認知科学とは?
認知科学は、人の知の働きや性質を理解する学問です。
人が外部からの刺激を受け、それをどのように認識し、行動に移すかに注目します。
ここで言う「認知」とは、知覚、記憶、言語理解、意思決定などの思考の動きを指します。
技術力とソフトスキルの両面からおすすめの本をテーマに、
各分野で活躍するエンジニアたちが推薦書を語るイベントを開催しました。
本記事では、第1エンジニア室 クラウドソリューション第2チームのTさんが選んだ、おすすめ本5冊をご紹介します。
技術力とソフトスキルの両面からおすすめの本をテーマに、
各分野で活躍するエンジニアたちが推薦書を語るイベントを開催しました。
本記事では、第1エンジニア室 クラウドソリューション第2チームのTさんが選んだ、おすすめ本5冊をご紹介します。
キャリア
2025/12/12 UP
推しの本イベントは、ロールモデルとなるエンジニアの方々に「おすすめの本」を紹介していただく、
カジュアルな社内イベントです。
当日は、お昼休み開催にもかかわらず、部署を超えて多くの方にご参加いただき、大変盛り上がりを見せました!
今回は
「エンジニアとして活躍するためにおすすめの本」
をテーマに、技術力とソフトスキルの両側面から、
自由に選書いただきました。
今回のインタビューは、第1エンジニア室クラウドソリューション第2チームのTさんです。
システムエンジニアから転身、現在はローコードエンジニアとして、また、マネージャーとしても活躍されています。
【Tさんの選書リスト】
Tさん: はい。今回はあえてソフトスキルに振り切った5冊をチョイスしてみました。
この本は、人の行動を変えるために、「認知」、つまり「モノの見方」を変えることの大切さを、
認知科学的な視点で学べる本です。
結局、技術的な取り組みや組織改善には、人の「認知」が影響します。
そのカラクリを知らないとなかなか前に進めないため、この本を1番におすすめしました。
認知科学は、人の知の働きや性質を理解する学問です。
人が外部からの刺激を受け、それをどのように認識し、行動に移すかに注目します。
ここで言う「認知」とは、知覚、記憶、言語理解、意思決定などの思考の動きを指します。
Tさん:
はい。本書では主に二つ挙げられています。
一つは、「現状の外側」にゴールを設定することです。
たとえば「1.1倍の成果を出す」「一つ上の等級になる」といった現状の延長線上ではない、コンフォートゾーンが移行するほどの高いゴール設定をしないと、認知は変わらないという話です。
2つ目が、「ゴールのリアリティ(臨場感)を高めること」です。
受験生をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
志望校の文化祭の写真など、受かった後の姿を具体的にイメージできるポスターを貼って勉強すると、「自分はもうその学校にいる」という臨場感が生まれ、認知が変わるわけです。
Tさん:
はい。「合格した未来の自分」が当たり前になると、「まだ合格していない現状の自分」がむしろ「気持ち悪い」状態になります。
脳はそのギャップを埋めようとして、無意識に行動を促す。
これが認知が変わるカラクリだそうです。
▲ 認知を変えるポイント
Tさん:
そうですね。たとえば、「売上を1.1倍にするぞ!」だと、現状の延長線上で考えてしまうので、
あえて、「売上を2倍にするとしたら?」と、今のままでは達成できないゴール設定を仮決めしてみて、そういう組織では、どういう考えや行動が当たり前なのか、想像してみると新しい発想が生まれるかもしれません。
私もまだまだ勉強中なので、参考程度に捉えてもらえると嬉しいです。
Tさん: はい。以前、お客様の行動変容に貢献できた経験は、この本の内容を活かせたなと感じました。
当時、さまざまな施策をお客様と進めていたのですが、どうしても保守的な方がいらっしゃって、話が止まってしまうことがありました。
その時、まず「変わらないことのデメリット」を説明しました。
Tさん: はい。たとえば、「このまま現状維持を続けると、保守運用の負担がどんどん増えてしまう。」や「保守運用のスピードが落ちてしまう。」といったことです。
