ITエンジニアに将来性はないって本当?注目分野とキャリアプランについても解説
この記事ではITエンジニアに将来性が「ある」といえる、いくつかの理由を紹介します。また、今後どのような分野でITエンジニアの活躍が期待されているのかと、ITエンジニアになってからのキャリアの積み方についても説明するので、併せて参考にしてみてください。
この記事ではITエンジニアに将来性が「ある」といえる、いくつかの理由を紹介します。また、今後どのような分野でITエンジニアの活躍が期待されているのかと、ITエンジニアになってからのキャリアの積み方についても説明するので、併せて参考にしてみてください。
キャリア
2022/04/17 UP
- 将来性
- キャリアパス
ITエンジニアは「体力勝負だ」、「せいぜい35歳が限界だ」などといわれることも多い職業です。将来性を考えて、ITエンジニアを目指すことに不安を感じている人も少なくないでしょう。
しかし、ITエンジニアは若くて体力のある間しかできないような職業ではありません。そこで、この記事ではITエンジニアに将来性が「ある」といえる、いくつかの理由を紹介します。また、今後どのような分野でITエンジニアの活躍が期待されているのかと、ITエンジニアになってからのキャリアの積み方についても説明するので、併せて参考にしてみてください。
ITエンジニアに将来性がある理由
まずは、ITエンジニアの将来性について説明します。社会的なニーズの高さと、働く環境の選びやすさから、将来にわたって活躍できる可能性は十分にあるということがわかるでしょう。
IT業界は人材不足
世の中は「第4次産業革命」と呼ばれる時代を迎えています。AIのような最先端のITとデータの高度な活用が進み、これまでにはないビジネスが次々に生まれているのです。
経済産業省がまとめている「特定サービス産業動態統計調査」からも、情報サービス業の市場規模(売上高の合計)は年々拡大を続けていることが読み取れます。このような流れのなかで、不足するIT人材をいかにして確保していくかが社会的な課題になっているといえるでしょう。
一方、「AIが発展すると人間の仕事が奪われる」という考え方もあります。これまで人の手で行なわれてきた作業の多くが、AIで自動化されていくというのです。
しかし、ITエンジニアは専門性と創造性の高い仕事であり、AIによって簡単に代替できるようなものではありません。IT人材の不足傾向は、今後も続く見込みとなっています。
IT人材はどの業界からも求められている
ITエンジニアを求めているのは、IT関連企業ばかりではありません。DX(デジタルトランスフォーメーション)への意識の高まりとともに、多くの企業がさらなるIT活用に取り組んでいるためです。そのような企業では、社内システムを独自に構築し、運用していくための人材を必要としています。
ITエンジニアからみれば、活躍の場はどのような業界にも広がっているといえるでしょう。IT業界にこだわらずに、自分が本当に働きたいと思える企業の社内エンジニアになるという選択もあるのです。
働き方も多様になってきている
IT系の仕事では、納期の間際やプロジェクトが山場を迎えたときなどに、体力勝負のような状況になることも少なからずあります。ITエンジニアは若いほうが有利だといわれることが多いのは、そのような理由からでしょう。
しかし、本当に体力だけがものをいうわけではありません。さまざまな課題を効率良くこなしていくためには、経験を通して積み上げてきた知識やスキルが役立ちます。
また、テレワークを採用している職場が多い点も、IT関連企業の特徴です。場所や時間にとらわれない多様な働き方ができる可能性が、他業種に比べて高いといえます。テレワークには意思疎通の難しさを指摘する声もあるため、ここでも経験から得たコミュニケーションスキルが役立つでしょう。
IT人材のニーズの高さを考えれば、労働環境の改善は今後も進み、働き方を選びやすくなっていくと期待できます。
ITエンジニアとして将来性が期待される分野
ITエンジニアの活躍の場は、どのような業界にも広がっていることを説明してきました。次は、技術的な観点から、ITエンジニアの活躍が特に期待されている注目の分野を紹介します。
IoTやネットワーク
あらゆるものをインターネットにつなぐIoTは、工場や物流、医療などさまざまな業界で注目されている分野です。より身近なところでは、ウェアラブル端末やスマート家電、コネクテッドカーなどへの活用でも期待されています。これにともない、5G通信などの高速・大容量なネットワーク技術も重要性を増してきました。
IoTやネットワークは、ハードウェアの知識も求められる専門性の高い分野です。これらのスキルを備えたITエンジニアの存在は、ますます重要になってくるといえるでしょう。
なお、IoTについては、こちらの記事も併せてご覧ください。
IoTとは?活用のメリットや懸念点、身近な例をわかりやすく解説!
