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RPAエンジニアに必要なスキルとは?仕事内容や将来性と合わせて徹底解説

RPAエンジニアの基本的な内容に触れながら、活躍するために必要となるスキルと将来性について解説していきます。

RPAエンジニアに必要なスキルとは?仕事内容や将来性と合わせて徹底解説

RPAエンジニアの基本的な内容に触れながら、活躍するために必要となるスキルと将来性について解説していきます。

キャリア

2020/05/01 UP

近年、浸透してきているRPA(Robotic Process Automation)の開発や運用を行うRPAエンジニアは、企業が業務生産性向上を求められる背景もあり、順調に需要が伸びています。一方で、求人に対する条件が厳しくなり、RPAエンジニアを目指すハードルが上がったという声もあります。

日本で本格的にRPAが導入され始めて2年以上が経ち、さまざまな導入事例が増えてくる中で、RPAエンジニアに求められる知識や技術、仕事内容はどう変わったのでしょうか。ここでは、RPAエンジニアの基本的な内容に触れながら、活躍するために必要となるスキルと将来性について解説していきます。

RPAエンジニアとは?

RPAとは定型の事務作業を自動化するソフトウェア型ロボットとそれに関する技術・概念を指します。今まで人が行っていた事務作業のうち、ルーチン化して機械的に処理できるもの(=定型作業)をロボットに代替して自動化することで、今後も人口減少から続く人手不足を解消するだけでなく、貴重な人材をより付加価値の高い業務にシフト、専念させることが可能になります。このRPAの導入や開発を行うのがRPAエンジニアです。

RPA=作業を自動化させる技術・概念

RPAは、作業を自動化させる技術・概念と、それをもとに設計されたソフトウェアロボットの名称で、バックオフィス系のホワイトカラー業務をはじめとした様々な業務を人間に代わって処理します。そのため、仮想知的労働者=デジタルレイバー(Digital Labor)とも呼ばれます。

RPAを利用した業務にはClass1〜3の段階があります。

・Class1(RPA = Robotic Process Automation)

定型業務やアプリケーション連携が必要とされる単純作業に対応し、バックオフィスの事務や経費の処理に使われています。

・Class2(EPA = Enhanced Process Automation)

データ収集と分析に対応しています。構造化されていないデータや知識の処理を行う機能を搭載し、ログの解析や複数の要因を加味した販売予測などの非定型業務が可能です。

・Class3(CA = Cognitive Automation)

RPAに自律的な判断力を備えたものです。AIを搭載したソフトウェアロボットは、ディープラーニングによって学習し、ビッグデータを分析して個別最適化処理を行い、臨機応変に判断して、意志を決定します。たとえば天候や社会現象、ニュース、株価などさまざまな情報から販売予測や生産指示を行うことができます。

RPAエンジニアの仕事内容

RPAエンジニアは主に、コンサルタント、ロボット/シナリオの構築、保守・運用の3つの役割があり、担当する業務によって必要なスキルや仕事の内容が異なります。

RPAコンサルタント

クライアントにヒアリング(調査)を行い、RPA化できる業務を切り出し、提案していきます。また、業務改善や経営課題の解決(BPR = Business Process Re-engineering)に繋がる提案を行うことも含まれます。

クライアントの課題や要望を正確に把握し、提案につなげることが重要なため、経験や知見に裏打ちされた、具体的かつクライアントが理解/実践できるものが求められます。RPAコンサルタントは、ヒアリングから導入サポート+実施後は適用範囲の拡大や成果レポートなども業務に含まれ、RPAの導入に関して幅広く対応することになります。

さらに上流のRPAコンサルになると、上記業務に加えてガバナンス制定、プロジェクト運用ルール構築、各種標準化(開発標準など)、CoE(Center of Excellence)体制構築、ユーザー開発(EUC = End User Computing)体制構築など多岐にわたる業務を行うこともあります。

なお、クライアントやプロジェクトの規模によっては、RPAエンジニアとRPAコンサルが別の場合と、兼務している場合があります。

ロボット/シナリオの構築

RPA開発ツールを使用して、ロボット/シナリオの設計、構築を行います。

RPA黎明期に構築されたロボット/シナリオは、動作が安定しない、エラーが多い、そのため使用しにくいことから結局使われなくなってしまう、というパターンが多く、保守・運用に課題を抱えているクライアントも少なくありません。そのような導入失敗事例をもとに、新しくRPAを導入する企業は堅実性を一層強く求めています。そのため、保守・運用について考慮しながら、クライアントの求めるアウトプットにしていくことが必要とされます。

クライアントが期待したとおりに業務効率化を推し進め、負担が軽減できるかどうかは、この設計と構築で大きく変わります。RPA導入の成否を左右するため、さまざまな面から導入後の運用のパターンを検討する必要があります。

構築したロボット/シナリオの保守・運用

RPAを導入し、運用が開始した後、エラーや不具合が出た際に修正などの対応もRPAエンジニアの業務の一つです。実際に運用が開始しても、業務内容の変化や使用していたAPIなどの仕様変更によって、修正が必要になってくる部分が出てきます。そのような場合にも、RPAエンジニアが自動化を継続できるようにロボット/シナリオを修正し、発生した問題を解決します。

また、導入したRPAの操作マニュアルなど、クライアントのトラブルシューティングに必要な文書作成なども行います。その他、運用中のクライアントからの問い合わせ対応や動作説明、RPAツールを使用するユーザの教育などの運用サポート業務も含まれます。今後RPA導入例が増えていくと、保守・運用の業務は増えていくと考えられます。

