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ITエンジニア15種類を一覧で一挙紹介!

さまざまなエンジニアの違いや、必要とされるスキル、今後の需要の変化やキャリアパスなどを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

ITエンジニア15種類を一覧で一挙紹介!

さまざまなエンジニアの違いや、必要とされるスキル、今後の需要の変化やキャリアパスなどを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

知識・情報

2023/08/02 UP

高い専門性を持つ職業であるエンジニアは、その需要の高さもあいまって、近年、求人市場が拡大しています。今回はエンジニアの中でもとくにIT系とも言われる、汎用機からWeb開発、組み込み、セキュリティ、セールスまで、代表的な職種を10種類ピックアップして解説していきます。

さまざまなエンジニアの違いや、必要とされるスキル、今後の需要の変化やキャリアパスなどを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

汎用/オープン系の種類

汎用/オープン系は、基本的に企業の業務系アプリケーションの開発が中心です。会計や人事、販売管理、社内システムなど、大規模なシステムの開発と構築、保守、運用を行います。

汎用系開発は、COBOL(コボル)などの言語を用いて大手金融機関(クレジットカード、各種保険、銀行など)の基幹システムの改修、再構築、運用保守の業務が多くなります。

オープン系は、Linuxや.NET Framework、Windowsなどの開発環境で、JavaやC++、.Netなどの言語を中心にシステムの構築を行います。

システムエンジニア

システムエンジニア

こうした汎用/オープン系のシステムの提案・設計を行うポジションをシステムエンジニアと言います。ITの知識やエンジニアとしての技術とともに、担当する案件の業界知識も求められます。

今までは、大手Sierや、その傘下で開発を受託するSES企業に多くの就職希望者が集まっていました。しかし、一般企業が社内システムの開発や再構築を行う際、システム開発は外部ではなく社内で行う流れにトレンドが変わってきました。企業戦略の一つとして、外部開発では得られないノウハウの蓄積や、スピード感のある開発を行い、IT戦略に対する体力強化を目指す企業が増えたことも影響しています。

急速なIT市場の拡大に伴い、需要も大きく高まっていることから、システムエンジニアは将来性のある仕事と言えます。そのため、一般企業でも、企画・開発・運用・保守の4つの段階の仕事を自社内で行える社内SEを積極的に採用する動きが高まってきています。

システムエンジニアの年収

厚生労働省の『賃金構造基本統計調査(2019年)』によると、システムエンジニアの平均年収は568万円です。(会社規模が10人以上のデータを参照)

国税庁の民間給与実態統計調査(2021年)では、日本の給与所得者の平均年収は443万円であり、システムエンジニアの年収は全体平均より高い水準にあることがわかります。

システムエンジニアは年収幅の比較的広く、個人のスキルや就業先によって収入に差が見られます。

参照:
賃金構造基本統計調査(2019年)
令和3年分 民間給与実態統計調査

システムエンジニアのキャリアパス

システムエンジニアにはさまざまなキャリアパスがあります。

マネジメント能力を高めれば、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーになることも可能です。また、上流工程に携わった経験を活かしてコンサルタントを目指す道もあります。システムエンジニアとして実績を積み、フリーランスとして独立する方も多くいます。

情報処理技術者試験を受験し、国家資格を取得して、スキルに箔を付けるのもよいでしょう。

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ブリッジエンジニア

ブリッジエンジニア

ブリッジエンジニアは、国内と海外の開発現場をつなげる、基本的にプロジェクトマネージャーのような役割を担っています。日本はエンジニアが不足しており、海外人材を採用して現地開発を行なう企業も増えてきています。

しかし、海外の開発会社への依頼には、意思疎通や品質維持に関する問題が発生するリスクがあるのも事実です。そこで、開発スキルのほか、言語能力や文化、ビジネス習慣を把握したブリッジエンジニアが、両国の橋渡し役になって問題解決につなげていきます。

ブリッジエンジニアのキャリアパス

システム開発の知識とマネジメントスキルを併せ持つブリッジエンジニアには、さまざまなキャリアパスがあります。

例えば、プロジェクトマネジメント経験を活かしてプロジェクトマネージャーを目指したり、IT知識を活かしてシステムエンジニアやITコンサルタントになる道もあります。

ブリッジエンジニアは希少な人材であり、キャリアパスも決まってはいません。そのため、自由にキャリアを描けるという魅力もあります。多様性に富んだエンジニアやクライアントと協働してきた経験は、あらゆるシーンで重宝されるでしょう。

