エンジニアが行なっている時間管理・実践術とは?
実際にエンジニアが行なっている時間管理のコツと、その具体的な実践術について解説します。
実際にエンジニアが行なっている時間管理のコツと、その具体的な実践術について解説します。
スキルアップ
2020/07/07 UP
- 業務効率化
- 働き方
エンジニアが取り組む仕事には、必ずといって良いほど納期があります。少しでも遅滞が出てしまうと、クライアントへの信用問題にもなりかねません。
そのため、納期は厳守すべきものになりますが、それが往々にしてエンジニアの業務負荷を上げることになります。何とか納期に間に合わせようと残業が続いてしまうケースもあるでしょう。
また現実には、無事に納品したとしても、仕様の変更や機能の付加といったリクエストが寄せられることもあります。
そういった部分にまで対応していると、エンジニアの業務量は膨大なものになってしまうでしょう。ですから、少しでも効率良く対処をするためには、業務に対する時間管理がポイントになります。
そこでこの記事では、実際にエンジニアが行なっている時間管理のコツと、その具体的な実践術について解説します。
年収が高いエンジニアは時間管理術もうまい!
人には、やりたいことがいろいろとあるものです。しかしながら、時間は限られたものであるため、時間をどのように配分すれば良いのかと、悩む人は少なくないでしょう。
時間管理によって仕事が効率的なものになれば、いつも2時間かかる作業を1時間30分で終わらせることができるなど、同じ行動でもかかる時間を削減することができ、生産性が上がります。その結果、浮いた時間を品質向上や他案件の進捗に回せるでしょう。
自由な時間を確保するために何かしらの工夫をしてみたという人の割合はそうでない人に比べて多いと言われています。特に、高収入の人ほど自由な時間の確保するための工夫をした傾向にあるようです。
つまり、高年収のエンジニアであるほど、時間管理に対してしっかりした意識を持って働いているといえます。
作業に対する時間の割り振りが効率的であれば、同じ時間内でより多くの仕事をこなせるため、納期に対しても余裕が生まれます。
スケジュールに追われてばかりいると完成物のクオリティに懸念がありますが、余裕さえあればチェックを重ね、より良質のものに仕上げる時間へ充てることもできるでしょう。
質の高い仕事を続けていくと、ゆくゆくはエンジニアとして高い評価が得られることも考えられます。
空いた時間には、エンジニアとして新しい言語を学ぶなど、さらなるスキルを磨く時間にすることもできます。自分の幅を広げることで対応できる作業内容も増えため、さらなる年収の上昇を期待することもできるでしょう。
エンジニアは「時間指定なしの仕事」の管理がポイント
エンジニアが担当する仕事には、大きく分けて「時間指定なしの仕事」と「時間指定ありの仕事」があります。
「時間指定ありの仕事」とは、例えば打ち合わせや会議など、日時が指定された仕事を指します。一方、「時間指定なしの仕事」は最終納品日などが決められているものの、進捗の裁量は全面的にエンジニアへ任されている仕事です。
こういった仕事でどれだけうまく時間管理するかによって、エンジニアとしての力量が問われます。
例えば、コーディングなど完全に個人で行なう作業となると、こまかな仕事のステップは個人へ委ねられることが一般的です。それを期限までに余裕を持って終えられるか、リミットの間近になるかは、時間管理による仕事の進め方次第ということになります。
時間管理は、時間指定なしの仕事であっても、時間指定がある仕事と同じように自分自身で作業計画を立てられるかどうかがポイントです。
作業計画のとおりに進めることができれば、余裕を持って作業を終えることができるでしょう。
エンジニアの時間管理のための実践術
エンジニアとしてしっかりと時間管理をすることで、さまざまなメリットが生まれます。しかし、ただ漠然と「時間管理」といっても、具体的な管理の仕方はわからないでしょう。
うまく時間を管理するためには、実行する日取りを先に決める、仕事の優先順位をつける、タスクの情報を精査するという3つのポイントがあります。
実践術1.実行日を先に決めてしまう
仕事のスケジュールは「To Doリスト」を使って管理しましょう。「To Doリスト」とは、「やるべきこと」をまとめて書き出したリストです。
エンジニアがTo Doリストをまとめるには、カレンダーと照らし合わせながら、より具体的に書き込むことがコツとなります。
例えば、一日の就業時間に合わせ、自分がその日中にこなせるであろうタスクを具体的に決めておきましょう。
そうすることによって、その日に何をどこまで行なえば良いかがわかるため、後々になって慌てることなく順調に仕事を進めやすくなります。
