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ブリッジエンジニア(ブリッジSE)とは?仕事内容や必要スキルについて

この記事では、ブリッジエンジニアの仕事内容や求められるスキルについて解説します。将来性についても触れていくので、ブリッジエンジニアに興味がある方や、将来のキャリアパスに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

ブリッジエンジニア(ブリッジSE)とは?仕事内容や必要スキルについて

この記事では、ブリッジエンジニアの仕事内容や求められるスキルについて解説します。将来性についても触れていくので、ブリッジエンジニアに興味がある方や、将来のキャリアパスに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

キャリア

2022/05/10 UP

近年急速にグローバル化が進み、IT業界でも他国と協業するプロジェクトが増えています。そのような背景から、異なる言語や文化をもつメンバー間の橋渡しをする「ブリッジエンジニア」の存在が注目を集めています。

ブリッジエンジニアは比較的新しい職種のため、どのような仕事をするエンジニアなのかあまり知られていません。

この記事では、ブリッジエンジニアの仕事内容や求められるスキルについて解説します。将来性についても触れていくので、ブリッジエンジニアに興味がある方や、将来のキャリアパスに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

ブリッジエンジニアとは?

ブリッジエンジニアとは、「オフショア開発」など、言語や文化の異なるメンバーで構成されたプロジェクトを円滑に進行するための橋渡し役となるエンジニアのことです。

近年、コスト削減を目的に、海外拠点にシステム開発を依頼するケースが増えています。また、国内外のさまざまな地域のエンジニアが参加するグローバルプロジェクトなどでも活躍が期待されています。

ブリッジエンジニアの仕事は、ただ単にメンバー間のやりとりをサポートするだけではありません。海外の技術者と設計書に関するやり取りをしたり、納品物の品質管理をしたりすることも、重要な仕事です。異なる言語・文化をもつ相手に対し、納期や開発方法などの専門性の高い説明を、認識に誤差が生じないよう説明する優れた語学力が必要です。

また、プロジェクト全体の管理も行なうため、マネジメントスキルやコミュニケーションスキルも求められます。

ブリッジエンジニアが関わる2つの開発手法

ブリッジエンジニアが関わる2つの開発手法

ブリッジエンジニアは「オフショア開発」と「ニアショア開発」という、2つの開発手法を用いる現場でそのスキルを発揮します。

それぞれどのような開発手法なのか、具体的にみていきましょう。

オフショア開発

オフショア開発とは、コスト削減のために、人件費の安い海外の企業やエンジニアに仕事を依頼する開発手法です。人件費の安い、ベトナムやタイ、フィリピンに依頼するケースが多い傾向にあります。

オフショア開発においてブリッジエンジニアは、納品物の品質の担保や、異なる言語・文化によるコミュニケーション不足を防ぐという役割を担います。

オフショア開発で依頼する仕事は、ITシステムの開発業務だけでなく、システムの監視・運用などの業務を委託することもあります。

ニアショア開発

ニアショア開発は、日本国内の異なる地域に仕事を依頼する開発手法です。より人件費の安い地域の企業・エンジニアに仕事を依頼することで、コストを削減することが目的です。

ニアショア開発はオフショア開発と比べると、コスト削減の効果はそこまで大きくはありません。しかし言葉の壁や時差がないためコミュニケーションがとりやすく、円滑にプロジェクトを進めやすいといったメリットがあります。

ブリッジエンジニアの仕事内容

ブリッジエンジニアは、業務を依頼する先のメンバーのサポートにくわえ、プロジェクト全体の管理を行なうなど、業務範囲の広い仕事です。

海外・地方へ仕事を依頼する

ブリッジエンジニアは、業務委託先の企業やエンジニアに対し、プロジェクトについての説明を行ないます。

ただ単にマニュアルに沿って話せば良いというわけではなく、納期や開発方法など、文化の違いによる認識の差がないよう詳細に説明をすることが求められます。

また、開発途中で仕様変更や依頼者からの要望があれば、その内容を現地スタッフに共有する必要もあります。

設計書の作成(翻訳・補足)

現地エンジニアのために、設計書を翻訳し、必要に応じて内容を捕捉します。

開発現場の専門用語などは、正しく相手に意味が伝わるように翻訳する必要があり、高い語学力とIT技術の知見が求められます。

万一、設計書の解釈に差が生じていた場合は、プロジェクトの進行が遅延してしまう可能性もあります。設計書の翻訳・説明は、円滑に開発を進められるかを左右する非常に重要な仕事なのです。

納品物の品質チェック

納品物の品質をチェックし、バグの有無や、機能が正確に実装されているかなどをチェックします。

もし納品物に不備があった場合は、現地のエンジニアに対してフィードバックを行ないます。フィードバックの際は、不備の内容や原因を正確に伝えることが大切です。

現地のエンジニアと良好な関係性を構築することは、その後も仕事を依頼するために非常に重要となります。そのためフィードバックをする際は、信頼関係に配慮したコミュニケーションが求められます。

