パソナについて
記事検索

エンジニアは管理職を目指すべき?管理職が求められる理由やメリット、専門職との違い

エンジニアの管理職が求められる理由や専門職との具体的な違いについて解説します。

エンジニアは管理職を目指すべき?管理職が求められる理由やメリット、専門職との違い

エンジニアの管理職が求められる理由や専門職との具体的な違いについて解説します。

スキルアップ

2022/12/26 UP

デジタル化が進む現代社会において、必要不可欠な存在となるのがエンジニアです。エンジニアの求人は常に多く、技術力があれば仕事を選ぶこともできます。しかし、ある程度の年齢になると求められる役割が変わるため、管理職と専門職のどちらに進むべきかというキャリアプランで悩む人も少なくありません。

ここでは、エンジニアの管理職が求められる理由や専門職との具体的な違いについて解説します。

エンジニアは管理職にならないといけない?

「エンジニアになったからには常にプログラミングをしていたい」と考える人が多い中、エンジニア職は35歳を境に管理職としての役割が求められるようになるといわれています。

エンジニアの管理職が求められる理由

エンジニアは専門的な知識や技術が必要ですが、1人でプロジェクトを進めることはできません。プロジェクトを行うには複数のメンバーと協力する必要があり、その際にはコミュニケーションスキルが重要になります。

しかし、経験を重ねていくと、コミュニケーションスキルはもちろんのこと、プロジェクトを効率的に進めるコツが見えてくるようになります。また、ある程度ベテランになると新人エンジニアに教える機会も増えてくるでしょう。そして、プロジェクトを推進する人材としてスキル・知識が十分に蓄えられた状態になるのが、35歳くらいだといわれているのです。

会社としては、多くの人員を率いてより大きなプロジェクトを達成してもらいたいという想いがあるので、プロジェクトを推進する人材として、エンジニアの管理職が求められているのです。

専門職(エキスパート)のキャリアパスもある

管理職になれば当然責任も重くなりますから「管理職にはなりたくない、専門職(エキスパート)として技術を磨き続けたい」という人も少なくありません。技術を突き詰めることにやりがいや喜び、幸せを感じる職人気質の方や、メンバーのマネジメントや部下の育成を苦手に感じる方は、専門職として働き続けることも選択肢の一つです。

とはいえ、プロジェクトを管理できれば、ある程度は自分のやり方でプロジェクトを進めることができますし、大幅な年収アップも期待できます。

もし、管理職か専門職かで悩んでいる場合は、以下の基準を参考に考えてみてはいかがでしょうか?

・技術進化のスピードについていける自信があるか

・将来も意欲的に仕事に取り組めそうか(技術への興味や探求心、誇りを持ち続けられるかどうか)

・会社の評価は正当か(専門職を正当に評価してくれる風土があるかどうか)

これらに「Yes」と自信を持って答えられるなら、専門職を目指してみるのも良いでしょう。

エンジニアの管理職と専門職の違い

エンジニアの管理職と専門職の違い

実際に、管理職と専門職でどのような違いがあるのか比較してみましょう。

仕事内容の違い

管理職は「プロジェクトの進捗管理」「品質管理」「メンバーの育成」などがメインの仕事ですが、専門職はより高度な専門知識・スキルを用いてプロジェクトを推進していくことが主な仕事です。つまり、管理職と専門職では求められるスキルが異なるということ。システム構築とは違ったスキルが求められる管理職は、専門職に比べて仕事の幅が広いです。

キャリアプランの違い

管理職と専門職とでは、キャリアプランも大きく異なります。管理職のキャリアプランにはプロジェクトマネージャーやコンサルタント、ITアーキテクトなどがあるのに対し、専門職の場合はITスペシャリストやフルスタックエンジニアなどが挙げられます。

管理職のメリット

管理職と専門職は「どちらが良い」というものではありませんが、管理職としての経験を積むと、より経営層に近い視点で仕事を行うことができます。

一方、専門職のメリットは技術を徹底的に極めることができる点です。どちらに進むかは自分の好みもありますが、将来的なキャリアプランも見据えたうえで選択することが重要です。

エンジニアの管理職の仕事内容

エンジニアの管理職の仕事内容

管理職と聞くと大変そうなイメージがありますが、実際どのような仕事を行っているのでしょうか。

プロジェクトの進捗管理

管理職の立場によって管理する範囲は異なりますが、プロジェクトの日程やチームのスケジュール管理は必ず行うことになります。プロジェクトマネージャーともなれば、プロジェクトの立ち上げから完了までを一貫して管理し、タイムスケジュールに沿って確実に進めていかなくてはなりません。その際は、QCDを意識した進捗管理が求められます。

<QCDとは>

・Quality・・・品質

・Cost・・・コスト

・Delivery・・・納期

顧客折衝

管理職は顧客の要望を明確に把握し、それをシステム開発に反映させていきます。その際は顧客とメンバーの間に立ち、双方が納得できる形に交渉・調整しなければなりません。そのため、技術スキルとは異なる「人との関わり合いに関するスキル」が求められます。

