「Engineer Labo」の記事をデータ可視化したら歴史を感じた
株式会社パソナが運営するエンジニア向けオウンドメディア「Engineer Labo」には、これまで数多くの記事が掲載されてきました。
今回はその「記事」に注目し、データを使って「どんな話題が多いのか?」「どういう変化があったのか?」を分析・可視化しました。
「Engineer Labo」の記事分析データから、パソナのエンジニアたちが何に興味を持ち、どんなことを伝えたいと思っているのかを少し覗いてみましょう!

株式会社パソナが運営するエンジニア向けオウンドメディア「Engineer Labo」には、これまで数多くの記事が掲載されてきました。
今回はその「記事」に注目し、データを使って「どんな話題が多いのか?」「どういう変化があったのか?」を分析・可視化しました。
「Engineer Labo」の記事分析データから、パソナのエンジニアたちが何に興味を持ち、どんなことを伝えたいと思っているのかを少し覗いてみましょう!
知識・情報
2025/05/23 UP
- メリット
- Python
この記事の要約
- 「Engineer Labo」の記事データを Python でスクレイピング&分析
- タイトルやタグを可視化し、どんなキーワードが好まれてきたのかを可視化
- 全体として、「キャリアやスキル重視」から「現場の体験共有」へとテーマが変化していた
そもそも「Engineer Labo」って?
「Engineer Labo」は株式会社パソナのDXテクノロジー本部が運営する、エンジニア向けのオウンドメディアです。
もともとはBtoB向けのマーケティング目的に立ち上げられましたが「X-TECHエンジニア室の魅力を広めたい!」という目標ができ、
2025年頃からはエンジニアのための情報発信メディアとして再始動しました。内容は真面目な技術解説から、ユニークな企画まで幅広く掲載されています。
- 技術解説・情報共有系
- [IT コンサルタントの需要・将来性や活躍し続けるために必要なスキル]
- [Web3(Web3.0)とは?特徴や注意点について解説]
- おもしろ系
- [ローコードでさくっと博多の説教 AI おいちゃんを作ってみた]
- [【自作キーボード】テンティング用スタンドを内蔵した keyball39 のケースを自作した話]
「Engineer Labo」の目的
「Engineer Labo」は、パソナのエンジニア組織がどのような組織で、どのような取り組みを行っているのかを、市場の企業や個人に広く知ってもらうことを目的としたメディアです。
これにより、パソナX-TECHのエンジニア組織 としてのブランドを確立することを目指しています。
読者層は、開発エンジニアとして専門的な知識やスキルを持つ方から、そうでない方まで幅広く想定しているため、技術面に限らず組織づくりや働き方といったテーマにもフォーカスし、多角的な記事制作を心がけています。
誰のためのメディア?
「Engineer Labo」は、以下のような読者を主なターゲットとしています。
- パソナの取引先・潜在顧客企業に所属するエンジニア
- パソナ外部で働くエンジニアやテクノロジー職の方々
- X-TECHエンジニア室の活動・取り組みに関心を持つ方
また社外向けだけでなく、社内エンジニア同士の知見共有の場としても機能しています。
誰が書いてるの?
記事は、パソナの現役エンジニアやエンジニア組織に所属する様々なメンバーが執筆しています。
「書きたい人〜?」と社内で声をかけて、集まった有志のメンバーが執筆しています。
そのため、記事にはリアルな現場の声が多く含まれているのも特徴です。
分析テーマ:「Engineer Labo」がどう育ってきたのか
ここからが本題です。
次の3つのテーマに分けて「Engineer Labo」の記事データを可視化・分析しました。
- 記事の投稿推移
- タイトルでよく使われる言葉(ワードクラウド)
- 人気のタグ
分析データの収集は「Engineer Labo」から、すべての記事の「タイトル」「投稿日時」「タグ」をスクレイピングで取得しました。
記事の投稿推移
「Engineer Labo」の記事がいつ・どのように増えていったのか、その歴史を見てみましょう。
次の図は、2018年3月から2025年4月までの、月ごとの投稿数を折れ線グラフで可視化したものです。
投稿数にはバラつきがあり、一時的に集中して投稿された月の後に、投稿がほとんどない月が続くといった、
グラフがジグザグしている傾向が見られます。
もしかしたら「一気に頑張って記事を出した後はちょっと休憩…」というリズムかもしれません。
次に累積記事数の遷移をみてみましょう。
- Engineer Labo開始〜2021年:ゆっくりと記事が増え、月平均約 4.9 本
- 2022年〜2023年前半:急速に増加、月平均 17.2 本と最も活発
- 2023年後半〜2025年初頭:投稿がほぼ停止(いわば“暗黒期”)
- 2025年4月時点:少しずつ再起動、月平均 3.6 本に回復
2018年3月に「Engineer Labo」がスタートしてから、2022年からは急速に記事が増加したかと思えば
そこから、2023年後半から 2025年までほぼ投稿されない暗黒期があったりと、メディアの熱量の変化が数字に表れているのは面白いポイントですね。
タイトルでよく使われる言葉(ワードクラウド)
ワードクラウドとは?
