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プロジェクトマネージャーとコンサルタントはどう違う?特徴と向いている人についても解説

この記事ではプロジェクトマネージャーとコンサルタントの違いを取り上げ、特徴や向いている人も含めて解説します。

プロジェクトマネージャーとコンサルタントはどう違う?特徴と向いている人についても解説

この記事ではプロジェクトマネージャーとコンサルタントの違いを取り上げ、特徴や向いている人も含めて解説します。

キャリア

2023/06/22 UP

プロジェクトマネージャーとコンサルタントは、どちらも人気のある職種です。キャリアプランを策定するうえで、目標とする方も多いのではないでしょうか。

この記事ではプロジェクトマネージャーとコンサルタントの違いを取り上げ、特徴や向いている人も含めて解説します。また、注目されているITコンサルタントについても詳しくご紹介します。

どちらかの職業を目指している方は、本記事を参考にご自身の希望や向き・不向きも含めて目指す職業を選んでみてください。

プロジェクトマネージャーとコンサルタントの特徴を解説

プロジェクトマネージャーとコンサルタントは、役割や仕事内容がそれぞれ異なります。それぞれの役割や仕事内容を確認していきましょう。

なお、ITコンサルタントには、コンサルタントと異なる特徴があるため、ITコンサルタントについても解説しています。

プロジェクトマネージャーの役割や仕事内容

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトにおける責任者です。期日どおりに本稼働を迎えるために、納期を遵守して高品質の成果物を納品することが責務です。そのため、プロジェクトを円滑に進めて、目標達成につなげるよう働きかける動きが求められます。

プロジェクトマネージャーは、コーディングやテストなどの業務には携わりません。その代わり、以下に挙げるように多種多様な業務を担います。

・プロジェクトの計画を策定

・プロジェクトメンバーを決定し、チームを組む

・プロジェクト管理(進捗管理、コスト管理、品質管理、要員管理など)

・プロジェクト内の打ち合わせ

・クライアントや他部門との打ち合わせや交渉

・トラブルや進捗遅延が発生した際の意思決定やリカバリープランの作成

コンサルタントの役割や仕事内容

多くの企業では、経営や業務に課題を持っています。コンサルタントはヒアリングを通して企業の現状を把握し、豊富なノウハウをもとに課題の解決方法を提案する職業です。企業の発展や業績向上を後押しする仕事といえるでしょう。

コンサルタントは経営、戦略、ITの大きく3つの専門分野に分かれます。共通のおもな仕事には、顧客との打ち合わせや書類作成、プレゼンテーションが挙げられます。顧客に提案を受け入れてもらうためには、高いプレゼンテーション能力が求められるでしょう。

提案した案件が受注できた際に、そのプロジェクトのプロジェクトマネージャーを任される可能性もあります。ただし、基本的には実作業を行なうことはありません。

・ITコンサルタントとは何か?

ITコンサルタントは、おもにIT技術を活用して企業の課題を解決する職業です。提案する解決策は、システムを活用したものが多いでしょう。提案が受け入れられた場合は実現に向けてプロジェクトが立ち上がりますが、プロジェクトを成功に導く責任はプロジェクトマネージャーが負います。

プロジェクトマネージャーとコンサルタントの相違点

プロジェクトマネージャーとコンサルタントの相違点

プロジェクトマネージャーとコンサルタントには、相違点が5つあります。違いについて詳しく確認していきましょう。

相違点1:携わる工程の違い

携わる工程の違いは、代表的な相違点に挙げられます。プロジェクトマネージャーは、プロジェクト開始から完了までの一連の工程に責任者として携わります。上流から下流までのシステム開発に必要な、ほぼすべての工程にかかわるのがプロジェクトマネージャーの特徴です。

一方、コンサルタントはシステム導入の提案といった、プロジェクト立ち上げのきっかけとなる発案を行ないます。ヒアリングや調査をもとに分析し、顧客に受け入れられるプレゼンテーションやそのための資料作成がおもな業務です。このようにコンサルタントは、専ら上流工程を担う職業です。

