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システム運用・保守の違いは?それぞれの業務一覧やキャリアップ例を紹介します

この記事ではシステム運用・保守のそれぞれの業務内容を解説するとともに、違いやキャリアアップ例を解説します。

システム運用・保守の違いは?それぞれの業務一覧やキャリアップ例を紹介します

この記事ではシステム運用・保守のそれぞれの業務内容を解説するとともに、違いやキャリアアップ例を解説します。

キャリア

2022/05/23 UP

検索サービス、SNS、ECサービスなど現代社会に欠かせないIT(Information Technology)は、いまや電気・ガス・水道に次ぐ『第4のインフラ』といわれています。これらのITを構成するサーバーやネットワークがトラブルなく安定稼働できるようにするのがシステム運用・保守の役割です。

縁の下の力持ちとして働くシステム運用・保守はスポットライトが当たりづらく、具体的にどんな仕事をしているのか知らない人も多いのではないでしょうか?また、運用・保守の違いがわからず混同して使っていることもあるでしょう。

この記事ではシステム運用・保守のそれぞれの業務内容を解説するとともに、違いやキャリアアップ例を解説します。

システム運用と保守の違い

システム運用は担当するシステムが安定稼働しているかの監視業務や、システム停止を予防するための作業を行う業務です。一方、システム保守はシステムの納品や稼働後にシステムの不具合が発生しないように事前回避の対応や、システム停止や不具合など万が一のトラブル時は復旧作業を担当します。

なお、システム運用と保守は「システムが安定して稼働するために運用し、定期的なメンテナンスのために保守をする」という関係性にあります。両者が相互に関連しているため、明確に業務内容を区別することは難しいです。そのため、特に小~中規模の企業では一人の担当者が運用・保守のどちらも担当していることもあります。

システム運用の仕事内容

システム運用の仕事内容

ITシステムを構成するサーバーなどのハードウェアや、ネットワーク機器などを監視し、24時間265日安定して稼働できるようにするのがシステム運用の仕事内容です。例えば、定期的なパッチ対応、ハードウェア点検・交換、供給電源の点検などが該当します。

突発的な対応というよりも、トラブルを未然に防ぐことを目的としたルーチン化された作業が多いのが特徴です。英語では作業や運転、運行などを意味するOperationと訳します。

システム運用の業務一覧

システム運用の具体的な業務内容は以下の通りです。

・サーバー再起動

・定時のデータ入力・確認などマニュアル化された定型作業

・システムの状態監視(トラブル・不具合の監視、死活監視など)

・外部からの不正アクセス監視

・メモリやディスク容量などリソース・キャパシティ監視

・定期的なバックアップ取得

・セキュリティ脆弱性対応

担当するシステムや、所属する企業などによって業務内容はさまざまですが、一般的には作業予定を立て、計画通りに作業をしていきます。

システム保守の仕事内容

システム保守は日々の運用業務に支障がないように、トラブルを未然に防ぐための予防措置や、トラブルが発生した際の早期復旧を担います。システム運用が基本的にシステムに手を加えることがないのに対して、システム保守は必要に応じてシステムの改修・修理をする点が違いの一つです。英語では整備、保全、維持などを意味するmaintenanceが該当します。

不具合発生時は原因を突き止め、改修や復旧作業に当たらないといけません。システム運用と比較すると突発的な作業が多く、担当するシステムに関する高度なスキル・知識を求められるのが特徴です。

システム保守の業務一覧

システム保守の業務は多岐に渡りますが、一般的な業務は以下の通りです。

・システムのアップデート

・バグや不具合発生時の原因究明・修正・復旧作業

・新規のプログラムやシステムの導入

・DBのチューニング

・サーバー機器のリプレース

運用保守が「きつい」「つまらない」は本当?

