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AI時代のハッカソンに、メンターは何ができるのか― EFC Award 2025で見えた“つくる力”の本質 ―

福岡市が推進する Engineer Friendly City Fukuoka の取り組みの一つ、EFC Award(https://efc.fukuoka.jp/edd/)。 その中で開催されたハッカソンに、パソナのエンジニアがメンターとして参加しました。 生成AIの進化により、誰もが“つくれる時代”になった今。 メンターの役割はどう変わるのか。 現場で参加者と向き合ったパソナのエンジニア三谷さんの言葉から、 これからのものづくりに必要な視点を紐解きます。

AI時代のハッカソンに、メンターは何ができるのか― EFC Award 2025で見えた“つくる力”の本質 ―

福岡市が推進する Engineer Friendly City Fukuoka の取り組みの一つ、EFC Award(https://efc.fukuoka.jp/edd/)。 その中で開催されたハッカソンに、パソナのエンジニアがメンターとして参加しました。 生成AIの進化により、誰もが“つくれる時代”になった今。 メンターの役割はどう変わるのか。 現場で参加者と向き合ったパソナのエンジニア三谷さんの言葉から、 これからのものづくりに必要な視点を紐解きます。

スキルアップ

2026/04/03 UP

「参加者」から「メンター」へ。立場が変わって見えたもの

今回メンターとして参加した三谷さんは、前回のEFC Awardでは参加者側としてイベントに関わっていた。
※前回参加時の記事はこちら

「その経験があったからこそ、今回はメンターとして関わりたいと思いました」

立場が変わったことで見えたのは、ハッカソンという場の“多様さ”だった。

参加者の年代も、技術レベルもバラバラ。
さらに今回は、生成AIの進化によって開発スタイルそのものが大きく変わっていたという。

 

生成AIが当たり前になった現場で起きていたこと

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「前回よりも、生成AIを活用した“バイブコーディング”をしている参加者が多かったですね」

AIに質問しながら開発を進めるスタイルはすでに一般化し、
開発未経験の参加者でも、短期間で高いクオリティのプロトタイプを完成させていた。

一方で、こんな声もあった。

「AIがコードを生成するまでの間、何をしたらいいか分からない」

生成AIが開発を加速させる一方で、
“待ち時間”という新しい課題も生まれていた。

これは、これまでにはなかった視点だ。

 

メンターとして伝えた「やり抜く力」

技術的な支援以上に、今回メンターとして重視していたことがある。

それは、「最後までやり切ること」だ。

「実は、プロトタイプを完成させて発表までたどり着く人は多くありません。
だからこそ、キックオフの段階で“やり抜くことの大切さ”を伝えました」

AIによって“作るハードル”は下がった。
しかし、“やり切る力”の重要性は、むしろ増しているのかもしれない。

 

技術ではなく「背景」に向き合う

メンターとして意識していたのは、技術そのものだけではない。

「作ったものに対してシンプルに興味を持つこと。
なぜそれを作ろうと思ったのか、その背景に関心を向けることを大事にしました」

正解を教えるのではなく、相手の思考や動機に寄り添う。
それが、これからのメンタリングのあり方なのかもしれない。

 

高校生チーム「ANSLIN」が見せたものづくりの原点

特に印象に残ったのは、高校生チームによるプロジェクト「ANSLIN」。

災害時など通信が途絶えた環境でも、Bluetoothを使って安否確認ができるアプリを開発していた。

「ぎっしりアイデアが詰まったノートを持ち歩いていて、“学校でもすぐ見せられるから”と話していたのが印象的でした」

最新技術を使うかどうか以上に、
「何を解決したいのか」という強い想いが、プロダクトの価値を決める。

その原点を、改めて感じる瞬間だった。

 

パソナ賞に込めた視点――「何をつくるか」より「なぜつくるか」


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今回のEFC Awardでは、パソナとして協賛し「パソナ賞」の授与も行った。

メンターとして参加する中で感じていたのは、単に技術力や完成度だけでは測れない価値の存在だ。

「プロトタイプのクオリティは、生成AIの影響もあって全体的に高くなっていました。
だからこそ、“何をつくったか”だけでなく、“なぜそれをつくろうとしたのか”を大事にしたいと思いました」

評価の軸となったのは、技術そのものではなく、その背景にある課題意識や想い。
誰のどんな課題を解決しようとしているのか。
なぜそのテーマに向き合ったのか。

そうした“ストーリー”に目を向けることが、パソナとしてのスタンスでもある。

AIによって開発のハードルが下がった今だからこそ、人の意思や着眼点の価値は、より一層際立つ。

「どんなに技術が進化しても、“何を考えて、何をつくるのか”は人にしか決められません」

パソナ賞には、そんなメッセージが込められた。

 

バイブコーディング”の時代でも、変わらないもの

生成AIの進化によって、開発のスピードもスタイルも変わった。

それでも、変わらないものがある。

「結局は、何かを考えてモノを作ること自体が面白い」

未経験の参加者や学生が夢中で開発に向き合う姿は、
メンター自身にも強い刺激を与えていた。

「自分もまた、何かを作りたいと思いました」

 

福岡だからこそ生まれるつながり

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福岡のテックコミュニティの特徴についても、こう語る。

「コミュニティや勉強会が多すぎないので、逆に迷いにくい。
参加しているエンジニア同士の距離も近く、密につながっている感覚があります」

さらに、フルリモートで東京の企業に所属しながら福岡で働くエンジニアとも自然に接点が生まれる。

都市の規模とコミュニティの密度が、ちょうどいいバランスで共存しているのが福岡の魅力だ。

 

これから挑戦する人へ

最後に、これからエンジニアを目指す人たちへのメッセージを聞いた。

「今は、簡単なアプリなら短時間で作れる時代です。
だからこそ、モノづくりそのものの楽しさを、自分の手で感じてほしい」

そしてもう一つ、重要な視点がある。

「基礎はやっぱり大事です。
数学や語学を通じて身につく“構造化して考える力”は、AI時代でも変わらず必要になります」

技術が進化しても、
“考える力”と“やり抜く力”は、人にしか育てられない。

 

 

生成AIによって、誰もが“つくれる時代”になりました。
しかしその中で、何をつくり、どうやり抜くのか。

その問いに向き合う人の姿こそが、
これからのエンジニアの価値を形づくっていく。

パソナのエンジニアは、そうした挑戦の現場に、これからも関わり続けていきます。