セキュリティエンジニアとは?仕事内容や必要資格および未経験から目指す方法を解説
セキュリティエンジニアの仕事内容や年収、必要スキルやおすすめの資格について解説します。また、セキュリティエンジニアを目指す方法についても触れていきます。
セキュリティエンジニアの仕事内容や年収、必要スキルやおすすめの資格について解説します。また、セキュリティエンジニアを目指す方法についても触れていきます。
キャリア
2021/07/16 UP
- キャリアパス
- セキュリティエンジニア
- 仕事内容
- SE資格・スキル
- セキュリティ
近年、個人情報の扱いについての関心が高まっており、セキュリティエンジニアの仕事が注目されています。セキュリティエンジニアと他のITエンジニアの違いとは、どのような点にあるのでしょうか?
この記事では、セキュリティエンジニアの仕事内容や年収、必要スキルやおすすめの資格について解説します。また、セキュリティエンジニアを目指す方法についても触れていきます。
セキュリティエンジニアとは
セキュリティエンジニアとは、「情報セキュリティ」に関する業務に特化したエンジニアのことを指します。
セキュリティエンジニアは主に、情報セキュリティを考慮したシステムの設計や、運用管理を行なう仕事です。また、新しいシステムの構築だけでなく、サイバー攻撃を未然に防ぐための調査や、セキュリティを向上させるために既存システムの改善なども担当します。
セキュリティエンジニアは「ホワイトハッカー」と呼ばれることもあります。どちらの職種もほぼ同義と考えられることが多いですが、セキュリティエンジニアは情報を保持するためのシステム構築が主な仕事であり、一方でホワイトハッカーは外部からの不正アクセス(ハッキング)を防ぐエンジニアを指すという点に違いがあります。
近年、多くのビジネスシーンでクラウドツールが活用されるようになり、同時に多くの企業情報が常にサイバー攻撃を受ける可能性にさらされています。ひとたび個人情報の流出が起きれば、企業が大きなダメージを受けることは必至です。
そうした世情を受け、情報セキュリティ対策のプロフェッショナルであるセキュリティエンジニアの役割がより重要視されるようになりました。
セキュリティエンジニアの主な仕事内容
セキュリティエンジニアの仕事内容について、具体的にみていきましょう。
セキュリティ全般の企画・提案
セキュリティエンジニアは構築されたシステムのセキュリティに関する企画・提案を行ないます。
どのようなセキュリティが必要かを、対象となるシステムの調査や分析を行なったうえで検討し、クライアントに提案していきます。
セキュリティエンジニアはこうした業務を担うため、「セキュリティコンサルタント」と呼ばれることもあります。
セキュリティ設計
セキュリティ方針が決まったら、次に設計を行ないます。
セキュリティ設計を行なう際は、システムの置かれている環境や関連機器、運用形態、ネットワークなどを考慮する必要があります。
そのため設計の際は、ネットワークや、サーバー機器などのハードウェア、アプリケーションなどに関する幅広い知識が求められることとなります。
セキュリティの実装
設計した内容をもとに、セキュリティを実装します。
実装の際は、セキュリティエンジニアはネットワーク機器やOS設定のほか、プログラミングも行なうことがあります。
Webアプリケーションの脆弱性とその対処法には、さまざまな種類があります。そのため常に最新のセキュリティ情報に更新し、適切な実装を行なう必要があります。
セキュリティシステムの検査・テスト
セキュリティを実装したシステムに対して、潜在的な脆弱性がないか検査・テストをして検証します。このセキュリティの調査は「脆弱性診断」や「脆弱性検査」とも呼ばれます。
セキュリティが十分かどうかを検証するために、ペネトレーションテストと呼ばれる疑似サイバー攻撃を行なうこともあります。さらに、実際にシステムを検証するだけでなく、入念にソースコードのチェックも行ないます。
セキュリティの運用・保守
セキュリティ導入後は、システムを安全に運用することも重要な業務の一つとなります。
システムを安全に運用するため、常に最新のセキュリティ情報を入手し、必要に応じてOSやアプリケーションのアップデートを実施していきます。
また、サイバー攻撃に備えた調査や改善を行ない、システムを常に安全に運用できるように管理します。もしサイバー攻撃があった際には、セキュリティエンジニアも対処にあたります。
セキュリティエンジニアになるために必要なスキル
このように、適切なセキュリティをシステムに導入し運用していく必要があるのがセキュリティエンジニアです。そのため、セキュリティエンジニアにはさまざまなスキルが求められます。
ここではセキュリティエンジニアに求められるスキルについて解説していきます。
情報セキュリティマネジメントに関する幅広い知識
セキュリティエンジニアは、セキュリティシステムを企画から設計・実装・運用に至るまでのさまざまな工程を担当します。そのため、ITに関する幅広い知識が求められることになります。
OS機器などのハードウェアや、サーバー、セキュリティ、ネットワークの知識のほか、個人情報保護法などの法令に関する知識があることも重要です。