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Web系エンジニアの種類

Web系エンジニアは、ユーザーの目に触れるフロント開発から、普段はまったく見えないサーバサイドでの開発、ネットワークインフラのような物理的な部分を支えるエンジニアなど、大きく5つにわけられます。どれも同じWeb系に分類されますが、まったく異なる分野で技術力を発揮しています。

どの分野も需要が高いのがWeb系エンジニアの特徴ですが、エンジニアを目指す人の数が需要を上回ることも多いため、常にアンテナを張り、緊張感を持った自己研鑽が求められる分野でもあります。

サーバサイドエンジニア(バックエンドエンジニア)

サーバサイドエンジニア(バックエンドエンジニア)

サーバサイドエンジニアには、PHP、Rubyなどのサーバサイド言語のスキルが重要です。また、サーバの機器やソフトウェアの構成は毎回のように異なっていることが多いため、構築するシステムに合わせた幅広い知識が求められます。そのため、これまでのような、需要が高かった特定のシステムに対して、専門的な知識と技術を持つエンジニアよりも、専門性の幅が広く、どのような要請にも対応できるエンジニアを求める傾向が強くなっています。

技術力のレベルを証明するために、さまざまな資格取得を求められるのもこの分野の特徴です。そのため、LinuC(Linux技術者認定)やRHCSA、MCPなどの民間資格の取得に向けた勉強をするのもおすすめです。

サーバサイドエンジニアのキャリアパス

サーバサイドエンジニアは、身につけた技術力でその後のキャリアパスが大きく変わります。サーバサイドの技術をより深めてスペシャリストを目指す他、フロントエンドエンジニアとしてのスキルを身に着ければ両者を兼務でき、より需要の高いフルスタックエンジニアを目指すこともできます。

サーバサイドエンジニアは、身に付けた技術力によって、その後のキャリアパスが大きく変わります。

バックエンドとフロントエンドの両方のスキルを身に付け、フロントエンドエンジニアを目指す方もいます。複数の開発業務を兼任できるフルスタックエンジニアは需要が高く、将来性も高い仕事です。

サーバサイドの開発に欠かせないセキュリティの知識を深め、セキュリティエンジニアになることも可能です。また、サーバサイドの技術を探求して、サーバのスペシャリストを目指すこともできます。

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フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニア

Webサイト上で、ユーザーが直接触れる部分を構築・実装するのがフロントエンドエンジニアです。フロントエンドエンジニアは、Webデザイナーと仕事内容が似ていますが、コーディングスキルに重点を置いている点が大きく違うところです(所属する会社や担当する案件によっては、フロントエンドエンジニアが、デザインの一部を担当することもあります)。

デザイナーが考えたデザインを再現するにはどういったコーディングをすればいいのか、また、デザインを再現するにはどのような方法があるのかなど、Webデザイナーの相談に応じる立場でもあります。

フロントエンドエンジニアは、コーディングに必要となるHTML、CSS、JavaScriptのスキルが求められます。またWordPressなどのCMSの構築やプラグインの改修、カスタマイズも担当するため、PHPやMySQLの知識も求められます。

Webサイトに対する需要の高まりに合わせ、フロントエンドエンジニアの需要も高くなっています。しかし、フロントエンドの技術は進歩が目まぐるしく、トレンドの移り変わりも早いため、常に新しい技術を身に付けていく必要があります。

フロントエンドエンジニアのキャリアパス

フロントエンドエンジニアには多彩なキャリアパスがあります。

デザイン能力を身に付けてWebデザイナーを兼務する人もいれば、サーバサイドエンジニアとしてのスキルを磨きフルスタックエンジニアを目指す人、UI/UXエンジニアとしてキャリアを伸ばす人など、そのキャリアはさまざまです。

また、サーバサイドやインフラの知識を身に付けて、より市場価値の高いフルスタックエンジニアを目指す道もあります。

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ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアとは、インフラ系の中でも、とくに機器同士を接続するスイッチやルーター、回線系の接続や、ネットワークシステムを構築するエンジニアです。システムの設計段階からプロジェクトに参画し、提案、システムの構築、保守・運営までをすべてカバーする立場にいます。そのため、ネットワーク機器に対する知識と技術を求められるだけでなく、クライアントへのヒアリングや、提案のためのコミュニケーション能力も必要となります。

