社内SEは「やめとけ」といわれる理由は?仕事の大変な面とやりがいについて
この記事では、社内SEの仕事内容、やめとけといわれる理由、仕事のやりがいについて解説します。
この記事では、社内SEの仕事内容、やめとけといわれる理由、仕事のやりがいについて解説します。
キャリア
2022/05/23 UP
- キャリアパス
- 仕事内容
- やりがい
社内SEは自社内のシステム構築、ヘルプデスク、故障対応などを担う仕事です。社内SEという仕事に関して、「大変だからやめとけ」、「社内SEは楽」という両極端な意見を見たことはありませんか?これらの意見は、社内SEという仕事の特徴を表しているといえます。ただし、楽な面があるとはいえ、社内SEならではの大変さがあるのです。
この記事では、社内SEの仕事内容、やめとけといわれる理由、仕事のやりがいについて解説します。
なお、社内SEについては、こちらの記事も併せてご覧ください。
社内システム企画(社内SE)の仕事内容とは?
社内SEの仕事は楽って本当?
社内SEは楽な仕事、という意見があるのは、社内SEの仕事内容に関係しています。社内SEの仕事内容を踏まえ、楽といわれる理由を深掘りしていきます。
社内SEのおもな仕事
社内という名の通り、社内SEは自社内のシステム構築や運用保守、ヘルプデスク、故障対応などを担当する仕事です。
社内SEの仕事内容は、自社の経営と事業戦略を踏まえ、業績向上やコスト削減、業務プロセス改善などに役立つITシステムを検討、提案することです。経営者の承認を経て開発に入りますが、システム開発は内製、または外注で実施します。
システムを内製する場合、システムの設計からテストまで、社内SEが自ら開発や運用に携わります。一方、外注の場合はベンダーと納期や予算を調整するため、進捗管理と予算管理など、調整業務を社内SEが担当します。
システムの導入後は監視を行ない、問題が生じたら即座に対応することも社内SEの仕事です。ヘルプデスクではシステムの使い方に加え、パソコンや周辺機器の操作や問い合わせを受け付けることもあります。ITやパソコンに詳しくない社員にとって、社内SEは頼れるパートナー的な存在です。
なお、サーバーやネットワークなど、社内インフラの整備、維持も社内SEの仕事です。社内SEはITに関する窓口となるため、さまざまな業務に対応する必要があります。
社内SEが楽といわれる理由とは?
多くのSEは客先常駐で働くことが多いなか、自社内で仕事が完結するのは社内SEならではの特徴です。
社内SEは顧客対応をしないことが多いため、コミュニケーションをとりやすい環境で働くことが可能です。見知った顔のメンバーと働けるため、基本的には人間関係に対する不安やプレッシャーを受けにくくなります。また、コミュニケーションがスムーズにできるため、仕事を進めやすいことも社内SEの魅力です。
さらに、社内SEは定型業務が多いうえに、自社内のため納期の融通がききやすい傾向にあります。大がかりな改修案件を除き、徹夜や残業で対応するケースはあまり多くないでしょう。
「社内SEはやめとけ」といわれる5つのワケ
先に述べたように、社内SEは楽と思われる要因がいくつもあります。しかし、「社内SEはやめとけ」と相反する意見があるのは、社内SEの仕事のつらい点が関係しています。
決して楽な仕事ではない
社内SEは楽と思われる要素はたしかにありますが、実際のところ決して楽な仕事ではありません。
社内SEはシステム構築からヘルプデスクと多岐にわたるため、やるべき業務量が膨大です。社内SEは大企業でも少人数制のことが多く、1人あたりの業務量が多くなる傾向にあります。さらに、社内SEの仕事は属人化しやすく、変わってくれる人がいないこともつらい点といえるでしょう。
また企業規模、ブラックかホワイトかといった企業文化により、社内SEの忙しさが異なります。働き方改革が進む大企業は、社内SEも比較的ホワイトな環境のようです。一方、中小企業は企業によってまちまちで、社内SEが「何でも屋」になるケースも珍しくありません。
社内調整が大変
自社内のシステム開発するにあたって、社内SEが現場や経営層、ベンダーなどの調整役を担います。関連部署の根回しに加え、上司とうまく付き合いつつ部下をコントロールするなど、高度な折衝能力が求められます。社内調整の仕事は対人関係そのものであり、ストレスを感じることも多いようです。
