結果が出ています。このことからも、プロジェクトマネージャーの平均年収はかなり高いことがわかります。
プロジェクトマネージャーの年収が高い理由
プロジェクトマネージャーの年収が高いのは、仕事の責任が重いことや、要求されるスキルが非常に幅広いことが理由に挙げられます。
プロジェクトマネージャーの年収が高い理由について、具体的に見ていきましょう。
責任の重い仕事を担当するため
プロジェクトマネージャーは、開発プロジェクトの責任者として、プロジェクトが成功するように推進する必要があります。プロジェクトに関する判断や決断など、責任の重い役割を担うことも少なくありません。
責任の重さに比例して、給与水準も高くなっているのです。
多様なスキルが求められるため
プロジェクトマネージャーには、IT知識、マネジメントスキル、法務など、さまざまなスキルが要求されます。これらは単に知識を装着すれば良いというものではなく、開発現場で実践できるようスキルを磨かなければなりません。
プロジェクトマネージャーとして現場で活躍するには、高度かつ多様なスキルを身に付ける必要があります。そのような人材は、市場価値が高く、必然的に給与水準も高くなるのです。
需要が高い職種のため
近年、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化が注目されています。IT業界だけでなく、さまざまな業界でDXを推進できるIT人材が求められています。
プロジェクトマネージャーはDX推進をけん引する人材です。しかし、需要に対して人材不足の状況が続いています。優秀な人材を獲得するため、企業も好条件を提示することが多く、年収も高くなりやすいのです。
高年収のプロジェクトマネージャーの特徴とは
プロジェクトマネージャーであっても、年収は人によって幅があります。
IT業界全体で人材不足の状態が続いていますが、なかでも専門性の高いスキルを有する人材は市場価値が高くなります。プロジェクトマネージャーも、市場価値の高い人材は、厚待遇を提示されることが多いです。
市場価値が高く、高年収のプロジェクトマネージャーの特徴について見ていきましょう。
高いコンサルティング能力がある
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトを管理してシステムを完成させることに加え、プロジェクト全体の利益を最大化させることが重要です。利益の最大化のためには、適切な価格設定ができる必要もあります。
システム開発の企画からプロジェクトに携わり、企業の課題を明らかにして、クライアントに提案できる人材は非常に重宝されます。
複数のプロジェクトを兼任できる
プロジェクトマネジメントは、開発規模や開発システムなど、状況に応じて柔軟に対応することが求められます。
プロジェクトマネージャーとしてさまざまなプロジェクトのマネジメント経験があったり、エンジニア業務の経験があったりする場合は、経験を活かしてより活躍の場を広げることができるでしょう。
また、一度に複数のプロジェクトを兼任できるケースもあります。同時に複数の現場を担当すれば、業務量に応じて年収も高くなります。
プロジェクトマネージャーが年収アップを目指す際のポイント
プロジェクトマネージャーとして年収アップを目指す場合は、具体的にどのような行動をとるべきなのでしょうか。年収アップのポイントについて見ていきましょう。
対応できる業務範囲を広げる
収入アップを目指すには、仕事のチャンスを増やすことが重要です。
特定のプロジェクトのマネジメント経験があるからといって、どのようなプロジェクトにも対応できるわけではありません。対応できる業務範囲を広げるため、さまざまな規模のプロジェクトに参加したり、複数のプロジェクトを兼任したりして、経験分野を増やしていきましょう。
対応できる案件が多いほど、プロジェクトマネージャーとして活躍の場を広げることができます。仕事の機会が増えれば、年収アップにもつながるでしょう。
仕事に役立つ資格を取得する
プロジェクトマネージャーの仕事に役立つ資格を取得することも、有効な手段といえます。
プロジェクトマネージャーとして働くのに、資格は必須条件ではありません。しかし、多くの業務経験があっても、自分にどのようなスキルがあるのかを証明するのは難しいものです。
資格を取得すれば、資格試験に合格するだけの知識とスキルが身に付いていることを客観的に証明できます。スキルを証明する材料があれば、人事評価も上げやすくなるでしょう。
また、資格取得によって手当が支給されたり、昇給したりするケースもあります。
なお、プロジェクトマネージャーにおすすめの資格試験として、プロジェクトマネージャ試験があります。こちらについて詳しく知りたい方は、別の記事『プロジェクトマネージャ試験(PM)とは?難易度や勉強方法を解説』も併せてご覧ください。
利益率の高いプロジェクトに参加する
できるだけ利益率の高いプロジェクトに参加することで、高年収を目指す方法もあります。
ただし、報酬が高額な案件は、その分業務範囲が広く、責任も重くなります。また、好条件の案件は、優秀なプロジェクトマネージャーの応募が集中するため、競争率も激しくなります。
プロジェクトマネージャーの将来性について
プロジェクトマネージャーへのキャリアを検討している方や、現在プロジェクトマネージャーとして活躍している方のなかには、プロジェクトマネージャーの仕事の将来性について関心がある方も多いのではないでしょうか。
徐々にIT人材は増えつつありますが、高度な専門知識を持つエンジニアやIT系の管理職種はまだまだ人材不足の状態が続いています。専門性の高い職種であるほど、人材育成に時間がかかります。そのため、今後もプロジェクトマネージャーの需要は高い状態が続くことが考えられます。
また、DXが課題の企業も多く、経験豊富なプロジェクトマネージャーは引く手あまたの状況です。さらに、AIやIoTなど最先端技術に対応できる場合は、市場価値が非常に高くなります。優秀な人材確保のため、企業から好条件を提示されることも多いでしょう。
プロジェクトマネージャーとして活躍するには、専門性の高い知識やスキルを身に付け、さまざまな現場で経験を積むことが重要です。
市場価値を高めて高年収のプロジェクトマネージャーを目指そう
IT業界全体で人材不足の状態が続いており、多くの企業が優秀なIT人材の確保に注力しています。そのため、コンサルティング能力に長けていたり、現場経験が豊富なプロジェクトマネージャーは、好条件を提示される傾向にあります。
プロジェクトマネージャーとして年収アップを目指す場合は、自身の市場価値を高めることが重要です。さまざまなプロジェクトを経験し、対応できる業務や案件を増やすことで、仕事のチャンスを掴みやすくなるでしょう。また、仕事に役立つ資格を取得すれば、スキルに箔が付き、人事評価に影響する場合もあります。
プロジェクトマネージャーは需要の高い仕事ですが、優秀な人材も多く、利益率の高い案件は倍率が高くなることも少なくありません。プロジェクトマネージャーとして活躍し続けるには、最先端技術に関する情報を素早くキャッチし、知識やスキルを身に付ける努力を続けることが大切です。