ITエンジニアの資格取得メリットとは?おすすめ国家資格・ベンダー資格を紹介
この記事では、ITエンジニアが資格を取得するメリットや、資格を選ぶポイントについて解説します。
この記事では、ITエンジニアが資格を取得するメリットや、資格を選ぶポイントについて解説します。
キャリア
2023/07/04 UP
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ITエンジニアとして働くのに資格は必須条件ではありませんが、エンジニアの資格取得にはさまざまなメリットがあります。現在ITエンジニアとして活躍している方や、これからエンジニアを目指すという方のなかには、資格の取得を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、ITエンジニアの業務に役立つ資格は種類が多く、資格をどれか一つに絞るのは難しいものです。
この記事では、ITエンジニアが資格を取得するメリットや、資格を選ぶポイントについて解説します。おすすめの国家資格とベンダー資格も紹介するので、資格取得に悩んでいる方はぜひ最後までお読みください。
ITエンジニアが資格を取得するメリットとは?
まずは、ITエンジニアが資格を取得する3つのメリットについて見ていきましょう。
・スキルを客観的に証明できる
・給与アップが期待できる
・スキル向上になる
スキルを客観的に証明できる
ITエンジニアが資格を取得する大きなメリットは「自分のスキルを客観的に証明できる」ことです。
どの程度のスキルを身につけているのかは、自分では証明が難しいものです。資格があれば、資格取得に必要なスキルを一定レベルで習得していることを証明できます。
IT業界は経験や実績が重視される傾向にありますが、資格を取得すればスキルも武器にできるようになります。就職活動中の場合は、転職先の幅も広げられるでしょう。
給与アップが期待できる
資格を取得しスキルを証明できれば、人事評価の向上につながり、給与アップが期待できます。
資格取得制度を採用している企業の場合は、資格手当が支給される可能性もあります。資格手当に条件を定めている企業もあるため、資格手当の支給を目指す場合は、支給要件を確認しておきましょう。
スキル向上になる
資格の取得はスキルアップにもつながります。
IT関連の知識は膨大で、どの分野から勉強に手をつけるべきか悩んでいる方も少なくありません。そのような場合にも資格の取得は役立つでしょう。
資格試験の出題範囲は、その資格に必要な知識・スキルが網羅されています。そのため、資格取得に向けた勉強では、知識を体系的に学習することができます。
学習を通して知識を深化させるのはもちろんのこと、新たな知識を取得して実務に応用できれば、より実践的なスキルを身につけることが可能です。
IT系資格の2つの種類
IT系資格は、大きく分けて「国家資格」と「ベンダー資格」の2種類あります。それぞれの特徴について理解したうえで、取得する資格を選んでください。
国家資格
「国家資格」は、経済産業省所管の独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催している資格です。スキルレベルや専門分野に応じた複数の資格があるので、自分のレベルに合った資格試験を受験できます。
国家資格は日本国内での認知度が高く、スキルの証明に役立ちやすいでしょう。有効期限もないため、取得後に更新の手間がかからないメリットもあります。
ベンダー資格(民間資格)
「ベンダー資格」とは、ハードウェアやソフトウェア、OSなどのIT製品を提供している企業が主催する資格です。
特定の製品に対する知識やスキルを証明できるため、その製品を扱っている企業に転職する際は特に評価アップにつながります。
ただし、製品のアップデートなどがあると、製品を扱うための知識も変化します。そのため、ベンダー資格は有効期限が設けられているものが多いことが特徴です。
ITエンジニアが資格を選ぶ際のポイント
ITエンジニアが資格を選ぶ際は、以下の2つのポイントを押さえておくことが大切です。
・自分に合う難易度の資格取得を目指す
・目指すキャリアに役立つ資格を選ぶ
自分に合う難易度の資格取得を目指す
ITエンジニアの資格取得では、自分に合ったレベルの資格を選ぶことが重要です。
資格の取得難易度は、初級レベルのものから、実務経験者向けの高難度試験までさまざまです。自分のスキルよりも難しい資格への挑戦は、学習段階で内容を理解できずに挫折してしまう恐れがあります。また、取得まで長期間かかり、モチベーションの維持にも苦労するでしょう。
資格を選ぶ際は、自分の実力と同等か、少し難しいレベルの資格から挑戦するのがおすすめです。自分に合ったレベルの資格取得から目指すことで、基礎から応用まで、段階を踏んで知識を身につけられます。