システム運用・保守はシステムの安定稼働を支える重要な役割です。しかし、数あるITエンジニア職種の中でも注目を集めにくく、「きつい」「つまらない」「やめておけ」などネガティブな意見も多くみられます。

否定的な意見が出るのにはいくつか原因がありますが、ここからは代表的な原因を紹介します。ただし、人の感じ方はそれぞれであり、所属する企業や部署・業務内容にもよるので、あくまでも一般的な意見として参考にしてください。

24時間365日(夜勤あり)のシフト勤務が辛い

システム運用・保守の業務は、24時間365日、かつ夜勤ありのシフト勤務となることが一般的です。連休が取りにくい、家族や友人と休日が合わない、病気や私用など突発的に休みを取りにくいなど、シフト勤務ならではのキツさを感じる人は多いのではないでしょうか。

また、ひとたびシステム障害が発生すれば、休日・深夜問わず対応しなければなりません。いつ電話がかかってくるかわからない、電話に出られないとビジネス・お客様影響が出てしまう、などのプレッシャーをストレスに感じる人もいます。

やりがいを感じにくい

IT技術が急速に進化・普及している現代社会において、システムは動いて当たり前の存在です。そのため、トラブルを未然に防いだり、早期復旧で業務影響を最小限に抑えたりと、運用・保守担当がどんなに努力を重ねても、ユーザーからの感謝は期待できません。逆にトラブルが起きれば責められることもあるでしょう。

そのため、ビジネス的な成果に直結し、ユーザーの反応もみえやすいフロント・アプリエンジニアなどと比べると、「つまらなさ」を感じる人は多いようです。システム運用・保守はITシステムの安定稼働が事業貢献・社会貢献につながる点に魅力を感じ、モチベーションを保てる人に向いているでしょう。

運用保守からのキャリアアップ例

運用保守からのキャリアアップ例

運用保守はどちらかというと新人エンジニアが担当する最初の業務の位置づけです。では運用・保守業務で経験を積んだエンジニアがキャリアアップを目指す場合、どういったキャリアパスがあるのでしょうか?ここからは、代表的なキャリアアップ例を紹介します。

1. インフラエンジニア

サーバーやネットワークなど、システム運用・保守業務の中で培った経験・スキルを活かし、インフラの設計・構築、企画へ業務の幅を広げる方法です。インフラエンジニアとよばれる職種で、インフラ関連の業務を幅広く担当します。

インフラエンジニアについては「インフラエンジニアとは?仕事内容から取得するべき資格までわかりやすく紹介!」で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。

インフラエンジニアを目指すなら、日常的な監視・運用・保守業務の傍らで、担当するシステムの構造を理解する、なぜこんな設計になっているのか考えてみるのが良いでしょう。また、実際に手を動かしてサーバーを構築する、CCNAやLPICなどの関連資格を取得するなど自学自習を並行しながらインフラの知識を習得・深めていくのがおすすめです。

2. 開発系エンジニア

数年前から注目されているDevOps(デブオプス)を実現し、開発エンジニアに近いポジションで働くこともできます。DevOpsとはDevelopment(開発)とOperations(運用)を組み合わせた造語で、開発担当と運用担当が連携・協力し、柔軟かつスピーディーに開発する開発手法です。

システム運用・保守を担当してきたエンジニアは運用保守担当者ならではの視点や、実際のユーザーの視点が自然と身についています。そのため、ソフトウェア開発時は業務経験やスキルを活かして開発担当にフィードバックする、もしくは自ら開発担当として参画することが可能です。

システム運用・保守の枠を超えてシステム構築全体に関わることで、運用しやすく、利用者が使いやすいシステム開発に貢献できるでしょう。

システム運用保守はITシステムの安定稼働を支える大黒柱

システム運用・保守の業務はどちらもITシステムの安定稼働を支える重要な役目を担います。多くのユーザーが利用するシステムであれば、自分の仕事がITサービスを支えているという「やりがい」を感じやすい業務といえるでしょう。

また、サーバーやネットワークなどシステム全般を扱う運用・保守の業務内容は、全てのITエンジニアの基礎となります。そのため、インフラエンジニアや開発系エンジニアなど業務幅を広げていけば目指すべきキャリアパスが豊富に存在するのも利点です。自身の興味関心に合わせて少しずつ視野を広げ、スキル習得を進めましょう。