【2022年版】ITエンジニアの主要資格まとめ!転職やキャリアアップに役立つ資格紹介
この記事では、ITエンジニアの主要な国家資格、ベンダー資格をご紹介します。
この記事では、ITエンジニアの主要な国家資格、ベンダー資格をご紹介します。
キャリア
2022/06/24 UP
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ITエンジニアは、資格の有無よりも、スキルや経験といった実力が重視される職種です。ITエンジニアとしてキャリアを築いていくうえで、必ずしも資格は必要なものではありません。
それでも、ITエンジニアへの転職やキャリアアップの際に、資格を持っていると、スキルを客観的に証明するツールとして役立ちます。
この記事では、ITエンジニアの主要な国家資格、ベンダー資格をご紹介します。
ITエンジニアが資格を取得するメリット
特に未経験からITエンジニアに転身する、ITエンジニアとして業界内外でキャリアアップを図るといった際に、資格を持っていることが有利にはたらく可能性があります。
具体的なメリットを見ていきましょう。
自身のスキルを客観的に証明できる
資格を取得することで、その職種や分野で求められる知識・スキルを必要十分に有していることを客観的に証明できます。
未経験からITエンジニアにチャレンジする場合は、資格取得によって、経験こそなくとも知識を有していること、そして何より、不足している経験を積極的にキャッチアップしていこうという意欲を示せます。
ITエンジニアとしてキャリアアップを図る際も、実務で身につけた知識・スキルは汎用的でなかったり、偏っていたりすることが少なくありません。資格によって、その分野で求められる知識・スキルを網羅的にカバーしていることをアピールできます。
プロジェクトによっては、特定の資格を保有していることがアサイン条件になっていることもあります。資格は、スキルがあることの「信用」としてはたらきます。
体系的に知識を習得できる
上述したように、業務で身につけたスキルや、「これを知りたい、学びたい」と書籍や勉強会で得た知識は、その職種や分野で求められる知識・スキル全体を網羅できていないことが少なくありません。
資格の勉強をすると、求められる知識やスキルを効率よく、体系的に学習できます。
資格手当をもらえる可能性がある
従業員のスキルアップは、企業側としても自己啓発を促したいところです。積極的にIT資格を取得するよう、推奨している企業は多いです。企業の制度によっては、資格取得(特に国家資格)で報奨金が用意されているケースもあります。
ITエンジニアにおすすめの主要資格
アクセサリーを集めるように資格取得に邁進する人もいますが、「キャリアを築くうえで役に立つか」という点で資格は考えるのが基本です。自身が属する(あるいは目指す)職種・分野で使われている技術やプログラミング言語の資格取得を目指すとよいでしょう。
IT資格は、国家資格とベンダー資格に大別できます。まずは、基本的な国家資格を取得し、そのあと、自身が目指すキャリアパスに応じて、上位の国家資格やベンダー資格を取得していくことをおすすめします。
技術系基本資格(国家資格)
技術系の基本資格としてご紹介するのは、どの分野のITエンジニアでも取得しておいて損はない、オールマイティな2つの国家資格です。どちらも、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催しています。
・基本情報技術者試験(FP)
コンピュータの構成、セキリュティ、ネットワーク、データベース、開発の進め方など、ITエンジニアが押さえておくべき基本的知識が網羅されています。IPAも、基本情報処理技術者試験を「ITエンジニアの登竜門」と掲げています。
試験は、毎年春期と秋期の2回実施されており、合格率は25%程度です。
・応用情報技術者試験(AP)
基本情報技術者試験の合格者向けの資格です。技術面はさることながら、マネジメントや経営的な要素も学習範囲に入っています。この試験に合格すると、知識を応用して課題解決を図れる実践的なITエンジニアであることをアピールできます。
試験は、上期と下期の年2回、それぞれ一定期間、CBT(Computer Based Testing)方式で実施されています。合格率は20%程度です。
技術系上位資格(国家資格)
基本情報技術者試験や応用情報技術者試験に合格したら、専門知識を有する証明になる以下の国家資格にチャレンジするとよいでしょう。
これらもすべて、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催しています。
・システムアーキテクト試験(SA)
システムアーキテクトは、「業務とITのグランドデザイナー」です。合格すると、要件定義や外部設計といった、システム開発の上流工程を主導するために必要な知識を有していることをアピールできます。
試験は、毎年春期に1回実施されており、合格率は15%弱です。
・ネットワークスペシャリスト試験(NW)
ネットワークスペシャリストは、「ネットワーク社会を担う」存在に位置付けられています。合格すると、ネットワーク管理の専門性を発揮して、情報セキュリティを含めて情報システムの構築を技術支援できるネットワークエンジニアであることをアピールできます。
