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評価検証エンジニアとは?担う役割や求められる能力について解説

この記事では、評価検証エンジニアの仕事内容や求められる能力、将来性について解説します。評価検証エンジニアに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

評価検証エンジニアとは?担う役割や求められる能力について解説

この記事では、評価検証エンジニアの仕事内容や求められる能力、将来性について解説します。評価検証エンジニアに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

キャリア

2022/05/23 UP

新たに開発された成果物に対し、問題点や修正が必要な箇所を洗い出す「評価検証エンジニア」をご存じでしょうか。リリース後のトラブルを未然に防ぎ、利用者にとって快適な品質を提供する重要な役割を担っています。

世間の品質に対する関心は高まっているため、評価検証エンジニアは今後の企業に不可欠な存在といえるでしょう。この記事では、評価検証エンジニアの仕事内容や求められる能力、将来性について解説します。評価検証エンジニアに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

評価検証エンジニアとは

まず、評価検証エンジニアがどういう仕事なのかについて解説します。おもな作業内容や担っている役割について理解しましょう。

開発された製品の評価検証を行なうエンジニア

評価検証エンジニアとは、開発されたハードウェアやソフトウェアを調査するエンジニアです。成果物が仕様書通りに開発されているか、動作させた際に問題が生じないかなどを調査します。

調査にあたるエンジニアは検証の実施だけでなく、検証に必要な工程の管理も行なわなければなりません。評価検証を行なうテストレベルはさまざまで、開発経験が豊富なエンジニアでなければ対応できないものから、マニュアルに沿った作業で対応できるものもあります。

評価検証エンジニアが担う役割とは

評価検証エンジニアは、成果物の問題点や修正点を洗い出し、品質の向上や維持に貢献するのがおもな役割です。そのためには、システムを「作る側」ではなく「利用する側」としての視点で調査するのが重要といえます。

作る側の視点では利用者が想定しない操作を行なう可能性を考慮しきれず、問題点を見逃してしまうことも考えられるからです。利用者が間違いやすい箇所などを徹底して調査すれば、問題点の発見だけでなく、利用者にとって操作しづらいUIについての修正点も見つけられる可能性が高まります。

評価検証エンジニアの仕事内容

評価検証エンジニアの仕事内容

検証を行なう前に、具体的な検証内容や検証における完了の基準を決めるなど、検証の計画を策定しなければなりません。その際には、検証を行なう目的や実施する期間、人員の配置など、細かな部分まで検討するのが重要です。

次に、検証技法や手順などを設計し、適している検証技法を判断します。この工程を踏んでからテストケースを作成することで、のちの手戻りなどを防止することが可能です。設計が完了したら、テストケースの作成を行ないます。

ここからは、設計通りに検証を行ないますが、ソフトウェアで自動化したり、システムエンジニアが兼務するなど、実施方法はさまざまです。なお、未経験の評価検証エンジニアを採用する際は、この工程から取り組むのが一般的とされています。

検証が終了したら、結果報告の資料を作成して上流工程の担当者に報告しなければなりません。この際、検証の不備などがあれば必要に応じて再検証を行なうこともあります。状況によっては、追加の検証が必要になるケースもあるでしょう。

また、結果報告だけでなく、改善点などの提案も評価検証エンジニアの役割の一つです。不具合が見つかった場合などは利用者視点で改善点を提案し、品質の向上に貢献します。

評価検証エンジニアに必要な能力

評価検証エンジニアとして活躍するためには、ITに関する知識やスキル以外の能力も必要です。ここでは評価検証エンジニアに求められる能力について解説します。

テスト技法に関する知識

評価検証エンジニアに求められるのは、利用者視点による動作チェックです。しかし、それを実現するためには、適切な検証結果を導き出すためのテスト技法について理解を深められていなければなりません。

システムに適したテスト環境を構築したり、ソフトウェアテストの概念などを学んだりと、評価検証についての専門性を高める必要があるでしょう。専門知識を体系的に学ぶのであれば、テスト技術に関連のある資格を取得するのも有効でしょう。

ソフトウェアに関する知識

テスト対象となるソフトウェアの知識を強化することで、実装される際の手順なども把握できます。必要となるテストケースの検討がしやすくなるだけでなく、さらに必要なテストケースの提案が可能になるなど、品質改善の幅を広げられます。

また、ソフトウェアに関する知識以外にも、プログラミングスキルの習得も有効です。ソースコードへの修正が可能になることでバグ発見時の対処法も身に付き、より業務の幅が広がるでしょう。

