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JANOG58 NOCチーム参加体験記 ~400GバックボーンとAristaで構築する大規模イベントネットワーク~

今回は、JANOG58のNOC(Network Operation Center)にL2/L3チームとして参加した、パソナのエンジニアによる体験記をご紹介します。400GバックボーンやArista機器を用いた大規模イベントネットワークの構築に、サブリーダーとしてどのように向き合ったのか。現場で直面した技術的な課題やチームで乗り越えた経験、前回参加時からの成長まで、エンジニア自身の言葉でお届けします。

JANOG58 NOCチーム参加体験記 ~400GバックボーンとAristaで構築する大規模イベントネットワーク~

今回は、JANOG58のNOC(Network Operation Center)にL2/L3チームとして参加した、パソナのエンジニアによる体験記をご紹介します。400GバックボーンやArista機器を用いた大規模イベントネットワークの構築に、サブリーダーとしてどのように向き合ったのか。現場で直面した技術的な課題やチームで乗り越えた経験、前回参加時からの成長まで、エンジニア自身の言葉でお届けします。

知識・情報

2026/09/18 UP

はじめに

先日開催されたJANOG58で、会場ネットワークを提供するNOC(Network Operation Center)のL2/L3チームとして参加してきました!
JANOG(Japan Network Operators' Group)」は、インターネット技術やオペレーションに関する議論や情報共有を行う、日本最大級のネットワークエンジニアのコミュニティです。今回も非常に多くの方が参加する巨大イベントとなりました。
 
これだけ巨大なイベントのネットワークをゼロから作るのは、やはり何度経験しても刺激的です。
前々回のJANOG56でもNOCメンバーとして参加しており、その時の様子やネットワーク構築の知見についても過去に記事にしています。よろしければそちらもぜひご覧ください!

▶【前回参加】JANOG56 NOCでの活動記事はこちら:JANOG56 NOCチーム参加体験記~ネットワークエンジニアの非日常~

今回は、JANOG58 NOCでのネットワーク構成や、現場で直面した技術的な課題、そして実践を通じて得たリアルな知見についてお届けします。

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JANOG58 NOCネットワークの全容

愛媛CATV様による超広帯域バックボーン

今回のネットワーク構成の目玉は、なんといっても愛媛CATV様から提供いただいた「400G」の超広帯域バックボーンです。
普段の業務ではまず見ることのない太さの回線を、会場へダイレクトに引き込んでいます。この大容量トラフィックをいかに安定して捌くかが、今回の大きなテーマでした。
 

コアネットワークを支える技術要素

大容量トラフィックを処理する機器には、Arista Networks様から機材提供いただいたルーターやスイッチを使用しました。
上位からの400G回線をコアで受け、各フロアのアクセス層などへ落とし込んでいく構成です。また、今回のJANOGプログラムでも紹介されていた、端末の急増による「MACアドレス爆発」を防ぐため、上流のMACアドレス学習数を劇的に減らす技術「VESPA(Virtual Ethernet Segment with Proxy ARP)」を活用するなど、最新技術を実環境で動かすアーキテクチャになっていました。
 
▶参考:https://www.janog.gr.jp/meeting/janog58/pr-mac-address-explosion/
 

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L2/L3チームのミッション

バックボーンと会場ネットワークの橋渡し

私たちL2/L3チームのメインタスクは、引き込んだ太い回線を、実際に参加者の皆さんが使うWi-Fiや有線ポートまでどうやって届けるか、その経路を設計・構築することです。
いくら回線が速くても、中継するL2/L3のルーティングやVLANの設計が甘いとパケットはうまく届きません。表からは見えにくい部分ですが、外部と会場を繋ぐネットワークをいかにトラブルなくシンプルに組み上げるか、という点に注力しました。
 

Aristaを中心としたコンフィグ作成と割り当て

具体的には、Arista機器を軸にしたルーティングやVLANの設計、IPアドレスの割り当て、各機器のポートアサインなどのコンフィグ作成を行っています。全体の構成図を読み解きながら、一つひとつの設定に落とし込んでいきました。
 

