セールスエンジニアの仕事内容とは?営業職との違い・将来性・求められるスキルについて
この記事では、セールスエンジニアの仕事内容や、一般の営業職との違い、働くうえで必要となるスキルについて解説します。
この記事では、セールスエンジニアの仕事内容や、一般の営業職との違い、働くうえで必要となるスキルについて解説します。
キャリア
2022/04/17 UP
- 仕事内容
- SE資格・スキル
- 将来性
- キャリアパス
近年、多くの企業が事業にIT製品を導入するようになりました。ニーズの増加にともない、次々と新しいIT製品・サービスが生み出されています。
IT製品は専門性が高く、一般の営業職では商品提案が難しい場合も少なくありません。そこで、IT技術の専門知識を活かして提案をフォローする「セールスエンジニア」が注目を集めています。
セールスエンジニアという名前から、漠然と「営業活動に関わるエンジニア」というイメージは抱いているものの、具体的な仕事内容は知らないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、セールスエンジニアの仕事内容や、一般の営業職との違い、働くうえで必要となるスキルについて解説します。
セールスエンジニアとは?
セールスエンジニアとは、IT技術と営業の知識・スキルを併せ持ち、営業現場で活躍するエンジニアのことを指します。ITエンジニアとして培ってきた経験を活かすことで、より説得力のある提案が可能となり、技術面からアドバイスすることもできます。
セールスエンジニアは個人で企業を訪問する場合もありますが、営業担当に同行して技術面のサポートをするといった働き方もあります。
ITの専門知識・現場経験のあるセールスエンジニアが営業をすることで、提案先の企業からより信頼を得やすく、商談がまとまりやすいというメリットがあります。
セールスエンジニアと営業職の違い
セールスエンジニアと営業職は、どちらも自社で扱う製品の営業をする仕事です。契約を成立させるために、商談で提案や交渉をするという点はどちらも変わりません。セールスエンジニアは一般の営業職に比べて、営業スキル以上に技術面の知識・スキルを強みに製品・サービスの提案をすることに特化した職種といえます。
IT製品は、製品の特長やサービス内容が複雑であるため、営業する際に高い専門性が求められます。IT技術に精通しているセールスエンジニアが製品の説明・提案をすることで、顧客に大きな安心感を与えることができるのです。
セールスエンジニアとして働いている人のなかには、営業職またはエンジニアを経験している方も多くいます。すでにエンジニアとして働いている場合は、上司に相談したり、セールスエンジニアを募集している企業へ転職したりすることで、セールスエンジニアへのキャリアチェンジが可能です。
営業職として働いている場合は、IT知識を身に付ける必要があります。IT関連の資格取得などをとおして、知識を増やしていくとよいでしょう。
セールスエンジニアの仕事内容
セールスエンジニアの仕事は営業活動のほか、技術的な面でのサポートなどさまざまです。この章では、セールスエンジニアのおもな仕事内容について、具体的にみていきましょう。
自社製品・サービスの紹介・説明
自社製品・サービスを安心して購入してもらうため、ITの専門知識を活かして商品提案を行ないます。
セールスエンジニアは製品・サービスの概要説明だけでなく、エンジニアとしてより詳細な提案ができるため、顧客からの信用も得やすいという特徴があります。
営業担当者に同行するケースでは、主要な提案を営業担当が行ない、セールスエンジニアはおもに商品説明のフォローを担います。
営業テクニックや商品の仕様に関する知識はもちろんのこと、相手の質問に柔軟に回答できるだけの幅広いIT知識が求められます。また、IT技術に関する専門知識を、IT初心者にもわかりやすく説明することも重要です。
自社製品・サービスのプレゼンテーション
営業先の企業で、セールスエンジニアが自社製品を実演・プレゼンテーションすることもあります。製品を視覚的にアピールできるほか、顧客も実際に製品が動いている状態を見ることができるため、製品イメージがつかみやすいというメリットがあります。
プレゼンテーションでは、企業側の要望が出されることも少なくありません。そのため自社サービスで顧客の要望をかなえられるのかなど、その場で適切に回答できる製品知識・ITスキルが求められます。
顧客の課題を解決するための技術的な提案
企業が抱える課題を発見し、それを改善するための規格・提案なども行ないます。
商談の場ですぐに解決できない課題も多く、長期的な改善方法を提案することもあります。企業ごとに適した提案をするために、IT技術に関する幅広い知識のほか、自社製品に精通していることが求められます。
アフターサポート
