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ローコード開発の特徴とメリット・デメリットを解説。開発に活かすポイントも解説

本記事ではローコード開発の特徴やメリット・デメリット、開発に活かすポイントを解説していきます。

ローコード開発の特徴とメリット・デメリットを解説。開発に活かすポイントも解説

本記事ではローコード開発の特徴やメリット・デメリット、開発に活かすポイントを解説していきます。

知識・情報

2021/10/25 UP

ローコード開発は、近年のシステム開発において注目されている開発手法の一つです。うまく使うと開発効率のアップとコスト削減、良質なシステムの提供につなげることが可能です。一方で向き不向きがあるため、どのシステムにも向く開発手法ではありません。このため事前に特徴を把握したうえで、上手に活用することが求められます。

本記事ではローコード開発の特徴やメリット・デメリット、開発に活かすポイントを解説していきます。

なお、ノーコード開発については、こちらの記事をご確認ください。
ノーコード開発とは?特徴とメリット・デメリット、上手に選ぶポイントを解説

ローコード開発とは

ローコード開発とは

そもそもローコード開発とはなにか、知っておくことは重要です。本記事ではローコード開発の特徴や注目される理由、ノーコード開発との相違点を解説していきます。

ローコード開発の特徴

ローコード開発は、できるだけソースコードを書くことなくアプリを開発する手法です。GUIを活用して画面上で部品を選択し、組み合わせて構築する作業が主体となるでしょう。

一方で、必要に応じてソースコードを書けることも特徴の一つです。機能を連携する際に用いられるプログラミングは、代表的な例に挙げられます。

ローコード開発が注目される理由

ローコード開発は、システム開発の現場でも注目されている手法です。代表的な理由を、以下に挙げてみました。

・DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に有効

・システムを迅速に提供できる

・企業もシステムの内製化を進めている

・社内向けのシステムならば、見映えを気にする必要がない

・一般的なシステム開発と比べて、求められるスキルやコストが低い

・ノーコード開発よりも細かい制御が可能

社会の急激な変化に対応するうえで、リリースまで数ヵ月もかかるようなシステムではビジネスチャンスを失ってしまう場合もあるでしょう。またコストダウンなどを目的に、システムの内製化を進める企業も増えています。必要なシステムを迅速に作るうえで、ローコード開発はうってつけの手法に挙げられます。

ノーコード開発との相違点

ローコード開発とノーコード開発には、以下の相違点があります。

・ローコード開発:コードをできるだけ書かない

・ノーコード開発:コードをまったく書かない

この2つは、大きな違いです。ローコード開発ではソースコードの記述により機能をカスタマイズできるため、プログラミングスキルを求められる場合も多いです。一方でノーコード開発はプログラミングスキルを要しませんが、ローコード開発と比べてかゆいところに手が届くアプリを作りにくくなります。

ローコード開発で得られる3つのメリット

ローコード開発で得られる3つのメリット

ローコード開発を活用するメリットは、3つあります。それぞれのメリットについて、詳しく解説していきましょう。

業務に必要なアプリを簡単に開発できる

業務に必要な、また顧客が求めるアプリやシステムを簡単に開発できることは代表的なメリットに挙げられます。

ローコード開発では開発ツールの機能を十二分に発揮するうえで、多少のプログラミングスキルは必要です。それでも求められるスキルレベルは、一般的なシステム開発と比べて低いことが特徴。技術的なハードルが下がるため、より多くのITエンジニアが開発に携われることは大きなメリットといえます。

また業務部門のメンバーにプログラミング経験を持つ方がいれば、わざわざシステム部門やIT企業へ依頼せずに自力でアプリを開発できる点も魅力です。

品質の良いシステムを短期間で開発できる

ローコード開発では以下に挙げるとおり、品質の良いシステムを短期間で開発できる点も見逃せないメリットに挙げられます。

・コーディングすべき箇所が減るため、バグが起こりにくい

・開発期間の短縮も実現できる

・開発における不整合を防げる

一般的にシステム開発では、コードの数が増えるほどバグも増えることが知られています。ローコード開発ならば最小限のコードで済みます。加えてプログラムごと、プログラムとデータベースとの不整合を事前に検知することも可能。これらにより、バグや修正工数の減少が期待できます。

またGUIを用いて部品を組み合わせる作業が主体であるため、開発期間を短縮できるメリットも見逃せません。

設計を「見える化」でき、プログラムも自動生成できる

ローコード開発ではGUIを用いた開発がベースとなるため、画像をふんだんに使用したビジュアルな設計も容易に行なえます。これにより設計を「見える化」でき、開発後のミスマッチや修正工数の増加も防げます。

