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エンジニアのマネジメントとは?必要なスキル、学習方法を解説

マネジメントの基礎や必要スキル、意識すべきポイント、学習方法についてご紹介します。

エンジニアのマネジメントとは?必要なスキル、学習方法を解説

マネジメントの基礎や必要スキル、意識すべきポイント、学習方法についてご紹介します。

スキルアップ

2022/11/18 UP

エンジニアには「プログラミングが好き」「モノづくりが楽しい」という人が多いですが、一定の経験やスキル、年齢になるとマネジメント力が求められるようになります。しかし、マネジメント力はエンジニア業務と全く別物になるため、なかなかイメージしにくいというのが現状です。

ここでは、マネジメントの基礎や必要スキル、意識すべきポイント、学習方法についてご紹介します。

そもそもマネジメントとは?

そもそもマネジメントとは?

まずは、マネジメントの基礎とマネージャーの役割について見ていきましょう。

マネジメントの目的

マネジメントには「管理」「経営」といった意味があり、有名な経営学者であるドラッカーが示した「組織の成果を上げるための道具、機能、機関」という定義が一般的に認識されています。具体的には、組織全体をまとめて成果を出すことをゴールとし、そのためにチームをまとめるのがマネジメントです。

エンジニアにおけるマネージャーの役割

マネージャーとは、組織全体をまとめて成果を上げることを目的とした人材のことを指します。QCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)を管理することが主な仕事ですが、技術支援やプロダクトの運用、開発コントロールなど、エンジニアにおけるマネージャーの役割は広いです。そのため、エンジニアとしての技術力だけでなく、マネジメントスキルや人との関わり合いに関するスキルが求められます。


<マネージャーの主な役割>

・組織が設定する目的の達成

・組織に所属する個人の成長

・利益による社会貢献

なぜエンジニアにマネジメントが求められるのか

マネジメントの目的は組織の成果を上げることなので、極論、技術力がなくてもマネージャーを務めることは可能です。しかし、近年では自分自身でエンジニアリングができる「ブレイングマネージャー」が求められています。その理由を以下で解説します。

システム開発のパフォーマンス向上

マネージャーの主な仕事であるQCD管理には、エンジニアリングについての理解が必要となるため、適切なマネジメントのためには技術力が欠かせません。また、技術力があればマネージャー業務を行いながらの新規開発、技術支援が可能となり、システム開発のパフォーマンスを向上させることができます。

スキルが伸ばせる、成長する

マネージャーはチームのすべてを把握するため、ときには自分のできること以外も担当しなければなりません。また、一つの仕事に対する理解や知識を深く掘り下げる必要もありますから、幅広い知識やスキルが身に付き、自身の成長にもつながるのです。

組織の意思決定が早くなる

技術力があれば、エンジニアとしてのスキルや経験を活かし、現場の声をマネジメントに活かすことが可能です。逆に、経営層の意思決定を現場に素早くフィードバックすることもできるため、組織全体の意思決定が早くなります。

人件費の削減

プレイングマネージャーが求められている背景には「最小の人員で業務に取り組むため」という理由もあります。

また、管理職自体は業務遂行のために必ず必要になるものですが、売上に直結しない管理職が存在するのも事実です。プレイングマネージャーの存在は、こういった人件費の削減にも有効なのです。

エンジニアのマネジメントの仕事内容

エンジニアのマネジメントの仕事は多岐に渡ります。代表的なエンジニアのマネジメント業務について見ていきましょう。

プロジェクトの進捗管理

プロジェクトの進捗管理は重要な仕事の一つです。プロジェクトの日程や、メンバーのスケジュールを管理し、プロジェクトが円滑に遂行できるよう立ち回ります。

もし作業が遅れている工程があれば、人員を調整したり、後続工程のスケジュールを調整したりします。プロジェクト全体に遅れが生じないように管理する重要な業務といえるでしょう。

メンバーに仕事を割りあてる

メンバーへの仕事の差配も、エンジニアのマネジメント業務の一つです。プロジェクトをスムーズに進めるには、人材ごとに適切な業務を割り当てる必要があります。

単純な作業に思えるかもしれませんが、メンバー一人ひとりの能力を把握し、納期と個人の適性を照らし合わせたうえで最適な業務を割り振ることは、一朝一夕ではできません。

普段からメンバーとコミュニケーションを取り、個々のメンバーに対する理解を深めておくことが重要なのです。

メンバーのサポート

エンジニアがマネジメントをすることの大きなメリットは、管理者自身がメンバーの作業を直接フォローできる点にあります。エンジニア未経験者がマネジメントするよりも、きめ細かいフォローが期待できます。

