未経験からでもAI開発の仕事に就ける?必要なスキルや学び方を紹介
実際にAIを作るために必要な知識や技術がなんなのかを正確に理解している人はそう多くはないでしょう。自分でAIを作るためには、そして職業としてAIをつくるAIエンジニアになるには、なにが必要なのでしょうか。
実際にAIを作るために必要な知識や技術がなんなのかを正確に理解している人はそう多くはないでしょう。自分でAIを作るためには、そして職業としてAIをつくるAIエンジニアになるには、なにが必要なのでしょうか。
スキルアップ
2019/09/27 UP
- SE資格・スキル
- AI
近年、AIが人々の暮らしやビジネスを変えていく可能性がしきりに論じられていますが、実際にAIを作るために必要な知識や技術がなんなのかを正確に理解している人はそう多くはないでしょう。自分でAIを作るためには、そして職業としてAIをつくるAIエンジニアになるには、なにが必要なのでしょうか。以下に確認していくことにしましょう。
未経験からAIの開発をすることはできる?
AIエンジニアとは
そもそも、AIエンジニアとは、AIの精度を高めるためのデータの整理や、機械学習や深層学習のアルゴリズムを用いたデータ解析を行う技術者だと定義することができます。
エンジニアとはいっても、一般的なプログラマーやシステムエンジニアとは行う業務の内容が大きく異なることが特徴です。AIエンジニアはデータの解析が仕事の目的となっていることが多く、設計に沿った動くプログラムを組むといった一般的なプログラマーの仕事とは性質も大きく異なっているのが通常です。
もちろんAIエンジニアもプログラムも書くことが求められる場面もあります。しかし通常のプログラムの実装よりも、むしろデータ解析の効率や精度の向上を目指して、必要なデータの選定を行ったりすることのほうが役割の比重としてははるかに大きいことが多いといえます。
未経験者からAIエンジニアにはなれるのか
現在AI市場は大きな盛り上がりをみせています。そうした事情もあり、AIエンジニアの絶対数は需要に対して圧倒的に不足しています。そのため実力あるAIエンジニアの需要が現在非常に高騰していることはいうまでもありません。
未経験でもAIエンジニアの求人を出す会社も目に付くようになりました。深刻な人手不足の状況があることを踏まえて、自社で必要な技術者を養成しようとする動きも徐々にあらわれています。
しかし未経験者がAIエンジニアを目指す場合、プログラミングやエンジニアリングの適性を見極められることもさることながら、統計学をはじめとする数学を仕事に活用する能力も採用段階で厳しく見られることが想定されます。人手不足が深刻な状況とはいっても、仕事そのものが決して簡単なものではないため、未経験者に対する門戸は依然として狭い状況にあるというべきでしょう。
それでも未経験者からAIエンジニアになるには
もし未経験者からAIエンジニアを目指すのであれば、なぜAIがやりたいのかという意欲を採用者に理解してもらうことや、これまでの独学してきた内容から、自分の意欲の高さをアピールすることも大切になるでしょう。
また、たとえ未経験だとしても、プログラミングやエンジニアリング、そして数学に対する素養の高さを理解してもらうことも大切になります。たとえ未経験者であっても、就職してから実務に携わりながら力をのばしていけるポテンシャルがあるということを、どうやって理解してもらうかが鍵になるというわけです。
こういった観点でいうなら、たとえAIエンジニアとして働いた経験がなくとも、情報系の大学や大学院を出ていたり、AI以外の職種でのITエンジニアとしての勤務経験があったりすると非常に有利だと考えられます。ITリテラシー・エンジニアとしての基礎力が伝われば、それはAIという未経験の領域にも転用できることが期待されるからです。
また他にも、AI 開発によく用いられるプログラミング言語がPythonであることから、Pythonでの実務経験も有していると有利になると考えられます。
もしもともとIT業界そのものに経験がないような場合であれば、まずは独学やプログラミングスクールの活用などで、下地を作っていくことも重要になると考えられます。
AI開発エンジニアになるために必要なスキルとは?