目指すキャリアに役立つ資格を選ぶ
「自分の理想とするキャリアの実現」に役立つ資格を優先的に取得するのがおすすめです。
IT関連の資格は非常に種類が豊富です。そのため、目的を決めずに資格を選んでいては、自分のキャリアに活かせる資格の取得まで遠回りしてしまいます。
まずは自分のキャリアプランを明確にし、理想のキャリアを実現するのに必要なスキルを把握し、関連する資格を選ぶのがポイントです。
ITエンジニアにおすすめの国家資格
国家資格のなかで、ITエンジニアの仕事に共通して役立つ6つの資格を紹介します。
・基本情報技術者試験
・応用情報技術者試験
・システムアーキテクト試験
・ITサービスマネージャ試験
・ネットワークスペシャリスト試験
・プロジェクトマネージャ試験
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IPAが主催する情報処理技術者試験のなかで、基礎となる知識が要求される試験です。「ITエンジニアの登竜門」とも呼ばれ、新人エンジニア向けの資格といえます。
ITに関する基礎知識が網羅されている試験のため、資格勉強を通して基礎をしっかり固められます。基礎が定着すれば、その後の応用力の幅も広がります。
基本情報技術者試験について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
『新しくなった基本情報技術者試験とは?合格を目指すメリットや勉強法も紹介』
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位資格です。資格を取得することで、ITエンジニアとしての応用的な知識・スキルがあることが認定されます。
応用情報技術者試験の合格後2年間は、情報処理技術者試験の高度試験・情報処理安全確保支援士試験の一部(午前Ⅰ試験)が免除されます。期間内に高度試験を受験する場合は、申し込み時に申請するようにしましょう。
応用情報技術者試験について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
『応用情報技術者試験とはどのような試験?難易度や資格を取るメリットも説明』
システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験は、情報処理技術者試験のうち最も高難度のスキルレベル4に相当する資格です。資格取得によって、システム開発の上流工程を主導する能力があることが認定されます。
上級エンジニア向けの資格で、クライアントやコンサルタントが描くビジネスモデルを実現するために最適なシステムを設計するスキルが求められます。
システムアーキテクト試験について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
『システムアーキテクト(SA)とは?メリットやエンジニアとの違い、業務内容・試験の概要も解説』
ITサービスマネージャ試験
ITサービスマネージャ試験は、情報処理技術者試験のうち最も高難度のスキルレベル4に相当する資格です。資格取得により、顧客のニーズを踏まえたITサービスの改善ができるスキルがあることを証明できます。
ITサービスの計画立案・設計・移行・提供・改善の、一連の工程を主導するマネジメントスキルが要求されます。
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験は、情報処理技術者試験のうち最も高難度のスキルレベル4に相当する資格です。資格取得により、ネットワークの専門家として、大規模ネットワークなどのシステム開発を主導できるスキルがあることを証明できます。
ネットワークスペシャリスト試験について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
『ネットワークスペシャリストは取得する意味がない?取得するべき人とそうでない人の違い』
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、情報処理技術者試験のうち最も高難度のスキルレベル4に相当する資格です。資格取得により、システム開発プロジェクトを統括して総合的なマネジメントができるスキルを証明できます。
プロジェクトマネージャ試験について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
『プロジェクトマネージャ試験とは?試験の内容や出題形式、2022年の改訂について解説』
ITエンジニアにおすすめのベンダー資格
ITエンジニアにおすすめのベンダー資格を5種類紹介します。
・シスコ技術者認定資格(CCNA)