AIやビッグデータ
AIそのものは新しい概念というわけではありませんが、近年になってめざましい発展をとげたことから注目を集めています。自動運転や画像分析、自然言語処理など利用範囲が広いのが特徴です。
AIによる機械学習を用いると、大量のデータを高度な手法で分析することが可能になります。そのため、ビッグデータを支える情報基盤の構築・運用も、AI関連の技術として重要になってきました。ITエンジニアとしては、学術的な知識とエンジニアリングのスキルを併せて求められる分野です。
なお、AIやビッグデータについては、第一人者の方々のインタビューを実施しています。ぜひこちらも併せてご覧ください。
AI×クリエイティブで自走せよ! ~ AI研究の第一人者・栗原教授に聞く 新時代に求められるエンジニア像とは?
【インタビュー】ビッグデータで社会はどう変わるのか? これからのエンジニアの在り方とは
セキュリティ
セキュリティも新しい分野というわけではありませんが、企業にとっての重要性は増しています。業務やビジネスにインターネットを活用する機会が増えるにつれて、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクも高まる傾向があるためです。
これからのITエンジニアには、セキュリティに配慮した開発のための基礎知識が求められるといえます。より専門性の高い知識を備えていれば、企業のネットワークなどに適切なセキュリティを施せる人材として活躍できるでしょう。
ITエンジニアのキャリアプランと働き方
ITエンジニアとしての活躍の場は、さまざまな業界・分野に広がっていることを説明してきました。これは、ITエンジニアには多様なキャリアプランと働き方が存在することを意味しています。
キャリアプラン
ITエンジニアとしてのキャリアは、いわゆる「プログラマ」からはじまることが多いようです。将来性を考えるなら、上で紹介したような、より活躍が期待できる分野への転向も視野に入れるとよいでしょう。例えば、通信技術に関する経験を積んでネットワークのスペシャリストを目指す、などです。
それ以外にも、ITエンジニアはさまざまなキャリアを選択できます。具体的には、以下のようなキャリアプランが考えられるでしょう。
・システム開発全体について学び、上流工程を担当する仕事にシフトする
・開発プロジェクトのリーダーとして経験を積み、マネージャー職につく
・経営やビジネスの知識を身につけ、ITコンサルタントになる
働き方
ITエンジニアは、経験を積むことで選べる働き方も増えていく仕事です。テレワークの導入が進むIT業界では、企業に所属しながら自宅で作業をこなす在宅SEという選択も考えられます。コミュニケーションスキルを磨けば、時間と場所に制約されない柔軟な働き方を実現しやすくなるでしょう。
正社員にこだわらないのであれば、フリーランスとして独立することを目指す方法もあります。マネジメントスキルを磨いておく必要はあるものの、十分な実力と経験があれば活躍の場を広げられるかもしれません。企業とITエンジニアを結びつける、クラウドソーシングサービスなどを利用してもよいでしょう。
安定した収入を得ながらキャリアプランに必要な経験を積みたい場合は、派遣社員という働き方もあります。ITエンジニアとして目指したい働き方があるのなら、堅実な方法の一つです。
ITエンジニアとしてのキャリアを計画するには
ITエンジニアとしての将来性を考えるうえで、キャリアプランは重要です。今後のキャリアについて明確にイメージするほど、ITエンジニアとして働くことに対する不安も減らせます。
これまでに積み上げてきた経験や、これから学ぼうとしていることをふまえて、将来どのようなポジションを確立していくべきか計画してみましょう。専門性を高めてスペシャリストを目指す道もあれば、ライフステージの変化を見越して働き方やワークライフバランスを充実させていく考え方もあります。
その際は、自分自身の強みや適性を客観的に見つめ直すことも大切です。すべて一人で考えるのが難しそうな場合は、キャリアコンサルタントに相談することも考えてみてください。
なお、ITエンジニアのキャリアパスについては、こちらの記事も併せてご覧ください。
【職種別】エンジニアのキャリアパス例を一挙紹介!
ITエンジニアは将来性がある職業
ITエンジニアは社会的なニーズが高く、今後も高い需要が続くと見込まれる職業です。特にIoTやネットワーク、AIやセキュリティなどの分野は、将来性が期待できます。ITエンジニアとしてのキャリアを考えるなら、このような分野への転向も視野に入れるとよいでしょう。
また、ITエンジニアは多様なキャリアプランや働き方を選択できます。どのようなITエンジニアになりたいかをしっかりイメージして、必要な経験を積んでいきましょう。