また、管理者が直接フォローに入ることで、チームの連携を強化することも可能です。より適切なフィードバックもできるので、実務をとおして人材を育成することにもつながります。

エンジニアがマネジメントで意識すべきポイント

エンジニアがマネジメントをする際は、以下の3つを意識しましょう。


1.プロジェクト、人員、役割の認識

2.エンジニアの育成

3.現場の声に振り回されない

プロジェクト、人員、役割の認識

組織で成果を上げるためには、プロジェクト全体の方向性に誤りがないか、常に全体を見通して進めることが重要です。そのためには、エンジニアとしての目線だけでなく、マネージャーとしての視点を持つことがポイントです。

タスクを適切に割り振れているか、メンバーからのアラートをきちんと拾い上げられているかを意識し、効率的かつ円滑に業務を進めましょう。

エンジニアの育成

マネジメントでは、部下となるエンジニアの育成も重要な要素です。そのため、プレイングマネージャーだからといって一人ですべてを解決しようとせず、エンジニアを育成するための仕組みや、仕事の振り方を考えることが大切です。

現場の声に振り回されない

現場の声は短期的なビジョンであることが多く、これらを鵜呑みにすると振り回されてしまう可能性があります。プロジェクトを成功に導くためにも、現場の声を鵜呑みにするのではなく、多角的な視野で長期的なビジョンを考えることが必要です。

エンジニアがマネジメントをする上で必要なスキル

エンジニアがマネジメントをする上で必要なスキル

前述したように、エンジニアがマネジメントをする上では技術力だけでなく、さまざまなスキルが必要です。

マネジメントスキル

当然ですが、マネジメントをするからにはマネジメントスキルが必要不可欠です。マネジメントスキルとはプロジェクト全体を見通す力のことで、スケジュールやメンバーの管理、問題解決能力などが挙げられます。

品質管理スキル

また、品質管理も重要なマネジメントスキルの一つです。レビューやテストで品質基準が満たされていることを確認するほか、顧客業務に対する理解とさまざまな情報をまとめ上げる能力が求められます。

テクニカルスキル

エンジニアのマネジメントでは、テクニカルスキルが伴っていないと適切なマネジメントができないため、エンジニアとしての技術力が求められます。開発やインフラ、Webなどさまざまな分野に関する知識はもちろん、システムを適切に構築するためのスキルなどが必要です。

コミュニケーションスキル、リーダーシップ

顧客やメンバーとの交渉・調整など、プロジェクトを円滑に進めるためには、コミュニケーションが欠かせません。また、プロジェクトメンバーをまとめ上げるリーダーシップや、顧客のニーズを把握しプロジェクトへ反映させる能力も求められます。

エンジニアのマネジメント学習方法

近年では、エンジニアのためのマネジメント学習書籍も数多く出版されています。ここでは、その中でも特におすすめの書籍を3冊ご紹介しましょう。

エンジニアのためのマネジメントキャリアパス

プレイングマネージャーに求められるスキルがわかりやすく解説されている書籍です。エンジニアのキャリアパスにおいて、それぞれの段階ごとに求められる役割やスキルが詳しく説明されているほか、採用や評価、チームの立て直し、技術力を維持する方法など、マネージャーとしての考え方やテクニックを学ぶことができます。

マネジメント[エッセンシャル版]-基本と原則

マネジメント初心者に向けた、本格的なマネジメントの入門書。マネジメントで果たすべき使命や役割、取り組みなどを具体的に解説しており、マネージャーを目指す人に新しい目的と勇気を与えてくれます。

パフォーマンス・マネジメント-問題解決のための行動分析学

マネジメントにおける、行動分析学に基づいた問題解決を記した書籍です。全15章で構成されており、「部下のマネジメント」をはじめ「品質のマネジメント」「組織のマネジメント」などさまざまなシーンの問題解決が学べます。

マネジメントは成果を上げるための手段

マネジメントとは、組織全体をまとめて成果を上げるための手段です。

近年のエンジニア業界に関しては、マネジメント力と技術力の両方を持ち合わせた「プレイングマネージャー」が求められる傾向にあります。

マネージャーとして業務を遂行するためには、マネジメントスキルはもちろん、コミュニケーションスキルやリーダーシップなどの幅広いスキルが必要です。いずれも自身を大きく成長させる要素となるため、ぜひこの機会にマネジメントについて考えてみてはいかがでしょうか。