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政府も推奨するペーパーレス化―その必要性やメリット・デメリット、実現に向けてのポイント

ペーパーレス化が必要とされる理由からペーパーレス化のメリット・デメリット、実現するためのポイントについて解説します。

政府も推奨するペーパーレス化―その必要性やメリット・デメリット、実現に向けてのポイント

ペーパーレス化が必要とされる理由からペーパーレス化のメリット・デメリット、実現するためのポイントについて解説します。

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2021/09/22 UP

近年、さまざまなデジタル分野が発達し、電子書籍などをはじめとしてペーパーレスも馴染み深いものとなっています。また、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークが普及し、ペーパーレスはより重要性を増しました。業務においてもペーパーレス化は欠かせないものとなっていますが、その必要性についてよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、ペーパーレス化が必要とされる理由からペーパーレス化のメリット・デメリット、実現するためのポイントについて解説します。

なぜペーパーレス化が必要なのか

紙の使用をなくしたり大幅に削減したりするペーパーレスは、なぜ必要とされているのでしょうか。ここでは、ペーパーレス化が必要とされる理由を解説します。

ペーパーレス化は政府が推奨している

ペーパーレス化は2019年4月から施行された“働き方改革”の具体策の一つに含まれています。ペーパーレス化を実現することで、文書に関わる業務は効率的になるのです。

例えば、契約書や領収書なども紙として保存する必要がなくなり、電子化することでいつでもどこでも業務を行なえるようになります。従来は紙として保存する必要があった書類に関しても、“e−文書法”や“電子帳簿保存法”などの法改正が行なわれており、国としてもペーパーレス化を推奨しています。

また、紙という資源を減らすことができるため、地球温暖化などへの対策の一つとしても有効です。環境保護の観点からもペーパーレス化は必要とされています。

従業員の安全確保・事業継続の両立のために必要

ペーパーレス化が実現すると、これまでオフィスでしか行なえなかった業務が時間と場所にとらわれずに対応できるようになります。例えば、紙の書類に上長の承認印をもらう必要がある業務の場合、ペーパーレス化によってメールなどで効率的に対応できるようになるでしょう。

近年では新型コロナウイルスの影響によってテレワークが普及しました。しかし、ペーパーレス化に対応できていない企業では業務のオンライン化が難しい部分があり、テレワークの導入も難しくなります。

テレワークのような時間や場所にとらわれない働き方は、新型コロナウイルスのような感染症への対策だけでなく、地震などの災害時にも大いに役立てられます。有事の際に会社に出社することなく業務を継続できる環境は、従業員の安全確保と事業継続を両立するために重要です。

このような環境を構築するためにも、ペーパーレス化は必要とされています。

ペーパーレス化のメリットとデメリット

ペーパーレス化のメリットとデメリット

もう少し具体的にペーパーレス化のメリットについて見ていきましょう。併せて、覚えておきたいデメリット部分も解説します。

ペーパーレス化のメリット

ペーパーレス化のメリットとしては、大きく次の4つが挙げられます。

・コストの削減

・業務の効率化

・利便性の向上

・セキュリティの強化

ペーパーレス化が実現すると紙の書類が大幅に減るため、印刷代や紙代などのコストを削減できます。また、紙の書類を保管するためのスペースも大幅に減らせるため、オフィスのスペース確保も可能に。

紙の書類と違い、ペーパーレス化された書類は検索が簡単に行なえます。過去の書類を探す場合も検索で簡単に実施でき、業務の効率化が実現可能です。また、データ化されるため一元的に管理しやすくなり、書類の紛失などのリスクも回避できて利便性も向上します。

さらに、セキュリティ面でもメリットが存在します。重要書類の閲覧制限をかけたい場合、紙の書類では鍵付きのキャビネットに保管するなどの物理的な対処が必要です。その場合、持ち出しのルールや廃棄などのルールが曖昧になっていると、情報漏えいするリスクがあります。