ネットワークエンジニアは、ITインフラを担うエンジニアとして、インターネットが普及し、誰もがスマートデバイスを所有する時代において、需要が高まっています。ハードウェア的な知識と技術が必要になることから、常に人材不足が叫ばれ、需要は一貫して高い水準にあります。そのぶん、クラウド系を含むネットワーク関係の継続的なスキルアップは必須となります。

ネットワークエンジニアのキャリアパス

ネットワークエンジニアのキャリアパスは大きく二つに分かれます。

一つは、Webサービスや情報システムに関する全般的な知識とスキルを備え、Webを含むネットワーク系すべてをカバーするゼネラリストを目指すことです。スペシャリスト系のキャリアパスには、ネットワークスペシャリストやセキュリティエンジニアなどがあります。

もう一つは、特定の分野において、非常に深い知識と技術を身に付けるスペシャリストを目指すというものです。ゼネラリスト系のキャリアパスには、プロジェクトマネージャー、ITコンサルタントなどがあります。

いずれの場合も「基本情報技術者資格」「応用情報技術者資格」「CCNA」「ネットワークスペシャリスト」などの資格取得が有効になります。

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インフラエンジニア

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、サーバの設計や構築、運用・保守を行うエンジニアです。ネットワークエンジニアと違い、サーバエンジニアは企業の情報システムを運用するためのサーバを構築していきます。

現在は監視と復旧を含め、下流工程の自動化が進んだこともあり、かつてのように常駐してサーバ監視をする必要はなくなりました。しかし、人間の判断が求められる部分もあるため、保守・運用の人手不足が解消しているわけではありません。

クラウドの台頭により、オンプレミスサーバを導入する企業は減少傾向にあります。以前に比べるとインフラエンジニアの需要は低くなりつつありますが、設計や構築の段階では人の手が必要になります。

また、既に導入されているオンプレミスサーバの管理や保守・運用、改修などにもインフラエンジニアの人手は必要になります。そのため、インフラエンジニアを目指すのであれば、クラウドとオンプレミスの両方を使える人材になるのが重要です。

ゲーム業界ではネットワーク化が標準になり、大規模なトラフィックに耐えうるサーバが必要となるオンラインゲームが主流なりました。またAI、IoTといった新しい技術も、より高性能なインフラを求めています。このような時代背景もあり、インフラエンジニアに対する需要がなくなることはないと思われます。

インフラエンジニアのキャリアパス

インフラエンジニアは、高度な専門性を活かした多彩なキャリアパスがあります。

例えば、インフラの知識とスキルを高め、スペシャリストになる道があります。セキュリティ分野に特化してセキュリティエンジニアを目指すことも可能です。

また、インフラやネットワークに関する資格を取得して、データベースエンジニアやセキュリティエンジニアを目指すことも考えられます。業務に役立つ資格には、情報処理技術者試験、LinuC(Linux技術者認定)、CCNPなどがあります。

クライアントの課題解決にやりがいを感じる方は、IT知識を活かしてITコンサルタントへと進むのもよいでしょう。

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未経験からインフラエンジニアになるために知っておきたいこと

マークアップエンジニア

マークアップエンジニア

Webデザイナーが設計したサイトデザインをもとに、HTMLやCSSを用いたコーディングや、画像のレイアウト設計、タグ付け、配置の調整などを行います。そのため、HTMLとCSSのベースとなるスキルが必要になるほか、Photoshopなどを使用した画像加工も求められることがあります。

コンテンツの意図と目的、内容を理解して、文章を構造化し、検索エンジン最適化を行いつつ、ユーザーにも読みやすいマークアップを図るなど、ディレクターやデザイナーの意図を汲み取ったうえでコーディングするセンスが必要です。

マークアップエンジニアの仕事の品質は、 UX(ユーザー体験)にも影響するため、サイト全体の出来栄えを左右する存在とも言えます。

マークアップエンジニアとHTMLコーダーとの違いは、SEOの知見やユーザビリティ、サイト全体のアクセシビリティへの配慮を含んだ構築ができるか否かという点です。また、制作現場の各部署と綿密なコミュニケーションを取る作業が必要になるため、ヒューマンスキルも求められます。

マークアップエンジニアのキャリアパス

マークアップエンジニアのキャリアパスを考える際は、人工知能技術の進歩などにより、マークアップエンジニアの活躍の場が減少する可能性があることも視野に入れておくとよいでしょう。