文書作成スキル

検証における計画や設計、結果などは、文書を作成してレポートしなければなりません。チェック項目は膨大な量のため、Excelを用いて計算や管理を行ないます。そのため、業務が遂行できる程度のスキルは必要です。

レポートを作成する際には、文章だけでなくデータやグラフも使用して内容を確認しやすくする必要があります。Excel以外にも、WordやPowerPointの扱いも習得し、検証結果を正確に伝える能力を身に付けましょう。

集中力や忍耐力

検証内容に不具合があれば、バグの発生を見落としてしまう可能性があります。そのため、準備段階である計画や設計の時点から丁寧に取り組み、細かいことにも気を配らなければなりません。

実際に検証を始めると、テストケースを地道にこなしていく作業が続きます。成果物やテストケースによって作業に要する時間は異なるため、長時間の検証になることもあるでしょう。評価検証エンジニアは、作業時間が長くても小さなバグや問題点を見逃さず、適切な検証を行なえる集中力や忍耐力が求められます。

リソースやリスクを考慮できるマネジメント能力

納期までに検証を行なうための人員や予算は限られていることを考慮し、効率的にテストを行なわなければなりません。そのためには、不具合が発生する確率や重要度を見極め、適切なリソース管理を行なうことが重要です。

また、バグが発生しやすい箇所を理解し、リスクを軽減できる検証を行なう必要があります。さまざまな技法に理解を深め、バグがすり抜けることのないような手法で検証を行なえるマネジメント能力を身に付けましょう。

発想力や提案力

前述したように、利用者は開発側が想定しないような操作を行なうことが考えられます。そのため、性能チェック以外にも、利用者視点であらゆる可能性を考慮し、開発者には思いつかないような発想力が必要です。

問題点を解消するためには、検証結果から判明した事実を認識し改善していかなければなりません。伝える相手によっては立場やキャリアの違いがあるため、伝えづらいと感じることもあるでしょう。しかし、評価検証エンジニアには、結果を踏まえて事実を伝える提案力も必要です。

評価検証エンジニアの将来性

評価検証エンジニアの将来性

評価検証エンジニアは、今後のIT業界においてどのように活躍していけるのでしょうか。ここでは、評価検証エンジニアの将来性について、自動化ツールの導入による影響や、起こりうる変化などを具体的に解説します。

これまでとは異なる能力も身に付け需要は拡大

近年、評価検証に必要なテストを自動化することで、コスト削減や効率化を図る取り組みが見受けられます。テストが自動化されれば、少ない人員で検証が行なえるため、エンジニアの需要は減るのではと不安を感じるかもしれません。

しかし、複雑化しているシステムも多く、自動化ツールを使いこなせるエンジニアがいなければ適切な使い方は実現できないでしょう。また、自動化ツールで効率化を図るために必要なテスト設計を行なうなど、自動化するための工程も踏まなければなりません。

つまり、自動化を実現するためには、ツールを導入した際の設計やテストを実施できるエンジニアが必要です。需要が減るのではなく、求められる能力が変化するのではないでしょうか。

ユーザー視点の検証で顧客企業に貢献し続ける必要がある

近年、世間の品質に対する関心は高まっており、IT業界でもさまざまな取り組みが行なわれています。利用者に近い評価検証エンジニアは、これまでの下流業務という位置づけではなく、上流職種という考え方に変わるかもしれません。

前述したように、検証作業は自動化される動きがあることから、エンジニアに求められる能力に違いが見えてくるでしょう。その能力はツールの活用術だけでなく、利用者観点によるユーザビリティです。

利用者にとっての使い心地は、テストを設計通りに行なうことで判断しきれるものではありません。これまで以上に高度な視点を持ち、品質の高いユーザビリティの提案、さらには導入効果など、新たな要素を取り入れた評価検証が求められるでしょう。

評価検証エンジニアは企業の信頼や経済に大きく貢献する

評価検証エンジニアは、成果物の問題点を洗い出し、利用者に安心を提供する役割を担っています。品質が重要視される現代において、企業の信頼や経済面に大きく貢献する存在となるでしょう。

品質への要求はそれほど厳しくなかったIT業界でも、世間の品質に対する関心を受け、あらゆる対策に乗り出すと考えられます。そのなかには、評価検証エンジニアを確保する動きもあるでしょう。評価検証エンジニアとして、IT業界を支える存在を目指してみてはいかがでしょうか。