ペーパーレス化が実現できていれば、書類・担当者ごとにアクセス制限を実施できるため、セキュリティの強化が実現できます。

ペーパーレス化のデメリット

ペーパーレス化のデメリットとしては、おもに次の3つが挙げられるでしょう。

・導入コスト

・故障リスク

・視認性の低下

ペーパーレス化を実現するためには、タブレットや電子化された書類を閲覧するためのネットワークの構築が必要です。初期導入にはコストがかかり、その点はデメリットとなります。

また、書類を管理するためのサーバーやネットワーク不調などのシステム不具合が発生すると、書類を閲覧できないため業務に支障がでる可能性があります。最悪の場合にはデータが消失することも考えられるため、必ずバックアップを取得しておくことが重要です。

さらに、ペーパーレス化された書類は全体像がつかみづらくなります。要所要所は拡大などができ、細かい文字でも見やすくなりますが、閲覧するデバイスのサイズまでしか表示できません。そのため、複数の書類を見比べたい場合などにはかえって不便を感じるでしょう。

ペーパーレス化の実現に向けてのポイント

ペーパーレス化の実現に向けてのポイント

ペーパーレス化は闇雲に電子化すればよいというわけではありません。ペーパーレス化を実現するためには、次に上げるポイントをおさえることが重要です。

目的を明確にする

はじめにペーパーレス化によって何を達成したいのかを明確化することが重要です。目的を明確にするためにも、まずは現状の課題から洗い出し、電子化する書類としない書類を事前に切り分けましょう。

課題が明確になれば、電子化する効果が大きいと考えられる箇所が見つかります。その部分から達成したいことを明確化し、重点的に取り組みます。

スモールスタートで実施する

すべての業務でいきなりペーパーレス化を実現することは困難です。実際にペーパーレス化を進めるなかで、さまざまな課題が出てくるでしょう。その際に、課題の発見と対応を迅速化するために、部署やグループ単位といった小さい単位からはじめるスモールスタートがおすすめです。

ペーパーレス化を実現するためには、文書管理システムやワークフローなども活用するため、利用者の意見も取り入れながらシステムを改善し続ける必要があります。まずはスモールスタートで実施し、徐々に会社全体に広げていくとスムーズにペーパーレス化が実現できるでしょう。

企業全体で取り組む

ペーパーレス化は企業全体で取り組む必要があります。そのためには、経営層・従業員のすべての関係者がペーパーレス化について理解しなければなりません。

特に経営層は費用対効果、従業員はメリット・デメリットについて理解することで、ペーパーレス化の対応がスムーズに行なえるでしょう。

企業関係者の全員が一丸となってペーパーレス化に取り組むことが重要です。

ペーパーレス化を実現するためのツールの例

ペーパーレス化を実現する目的はさまざまであり、目的ごとに利用するツールも異なります。例えば、文書管理の工数削減や省スペース化を実現したい場合には、文書管理システムやワークフローシステムが活用できます。

文書管理システムは紙を電子化して一元的に管理するためのシステムであり、ワークフローシステムは申請書類の作成から決済までの手続きを電子化するシステムです。

また、取引先との書類のやり取りを迅速化する目的で、電子契約システムやEDI(電子データ交換)を活用することもできます。これらのツールを利用することで、契約書などのデータも迅速かつ正確に共有可能です。

さらに、テレワークが普及している昨今では、オンラインストレージもペーパーレス化のためのツールとして利用できます。その他にも、ペーパーレス化を実現するためのツールとしてはタブレットやペーパーレス会議システムなどが挙げられるでしょう。

いずれも、達成したい目的に合わせて利用するツールを選択することが重要です。

ペーパーレス化はすべての企業が取り組むべき課題の一つ

ペーパーレス化はこれからの企業活動においてなくてはならないものです。新型コロナウイルスの影響でテレワークが普及しましたが、より快適なテレワーク環境を実現するためにもペーパーレス化は必要となります。

ペーパーレス化によってさまざまなメリットが得られますが、その反面デメリットも存在することを覚えておきましょう。導入する際にはこの記事で紹介したポイントをおさえつつ、目的に合わせたツール類を選定し、企業全体で取り組むことが重要です。

今後もペーパーレス化は加速することが予想されるため、この機会にペーパーレス化について検討してみてはいかがでしょうか。