例えば、HTMLのスキルやJavaScriptのプログラミングを習得してフロントエンドエンジニアを目指したり、Web制作の経験を活かしサイト設計の企画段階から提案・企画するディレクター職を目指したりする道もあります。

マークアップエンジニアは、ユーザー目線で思考することが多い仕事です。その経験を活かし、WebマーケターやITコンサルタントになることも可能です。

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組み込み(エンベデッド)エンジニア・IoTエンジニア

組み込み(エンベデッド)エンジニア・IoTエンジニア

さまざまな機械類に組み込まれている制御システムを設計・構築するエンジニアです。身近なものではスマートフォン以前の携帯電話や、カーナビ、カメラ、MP3プレイヤーなどの電子機器類、産業分野では小型から大型までのさまざまな産業機器の開発・生産が中心でしたが、最近はIoTの発達により、需要が急増しています。

組み込みエンジニアに必要とされるのは、ハードウェアの知識のほか、C言語系やJava、アセンブラなどのプログラミング言語のスキルです。とくに、C言語は細かなメモリやハードウェアリソースの管理を制御しやすいため、組み込みの分野では必須とも言える言語です。同様に、アセンブラもハードウェアリソースを直接制御できる機械語なので、IoTの開発現場では現役で使用されている言語です。

組み込みエンジニアのキャリアパス

組み込みエンジニアは、専門職や管理職へのキャリアパスがあります。

開発経験を活かして、システムエンジニアなどの上流工程を担当するエンジニアを目指す道もあります。また、組み込みシステムに関する知識を追求して、エンベッドシステムスペシャリストを目指すことも可能です。

AIエンジニアになれば、さまざまな製品へ組み込むエッジAIの開発を行なう際に、組み込みエンジニアとしての経験が活きるでしょう。

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データベースエンジニア

データベースエンジニア

データベースエンジニアは、データベースに特化したエンジニアです。企業が保有する大量のデータを保管・運用し、データベースの設計や構築を行ないます。

ビッグデータのビジネス利用が重要視されるようになり、あらゆる業種・業界でデータベースエンジニアの需要が高まっています。

データベースエンジニアは、Oracle Database、Microsoft SQL Server、PostgreSQL、MySQLなどの、リレーショナルデータベースに関する知識が欠かせません。データベースのアクセスや定義を行なう際は、SQLを書くスキルも要求されます。

最近では、データベースサーバをクラウドに置くことも増えており、クラウド型データベースの知見が求められることもあります。

データベースエンジニアとしてのスキルを証明するには、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験「データベーススペシャリスト」の取得がおすすめです。高難度試験ですが、知名度が高く、取得することで人事評価アップが期待できます。

データベースエンジニアのキャリアパス

データベースエンジニアには、おもに2つのキャリアパスがあります。

一つは、データの解析・活用スキルを伸ばすことで、データサイエンティストになる道があります。データベースエンジニアとして培った、データベースを扱うスキルを活かし、さまざまな現場で活躍できるでしょう。

もう一つは、ビッグデータやデータベースの知識を強みとしたコンサルタントになるという選択肢です。企業の抱える課題を解決するため、IT技術を用いることが一般的になっています。データを活用することで、説得力のある提案もできるでしょう。

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クラウドエンジニア

クラウドエンジニア

近年、開発スピードアップやコスト削減のためにクラウドサービスを使う企業も増えてきています。また、新規の開発ではインフラ環境をクラウド上で構築することも珍しくありません。そこで、クラウドの開発や導入、管理をするクラウドエンジニアの需要が伸びています。

クラウドエンジニアの具体的な仕事内容としては、クラウド上のインフラ設計、システム環境構築、保守や運用などがあります。OSやミドルウェアの知識などのインフラ知識も必要で、加えてクラウドツールに関するスキルの習得をしなければなりません。

インフラエンジニアには、インフラに加えてクラウドに関する知識・技術も求められます。幅広い専門スキルを要求される仕事ですが、それに比例して収入は高めといわれており、腰を据えて目指す価値のある職種といえます。

クラウドエンジニアのキャリアパス

クラウドのビジネス利用が進み、クラウドエンジニアの知見はさまざまな分野で役立てることができます。例えば、クラウドエンジニアのキャリアパスには、クラウド分野を追求してスペシャリストとなる道があります。最新テクノロジーに触れながら、第一線で活躍したい人におすすめのキャリアパスです。