AI エンジニアとして働く際に、基礎的な能力が備わっているかどうかという点からは、以下のようなことが問われるのが通常です。
プログラミング能力
プログラミング言語としては、もっともよく用いられているのはPythonです。他にはC++などもあります。基本構文についての理解のみならず、オブジェクト指向などのプログラミングにかかわる普遍的な理論まで習熟できるとなお高い素養を示すことができるでしょう。
機械学習についての理解
またAIは、膨大な量のサンプルデータを用いて、徐々に機械による判断の精度を向上させていくという考え方でできているものです。このような機械による学習プロセスについての全体的な流れの理解があると、いざAI開発の実務にかかわる際にも業務の理解がスムーズに進みやすくなると考えられます。
統計をはじめとする数学知識
機械学習の基礎になるのは、統計や微分積分、線形代数などの数学です。機械学習のプロセスについての理解を表面的なものにとどめるのではなく、数学という基礎に根ざした理解に高めることができれば、より応用も利かせやすくなります。
SQLをはじめとするデータベースの構築、運用に関する知識
またAIエンジニアの仕事が膨大な量のデータを扱うものであることはこれまでも述べてきた通りですが、膨大な量のデータを扱う技術として、データベースという領域の知見もあると役に立ちます。企業などが保管する大量のデータは通常、SQLというコンピュータ言語によって操作されるものであり、これについての知見もあると業務で役立つ場面が多数あります。
このうちもし初心者でどれから手をつければいいかわからないという人であれば、まずはプログラミングの基礎と、機械学習というものがどういうものであるかの概要把握からスタートすることをおすすめします。
数学やデータベースに関する知識は多いに越したことはありませんが、非常に奥が深く、いざ勉強をはじめるとモチベーションを維持することも非常に困難になりがちであると考えられます。
すべて0からはじめる人に関しては、こうした難解な領域よりは、プログラミングの文法や、機械学習の概要把握など、見通しのつけやすい事項をひとまず優先するほうがよいでしょう。
AIエンジニアになるための学習方法とは
もしこれからAIエンジニアを目指すのであれば、勉強の仕方は、独学か、もしくはプログラミングスクールなどを活用して、人に習うかのどちらかになるのが通常であると考えられます。
もし独学で取り組むのであれば、Pythonの文法についての解説がなされた教科書や、機械学習のプロセスについての解説書などを読み進めることからはじめるのが一般的だと考えられます。
プログラミングスクールに通うのであれば、こうした点は講義形式や演習形式などの形で身につけていくことになるでしょう。
もっとも、もし採用される見込みがあるのであれば、未経験者を歓迎しているような求人や案件に応募してみることも一案です。適性や人柄などの総合的な評価も踏まえて、かかわれる実務が見つかる期待もあります。しかしその場合にも、実務でつまずかないためにも、また採用の可能性を高めるためにも、まずは最低限Pythonや機械学習などの基本についてはしっかり習得しておくことをおすすめします。
AI開発エンジニアの求人や将来性は?
AIエンジニアの社会的な需要は現在きわめて高いものがあり、人手不足の状況があります。また、将来的にはますます人手不足の状況が加速していくものとみられます。日本国内に限ってもAIエンジニアの収入は、一般的なプログラマーやエンジニアよりもはるかに高額である場合が多い状況といえます。
またアメリカなどの海外に目を向ければ、腕の良いAIエンジニアに高待遇を用意する職場は一層多くなっています。AIエンジニアを採用する企業側も、今後人材の奪い合いは激しくなっていくと予想され、国内・国外ともに高待遇の仕事が増えていく期待は大いにあるといえます。
まとめ
未経験者がAIエンジニアを目指す際、それは決して簡単なことではなく、相応のハードルをクリアすることが求められます。しかしそのハードルとは、数少ない求人を多数の求職者で奪い合うという意味合いのハードルとは若干異なるとも考えられます。
それはむしろ、市場は大きな盛り上がりを見せており、需要は多いにあるものの、プログラミングや数学に対する素養を兼ね備えた人材が少ないことに由来するものです。したがって、たしかなスキルを身に付けることさえできれば、未経験であってもAIエンジニアとして活躍できるチャンスは少なからずあるものと考えられます。
世間的な関心の高まりとともに、AIエンジニアの仕事に必要な知識を得るための場も徐々に増えてきています。AI エンジニアとして必要な能力を身につけることから、実務経験を積むチャンスを得るための仕事探しまで、パソナテックでもこうした領域で、ワンストップでサービス提供を行っています。