メンバーの育成

管理職は1人では対応できない業務を担当するものです。メンバーに仕事を割り振り、チームとしてプロジェクトを進めていくことが求められます。そのため、チームメンバーを育成することは、より効率的に業務を遂行するための要素となるのです。

エンジニアの管理職に必要なスキル

エンジニアの管理職に求められるスキルは、主に4つです。

1.マネジメントスキル

2.コミュニケーションスキル、リーダーシップ

3.テクニカルスキル

4.問題解決能力、決断力

マネジメントスキル

管理職の仕事はスケジュール管理やコスト管理、品質管理といったマネジメントがほとんどです。プロジェクトの進捗状況を管理し、適切に業務を割り振るためにも、マネジメントスキルが求められます。

コミュニケーションスキル、リーダーシップ

顧客の要望をしっかりと把握するためには、コミュニケーション能力が欠かせません。また、顧客との交渉や調整、システムを適切に構築するスキル、メンバーを率いるリーダーシップなども必要です。

テクニカルスキル

管理職だからといって、技術力が必要ないわけではありません。適切なプロジェクト管理には、さまざまなプロダクトに関する知識や、メンバーの課題を解決するための技術力など、エンジニアとしてのテクニカルスキルが必要です。また、顧客の要望を把握するためにもテクニカル知識は欠かせません。

問題解決能力、決断力

管理職として一定の成果を収めるには、問題解決能力と決断力が求められます。プロジェクトを進めるうえでは何かしらの問題が発生するものなので、管理職は発生した問題に対して的確な対処を行わなければなりません。

また、その際は複数の選択肢から一つを選ばなければならない場面も多く、ロジカルに基づいた判断・決断力も大切です。

業界、種類別エンジニアの管理職の在り方

一言で管理職といっても、業界や種類によってその特徴はさまざまです。ここでは、各業界の管理職の在り方についてご紹介します。

ITベンチャー系

ITベンチャーや中小企業などでは、20代で管理職になる人が多いです。これには人材が不足しているという理由もありますが、会社全体の平均年齢が若いことも理由として挙げられます。そのため、早いうちから管理職として経験を積むことが可能です。

SIer系

日本では多重請負のSIerが多く、自分がどの立場にいるかによって在り方が変わってきます。とはいえ、顧客や協業企業など、管理職として関わる人の数は非常に多くなるため、自社内だけでなく、さまざまな企業の人たちとの折衝経験を積むことが可能です。

Web系

Web系の業界は叩き上げのエンジニアが多く、転職率が高い業種です。Web系と一言でいっても、デザイナーからエンジニアまで幅広い種類があるため、求められる知識やスキルも幅広いです。しかし、管理職としてのスキルを身に付けられれば、フリーランスとして自由に活動することも可能です。

管理職のエンジニア向けの資格

管理職を務めるエンジニアにとって、欠かすことのできないスキルがマネジメント能力です。

マネジメント力は実務をとおして培うことも重要ですが、マネジメントに関する資格取得の学習をとおして知識を養うこともできます。また、資格を所有しておくことで客観的にスキルを証明することができるので、転職やキャリアアップの際にも武器となるでしょう。

応用情報技術者試験(AP)

応用情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する「情報処理技術者試験」の一つです。資格を取得することで、ITに関する幅広い分野の知識・スキルに加え、それらを実務で応用する技術があることが認定されます。

情報処理技術者試験のなかでは、スキルレベル3に相当する試験です。出題範囲は広く、テクノロジー系の問題のほか、プロジェクトマネジメントやシステム戦略についての知識・スキルも問われます。

応用情報技術者試験について詳しく知りたい方は、『応用情報技術者試験とはどのような試験?難易度や資格を取るメリットも説明』も併せてご覧ください。

プロジェクトマネージャ試験(PM)

プロジェクトマネージャ試験は、IPAが主催する「情報処理技術者試験」の一つです。プロジェクトの目的達成に向けて、プロジェクトマネジメント業務を単独またはメンバーの一員として担当する方を対象としています。

スキルレベル4に相当する高難易度試験で、合格率は例年10%台にとどまります。2022年度は受験者6680人に対して合格者は959人、合格率は14.4%という結果でした。

資格取得のためには、過去問での入念な準備に加え、参考書で知識を深化させておく必要があります。

ITサービスマネージャ試験(SM)

ITサービスマネージャ試験は、IPAが主催する「情報処理技術者試験」の一つで、スキルレベル4に相当する高難易度試験です。資格を取得することで、ITサービスの安全性・信頼性を担う責任者としてのスキルがあることが認定されます。

試験では、ITシステムの計画運用・評価に関する知識・スキルに加え、総合的なシステム管理・運用体制構築に必要な多種多様な知識が問われます。

エンジニアのキャリアは管理職だけではない

一般的に、「エンジニアは35歳を過ぎたら管理職になるべき」といわれていますが、希望すれば専門職としてのキャリアプランを選択することも可能です。また、近年では実業務を担当しながらマネジメントを行う「プレイングマネージャー」も注目されています。そのため、管理職と専門職のどちらを選ぶかは、将来のキャリアプランをしっかりと考慮したうえで選択するようにしましょう。