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応用情報技術者試験とはどのような試験?難易度や資格を取るメリットも説明

本記事では試験の概要や難易度、合格することのメリットについて説明します。また他の試験を受けずに、いきなり応用情報技術者試験に合格できるのか、といった疑問にも解説しましょう。

応用情報技術者試験とはどのような試験?難易度や資格を取るメリットも説明

本記事では試験の概要や難易度、合格することのメリットについて説明します。また他の試験を受けずに、いきなり応用情報技術者試験に合格できるのか、といった疑問にも解説しましょう。

スキルアップ

2023/02/22 UP

ITに関する資格の一つに応用情報技術者試験があります。基本情報技術者試験の一つ上のレベルですが、どのような試験内容でしょうか。

本記事では試験の概要や難易度、合格することのメリットについて説明します。また他の試験を受けずに、いきなり応用情報技術者試験に合格できるのか、といった疑問にも解説しましょう。

応用情報技術者試験とは

応用情報技術者試験とはどのような試験でしょうか。最初に試験の概要について説明します。

試験の概要

ITに関する知識や技能が一定水準にあることを認定する国家試験として、情報処理技術者試験があります。情報処理推進機構(IPA)が主催する試験であり、ITに関する幅広い分野の知識が問われます。技術者からエンドユーザーまで、ITに関係するすべての人が活用できる試験です。

情報処理技術者試験には難易度別に分かれた複数の試験区分があります。基礎的な知識を問うレベル1から、高度な専門的知識を問うレベル4までの4段階。応用情報技術者試験はこのうちレベル3に属しており、ITの応用的知識や技能を問う試験です。

応用情報技術者に期待される役割

応用情報技術者試験の対象者像として、主催機関であるIPAは「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」と定めています。

応用情報処理技術者に求められることは、ITを活用した戦略の立案や、信頼性および生産性の高いシステムの構築を「独力で」果たせること。一方で、情報処理技術者試験のレベル2に該当する基本情報技術者試験の場合は、これらの役割を「上位者の指導の下に」行ないます。応用情報処理技術者には、IT技術者として一人前の役割を果たすことが期待されているのです。

応用情報技術者試験の内容

応用情報技術者試験の内容

試験問題の出題範囲や形式について解説します。試験は大きく午前問題と午後問題の2つに分かれています。

試験時間・出題形式

午前問題と午後問題の試験時間と出題形式は以下のとおりです。

午前 午後
試験時間 9:30-12:00 13:00-15:30
出題形式 選択式 記述式
出題数 80問 11問
解答数 80問 5問

合格基準は、午前試験と午後試験それぞれで100点満点中60点以上取ること。午前問題は全80問なので1問あたり1.25点、午後問題は解答数5問なので1問あたり20点の配分です。

午前試験の得点が基準点に達しなければ、午後試験は採点されません。また午前問題の免除制度がないこともご注意ください。午前問題に合格し、午後問題に不合格だったとしても、次の試験時には午前問題を再度受ける必要があります。

午前試験

午前問題はマークシートによる選択式で全80問。4つの選択肢から1つを選ぶ形式です。80問の内訳は以下の3つです。

テクノロジ系:50問

マネジメント系:10問

ストラテジ系:20問

各分野の内容ですが、テクノロジ系は基礎理論やアルゴリズム、コンピュータ構成要素、データベース、ネットワークなど。マネジメント系はプロジェクトマネジメントやシステム監査の内容。ストラテジ系はシステム戦略や経営戦略、企業活動、法務の内容です。

知識で解ける問題だけでなく、計算が必要な問題もあります。また問題の約半数が過去問と同じであるため、過去問対策が重要です。

午後試験

午後問題は分野別の11問が出題され、そのなかから5問のみ解答する方式です。11問のうち問1である情報セキュリティの問題は解答が必須であるため、それ以外の10問から4問を自分で選択します。

問題として設定が作り込まれているため、長い問題文を時間内に読み解く必要があります。選択肢から当てはまるものを選ぶ問題も一部ありますが、大半は記述式の問題であるため文章を作成する練習が必要。また午後問題の場合は過去問と同じ問題はありません。それでも問題の傾向はつかめるため、午前問題と同様に過去問対策はやっておくべきでしょう。

応用情報技術者試験の難易度

応用情報技術者試験はITの応用的知識を求められることもあり、難易度は高く設定されています。試験の合格率や勉強法について説明しましょう。

合格率について

応用情報技術者試験の合格率や受験者の属性などは、試験の主催機関であるIPAのWebサイトで公表されています。過去10年における合格率は20%台が大半で、たまに20%を割り込む年もあります。受験者や合格者の平均年齢は30歳前後。基本情報技術者試験の場合は25歳前後であることから、より経験を積んだ受験者が多いことが読み取れます。

試験を受けるのは、基本情報技術者試験を取得済み、もしくは合格レベルの知識を持ち合わせている受験者が大半です。さらに経験年数別の分類で特に多いのは2~6年の経験を持つ受験者。そういった受験者のうち合格する割合が20%台であるため、難易度は非常に高いといえるでしょう。

いきなり受けるのはアリ?