自社製品・サービスを納品したあとのアフターサポートも、セールスエンジニアの重要な仕事です。
商品を購入したあと「売りっぱなし」で放置してしまうと、顧客の心証を悪くしてしまいます。実際に商品を利用した感想や状況確認、何か困りごとはないかなど、定期的にヒアリング・フォローすることで顧客との信頼関係を構築することができるのです。
また、不具合がある場合は原因を究明し、解決しなくてはなりません。製品自体の故障なのか、設定上のミスなのかを見極める必要もあり、高度なITスキルと製品知識が求められます。
セールスエンジニアに求められるスキル
セールスエンジニアは、顧客に安心して自社製品を購入してもらうためにさまざまなスキルが要求されます。セールスエンジニアに求められる、おもな知識・スキルについてみていきましょう。
自社製品・サービスの知識
セールスエンジニアには、自社製品・サービスに対する深い知識が求められます。
顧客の要望を自社製品でかなえることができるのか、顧客の課題解決のためにはどのようなサービスが必要なのかを判断したうえで、適切な商品を提案しなくてはなりません。
IT技術の進歩とともに新しい製品の開発も進んでいきます。常に好奇心を持って、製品知識を蓄えていくことが大切です。
高度なIT知識
顧客の要望に対してより専門的な回答をする必要があるため、セールスエンジニアはITに関する高度な知見が必要となります。また、専門性の高い話をかみ砕いて、わかりやすく説明するスキルも重要です。
商品のデモ実演やプレゼンテーションでは、その場でサンプルプログラムを作ることもあります。その場合は、実際の動作環境に合わせ、柔軟に対応することが求められます。
セールスエンジニアは一般の営業職に比べ、より高度な知識・スキルが求められます。自社の売上を左右する責任ある仕事ですが、頑張りが数字として見える分、やりがいを感じることができるでしょう。
コミュニケーションスキル
セールスエンジニアは営業として、顧客に自社製品を購入・契約してもらう必要があります。ITに関する知識のほか、IT知識を活かした説得力のある提案や、商談をクロージングさせるための話術などのコミュニケーションスキルも求められるのです。
企業への改善提案やアフターサポートなども担当するため、顧客と長期的な付き合いをする場合も少なくありません。セールスエンジニアは顧客と接する機会が多いため、常に自社の顔としての立ち居振る舞いを心がける必要があります。
また、セールスエンジニアが顧客のプロジェクト会議に参加することもあります。シーンに応じて柔軟に対応できるコミュニケーションスキルが求められる仕事といえるでしょう。
セールスエンジニアの将来性
日々新しいIT製品が開発されている一方で、IT技術に関する専門的な説明ができる営業はまだまだ少ないのが現状です。
IT製品の営業はただ商品をアピールするだけでなく、顧客の要望をヒアリングし、導入メリットや活用方法を詳細に説明する必要があります。また、顧客ごとに課題は異なっているため、その顧客に合わせた回答をすることも求められます。
IT製品を導入する企業は年々増加しており、今後も次々と新しい製品が登場することでしょう。新製品を売るために、セールスエンジニアを求める現場はますます増えていくことが予想されます。高度なIT知識を有するセールスエンジニは、今後も高い需要が見込める仕事といえるのです。
セールスエンジニアのキャリアパス
セールスエンジニアは営業とエンジニアの両側面があるため、将来それぞれの仕事に特化していくことも可能です。
例えば、ITスキルを伸ばして、システムエンジニアやインフラエンジニア、ITコンサルタントにキャリアチェンジすることもできます。
また、セールスエンジニアとして経験を積み、マネジメントスキルを身に付けることで、管理職のセールスマネージャーを目指すという道もあります。
セールスエンジニアとして働き続ける場合も、自身の市場価値を高めるため、常に最新の知識・スキルを身に付けるよう意識しておくとよいでしょう。
セールスエンジニアには高度なIT知識・営業スキルが求められる
セールスエンジニアは、営業職とITエンジニアの両方の強みを兼ねそろえた職種です。セールスエンジニアが専門的な知識を活かして説得力のある商品説明をすることで、顧客に安心感をもって商品を使ってもらうことができます。
セールスエンジニアは、顧客が抱える課題に対してその都度最適な提案をする必要があります。そのため高度なIT知識に加え、コミュニケーションや営業のスキルも求められるのです。
セールスエンジニアなどの営業職は、いわば会社の顔ともいえる存在です。より専門的な話ができる人材が商品提案をすることで、提案内容の説得力が増し、自社への信用を高めることにもつながります。
責任のある仕事ですが、顧客と直接話をする機会も多く、実績が数字として見えるため、やりがいを感じる機会も多いでしょう。