プログラマーとシステムエンジニアの違いとは?業務内容やスキルについても徹底解説
プログラマーとシステムエンジニアを混同している人は少なくありません。ここでは、この2つの職種について、それぞれの仕事内容やスキル、キャリアパス、年収をくわしく紹介していきましょう。
プログラマーとシステムエンジニアを混同している人は少なくありません。ここでは、この2つの職種について、それぞれの仕事内容やスキル、キャリアパス、年収をくわしく紹介していきましょう。
知識・情報
2020/04/15 UP
- システムエンジニア
- SE資格・スキル
- キャリアパス
プログラマーとシステムエンジニアを混同している人は少なくありません。同じプロジェクトの現場に参入して一緒に仕事をすることも多いため、明確な線引きがどこにあるのか、必要とされるスキルの違いはどこにあるのか、はっきりとわからないという人もいます。
実際の開発現場では、担当する分野や仕事の内容は、かぶる部分はあるものの、基本的には異なります。
ここでは、この2つの職種について、それぞれの仕事内容やスキル、キャリアパス、年収をくわしく紹介していきましょう。
プログラマー?システムエンジニア?
IT開発の現場でも、プログラマーとシステムエンジニアは混同されることがあります。まずは、それぞれがどんな役割を持った職業であり、どのようなスキルが必要とされているのか細かくみていきましょう。
なお、ここでの紹介はあくまで基本的な分類となります。業務の一部がかぶるため、案件や企業によって線引き、分類が少しずつ異なることを念頭に、解説を読み進めてください。
プログラマーとは?
プログラマーとは、プログラミング(開発) と、完成したプログラムのテストをおこなう職業を指します。上流工程でSE(システムエンジニア)が作成した設計書をもとに、その意図を正しく再現するためにコードを構築して、正確な動作性を実現する技術力が必要になります。
製造の工程を担当するので下流工程に属しますが、プロジェクトに必要な様々なコードを製作するため、開発の現場にはなくてはならない存在とも言えます。
設計書には、プロジェクトに必要な最低限の内容しか記載されていないことも少なくありません。プログラマーはそこから設計者の意図やエンドユーザーが求める機能、全体としてどのような物を作り上げようとしているのかを読み取り、求められる動作を実現します。
プログラマーの腕によって、動作性には違いが出ます。見た目上は同一の動作をする場合でも、熟練度が低いプログラマーが書いたコードでは、余計な処理が多くて動作が重くなったり、バグが発生したりすることがあります。SEが設計したとおりに実現するには、高度な技術力と豊富な知識、経験が求められるポジションでもあります。
コーディングのあと、プログラムの単体試験をおこなって動作を確認します。バグがあれば修正し、結合試験に備えます。
システムエンジニアとは?
システムエンジニアは、要件定義、基本設計、詳細設計をおこなう職業です。案件によってはプログラミングをおこなうこともありますが、基本的にはシステム全体の仕様を決める役割を担っているので、プログラミングの実務経験がほとんどないというシステムエンジニアも存在します。
クライアントにヒアリングして、実装したい機能などをまとめ、システム全体を考えながら基本設計、詳細設計に落とし込みます。そのため、システム設計に対する知見と技術力はもちろん、クライアントとの折衝や下流工程の現場をつなぐコミュニケーション能力も必要になります。
また、単体試験を終えたプログラムを一つに連携させる結合試験や、最終的にシステム全体に動作の異常がないかを確認する総合試験も担当します。
ITスキルの他、要件定義書や設計書、試験項目表などの多くのドキュメント作成、担当するプロジェクト内での取りまとめなども求められるため、プロジェクトリーダー、マネージャーのポジションになると、文書作成能力やマネジメントスキルも必要になってきます。
プログラマーとシステムエンジニアの違い
現場では、プログラマーとシステムエンジニアはどう違うのでしょうか?
それぞれが担当する業務範囲や、必要とされるスキルなどについて、具体的に解説していきます。
一般的な分類のため、企業や担当する案件、現場によって違いはありますが、この解説を読めば、プログラマーとシステムエンジニアは「似て非なる職業」であることがわかると思います。
業務範囲の違い
システム全体の開発から納入までの流れは、大きく、要件定義>基本設計>詳細設計>開発>単体テスト>結合テスト>総合テスト>納品>アフターフォローの7段階に分かれています。
このうち、前半の詳細設計までと、後半の結合テストからアフターフォローをシステムエンジニアがおこない、開発と単体テストをプログラマーが担当します。システムエンジニアが開発や単体テストの一部を担当することがありますが、基本的にはプログラマーの仕事になります。
システムエンジニアの設計図どおりにプログラマーが細かなプログラムを作り上げ、それを最終的に組み立てるのがシステムエンジニアというイメージをすればわかりやすいでしょう。
開発に要する時間は、要件定義と設計が全体の30〜40%、開発が40%前後、テストが20%前後と言われています。業務に携わる時間は、システムエンジニアもプログラマーもあまり変わりません。
必要となるスキルの違い
それぞれ必要となるスキルは、以下のとおりになります。
・プログラマーに必要なスキルとは
プログラマーは、システムエンジニアよりも高度なプログラミング技術が求められます。また、言語に対する深い造詣と、最新の開発知識に対する敏感なアンテナも求められます。そのほか納期に間に合わせるため、スケジュール管理能力は必須です。
開発では下流工程を担当しますが、システムエンジニアとの上下関係はありません。システムエンジニアに対し、プログラミングのエキスパートとして実装可能であるかどうかという設計面でのアドバイスをすることもあります。
・システムエンジニアに必要なスキルとは
システムエンジニアには、プログラミング言語に対するスキルの他、言語の最新のトレンド情報や、その言語を用いると何が実装でき、どうすれば顧客の要望を再現できるかを判断する知識が求められます。
また、クライアントへのヒアリングや折衝、現場のプログラマーとの連携を図るためのコミュニケーションスキル、プロジェクトを取りまとめるためのマネジメントスキルも必要になってきます。
キャリアパスの違い
プログラマーはプログラミングの技術力を磨くだけでなく、現場経験を活かし、システムエンジニアやプロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーなどのマネジメント職に進むか、フリーランスエンジニアに進むキャリアパスがあります。
専門的な知識を有する技術職なので、独立してフリーランスになり、自由な働き方を選びやすい仕事でもあります。
システムエンジニアにも、マネジメントスキルやコミュニケーションスキルを磨き、マネジメント職につくキャリアパスがあります。また、開発スキルの有無によっては、システム監査技術者などの国家資格を取得し、コンサル職に進む道もあります。
プログラマーとシステムエンジニアの違いを知って、自分に合った道を選ぼう!
プログラマーとシステムエンジニアは同じIT開発の現場にいながら、「似て非なる」職業であることがおわかりいただけたでしょうか。
プログラミング言語の習得とスキルから、プログラマーのほうがキャリアパスの選択肢は多くなっていますが、自分の適性に合った職を選んだほうがいいでしょう。
自分のスキルや能力を活かし、無理をせず、キャリアを積み上げていくことが大切です。