試験は、毎年春期に1回実施されており、合格率は15%弱です。
・データベーススペシャリスト試験(DB)
データベーススペシャリストは、「ビッグデータ時代に求められる、データ志向の担い手」です。合格すると、要件に応じたデータベースの技術選択や仕様策定ができるデータベースエンジニアであることをアピールできます。
試験は、毎年秋期に1回実施されており、合格率は65%程度です。
・エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)
エンベデッドシステムスペシャリストは、「IoT時代に欠かせない組込みシステムの腕利きエンジニア」です。合格すると、ハードウェアとソフトウェアを適切に組み合わせてIoTを含む組込みシステムの開発を主導できる組込みエンジニアであることをアピールできます。
試験は、毎年秋期に1回実施されており、合格率は70%強です。
・情報処理安全確保支援士試験(SC)
情報処理安全確保支援士は、「ITの安全・安心を支えるセキュリティの番人」です。合格すると、情報システムのセキュリティリスクを分析・評価し、技術と管理の両側面から提言できるセキュリティコンサルタントであることをアピールできます。
試験は、毎年春期と秋期の2回実施されており、合格率は15%程度です。
技術系資格(ベンダー資格)
ITベンダー各社が主催している認定試験に合格すると、その製品・サービスの専門知識を有している証明として役立ちます。代表的なベンダー資格には、次のものがあります。
・AWS認定資格(Amazon)
クラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」の運用・保守に必要な知識・スキルを保有していることが認定されます。
・ORACLE MASTER(日本オラクル)
データベースシリーズ「Oracle Database」を扱ううえで必要な知識・スキルを保有していることが認定されます。
・Oracle認定Java資格(日本オラクル)
プログラミング言語「Java」の知識・スキルを保有していることが認定されます。
・シスコ認定(シスコシステムズ)
コンピューターネットワークの知識・スキルを保有していることが認定されます。
マネジメント系資格(国家資格)
IT資格は、技術系だけに限りません。プロジェクトやシステムをマネジメントする存在としてのスキル保有の証明に使える国家資格として、以下のものもあります。
これらもすべて、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催しています。
・ITストラテジスト試験(ST)
データベーススペシャリストは、「経営とITを結びつける戦略家」です。合格すると、ITの観点から企業の経営戦略を策定〜推進できるITコンサルタントであることをアピールできます。
試験は、毎年春期に1回実施されており、合格率は15%弱です。
・システム監査技術者試験(AU)
システム監査技術者は、「独立した立場でITを監査する」存在です。合格すると、情報システムや組込みシステムのセキュリティを点検・保証する情報システム責任者を務められることをアピールできます。
試験は、毎年秋期に1回実施されており、合格率は15%弱です。
・ITサービスマネージャ試験(SM)
ITサービスマネージャは、「ITサービスの安定提供を約束する」存在です。合格すると、ITサービスの安全性と信頼性を保持する責任者を務められることをアピールできます。
試験は、毎年春期に1回実施されており、合格率は15%弱です。
・プロジェクトマネージャ試験(PM)
プロジェクトマネージャは、「ITプロジェクトの成功請負人」です。合格すると、QCD(品質、コスト、納期)の全責任を負いながらプロジェクトを遂行する開発責任者を務められることをアピールできます。
試験は、毎年秋期に1回実施されており、合格率は15%弱です。
IT系資格の勉強のしかた
IT系資格は、基本的に難易度が高いものが多いです。試験日から逆算をして、余裕をもって学習を進めていきましょう。学習法は、ほかの資格と同じように、「独学する」「プロから学ぶ」の2通りがあります。
参考書や問題集で独学する
受験分野に対してある程度ベースとなる知識を有している場合は、参考書や問題集を使って、独学で勉強するのもよいでしょう。IPAのWebサイトでは、過去問題をダウンロードできるほか、配点割合、回答例、採点講評も確認できます。
通信教育や講座を受講する
受験分野の基礎知識を有していない場合、効率よく学習を進めたい場合などは、通信教育やスクール受講でプロに学ぶことをおすすめします。
AWS認定資格など、ベンダー資格によっては、認定元がウェビナーを開催していることもあります。
ITエンジニアはキャリアパスに合わせて資格を取得しよう
ITエンジニアにとって、資格取得は、自身の知識やスキルを証左するものとして、転職やキャリアアップに役立つツールとなります。
やみくもに資格にチャレンジするのではなく、自身が目指すキャリアパスに合わせて、取得する資格を選択したり、資格取得のロードマップを立てたりしましょう。