苦労した話

事前に検証は進めていたものの、やはり本番環境では想定外のことも起きます。

10Gの感覚が通用しない400G(OSFP/QSFP)の世界

普段の業務で触る光モジュールは1Gや10GのSFP+がほとんどなので、400Gの世界は完全に手探り状態でした。
OSFPやQSFPといった馴染みのない規格を扱うため、事前に調べたりAIに質問したりして本番に臨んだつもりでした。しかし、いざ実機を目の前にすると、トランシーバ自体の形状からして10Gとは完全に別物です。これだけ高価で最先端な機器を大規模構成に組み込んでいくプレッシャーもあり、机上の勉強だけでは分からない「現場の空気感」がありました。
 

Arista独自の技術

Arista独自のネットワークOS「EOS」や、管理ツールの「CVaaS」、そして前述した技術「VESPA」のキャッチアップにも時間を使いました。普段触っている機器とは勝手が違う部分に戸惑うこともありましたが、新しい技術スタックにがっつり触れることができたのは良い経験になりました。

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うまく行った話

サブリーダーとしての立ち回りと先読み

前回の初参加時は自分の作業で精一杯でしたが、2回目となる今回は「いかにチーム全体をスムーズに回すか」にフォーカスしました。
イベントネットワーク構築という限られた時間の中では、どうしてもリーダーに負荷が集中しがちです。
そこで、自らサブリーダー的な立ち位置に入り、フロアスイッチの設置計画の立案や、現場での具体的な設置・配線指示などを徹底的に先回りして巻き取りました。
「次は何をすればいいか」を常に先読みして動けたことで、リーダーがよりコアな設計や全体管理に集中できる環境を作れたのは、個人的に大きな成果でした。
 

自作のポートアサイン表が全体の「マスターデータ」に

個人的に一番手応えがあったのは、自分で作成した「ポートアサイン表」です。
機器のどこにどのケーブルを挿すかを取りまとめたものですが、これがL2/L3チーム内だけでなく、他チームからも「マスターデータ」として参照してもらえました。結果として、チームをまたいだ現場の連携がかなりスムーズになったと感じています。
 

過去の自分からの成長と、チームへの貢献

前回JANOG56のNOCに参加した時は、目の前の自分のタスクをこなすことで精一杯でした。しかし今回は、自分から要件をまとめたり、ドキュメントを作って他チームに共有したりと、少し視野を広げて動くことができました。

その結果、チームメンバーや他チームの方から「ここってどうなっていますか?」と質問や相談を受ける機会が目に見えて増えました。単に技術的な知識がついただけでなく、NOCというプロジェクトを前に進める力が少しずつ身についてきたのかなと、自分自身の成長を実感できたことが何より嬉しかったです。

嬉しかった話

実際の参加者からの「快適」というフィードバック

NOCをやっていて一番報われるのは、やはり参加者の方からの生の声です。
会期中に直接「会場のWi-Fi、快適に使えてますよ!」と声をかけていただけた時は、NOCやってよかったなと心から思えました。
 

枠を超えたエンジニア同士の交流

NOC部屋や会場で、初対面の人同士でも「普段どんな環境を触っているのですか?」「あの構成どうやりました?」と、いきなり技術トークに入れるのはコミュニティならではの良さです。
今回「もしかしたら足りなくなるかも?」と思って名刺を多めに持っていったのですが、ギリギリ使い切るくらい、本当にたくさんの方とリアルな交流ができました。
 

最後に

JANOG58 NOCは、最新技術に触れられるだけでなく、現場での動き方や他チームとの連携の重要性を肌で感じることができる素晴らしい場でした。
今回NOCで得られた経験は、日々の業務などにもさっそく活かしていこうと思います。
素晴らしい環境を提供いただいた協賛企業の皆様、そして一緒に作業したNOCチームの皆様、本当にありがとうございました!
 

この記事を書いたメンバー

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インフラソリューションチーム 木村 智仁