プロジェクト全体の進捗管理

開発が円滑に進むよう、プロジェクト全体の管理を行なうことも、ブリッジエンジニアの大切な仕事の一つです。開発途中の進捗確認などこまめに行ない、工程に遅れが出ないようにします。

プロジェクト全体を把握・管理するため、マネジメントスキル・経験が求められるシーンも少なくありません。

ブリッジエンジニアに必要なスキル

ブリッジエンジニアに必要なスキル

ブリッジエンジニアは、おもにオフショア開発で活躍することの多いエンジニアです。

オフショア開発は、言語や文化が異なることで認識に差が生じる可能性があり、ささいな誤差が開発プロジェクト全体に影響を与えてしまうこともあります。そのためブリッジエンジニアには、依頼先の言語に精通していることにくわえ、高いIT技術も求められます。

語学力

海外のスタッフと円滑にコミュニケーションをとるため、高い語学力は必須です。オフショア開発では、現地スタッフの言語や、英語を使ったコミュニケーションが求められます。

日常会話に必要な言語スキルはもちろんのこと、ITシステムの開発に特化した語学力があることも重要です。ただ単に決まった説明をすれば良いというものではなく、現地のスタッフが正しく解釈できるよう、専門性の高い話を適切に翻訳する必要があります。

IT技術の知識・スキル

ブリッジエンジニアは、現地のエンジニアに仕事の依頼・説明をし、設計書の翻訳や、必要に応じて補足も行ないます。IT技術に精通していなければ、専門性の高い内容を、現地スタッフに正しく伝えることは困難です。

また、案件によって要求されるシステム開発のスキルが異なります。ブリッジエンジニアはさまざまなプロジェクトに対応する必要があるため、IT技術に関する幅広い知識・スキルが求められるのです。

コミュニケーションスキル

開発中の進捗管理も大切な仕事です。オフショア開発では特に、信頼関係の構築度合が、進捗や納品物のクオリティに直結する傾向があります。

そのためブリッジエンジニアには、現地のプロジェクトメンバーと円滑にコミュニケーションを取るスキルが求められます。

マネジメントスキル

ブリッジエンジニアは、プロジェクトのマネージャーやプロジェクトリーダーを兼任することも少なくありません。国内外のエンジニアを橋渡しし、プロジェクト全体を管理することが求められます。

そのため、プロジェクトの状況を常に把握し、現地スタッフに適切に指示するためのマネジメントスキルも重要となります。

異なる文化・習慣に対する理解

ブリッジエンジニアの非常に重要な役割の一つは、現地スタッフと信頼関係を構築することといえます。信頼関係が醸成できるかどうかが、開発プロジェクトが円滑にすすむかを左右するケースもあります。

ブリッジエンジニアには、現地の言葉だけではなく、相手の文化への理解や、ビジネスマナーの違いなども熟知しておくことが求められます。

ブリッジエンジニアの将来性

ブリッジエンジニアは比較的新しい職種であり、まだまだ人材が少ない状況にあります。

近年、企業のグローバル化が進んだことや、コスト削減を課題とする企業が増えたことで、オフショア開発・ニアショア開発を採用する企業は増えています。

ブリッジエンジニアは高いIT技術を習得していることにくわえ、語学力、マネジメントスキル、異文化への理解などさまざまなスキルが求められます。いずれも実用レベルに達するためには、人材育成に時間がかかるスキルのため、ブリッジエンジニアは非常に市場価値の高い存在です。

国内のIT人材不足の影響もあり、今後ますますオフショア開発が普及していくことが予想されます。海外のスタッフと協同し、開発を円滑に進めるため、ブリッジエンジニアを求める声は、今後も高まっていくことでしょう。

今後も企業のグローバル化が進むことが予想されており、ブリッジエンジニアは将来性のある仕事ということができます。

ブリッジエンジニアは語学力とITスキルを活かせる将来性のある仕事

ブリッジエンジニアは、異なる文化・言語のプロジェクトメンバーに対して仕事を依頼し、進捗管理や納品物の品質管理を行なうエンジニアです。ブリッジエンジニアの手腕によって、円滑にプロジェクトが進行するかどうかが左右される、責任ある仕事といえるでしょう。

ブリッジエンジニアには、現地のスタッフと信頼関係を醸成するという、オフショア開発ならではのやりがいもあります。相手の文化や習慣を理解し、敬意をもって接することで、長期にわたり業務委託ができる関係性を構築することが求められます。

国内のIT人材不足の解消や、企業のグローバル化をうけ、オフショア開発を採用する企業は年々増えています。ブリッジエンジニアを求める声は高まっており、今後も高い需要が見込まれています。