プログラミングスキル
セキュリティエンジニアは、セキュリティシステムの開発も行なうため、プログラミングスキルも求められます。
そのためセキュリティエンジニアを目指す際には、セキュリティに関する知識だけではなく、プログラミング言語についての知識やプログラミングスキルも身に付けておく必要があります。
コミュニケーション能力
セキュリティエンジニアは一人でシステム開発や運用をしているイメージが強いかもしれません。
しかし実際は、クライアントに対して必要なシステムの提案を行なったり、エンジニア間や他部署との連携が必要となることも多く、コミュニケーション力が非常に大切な仕事でもあります。
特にクライアントに対して提案を行なう場合は、セキュリティに関する専門的な話をいかにわかりやすく、双方の認識に齟齬が生じないように説明できるかが重要となります。
セキュリティエンジニアの将来性
近年、多くの企業でクラウドツールが活用されるようになりました。その一方でサイバー攻撃の多様化も進んでおり、セキュリティエンジニアへの期待や需要は年々高まっています。
もし企業がサイバー攻撃により企業情報・個人情報を流出してしまった場合、企業への信頼が損なわれ、事業に大ダメージを受けることになります。またキャッシュレス決済が普及したことにより、この分野でのセキュリティの強化も新たな課題となっています。
このように、さまざまな分野でセキュリティエンジニアを求める企業は増加していますが、一方でセキュリティエンジニアは人材不足が深刻な問題となっています。そのため、企業はセキュリティエンジニアを確保するために、厚待遇・高収入での採用を行なうケースが多い傾向にあります。セキュリティエンジニアの将来性は高いといえるでしょう。
セキュリティエンジニアにキャリアチェンジするには?
では、セキュリティエンジニアにキャリアチェンジするにはどうすればよいのでしょうか?
セキュリティエンジニアは専門性の強い仕事であり、さまざまな知識が必要となる仕事のため、まったくの未経験からいきなりセキュリティエンジニアの仕事に就くのは難しいといわざるを得ません。
そのためセキュリティエンジニアとなる方の多くは、他職種のエンジニアからセキュリティエンジニアを目指すこととなります。
例えば、システムエンジニアやインフラエンジニアなどで経験を積んで、その経験を活かしてセキュリティエンジニアにキャリアチェンジすることを検討する、といった具合です。
もしセキュリティエンジニアを目指す場合は、他職種のエンジニアとしての実務経験を積みながら、セキュリティエンジニアに必要なさまざまな知識や、後述するCompTIA Security+などの資格取得をしていくとよいでしょう。
セキュリティエンジニアにおすすめの資格
セキュリティエンジニアを目指す方法の一つに資格取得があることをご紹介しましたが、ここからは、実際にセキュリティエンジニアを目指す方におすすめの資格をご紹介します。
シスコ技術者認定
「シスコ技術者認定」は、シスコ社製品におけるネットワーク保護に関する資格です。
難易度は、ネットワークセキュリティに関する基礎知識を認定する「CCENT」から、セキュリティエンジニアになるための基礎資格「CCNA Security」、セキュリティエンジニアの上位資格「CCNP Security」、最高難度の「CCIE Security」の4種類。なかでもCCIE Securityは国際的にも通用する資格です。
シスコ技術者認定の上位資格を受験するには、下位資格を取得する必要があります。
個人情報保護士認定試験
「個人情報保護士認定試験」は、個人情報に関する正しい知識と安全に関する体系的な理解と、企業実務において個人情報の有効活用や管理・運用に必要な知識を持つ人材を認定する資格試験です。
個人情報の保護に関する知識を認定する資格のため、セキュリティエンジニア以外の仕事にも活かすことも可能。エンジニアとして活躍するために、ぜひ取得しておきたい資格の一つです。
CompTIA Security+
「CompTIA Security+」はITセキュリティと知識に関する試験です。国際的にも認知度が高く、いわゆるプロフェッショナル向けの資格といえます。
試験問題は、ネットワークセキュリティの脅威・攻撃・脆弱性、セキュリティシステム保守・運用、システム設計、暗号化やリスク管理など、幅広い分野から出題される傾向にあります。
セキュリティエンジニアは需要が高く将来性のある仕事
クラウドツールやキャッシュレス決済など、ネットワークビジネスが普及したことで、各種情報の取り扱いへの関心が非常に高まっています。
ひとたび個人情報の漏洩が起きればニュースや新聞で報道され、企業は事業に大きなダメージを負うこととなります。絶えず進化するサイバー攻撃の手口に対し、いかに企業情報を守り、運用していくか。セキュリティエンジニアの仕事は、企業の未来を担うやりがいの大きな仕事といえるでしょう。
セキュリティエンジニアは需要に対して、まだまだ人手が足りていない状況です。将来のキャリアパスの一つとして、将来性のあるセキュリティエンジニアも視野に入れてみてはいかがでしょうか。