難易度の低いITパスポートや基本情報技術者試験を受けずに、いきなり応用情報技術者試験に合格することは可能でしょうか。結論を先にいうと、勉強さえすれば合格可能な試験です。まず保有資格や実務経験年数などの条件は設定されていないため、試験を受けることは誰でもできます。

応用情報技術者試験はITに関する知識さえあれば、実務経験がなくても問題ありません。出題範囲にはアルゴリズムやネットワーク、ハードウェア、さらにはプロジェクトマネジメントまで含まれており、非常に広範囲です。そのためすべての分野を実務経験でカバーすることはできず、机上の勉強で対処しなければならない分野があるはず。過去問と同じ、もしくは似た系統の問題が多いことも勉強しやすい理由の一つです。参考書と過去問を用いて勉強すれば、いきなり試験を受けて合格することは十分可能です。

おすすめの勉強法

本記事でも何度か説明していますが、過去問演習が非常に重要です。最初に参考書を軽く読んで概要をつかんだら、過去問を中心とした勉強を始めましょう。過去問を解き、間違えた箇所や理解不足の箇所は参考書で詳細を確認する、という流れがおすすめです。

試験の過去問は主催機関であるIPAの公式サイトで過去15年以上分が公開されています。問題と解答はもちろんのこと、午後問題については採点の講評も載っているので参考にしましょう。

午前問題は約半分の問題が過去問と同じであるため、特に過去問演習は必須。過去数年分は暗記するくらいの意気込みで取り組みましょう。午後問題も過去問演習が有効ですが、特に気にすべきは時間配分です。長文問題をどのくらいのペースでどう読み解くか、実際に時間を計りながら解くことをおすすめします。

応用情報技術者試験に合格するメリット

応用情報技術者試験に合格するメリット

試験に合格することで何が得られるのでしょうか。おもなメリットについて2つ紹介します。

ITについて広範囲に知識が身に付く

応用情報技術者試験は、ITのさまざまな分野を網羅する試験のなかでも高難易度。情報技術者試験にはさらに難易度の高い「高度試験」と呼ばれるものがありますが、ネットワークやデータベース、プロジェクトマネジメントなど分野ごとに試験が分かれています。他のIT関連の資格も分野やベンダーごとに分かれているものが大半であり、応用情報技術者試験は分野の網羅性と難易度の両方を兼ね備えています。

応用情報技術者試験に合格することで、IT全般の知識が身に付きます。その後は必要に応じて、さらに高レベルの試験やベンダー資格などに挑戦してみてはいかがでしょうか。応用情報技術者試験に合格すると、レベル4の高度試験の午前Ⅰ試験が免除されるというメリットも。他にも中小企業診断士試験や弁理士試験の一部試験が免除されるので、これらの試験に挑戦してみるのもよいでしょう。

就職や転職で有利

応用情報技術者試験は、一定以上のIT知識を持つ人材として評価される試験です。IT系の資格のなかでも知名度が高く、就職および転職時に履歴書に書く資格として有効です。また会社によっては資格手当や報奨金の対象となっており、資格取得によってお金が貰える場合も。資格の取得が従業員と会社側の双方のメリットがあるということなので、挑戦する価値はあるはずです。

また会社だけでなく、大学や官公庁、地方公共団体などでも評価の対象となります。大学では入試時の優遇や単位認定などに活用。また警視庁や各府県警におけるサイバー犯罪捜査官の採用でも、資格取得者を優遇する制度があります。

応用情報技術者試験はITの応用的知識や技能を問う国家資格

応用情報技術者試験はITの応用的知識や技能を問う国家資格です。ITの幅広い分野を網羅しており、数年の実務経験を持つ人でも合格率は20%前後と高い難易度に設定されています。

IT全般に関する知識が身に付き、会社や大学、官公庁、地方公共団体などのさまざまな組織や団体から高い評価を得られるでしょう。