ワードクラウドとは、文章中に頻出する単語を視覚的に表示する手法です。
よく出てくるキーワードほど大きく表示されるため、記事の傾向やテーマを直感的に理解できます。
記事タイトルのワードクラウド
実際にみた方が早いので、早速ドーン!
上記の GIF アニメーションは2018年から2025年まで、各年のタイトルをもとに作成したワードクラウドです。
2018年の傾向
「Engineer Labo」が始動した初期の 2018年のワードクラフトに注目すると
主なキーワード:「転職」「企業」「働き方」「IT」「文系」「フリーランス」
外向きな情報発信が中心であることがわかります。
業界や働き方の情報提供やキャリアパスの提案を意識している印象がありますね。
2025年の傾向
続いて直近の 2025年の記事タイトルでよく使われるキーワードを見てみましょう。
主なキーワード:「自作」「挑戦」「社内」「受賞」「x(コラボ)」
「〜〜に挑戦してみた!」や「〜〜に受賞しました!」など、体験共有のキーワードが中心です。
記事のフォーカスが「行動や取り組み」や「社内での出来事」に変化していることがわかります。
また、2018年、2025年どちらも「エンジニア」は頻出ワードであり、
「Engineer Labo」が一貫してエンジニア向けのメディアであることがわかります。
人気のタグ
タグとは?
タグとは、記事のテーマや関連キーワードを表すラベルのことです。
読者が興味のある話題を見つけやすくなるように、記事に複数設定されています。
タグの使用頻度を見ることで、どんな話題がよく扱われているかがわかります。
総合人気タグランキング TOP20
では、見ていきましょう。
2018年から2025年4月までで最も使われているタグ TOP20はこちらです。
- 1 位:「キャリアパス」(216回)
- 2 位:「SE 資格・スキル」(166回)
- 3 位:「技術」(134回)
この結果から、「Engineer Labo」がエンジニアの成長やスキル習得に強い関心を持つメディアであることがわかります。
年ごとの傾向の変化に注目してみましょう。
2018年1月から2018年12月まで
よく使われたタグ:「キャリアパス」「資格」「学習法」「AI」「Python」
将来に向けたスキル習得やキャリア形成に関わる記事が多い傾向がわかります。
2025年1月から2025年4月まで
よく使われたタグ:「仕事内容」「インタビュー」「やりがい」「業務効率化」「開発」
実際の「仕事の中身」や「業務改善」にフォーカスがあり、実務・チーム貢献に関心があることが伺えます。
まとめると、「どう成長するか(スキル・将来)」から「今どう働くか(実務)」へと、テーマが変化しているのです。
分析して見えてきたこと
今回、『「Engineer Labo」がどう育ってきたのか』というテーマでデータ分析を行い、次のようなことがわかりました。
- メディアの成長は波があるが、着実に続いている
- 「Engineer Labo」にも投稿数が多い月があったり少ない月があったりと、人間味があるなぁと感じました。
盛り上がって一気に投稿されたり、手が止まっていたり。どこか人間っぽさがある動きでした。
- 記事タイトルの変化から、発信の目的が変化している
- 初期は「キャリア情報の提供」中心でしたが、現在は「社内の体験共有」や「挑戦の記録」という内容の記事が増えています。
- 一方で、エンジニア向けの情報提供という軸はぶれていないことが伺えます。
まとめ
「Engineer Labo」の分析を通して、社内エンジニアたちの興味関心の変化、投稿スタイルの進化、そしてメディアとしての成長の軌跡が見えてきました。
「Engineer Labo」は単なる記事の集合ではなく、パソナのエンジニアたちの想いが詰まった"歴史の記録"かもしれませんね^^
参考リンク
この記事を書いたメンバー
Web/AIチーム 山田 菜摘
このメンバーにインタビューした記事はこちら