加えて設計情報からプログラムを自動生成できる機能も、見逃せないポイントです。この機能を活用することで、開発期間の大幅な短縮やバグの発生を防ぐことが可能です。より少ないエンジニアで開発できることも、メリットといえるでしょう。

ローコード開発が持つ3つのデメリット

ローコード開発が持つ3つのデメリット

ローコード開発を行なう際には、デメリットを知ったうえで活用することが重要です。ここからは3つのデメリットを取り上げ、詳しく解説していきます。

開発ツールの機能に制約される

ローコード開発はコーディングによる調整が可能ですが、開発ツールが用意する機能を用いて実装することが基本です。このため、以下の案件にはあまり適していません。

・企業固有の業務ロジックがある

・デザインに強いこだわりがある

・システムに対する細かい要望がある

上で示した案件は、ローコード開発のメリットを十分に発揮しにくいケースです。そのため、通常の開発手法を選ぶことをおすすめします。

開発ツールを事前に習熟しておくことが必須

ローコード開発ツールはプログラミングの経験が浅い方でも利用でき、開発プロジェクトに携われる点が魅力です。一方で他のツールと同様、搭載している機能を十二分に活用するためには使い方を覚えておかなければなりません。

特に多種多様な機能を搭載するツールを用いる場合、どうしても本格的な開発スタートまで日数を要してしまうことはデメリットに挙げられます。

複雑な要件や動的なアプリには不向き

ローコード開発は開発ツールの機能が限られるため、比較的定型的な業務の開発に向いていることが特徴です。複雑な開発案件には不向きであり、通常のシステム開発を選ぶことが成功につながります。

またローコード開発ツールは、UIやUXを細かく指定しにくい点も知っておきたいポイント。以下のアプリやシステムには向きません。

・ビジュアルを活用し顧客に訴求するコンテンツ

・株価のチャートなど、動的なコンテンツが含まれる

上記にあてはまる場合は、通常のシステム開発をおすすめします。

ローコード開発ツールを選ぶ3つのポイント

ローコード開発ツールを選ぶ3つのポイント

ローコード開発を成功させるためには、適切なツールを選ぶことが不可欠です。ここからは3つのポイントを取り上げ、ツールを選ぶポイントについて考えていきます。

機能を吟味し、目的に合った開発ツールを選ぶ

ローコード開発では、適切なツールの選択がプロジェクトの成否を分けます。ローコード開発ツールはノーコードの場合と比べて要求される機能も多く、検討すべき項目も増えることに留意しなければなりません。

「無料だから」「なんとなく良さそう」などの理由で安易にツールを選ぶと、開発の足を引っ張りかねません。このため事前にツールが持つ機能をとりまとめたうえで、十分な比較検討を行ないましょう。そのうえで、目的に合致したツールを選ぶことがおすすめです。

画面のデザインも重要

ローコード開発を用いる場合、UIやUXは開発ツールで仕様が決められており、思い通りにカスタマイズできない場合もあります。特に一般ユーザーなど社外に向けたアプリを開発する場合は、見た目や使い勝手がサービスの優劣を分ける場合があることに留意しなければなりません。

開発の終盤になって「画面のデザインを思い通りに設定できない」ことに気付いても、遅いわけです。このため画面のデザインは、事前の検討項目に含めることが求められます。開発の初期段階において複数のツールが持つ機能を比較し、適切なツールを選ぶことが重要です。

サポート体制も確認しておく

ローコード開発ツールを使って開発を進めていると、どうしても不明な点は出てくるものです。ときにはトラブルに見舞われる場合もあります。このような事態に備えて、サポート内容を事前にチェックしておきましょう。特に問い合わせ可能な方法や受付時間、回答を得るまでに要する時間は重要なポイントです。

ローコード開発ツールのなかには、海外の企業が提供するサービスもあります。この場合は日本語でサポートが受けられるかという点も、事前に確認しておきましょう。

ローコード開発で良質なシステムを迅速に開発できる

ローコード開発を選ぶことで良質なアプリを迅速に開発でき、業務効率化に貢献できます。加えて求めるエンジニアのレベルも高くならずに済むため、プロジェクト要員を集めやすいこともメリットに挙げられます。

開発を成功させ顧客満足を得るためには適切な開発ツールを選択したうえで、ツールの持ち味を活かすことが重要です。簡単・短期間での開発手法だからと侮らず、ツールを十分に吟味したうえで目的に合ったものを選びましょう。