インフラエンジニアが取得するべき資格とは?おすすめ資格と難易度を解説
インフラエンジニアが取得しておくべき資格を、ジャンル別に解説していきます。難易度についても触れるので、自身のスキルに合った資格を探したいという方もぜひ参考にしてください。
インフラエンジニアが取得しておくべき資格を、ジャンル別に解説していきます。難易度についても触れるので、自身のスキルに合った資格を探したいという方もぜひ参考にしてください。
キャリア
2021/11/09 UP
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IT業界で活かせる資格は数多く存在しますが、なかでもインフラエンジニアが取得しておくべき資格とはどのようなものがあるのでしょうか。
この記事では、インフラエンジニアが取得しておくべき資格を、ジャンル別に解説していきます。難易度についても触れるので、自身のスキルに合った資格を探したいという方もぜひ参考にしてください。
インフラエンジニアは資格がいらない?
インフラエンジニアは無資格でも目指せる仕事です。
しかし資格を取得しておくことで、どの程度のスキルが身に付いているのかを客観的に証明することが可能となります。
転職活動では、とくに実務経験が重要視される傾向にあります。ポートフォリオなどを用意しておくこともアピールとして有効ですが、資格を取得しておくことでも転職を有利に進められる可能性があります。
また資格取得のための学習で、新たな知識を習得したり、より理解を深めていくこともできます。インフラエンジニアは資格が必要な仕事ではありませんが、資格を取得することで得られるメリットも多くあります。
将来、活躍の場を広げていくためにも、仕事に関連する資格を取得しておくとよいでしょう。
なお、インフラエンジニアのキャリアパスについて詳しく知りたい方は、『インフラエンジニアのキャリアパスとは?』もご覧ください。
資格の種類|国家資格とベンダー資格
資格には、「国家資格」と「ベンダー資格」があります。国家資格とベンダー資格について、それぞれ違いや特徴についてみていきましょう。
国家資格
国家資格とは、国の法律に基づいて、各種分野のスキル・知識が判定される資格のことを指します。つまり、国家資格を取得することで、国から特定の職業に従事することを認定されたことになるのです。
国家資格では汎用性の高い知識が求められる試験が多く、全体的に難易度は高めです。国家資格は基本的に有効期限がなく、一度資格を取得すれば定期的に再試験を受ける必要はありません。
ベンダー資格
ベンダー資格とは、企業が開発したIT製品について、開発企業がスキル・知識を認定する資格のことです。ベンダー資格は企業独自の認定基準があるため、資格によって難易度に大きく差があることも特徴です。
ベンダー資格を取得する大きなメリットは、そのIT製品を扱う現場で即戦力となれることを証明できる点にあります。転職・就職を目指している企業の開発現場で使われているシステムがわかっている場合は、それに関連する資格を中心に取得を目指すとよいでしょう。
ベンダー資格は実用性の高い資格ですが、商品のアップデートによって過去の知識が不要になることが多々あります。そのためベンダー資格には有効期限が設けられていることが多く、資格を維持するためには定期的な再試験が必要となります。
インフラエンジニアにおすすめの資格一覧
インフラエンジニアにおすすめの資格について、カテゴリごとに紹介します。資格取得の難易度についても解説するので、自身のスキルに合った資格から取得を目指していくのがおすすめです。
「ネットワーク」関連のおすすめ資格
インフラエンジニアとして活躍の場を広げていくためには、ネットワークに関する高い専門知識を有していることを証明できることが重要です。知識を深めることもできるため、いずれかの資格を取得しておくとよいでしょう。
【国家資格】初級者向け|ITパスポート
「ITパスポート」は、IT業界未経験者の方でも比較的取得しやすい国家資格です。
試験は情報技術に関する基本知識を網羅した内容となっているため、資格取得の学習を進めながら、幅広いIT知識を身に付けることができます。
受験するために必要な資格はなく、どなたでも受験することが可能です。
【国家資格】中級者向け|基本情報技術者試験
「基本情報技術者試験」は、情報技術に関する基礎知識を習得していることを証明できる資格です。
ITエンジニアの基本的な資格であり、認知度も高いため、IT業界で働く場合はぜひ取得しておきたい資格の一つといえるでしょう。
プログラミング言語、ネットワーク、データベース、セキュリティなど、広範囲から出題されるのが特徴です。
【国家資格】中級者向け|情報処理安全確保支援士
情報セキュリティに関する専門知識を有していることをアピールしたい場合は、「情報処理安全確保支援士」の取得がおすすめです。
サイバーセキュリティリスクを分析・評価し、事業・組織を継続的に守るためのスキルを習得していることを認定する資格であり、認知度も高めです。
【国家資格】上級者向け|応用情報技術者
「応用情報技術者」は基本情報技術者試験の上位資格です。
IT技術に関するスキル・知識のほかに、経営・プロジェクトマネジメントなどの分野からも出題される点が特徴です。エンジニアとしてのスキルに加え、事業運営に関する知識を有していることを証明することができます。
応用情報技術者試験は実務者レベルの資格です。資格を取得することで、即戦力としてのスキルが身に付いていることを証明することが可能です。
【国家資格】上級者向け|ネットワークスペシャリスト
「ネットワークスペシャリスト」はネットワークに関する専門知識についての資格です。
応用情報技術者のさらに上位資格にあたり、ネットワーク分野に特化したスキルを有していることが認定されます。
インフラエンジニアからネットワーク分野へのキャリアアップを目指す場合は、取得しておきたい資格の一つです。
ネットワークスペシャリストについては、こちらの記事もご確認ください。
【合格体験者が語る!】ネットワークスペシャリストの勉強法と合格体験記
【ベンダー資格】中級者向け|シスコ技術者認定(CCNA)