RPAエンジニアに必要なスキル

RPAエンジニアに必要なスキル

RPAエンジニアにはまだ必須となる資格や条件はありませんが、業務を遂行する上で、所持していることが望ましいスキルがいくつか存在します。順番に見ていきましょう。

プログラミングスキル

ロボット/シナリオの開発には、プログラミングの基礎知識やスキルが必要となります。RPAツールはプログラミングの基礎知識があることを前提として開発されているため、まったくわからない状態ではRPAツールの操作は困難です。

RPA黎明期によく言われていた「RPAは簡単」という表現は、現在ではあまり聞かれません。RPAはいわゆるローコードツールにあたり、コード実装をしなくても開発ができるツールではありますが、開発をするという本質は変わらないためです。

Access、Excel VBA を用いて業務効率化を行ってきた経験や視点

RPA以前は、事務作業を効率化させるためにAccess、Excelを使用して業務効率化を行っていました。これらの経験や考え方は、業務効率化がRPA主体に移行しても、基礎的な部分として変わらないため、RPAエンジニアとして有用な経験として活かすことができます。

業務効率化のためには一体何を優先して効率化すればいいのか、どうしたらよりエンドユーザーにとって負担が軽減されるのかという視点は大切です。こうした視点は経験してみないとなかなかわからないため、業務効率化を行ってきた経験は、RPAエンジニアにとって重要です。

RPAエンジニアの将来性

RPAエンジニアの需要は、今後も堅調に伸び続けていくことが予想されています。その理由は大きく分けて2点あります。

人口減少による労働力不足

日本の人口は年々減少しており、それに伴う労働力不足も深刻化しています。少子高齢化からの人口減少は歯止めがかからず、今後ますます日本の労働人口は減少していきます。そのため、生産性の向上や業務改善、社員の負担軽減は企業にとっては喫緊の課題となっています。

そこで、RPAを導入し、人間が行っていた作業をロボットが代替することで、会社全体の生産性を向上できないか模索する企業が増えています。またBCPの観点から、RPAによる代替は、昨今の非常事態のように人員確保が難しい場面においても非常に有効であると考えられます。

RPAを導入し、運用する企業が増加していく中で、導入後の補修や運用・保守業務も増えていくことから、特に技術力と経験のあるRPAエンジニアは需要が伸びると考えられます。

RPA市場の拡大

人口減少もさることながら、RPAの技術的発展に伴い、RPA市場が拡大していくことも予想されます。RPAが、Class1から2、3へとステップアップし、今まで以上に複雑な要件にも対応できるようになることで、まだ導入していない企業にも徐々に普及していきます。こうしたRPAの成長に伴って、RPA導入のための高いコンサルティングスキルや、RPA構築能力、幅広い知見、コミュニケーション能力など、さまざまなスキルが求められることが予想されます。今後は、こうしたスキルを持ったRPAエンジニアの需要が伸びると考えられます。

RPAエンジニアが付加価値をつけるために必要なこととは

では、どのようなRPAエンジニアが求められていくのでしょうか。ここでは、RPAエンジニアが付加価値をつけるために必要となる、ポイントを5つ紹介します。

日々アップデートされる情報をキャッチできる情報収集能力

RPA市場は技術の刷新も早く、目まぐるしく変動します。RPAツールのアップデートや新しいRPAツールの誕生など、常日頃から情報収集のアンテナ感度を上げ、最新の技術動向を把握する情報収集能力が大切です。

特定の方法に捉われず、他の方法を考え、試してみる力

RPAを導入する時に求められている機能や条件、使用者など、現場は一つとして同じものはありません。さまざまな角度から考え、RPAだけにこだわらず、臨機応変に実装方法を試してみる柔軟さは強みになります。

開発するツールのスキルのみではなく、業務改善/自動化対象となるエンドユーザー業務を理解する力

RPAを導入する業務を理解しないと、適切に業務改善/自動化ができません。業務の目的や作業の流れ、入力/出力、そして課題や困っていることなども理解した上で開発に臨むことで、エンドユーザーに寄り添うRPAエンジニアとしての価値が上がります。

自分以外のRPAプロジェクト関係者に寄り添って考える力

RPA導入推進をしたい推進部門のメンバー、業務を自動化したいと考えているエンドユーザー、今後ロボットを保守/運用する人など関係者は多岐にわたります。他の関係者の意見や要望を傾聴し、立場や考えに寄り添って考える力は、より良いRPA導入・推進につながります。

RPAと相性の良いOCR、AI、プロセスマイニング等の知見や経験を積む

これらの技術はRPAツールの機能として内包されるようになっている傾向にあるため、RPAツールを使いこなすという意味でも必要になってきます。特にAIとRPAの相性は非常によく、今後の需要の伸びが期待されるClass3にカテゴライズされるRPA開発では必須になりますが、RPAエンジニアとAIエンジニアを兼務する人材はまだ少ないため、希少価値が高まります。

RPAエンジニアの需要は年々高まっている!

RPAエンジニアは、RPAツールを使用したロボット/シナリオの作成だけにとどまらず、RPAを導入したい企業に対する業務効率化のコンサルティングから、提案・設計・開発・導入・保守・運用まで幅広い業務を担当することがおわかりいただけたでしょうか。

RPAエンジニアに対する需要は年々増加しており、ハードルが高くなったと言われていますが、未経験でもRPAエンジニアを目指すチャンスは未だ多く、将来性の高い職業です。今後を見据え、エンジニアとして働きたいと考えている人は、ぜひ選択肢の一つとして検討してみてください。