また、クラウド技術を活用してクライアントの悩みを解決するコンサルタントや、現場経験を活かしてプロジェクトマネージャーになる選択肢もあります。

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その他のITエンジニアの種類

今まで紹介してきた以外にも、IT分野にはさまざまなエンジニア職があります。この章では「セキュリティエンジニア」「セールスエンジニア」「サポートエンジニア」「社内SE」「テストエンジニア」の5職種を紹介していきます。

この5つのエンジニアは、エンドユーザーのための開発を行ったり、商用の環境を構築したりするエンジニア職とは異なり、エンジニアとしての知識と技術を活かしたサービスを提供する種類のエンジニアです。

属人性が高く、ヒューマンスキルを活かす職業なので、需要はいずれも高くなっています。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニア

情報セキュリティの専門的な知識を活かし、システムの設計や構築・運用を行うセキュリティのスペシャリストです。セキュリティシステムをクライアントに提案し、必要となる機器や運用形態、また運用するネットワークの状態などを考慮したうえで、セキュリティシステムを設計、実装します。

セキュリティエンジニアは、企業情報の漏洩を防止するという責任重大な役割を担います。サイバー攻撃の可能性や侵入を考慮しながらセキュリティシステムを構築する必要があるため、エンジニアとしての高い技術力と、開発を円滑に行なうためのヒューマンスキルが求められます。

セキュリティエンジニアは、サーバエンジニアやネットワークエンジニアからのキャリアアップとして目指す人が多い職種です。さらなるキャリアアップとしては、企画・提案を行うセキュリティコンサルタントやホワイトハッカーなどがあります。

高いセキュリティ知識と技術を持つセキュリティエンジニアは圧倒的に数が少なく、慢性的な人材不足が続いていますが、サイバー攻撃の激化が予想されることを踏まえれば、今後も需要は増加する見込みです。

セキュリティエンジニアのキャリアパス

セキュリティエンジニアは、情報セキュリティ技術を活かして多彩なキャリアパスを描くことが可能です。

個人情報をいかに保護するかは、多くの企業にとって大きな課題となっています。セキュリティエンジニアの知見を活かしてコンサルタントやアナリストになれば、クライアントに対してより最適な提案ができるでしょう。

また、セキュリティエンジニアの技術を極めて、ホワイトハッカーを目指すことも可能です。また、セキュリティエンジニアとしての実績があれば、フリーランスとして独立する道もあります。

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セールスエンジニア

セールスエンジニア

メーカーやIT業界で、エンジニアとしての技術的な知識をもとに、顧客へのアプローチとヒアリングから導入後のサポートまでを担当する営業職を指します。一般的な営業職とは異なり、エンジニアとしての知見があるので、自社製品の技術的な側面を理解したうえで解説・説明できるというメリットがあります。顧客の質問に即答できるだけでなく、製品の強みや付随するサービスをアピールすることも可能です。電子機器などが台頭・普及していることもあり、需要は増加傾向にあります。

セールスエンジニアには技術的な知識とスキル、さらに営業職としても高い水準のコミュニケーションスキルが求められるだけでなく、常に最先端技術に対する高い理解度とトレンドに対するアンテナも求められます。IT技術に精通し、かつ顧客のニーズを汲み取ったうえで提案しなければならないため、「基本情報処理技術者」「応用情報処理技術者」の他、「ITストラテジスト試験」も資格としてはおすすめです。

セールスエンジニアのキャリアパス

セールスエンジニアは、営業とエンジニアの知見を兼ね備えているため、いずれかの業務に特化していくというキャリアパスがあります。

ITスキルを高めることで、システムエンジニアやインフラエンジニアなどの上流工程を担当するエンジニアを目指すことが可能です。営業として培った提案力を生かし、ITコンサルタントを目指すこともできます。

また、セールスエンジニアの経験を積みつつ、マネジメントスキルを習得することで、セールスマネージャーなどの管理職への道もあります。

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サポートエンジニア

サポートエンジニア

自社サービスや製品について質問や問い合わせをするユーザーの窓口になり、技術的なサポートを行うエンジニアです。活躍の場も多く、優れたコミュニケーションスキルのある人材は高い需要があります。

実際の業務では、「製品を導入したときにうまくいかない」「おかしな挙動をする」などのトラブルや疑問を解決に導いたり、セットアップ手順を解説したりします。また、クレーム対応や、機材の破損に対して修理サポートを案内することもあります。