時間指定がないからといって放置せず、可能な限り早めに仕事の実行スケジュールを決めましょう。できれば、前倒しする想定でスケジュールを引くのが望ましいです。
実践術2.優先順位をつける
物事には、常に優先順位が存在します。仕事でいうと緊急度、重要度という観点が順位づけの尺度となるでしょう。
優先順位のつけ方の一例として、カレンダーに記載したその日のタスクから、特に重要なものをピックアップする方法があります。
納期が間もなく迫っているタスク、一度トラブルがあっただけにミスが許されないクライアント相手のタスクなどが、優先順位の上位に該当します。
一日の最初にそのピックアップ作業を行なえば、その日の終わりに「大事なタスクだったのに、もう集中力がなくて今日中にできない……」などといったアクシデントに見舞われることはないでしょう。緊急かつ重要なタスクを、その日のうちに余裕を持って終えることができます。
実践術3.タスクの情報を精査する
こなすべきタスクに対して、漠然とした表現でTo Doリストやカレンダーに記載しているだけでは、そのタスクの緊急度や重要度が今ひとつ頭へ入りません。
ですから、スケジュール決めの際には、タスクの情報を精査していくことも大切です。精査する内容としては、タスクに関する具体的な情報となる期間、目的などが挙げられます。
このときに大切なのは、実際に提示されている納期から前倒しした自分なりの期限を設定するなど、「数値化」を意識することです。所要日数を見積もり、進捗具合を予想していきましょう。
自分で計画した余裕のあるスケジュールをこなすことができれば、本来の納期に対して自分で使える時間も残ります。
自分で使える時間は、当初の予定になく新たに発生したタスクを処理する時間にすることも、スキルアップに費やす時間にすることもできるものです。
あるいは所属するチームへ貢献する時間とし、全体の遅れがあればサポートに入り、メンバーの作業をカバーすることも有効な時間の使い方になります。
エンジニアの時間管理が楽になるツールを紹介
仕事のデジタル化は、飛躍的に進んでいます。エンジニアが時間管理を行なううえでも、パソコンやスマートフォン、タブレットで効率的に運用できるツールが数多くリリースされています。
ここからは時間管理を行なうにあたり、便利なツールについて解説します。
カレンダー
今も昔も、カレンダーでスケジュールや時間の管理を行なう人は多くいることでしょう。
最近のカレンダーツールは、1台のパソコンのみならず、スマートフォンやタブレットにも同期できます。
また、特定のエンジニアともお互いの予定を共有できるので、複数で携わるプロジェクトでの管理に適しています。
タスク管理ツール
タスク管理ツールは、複数人にタスクを共有できる、タスクが発生した際にプロジェクトメンバーが自由にスケジュールを入力できる、などの機能を持つツールです。
複数人で時間管理を行なうことができるので、メンバー間の連携の促進につながるでしょう。
また、自身の納期漏れや作業の遅滞を解消できるだけでなく、各メンバーの予定を見て、作業に遅れがあるメンバーを見つけ、サポートに入ることもできます。
そうすることにより、チーム全体で時間管理が円滑に進められるでしょう。
タスク計測系ツール
エンジニアが時間管理を行なううえでは、それぞれの作業で要した時間を把握しておくことも大切です。そういった時間管理を行なえるのが、タスク計測ツールです。
タスクの処理に費やした時間をすべて記録し集計したデータがあると、指定のプログラム開発にどのぐらいの時間を要するかが予測しやすくなるため、仕事の効率化へつながります。
さらに、そのタスクがスムーズに進んでいる、もしくは時間がかかりすぎていることなども把握できます。チームの弱い部分を理解したり、時間の記録データを蓄積したりしていくことで、開発の完了見込み時間がより正確なものになるでしょう。
エンジニアの時間管理は日々の積み重ねが大切
時間管理は、日常的な一つひとつの作業に余裕を持って進行していくうえで大切なことです。それが、仕事の完成度を高めることにもつながります。
エンジニアが大きな仕事をやり遂げるためには中長期的な時間管理も大切ですが、その原点は日々をどう過ごすかの積み重ねです。その積み重ねは、1年間で振り返ってみると、考えて行動した分だけ大変な差になって証明されるでしょう。
時間管理を行なううえで、特に注意したいのは「時間指定なしの仕事」です。適切な時間管理を行なわないと、いつ手をつけても大丈夫であろうと考え、気がつけば納期間際ということになりかねません。そうならないようにすることが、時間管理のポイントです。
また、時間管理は効率化を目指して行なうものであるため、時間管理を目的としたスケジュール作成そのものに時間を取られすぎては本末転倒になってしまいます。ツールをうまく利用して、効率的な時間管理をしましょう。