「シスコ技術者認定(CCNA)」は、ネットワーク機器の業界大手であるCisco社によって認定される資格の一つです。
試験ではCisco社製品に関するもののほか、ネットワークに関する基礎知識も問われます。
ベンダー資格のなかでも認知度が高く、人気の資格です。
CCNAの詳細については、こちらの記事もご確認ください。
CCNAとは?資格試験の内容や取得の必要性を解説
「サーバー」関連のおすすめ資格
ITインフラを構築する際にサーバーの知識は必要不可欠です。インフラエンジニアとしてキャリアアップしたり、サーバーに関するスペシャリストを目指したりする場合は、サーバー関連の資格も取得しておくとよいでしょう。
【ベンダー資格】初級〜上級|LPIC
「LPIC(Linux Professional Institute Certification)」は、NPO法人Linux技術者認定機関「LPI」が認定する資格です。
試験は初級者レベルのものから、専門性の高い上級者向けのものまで存在するので、自分に合ったレベルの試験を受けることができます。
Linuxは、日本でオープンソースソフトウェアを導入している企業の多くが利用しているため、資格を活かせるシーンが多いという点も魅力です。
【ベンダー資格】中級者向け|マイクロソフト認定試験(MCSE)
「マイクロソフト認定試験(Microsoft Certified Systems Engineer)」は、マイクロソフト社が認定する資格の一つです。
マイクロソフト認定試験は、マイクロソフトWindowsServerに関する専門知識を有していることを認定するものであり、ある程度実務経験のある方向けの資格です。
【ベンダー資格】初級〜上級|Linux認定資格(LinuC)
Linuxサーバーに関するスキル・知識について、NPO法人LPI-Japanが認定する資格です。
資格はLinuC-1・LinuC-2・LinuC-3の3つのレベルに分かれており、上位資格を取得するためには、下位資格を取得していることが条件となります。
前述の「LPIC」は国際資格であるのに対して、「Linux認定資格(LinuC)」は日本市場に特化した資格といえます。
「クラウド」関連のおすすめ資格
近年、ITインフラの構築をはじめさまざまなシーンでクラウドサービスを活用することが増えています。今後クラウドの重要性が増していくことも考えられるため、クラウドに関する知識や資格を取得しておくとよいでしょう。
【ベンダー資格】初級〜上級|AWS認定
「AWS(Amazon Web Services)」は、Amazon社の提供するクラウドサービスについて認定する資格です。
試験はネットワーク・セキュリティ・データベース・データアナリティクス・Alexaスキルビルダーの6つの専門分野に分かれており、難易度も3種類あるため、自身に合ったレベルの試験を受験できるというメリットがあります。
クラウドに関する資格のなかではとくに認知度が高く、実務で活かせるシーンも多い人気の資格です。
【ベンダー資格】中級者向け|CompTIA Cloud+(CV0-002)
クラウドコンピューティング環境で働く際に必要となるスキル・知識を認定する国際資格です。
標準的なクラウド手法への理解や、ネットワーク・ストレージ・仮想化テクノロジーなどのクラウドテクノロジーを実装、保守、提供するスキルを有していることを証明することができます。
「データベース」関連のおすすめ資格
データを活用したビジネスも増えており、データベースの知識を高めることで活躍の場を広げていくこともできるでしょう。
【国家資格】上級者向け|データベーススペシャリスト
「データベーススペシャリスト」は情報処理技術者試験の高度試験にあたり、データベースに関する専門知識を認定する資格です。
試験ではデータベースに関する企画・要件定義・開発・運用・保守など幅広い分野から出題され、非常に専門性の高い試験となります。
受験者は実務経験者が多く、合格率は15%程度。難関の国家資格といえるでしょう。
【ベンダー資格】中級者向け|オラクルマスター
Oracle社が認定する「オラクルマスター」は、世界的に認知度が高く人気の資格です。
今後のキャリアでデータベースの専門性を高めていく場合は、取得しておきたい資格の一つといえるでしょう。
「仮想化」関連のおすすめ資格
仮想化も近年注目されている技術です。仮想化に関する資格は少ないですが、資格を取得しておくことで他者と差をつけることも可能です。
【ベンダー資格】中級者向け|Docker認定試験(DCA)
「Docker認定試験(Docker Certified Associate)」は、Docker社が開発したコンテナ仮想化ツールに関するスキル・知識を認定する資格です。
Dockerに関する実運用レベルのスキルが問われる試験のため、実際にDockerを用いてシステムを開発するなど、扱い方を理解しておくことが大切です。
試験言語は英語のため、日常会話レベルの英会話も身に付けておくとよいでしょう。
資格取得はスキルを証明する手段として有効!
インフラエンジニアになるための必須資格というものはありません。
しかし資格を取得しておくことで、仕事の幅を広げたり、将来のキャリアパスに役立つ知識を身に付けたりすることも可能です。
どの試験を受験すればよいかわからない場合は、自身のスキルに合った難易度の国家資格の取得を目指すところからスタートするのがおすすめです。汎用性の高い知識を習得し、徐々に専門性を高めていくとよいでしょう。
インフラエンジニアは、将来プロジェクトマネージャーやスペシャリストを目指していくことも可能です。すでにエンジニアとして活躍している方も、思い描くキャリアパスを実現するための武器として、資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。
なお、ここで紹介したもの以外の、エンジニア全般に共通する資格についても知りたい方は、以下のエンジニア100人のアンケート結果をまとめた記事もご確認ください。
エンジニア100人が回答!実務に活かせるおすすめの資格ランキング