APIとはなにか?使われ方や活用するメリットを徹底解説
この記事ではAPIの使われ方や実装方法、メリット・デメリットなど、APIについて詳しく解説します。APIについて知りたい方は、ぜひお読みください。
この記事ではAPIの使われ方や実装方法、メリット・デメリットなど、APIについて詳しく解説します。APIについて知りたい方は、ぜひお読みください。
知識・情報
2022/04/17 UP
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近年のシステム開発では、APIがよく用いられるようになりました。日常的に使っていても、「APIは何か?」と問われると、うまく答えられない方も多いのではないでしょうか。
この記事ではAPIの使われ方や実装方法、メリット・デメリットなど、APIについて詳しく解説します。APIについて知りたい方は、ぜひお読みください。
APIとは?
まずはAPIとはなにか、概要を確認していきましょう。2つのポイントに分けて解説します。
ソフトウェアやプログラムをつなぐインターフェイス
APIはソフトウェアやプログラムをつなぐインターフェイスを指す、「Application Programming Interface」を略したIT用語です。他のシステムで提供されている機能を、手間をかけずに使えることが特徴に挙げられます。
開発者はAPIの活用により、機能を一から十まで開発する手間を省くことが可能。開発範囲を絞ることが可能となり、効率的なシステム開発に寄与します。
APIは多種多様。用途や目的により、APIが返す内容は異なる
APIは用途や目的により、返す内容や得られる情報が異なります。そもそもAPIは「入力に応じた情報を返す」ということは決まっているものの、以下の項目は開発者が決めることに留意してください。
・求める入力の項目やフォーマット
・入力に対応したレスポンスの内容や方法
このため処理のルールや機能は、APIにより異なります。APIが変わると、同じ入力でも得られる内容は変わるわけです。実際に多種多様なAPIが存在し、開発業務で活用されています。
APIはさまざまなシステムで幅広く使われている
APIはWebシステムだけでなく、スマートフォンアプリでもよく使われています。なかでもWeb APIは、代表的なものに挙げられます。ここではおもな実装方式も含め、確認していきましょう。
Web APIが代表的
APIには標準APIなど、さまざまな種類があります。しかし現在の開発業務において、APIといえばWebを介して外部サービスの情報を利用できる「Web API」が主流です。Web APIは以下のように、さまざまな企業や団体から提供されています。
・Amazon
など
外部に公開されているWeb APIは、無料で使えるものが多いことも特徴に挙げられます。
実装方式は4種類に分かれる
幅広く使えるAPIは、実装方式も多彩です。おもな方法には、以下の4種類が挙げられます。
・REST API
・SOAP API
・WebSocket API
・RPC API
それぞれどのような特徴があるか、順に確認していきましょう。
・その1:REST API
REST APIは、広く使われているAPIです。リクエストは以下の2つの要素を持ち、クライアントからサーバーへ送られます。
・URI(操作対象のデータを示す)
・HTTPメソッド(データの操作方法を、CRUDのいずれかで提示する)
サーバーとクライアント間のやり取りには、HTTPを用います。また結果の記述形式はXMLに加えて、JavaScriptでの扱いが簡単なJSONも使えます。
REST APIのイメージ(実際に動作はしません)
// ユーザのリストを取得するAPI
https://api.sample-domain.com/user/list
・その2:SOAP API
SOAP APIはXMLで記述された「SOAPメッセージ」と呼ばれるデータをやりとりすることで、メッセージを交換する方法です。利用にあたっては「WSDL」と呼ばれる、Webサービスインタフェース記述言語で書かれた定義ファイルが用いられます。
JSONの形式が使えないこともあり、近年のシステムではあまり使われていません。
SOAP APIのイメージ(実際に動作はしません)
// ユーザのリストを取得するAPI
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<soap:Envelope
xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema"
xmlns:soap="http://schemas.xmlsoap.org/soap/envelope/">
<soap:Body>
<user xmlns="https://api.sample-domain.com/">
<str>list</str>
</user>
</soap:Body>
</soap:Envelope>
・その3:WebSocket API
WebSocket APIは、HTML5で使えるようになったAPIです。一度サーバーとクライアントが接続したあとは、切断処理を行なうまで接続し続けられることが特徴。双方向のやり取りをリアルタイムに行なえ、REST APIよりも効率的な通信が可能です。
このためアクセス解析やリアルタイム通信など、即時性が求められるシステムに活用されています。またクライアントへのデータ送信は、JSON形式が使われます。