相違点2:業務の目的や責任範囲

業務の目的や責任範囲も、相違点の一つに挙げられます。プロジェクトマネージャーは、担当するプロジェクトの完遂を目的かつ責任範囲とする職業です。もっともプロジェクトの遂行においては、困難な状況に遭遇することがしばしばあります。その場合でも迅速な判断やリーダーシップで、プロジェクトの完遂につなげる姿勢が求められます。

一方、コンサルタントは企業の課題解決が目的の職業です。より良い経営の実現につながる提案を行なうことが責任範囲です。課題解決を実現するためのプロジェクト支援は行ないますが、プロジェクトの運営は責任範囲に含まれません。

相違点3:キャリアパス上の位置づけ

プロジェクトマネージャーとコンサルタントは、キャリアパス上の位置づけも異なります。プロジェクトマネージャーは、ゼネラリストの代表的な職業です。プロジェクトの遂行に必要なITスキルを幅広く持ったうえで、折衝のスキルや課題解決力も求められます。幅広いスキルが求められる職種であり、SEからステップアップする方も多くいます。

コンサルタントは、ゼネラリスト・スペシャリスト両方の側面を持つものの、上流工程に特化しています。このため、プロジェクトマネージャーよりも専門性が高い職業です。ITコンサルタントの場合は、ITに関する高度なスキルに加え折衝力も必要です。SEやプロジェクトマネージャーからコンサルタントにステップアップする方も多くいます。

相違点4:業務量

プロジェクトの立ち上げ段階では、どうしても業務量は増えがちです。しかしプロジェクトが軌道に乗ればメンバーやリーダーに任せられることも増えるため、トラブルや進捗遅れがない限り負担は減っていくでしょう。

一方、コンサルタントは業務量の偏りは少ないといえます。定期的に行う必要がある顧客へのプレゼン資料の作成や打ち合わせに多くの時間がかかること。また分析もプロジェクト立ち上げ時だけでなく、顧客から新たな要望などがあれば、再分析や修正をするためです。

相違点5:年収

平均年収も相違点の一つです。転職サービスdodaが2022年12月19日に公表した「平均年収ランキング(職種・職業別)【最新版】」によると、職種別年収額は以下のとおりです。

職種 平均年収
プロジェクトマネージャー 686万円
ITコンサルタント 590万円
戦略/経営コンサルタント 675万円

出典:転職サービスdoda「平均年収ランキング(職種・職業別)【最新版】」

全年代の平均額で見た場合、プロジェクトマネージャーはコンサルタントよりも平均年収が高くなります。

年代ごとの違いにも注目してみましょう。以下の表を見ると、どの年代も戦略/経営コンサルタントは、プロジェクトマネージャーよりも平均年収が高くなっています。またITコンサルタントで比較すると、30代までがプロジェクトマネージャー、40代以上ではITコンサルタントが高くなっています。

年代 20代 30代 40代 50代以上
プロジェクトマネージャー 497万円 683万円 804万円 852万円
ITコンサルタント 448万円 655万円 871万円 884万円
戦略/経営コンサルタント 529万円 779万円 888万円 1167万円

出典:転職サービスdoda「平均年収ランキング(職種・職業別)【最新版】」

そもそもプロジェクトマネージャーはいきなり任されるよりも、ITエンジニアなどで豊富なキャリアを重ねたうえで任される方が多いようです。そのため、豊富な経験がある方ほど年収が高くなりやすい傾向があります。

プロジェクトマネージャーに向いている方とは?

プロジェクトマネージャーに向いている方とは?

どの職業にも、向き不向きがあります。ここからはプロジェクトマネージャーに必要な4つの資質を取り上げます。

プロジェクトの全体像を把握しマネジメントできる方

プロジェクト全体を把握しマネジメントできる方は、プロジェクトマネージャーに向いています。プロジェクトのトップとして全体を俯瞰し、全体でもっとも最適となる判断を行なう必要があるためです。たとえば、クリティカルパスに該当する業務に人員を集中配置する判断は、プロジェクトマネージャーだからこそできるものです。

全体像を正しく把握して適切な判断につなげるためには、個々の業務で使われる技術や手法も理解しておかなければなりません。そのため、プロジェクトによっては、専門外の技術でも把握が求められることがあります。