また、ITの知識がない人にわかりやすく説明する必要があり、社内SEにとってコミュニケーション能力が一番重要といえます。一般的なSEよりも人と関わる機会が多いため、コミュニケーションが苦手な人はストレスを感じやすい傾向にあります。
また、システム開発をやりたいという希望がある場合、社内SEは希望する仕事とはいえません。システムを内製するとは限らないため、社内SEの仕事内容を把握する必要があります。
技術が身につきにくい
社内SEはシステム構築にも携わりますが、実際の仕事は社内調整や保守運用業務がメインです。自らが開発やプログラミングする機会が少なく、SEとしてのスキルや技術が身につかない面もあります。
また、自社内で通用するスキルは向上する反面、他社で通用しないこともあります。プログラミングに触れる機会が少ないと忘れてしまうおそれがあるため、自分で勉強する努力も必要です。
幅広いIT知識が求められる
社内SEの仕事ではITの知識が身につきにくい反面、高い開発スキルが求められることもあります。システムを内製せず、保守や運用をメインにする場合、高いスキルを持った人が採用される傾向があるようです。
また、セキュリティーやネットワークなど、プログラミング以外の知識も勉強が必要です。
ITスキルがない新卒者は、社内SEとして働くのは難しいでしょう。
勤務時間外の対応が必要
社内SEは残業が少ない反面、勤務時間外に呼び出されるケースもあります。休日に実施するシステムのバージョンアップやトラブル対応で、早朝や深夜に対応することも珍しくありません。
トラブル対応に追われ、就業時間外の勤務が多くなると、生活リズムが崩れる面でつらさを感じるようです。
社内SEならではのやりがい、魅力とは?
社内SEの仕事は大変な部分がある反面、たくさんのやりがい、魅力があります。
システムの評価が伝わりやすい
社内SEは自社のシステム構築に携わるため、完成したシステムの評判がすぐに伝わります。システムを使ってくれるユーザーが自社の社員と距離が近いため、喜んで使ってくれると仕事のやりがいを感じるようです。
また、現場の声が届きやすいことから、要望や不満を取り入れたシステム改善、新しいシステムの企画も実施できます。
会社の発展に貢献できる
自社の課題を改善し、業績や業務遂行の向上に努めるのが社内SEの役割です。自社の成長に貢献できるため、帰属意識が芽生えるうえに、大きなやりがいも感じられるでしょう。
上流工程で仕事ができる
システム構築前に、プロジェクトの計画、設計と、上流工程に携われることも社内SEの魅力です。経営陣への提案やレポートを求められることもあり、経営的な視点も養われます。
また、顧客先の常駐では特定の仕事のみを任されますが、社内SEはシステムの企画から保守運用まで一貫して携わることが可能です。システムをリニューアルする際は、自らが改善策を考え、PDCAを回すことで、より良いシステムを生み出せます。システム開発の面白さを実感できるのは、社内SEのやりがいといえるでしょう。
幅広い知識が得られる
社内SEに求められる知識は、プログラミングやシステム構築など、高度なITスキルだけではありません。パソコンやシステムの操作、インターネットの管理など、コンピューターに関する基本的な知識も必要です。ITのスペシャリストとして活躍できるため、転職する際のアピールにつながります。
また、社内調整も社内SEの重要な仕事であり、コミュニケーション能力や折衝能力も向上します。SEという立場に留まらず、ITコンサルタントとして転身することも可能です。
ワークライフバランスがとりやすい
先に述べたように、顧客が自社である社内SEは納期の融通がきくため、納期に追われる客先常駐のSEと比べて残業も少ない傾向にあります。ワークライフバランスがとりやすく、仕事と休日を両立できるのは社内SEならではの魅力でしょう。
社内SEは自社に貢献できる、やりがいのある仕事
社内SEは自社内のシステム構築、運用保守、トラブル対応、問い合わせなどに携わる仕事です。外部の顧客と対応しないため、社内SEは楽といわれる要因があることも事実です。しかし、業務範囲が広いうえに、社内調整の仕事は人間関係とコミュニケーションが要です。ITやネットワークなどの幅広い知識が必要な反面、SEとしての技術が身につかないのはつらい点といえるでしょう。
ただし、社内SEはユーザーが自社内にいるため、仕事のやりがいを実感しやすいのが魅力です。会社の発展に貢献できるうえに、上流工程の実務経験を積むことも可能です。働きやすさとやりがいを兼ね備えた、社内SEをキャリアの目標にすることをおすすめします。