WebSocket APIのイメージ(実際に動作はしません)
var socket = new WebSocket('ws:// api.sample-domain.com’);
socket.addEventListener('open',function(e){
})
・その4:RPC API
RPC APIは「リモートプロシージャコール」と呼ばれています。RPCは以下の2種類に分けられます。
・XML-RPC(1990年代後半から使われてきた、歴史あるRPC。XML形式で記述)
・JSON-RPC2.0(HTTPSプロトコル以外でも運用可能。JSON形式で記述)
REST APIよりも制約が少ないことは特徴に挙げられます。一方で自由度が高いため、社内向けのシステムや開発者が使うシステムに向くAPIです。
APIの活用でできること
APIは、さまざまな場面で用いられています。代表的な例を、以下に挙げました。
・公的な情報の活用
・最新情報の取得
・情報の連携
・ログイン
日々の生活のなかで、知らず知らずのうちにAPIのお世話になっていることがわかるでしょう。
APIの活用により、変化の激しい状況においても正確な情報をリアルタイムに入手できます。状況の変化に合わせて、適切な判断を下せることでしょう。
加えてAPIは、短期間の開発を実現するために重要な役割を果たしています。効率的な開発を実現するうえで、APIの活用は欠かせません。
APIを使う5つのメリット
APIが広く使われるようになった背景には、さまざまなメリットを得られることが挙げられます。ここからはAPIの活用で得られる5つのメリットを取り上げ、詳しく解説していきましょう。
低コストで効率的にシステムを開発できる
APIの活用により、長いコードを組まなくても正しい情報を得られます。該当する部分の開発を省けるため、組むべきコードの量が減少。工数を減らせるため、開発コストの減少に寄与します。
エンジニアを少人数しかアサインできない場合でも、APIの活用は役立ちます。開発の範囲を核心部分の開発に集中させることができ、短期間で納めることが可能です。
APIの活用は、データの管理面でもメリットがあります。保持すべきデータ量が減るため、コストの減少につながります。サーバーの購入金額やクラウド使用料金の低減は、目に見えやすいメリットです。
連携先の最新データを簡単・正確に取得できる
APIを活用する大きなメリットとして、最新のデータを簡単かつ正確に取得できることが挙げられます。開発者や利用者が手間ひまをかけるよりも正確な情報を得られるため、積極的に利用したい方法です。
また手作業による転記やプログラムを活用する場合は、転記ミスが起こる可能性があります。APIの活用により、このような事態を防ぐことが可能です。
データのメンテナンスコストを削減可能
データを内部で持つ場合、常に最新の情報をチェックし、継続したメンテナンスが欠かせません。APIの活用により、煩雑なメンテナンス業務から解放されます。
一例として、郵便番号を挙げてみましょう。郵便番号は毎月、日本のどこかで変わっています。しかしその都度APIで取得すれば、いくら頻繁に変更されても更新作業の手間はかかりません。APIは更新作業を丸投げできる観点でも有効です。
セキュリティの向上を実現できる
高いレベルのセキュリティ認証を自ら構築せずに済む点も、APIを用いるメリットに挙げられます。例えばSNSと連携することで、他のサービスが提供する認証方法を利用可能。セキュリティレベルの高い認証を手軽に活用でき、利用者に安心感を与えられます。
APIは、ネットショッピングにも効果を発揮しています。カード会社や決済事業者と連携することで、販売店は顧客が入力したカード情報を知ることなく、決済を済ませることが可能。販売店はカード情報を持たずに済むため、顧客に安心感を与えることが可能です。
ノーコード・ローコード開発にも活かせる
APIのなかには、ノーコードツールやローコードツールを用いた開発に活かせるものもあります。開発を行なう際にはAPI連携やプログラミングに関する、一定の知識とスキルが必要です。しかしITエンジニアでなくてもAPIを活用できることは、メリットの一つに挙げられます。
APIを活用する際の注意点
APIを活用する際には、以下に挙げる注意点を踏まえて活用しましょう。
・仕様を詳細部分まで確認する
・利用条件を確認する(商用利用が不可の場合、利用できる範囲は著しく制限される)
・APIの情報を定期的にチェックし、仕様変更や提供停止、メンテナンス情報などを把握する
・APIキーやAPIシークレットキーの管理に注意する
APIのなかには、無料での使用に条件を設けている場合もあります。このようなAPIを活用する場合は、無料で使える範囲内に収まるか正確に見積もることが欠かせません。もし有料となる場合は料金を支払うか、他のAPIを選ぶことが求められます。
またAPIは、情報提供元のシステムが止まると使えません。要件定義や設計の際には、この制約も踏まえることが必要です。
APIの特徴を理解し効率的な開発につなげよう
APIをうまく活用することで正確な処理や情報の提供と、開発の効率化・コスト削減を両立できます。開発現場においてAPIの活用は、ますます進むことでしょう。
もちろんAPIは万能でないため、メリットを最大限に活かす工夫が求められます。APIの特徴とメリット・デメリットを理解し、効率的な開発につなげましょう。