サポートエンジニアは、エンジニアとしてはめずらしく「エンドユーザーと直に接する仕事」をする職種です。長く活躍するためには、自社製品への理解を日々深化させ、IT知識や問題解決能力、コミュニケーション能力を日々磨くことが大切です。

サポートエンジニアのキャリアパス

サポートエンジニアには、課題解決力やコミュニケーション能力を活かしたキャリアパスがあります。

例えば、マネジメントスキルを身に付けて、マネージャーなどの管理職になる道があります。ステークホルダーやメンバーと接する機会も多く、サポートエンジニアとして培ってきたコミュニケーション能力が活かせるでしょう。

また、若手エンジニアの教育や育成などの講師になる方もいます。ITプロダクトに関する多種多様な課題に向き合い、ユーザーの悩みを解決してきた経験は、後進の育成にも役立ちます。

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社内SE(社内システム企画)

社内SE(社内システム企画)

社内のIT環境やシステム改善を実施するのが、社内SEと呼ばれる職種です。社内で必要とされているシステムを把握し、小規模システムの開発などを担当します。また、企業内で運用しているシステムやデータベースなどを効率的なものに改善したり、ベンダーに依頼して新たなシステムを構築したりすることもあります。

社内SEにとっての「顧客」とは、自身が所属している企業です。そのため、クライアントからの納期に追われることは基本的にありません。

社内SEは多彩な業務を担うため、幅広い知識やスキルが求められます。自社の業界知識・IT知識に加えベンダーと交渉する話術や説明力も必要です。多くの部署とのやり取りもあるので、コミュニケーション能力も求められます。

社内SEのキャリアパス

社内SEのキャリアパスには、社内SEとしてほかの企業に転職するという選択肢があります。企業の規模によって業務の内容や範囲が異なるため、転職前に自分がどのような業務に携わりたいのかを明確にしておきましょう。

従業員数が100名未満の企業の場合は、社内SEも少人数であることが一般的です。システムの企画、開発、運用、保守、ヘルプデスク業務など、幅広い業務を担当することになるでしょう。

社員数の多い企業の場合は、複数の社内SEで業務を分担することが多いです。特定の業務に従事する場合は、その分野のスペシャリストとしての役割が期待されます。

また、マネジメントスキルを身に付けてプロジェクトマネージャー職を目指したり、経営戦略やビジネスの知識を習得してITコンサルタントを目指すという道もあります

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テストエンジニア

テストエンジニア

テストエンジニアは、構築されたシステムの動作をチェックし、欠陥や不具合がないかを確認する職種です。テスト計画を作り、テストの実施や検証を行ない、バグや設計ミスの発見や、仕様書との照らし合わせを行ないます。

テストを行う対象は企業によって異なり、ソフトやハードウェアのメーカーであれば自社製品、テスト専門企業であれば幅広い製品やソフトウェアを試験します。

テストエンジニアは、商品の品質を左右する重要な役割を担っています。従来、テストはSEやプログラマーを目指す人が最初に担当する業務とされていました。しかし近年では、セキュリティやクオリティなどをより高めるため、ハイスキルな人材を求める企業も増えています。

テストエンジニアのキャリアパス

テストエンジニアのキャリアパスには、実務経験を活かしたキャリアと、プログラマーやシステムエンジニアになる道があります。

テストエンジニアのスキルを磨いてスペシャリストになれば、テストの設計、テスト方法の提案、結果の判定、報告など、より精度の高いテストを行なうための業務に携われます。また、マネジメントスキルを身に付けてマネージャーになるのもよいでしょう。

他職種のエンジニアを目指す場合は、プログラミングを学んでプログラマーになり、開発経験を積んでからシステムエンジニアになるという選択肢もあります。専門性を身に付けたり、幅広い知識を習得することで、さまざまなキャリアパスが描けるようになります。

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どのエンジニアも需要は高い!自分に合ったエンジニアになろう

エンジニアにはさまざまな職があり、それぞれの分野で必要とされるスキルや需要、キャリアパスが見えてきたかと思います。

エンジニアは技術に特化した専門職でもあるため、総じて需要が高く、将来性のある職業です。若さが必要と思われがちですが、コミュニケーションスキルを求められるセールスエンジニアやサポートエンジニアの場合、40代から活躍している人も少なくありません。

求められるスキルや年収はエンジニアの分野によって異なるので、それらを基準に、目指したい分野を考えるといいでしょう。