決断力があり、イレギュラーにも対応できる方

プロジェクトは円滑に進めば良いですが、なかなかスムーズには進まないものです。以下のような、イレギュラーに遭遇するケースも少なくありません。

・予期しなかった問題が発生し、進捗が遅れる

・クライアントからの仕様変更の申し出

・開発に使う機器のトラブル

・メンバーのスキルが想定よりも低く、進歩が遅れる

プロジェクトマネージャーは正確に状況を把握したうえで、判断を迅速かつ適切に下さなければなりません。イレギュラーへの対応力も、求められる資質の一つに挙げられます。

コミュニケーションスキルに優れ、信頼される方

高いコミュニケーションスキルや他者から信頼を得る能力を持っていることも重要です。円滑なコミュニケーションがあれば、安心して働ける環境づくりや相互理解を深めることに役立ちます。結果的にチームのモチベーションアップやプロジェクトマネージャーへの信頼につながるでしょう。

良い結果に結びつけるためには、誠実さや傾聴する姿勢、相手の立場に合わせた会話を心掛けるとよいでしょう。

数字に強い方

プロジェクトマネージャーは、数字をもとに現状を分析するスキルも求められます。正しい判断は客観的な指標をもとに下す必要があるためです。また客観的な指標を使い、相手に論理的に説明を行なうことで、説得力も得られます。

実際にプロジェクトマネージャーはコストや進捗率、稼働時間の管理といった数値から判断や報告が求められる場面が多くあります。

コンサルタントに向いている方とは?

コンサルタントに向いている方とは?

コンサルタントに求められる資質は、プロジェクトマネージャーとは異なります。どのような方に向いている職業か、以下の4つを確認していきましょう。

ITと経営、業務に関する知識を豊富に持つ方

いまやITは、企業経営に欠かせないものとなっています。ITと経営、業務に関する知識は、これから活躍するコンサルタントにとって必須といえるでしょう。豊富な知識を持ち最新情報の収集に余念がない方は、コンサルタントに向いているかもしれません。

高い分析力と論理的思考力を持つ方

高い分析力と論理的な思考力も、コンサルタントに向いている能力の一つです。顧客に対して適切な提案を行なうには、現状を正しく分析したうえで結論に向け筋道立てて考えることが求められます。

そのため、知識やスキル、経験に裏打ちされた高い分析力が必須といえるでしょう。ときには意外な結果が得られるかもしれませんが、その場合も事実を受け止め、原因や解決策を論理的に考えることが大切です。

困難な課題も粘り強く解決に導く姿勢

コンサルタントに依頼される案件は、解決が困難なケースもあります。だからこそ企業は専門のコンサルタントに依頼し、状況を打開しようとしているのです。

専門的なノウハウを駆使しても解決策が見つからない場合でも簡単に諦めてはいけません。さまざまな視点から課題を分析し、粘り強く解決に導く姿勢が必要です。

課題解決のために、顧客自身が痛みをともなう解決策を提示しなければならないケースもあります。顧客の同意を得るのは簡単ではありませんが、こういった場合も丁寧な説明でじっくりと交渉し、理解を得る必要があるでしょう。

顧客に刺さる提案書を作成しプレゼンできる方

どんなに良い提案も、顧客に伝わらなければ実現できません。コンサルタントには、顧客に刺さる提案書を作成し、プレゼンテーションができることが求められます。

何を伝えれば刺さるかは、顧客によって異なります。ヒアリングから顧客ニーズをしっかりと汲み取り分析し、顧客の納得が得られる提案をしなければなりません。プレゼンテーションでは、見やすさやわかりやすさも重視したうえで、相手の心をつかむ説得力のある説明が不可欠です。

職種の特徴や違いを把握して適切な仕事選びに役立てよう

プロジェクトマネージャーとコンサルタントは異なる職業であり、活躍する場面も異なります。ご自身の資質やスキルと照らし合わせ、適した方を選ぶことで高い評価とやりがいを両立できるでしょう。

適切な仕事選びには、職業ごとの特徴や相違点を把握することが大切です。この記事を参考に、あなたに合った職業や職場を見つけてください。