・AWS認定資格
・Google Cloud認定資格
・Microsoft認定資格(Azure)
・Python3エンジニア認定基礎試験
シスコ技術者認定資格(CCNA)
シスコ技術者認定資格(CCNA)は、ネットワーク機器大手のCisco社が認定する資格です。
レベルに応じた複数の認定試験を実施しており、CCNAはネットワークエンジニアの登竜門ともいえる、アソシエイトレベルの資格試験です。
シスコ技術者認定資格(CCNA)について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
『CCNAの難易度は?試験改正による傾向や他試験との合格率を比較』
AWS認定資格
AWS認定試験は、Amazon社が提供するクラウドプラットフォームである「AWS(Amazon Web Services)」に関する知識とスキルを認定する資格です。
レベルに合わせた複数の試験があり、実務で役立てる場合はアソシエイト以上の資格取得を目指すとよいでしょう。
AWSについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
『AWSとは?クラウドサーバでできることやメリットをわかりやすく解説』
Google Cloud認定資格
Google Cloud認定資格は、Googleが提供するクラウドサービス「GCP(Google Cloud Platform)」に関する知識とスキルを認定する資格です。レベルに合わせた複数の試験があり、アソシエイトを受けるにはGoogle Cloudでの実務経験が6ヵ月以上あることを推奨しています。
GCPは3大クラウドサービスの一つであり、資格を活かせるシーンが多いメリットがあります。
GCPについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
『Google Cloud Platformとは?特徴やサービスを具体的に解説』
Microsoft認定資格(Azure)
Microsoft認定資格は、Microsoftのソフトウェアやサービスなどの製品に関する知識とスキルを認定する資格です。
Microsoft社の提供するクラウドプラットフォーム「Azure」に関する試験もあり、クラウドスキルを証明するのに役立ちます。
Azureについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
『Azureとは何か?初心者向けにわかりやすく解説』
Python3エンジニア認定基礎試験
Python3エンジニア認定基礎試験は、Python言語の知識・スキルを証明する資格です。
Pythonは、AI開発など最先端技術を扱う現場でも使用されることの多い注目度の高い言語です。Pythonエンジニアの求人も増えており、資格取得により自身の市場価値を高められるでしょう。
Python3エンジニア認定基礎試験について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
『Python3エンジニア認定基礎試験について、重点分野や勉強方法を解説』
ITエンジニアの資格勉強のコツ
ITエンジニアの資格取得に向けた勉強方法のコツについて解説します。
学習スケジュールを立てる
最初に、具体的な学習スケジュールを立てることが重要です。
試験日に間に合うよう、余裕を持った計画を立てるようにしましょう。また「いつまでに何を勉強するか」を明確にしておけば、学習を進めやすくなります。
自分に合った教材を選ぶ
資格学習の方法には、参考書・過去問・Webサイト・動画教材・専門スクールなど、さまざまな手段があります。自分が理解しやすいと思う教材を選択しましょう。
教材は多く用意するよりも、特定の教材を繰り返し学習し、理解を深めていくのがおすすめです。
専門スクールの活用も検討する
独学では思うように知識が身につかないと感じる場合は、専門スクールの活用もおすすめです。
不明点は講師に質問できるため、効率良く学習が進められます。誰かと一緒に勉強することで、モチベーションも維持しやすくなるでしょう。
資格取得はITエンジニアのスキルを証明する有効な手段
ITエンジニアとして第一線で活躍しながら、資格取得を目指す方も少なくありません。
資格取得はスキルの証明として有効な手段であり、評価アップや給与アップにもつながります。転職時の武器にもなり、給与交渉などもしやすくなるでしょう。
まずは自分に合うレベルの資格からスタートし、将来的に専門性の高い資格取得を目指すことをおすすめします。
パソナでは、エンジニアのキャリア採用を積極的に行なっています。「エンジニアとしてキャリアアップしたい」「新しい環境でチャレンジしたい」という方は、ぜひご応募ください。