ただ、それだけではなく、「今後、どういうところに向かいたいか、どういう組織でありたいか」をお客様にぶつけ、ディスカッションしました。これが本書でいう「ゴール設定」に相当すると考えています。
その結果、日々の意思決定が変わったり、こちらから提案しやすくなった感触がありました。
Tさん: たとえば、「何年までに〇〇な状態を目指すなら、今、対応されようとしている△△で見直す点はありますか?」や「〇〇を優先したいので、今回は、△△を見送ってみませんか?」といったことを話しました。
ゴール設定の議論の準備では、ハードルを下げることを心がけています。
たとえば、次のようなことです。
ゴール設定をすることで、変わることのメリット (ゴールの魅力)と、変わらないことのデメリット(現状維持のリスク)を、両方フラットに見ていただけるようになります。
Tさん: はい、そうですね。
また、意思決定者がリスクだと感じていた部分に関して、対策を提案したり、ご本人が見えていなかった前提を提示したりしました。
案外、認知の支えとなっていた前提が1つ変化するだけで、リスクと思われなくなる場合もあるのですよね。
最終的には「こうなったら嬉しい」「負担が減って楽になる」といった、ポジティブな「気持ち」が背中を押してくれる感触も持っています。
Tさん: まさしくその通りです!
Tさん: ありがとうございました!
時間の関係で一言コメントになりますが、他のおすすめ本についても簡単にご紹介いただきました。
▲ 書籍のポジショニングマップ
Tさん: 「コンサル」とタイトルにありますが、コンサル以外の方にも役に立つと思い、紹介します。
本書では、タスクや解決策を考える前に、まず解くべき「論点」を設定することが重要だと述べられています。この、論点の考え方を学べます。
たとえば、上司から「今度打ち合わせするA会社を調べてほしい」と言われた時に、すぐに調べ始めるのではなく、「調べることで何を得たいのか?」という問い(論点)を設定するイメージです。
論点に従って調べたり、議論したりすることの重要性がわかります。
「問題解決」や「戦略」に興味がある方が、コミカルな表現で易しく学ぶための導入としておすすめです。
社会人1年目の方にもおすすめです。
Tさん:
実は以前、仕事の効率が悪いことを気にしていましたが、
この本に出会えて、だいぶ良くなったという自負があります。
仕事の段取り系の本は10冊ぐらい読みましたが、これが一番自分には刺さりました。
本の中にある、時間割を作ってスケジュール帳に書き、その通りにタスクを進める手法が自分に合っていて、実践しています。
TODOリストだと時間軸が管理されませんが、時間割なら「いつやるか」まで決められるのがポイントです。
Tさん: この本は、実装スピードが遅くて焦っている方や、それを解決したい方におすすめです。
一流エンジニアでも、苦悩しながら技術に向き合う姿が書かれており、時間をかけて基本を理解し、一つひとつ積み上げていく大切さがわかります。
エンジニアを続けていく勇気をもらえたり、理解したことをアウトプットしたくなる本です。
この本は、Webエンジニア、ローコードなどに限らず、あらゆるエンジニアにおすすめできる本です。
Tさん:
何かを教えたり、研修づくりをする方におすすめの本です。
インストラクショナルデザインは学問のことで、何冊か読んだのですが、この本が一番読みやすかったです。
読んでいると、理解したことをアウトプットしたくなるので、教える立場の人におすすめです。
直訳すると「教育設計」や「研修設計学」です。
最適な効果を出す教育の設計、実施を目的とし、体系的にまとめた理論、学問のことです。
ということで、今回は第1エンジニア室クラウドソリューション第2チームのTさんに、
選書の理由やおすすめポイントをじっくり伺いました。
エンジニアとして活躍するために必要な力として、リーダーシップ、タスク管理術、教育方法などソフトスキルを中心とした書籍選びが印象的でした。
チームで開発することが多いエンジニアにとって、ソフトスキルの取得は切っても切り離せない重要事項であることを改めて感じました。
この記事を書いたメンバー
クラウドソリューション第1チーム 山田